東京散策
投稿者名:コピーキャット
投稿日時:(05/ 6/ 9)
「給料入ったんだが、なにが食べたい?」
最近、霊力が強くなり、実入りが多少良くなった横島である。
そんな彼に、シロはすかさず、
「刺身が食べたいでござる」
と言った。
「都内でとれたての魚を食べることが出来る穴場があるのでござるよ」
そこで、隅田川河口にやってきた横島とシロである。
「なるほど、確かに新鮮な魚がいるわな」
目の前は東京湾。
文珠を使えば、江戸前の魚が捕れほうだい。
そんな横島にシロは釣り道具を差し出した。
「ま、やっぱりこっちの方が楽しみが……」
シロが持ってきたものが、釣り道具だけでない事に気がつく横島。
「なあ、シロ、なにゆえ洗濯桶があるのだ?それになぜスクール水着を着ているのだ?」
それには応えず、シロはロープを洗濯桶に結ぶ。
そして、そのロープの端をつかむ。
「あ、俺、急用を思い出し『しっかり、捕まってくだされ!!』……」
逃げようとした横島、シロにむんずと捕まれ、そのまま、洗濯桶に押し込められる。
そして、堤防から一気に海にダイビング。
もちろんたらい船となった洗濯桶に強制的に乗せられた横島を連れて。
空と海が真っ青だ。
白いカモメに入道雲。
360度見渡す限り何もない。
こんな場所見たことねぇよ。
ああ、これが『南の島』と言うやつだな。
なんでだろう、涙が出てしまうのは。
「都内にもこんなに自然が豊かなところが残っていたんでござるな」
「都内じゃねーよ、こんなところは。絶海の孤島じゃねーか!」
「それより、早く、シマアジを釣るでござるよ」
そういや、こいつ、この前テレビ見ているとき、シマアジのこと、おきぬちゃんに聞いてたっけ。
おきぬちゃん、普通のアジよりさっぱりして、身がプルプルして、脂がのって、美味しいって言ったんだな。
なんで、そんなこといったんだろう……
「なぁ、シロ。俺は都内って言ったんだぞ」
「なにいってるんでござるか。『都内』でごさろう」
……東京都 小笠原村 沖ノ鳥島 1番地 2番地。
北緯20度25分、東経136度05分。
『東京』からは約1700キロ。
小笠原諸島父島から約900キロ。
シマアジの稚魚を放流していた都知事を恨めしく思う横島である。
追記:その後、某ロン毛の謀略によって、オカルトGメン沖ノ鳥島事務所所長に任命された横島であった。
今までの
コメント:
- ろろたさんの「嵐の中で」を読んで、何となく書いてしまいました。
たしかに、都内は広い…… (コピーキャット)
- バカな!シロが肉以外を?!
まず真っ先に出た感想はこれだったりします(笑)。
そしてスク水を着込んでいたというとこで、一体どういう服装で来たのかすごく気になったり。普段の格好ではおへそのあたりで見えてしまうような。まさか目の前で着替えたんじゃあるまいに。
臨海学校編ではじめて海を見たような子が今やすっかり長距離スイマーになったんですねえ。目印も何もない海の上で迷わず行き来できるのはさすがに野生って感じです。
ほんとに、この二人の散歩はいったいどこまで言ってしまうんでしょうね?文字通りです。 (九尾)
- すみません。「行って」が「言って」と間違えてました。 (九尾)
- いや、確かに東京都かもしれないけど、かもしれないけど・・・
何かが間違っているよシロちゃん(−−; (tomo)
- 初期GS美神っぽい"ヨコシマピーンチ"で終わる展開は
非常にそれらしいと思いました。
魚が好きな犬もいますしね。(狼でござるっ!!) (ししぃ)
- 追記がぶっちゃっけありえないので反対、内容は面白かったけど (暇人)
- 某国は言いました。あれは岩である・・と。
それに対し、某ロン毛が反論しました。人が住んでいる・・と。
こうして、横島は対○政策の一環として活躍するのでしたとさ。 (キリュウ)
- いや、オカルトGメン沖ノ鳥島事務所っても霊障なんてないのでは(笑) (ミネルヴァ)
- うむ!確かに都内だ!w
しかし、シロが知ってて横島が気がつかないと。wいいですね〜w
横島が学校をサボっているのが良くわかった瞬間でしたw (へのへのモへじ)
- ドッグフードの原料に魚肉を使うのは、結構普通と言うことで、人狼がドッグフード好きならば、魚も好物になるのでは、と。
沖ノ鳥島に関しては、あの島一つで日本列島本土とほぼ同じ面積の排他的経済水域を確保出来るということで、要衝の地であることは間違いないでしょう。
そこら辺に関しては、また書いてみようとは思ってます。
普通の感覚では都内とは気がつきません。
細野不二彦さんの「東京探偵団」では、活動範囲が都内ということで、三宅島が登場しましたが。 (コピーキャット)
- 単純におもしろかったです。
ただ、「追記」は少々蛇足だったかもしれませんね。それまでの物語からすれば「忠夫がエラい目に遭う→更に輝彦の手で同じような目に遭う」というのは構造や対象がカブっているので、オチとして余分な印象を受けます。これが例えば逆に「忠夫がエラい目に→忠夫がそれを利用して輝彦を陥れる」ような展開ならば、忠夫の感情の流れからしてもまだしも自然なのですが……インパクト頼みの掌篇と割り切って、いっそ附けなくてもよかったかも。
いや、本文そのものは(シマアジとか)おもしろかっただけに惜しいなー、と。 (Iholi)
- 普通 都内というのは東京23区内を指し
それ以外は都下という表現を使います
まあ、横島とシロがそれを使い分けることが出来るとは思いませんが・・ (sss)
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