ザ・グレート・展開予測ショー

二人の関係?


投稿者名:never green
投稿日時:(05/ 5/21)


この日、彼らに熱い日々がやってきた・・・。かもしれない。


事件の始まりは一つの仕事の依頼からだった。

「いい?ここに盗聴器を入れておくから、相手の情報をうまく聞き出すのよ」
「盗聴って・・・なんかGSの仕事の枠を超えてませんか?」
「なにか言った?」
「い、いえ。了解ッス!」

美神除霊事務所のメンバーである、横島忠夫は今日も所長によっていいようにパシられている。今回は特殊な能力を買われての仕事で、除霊の仕事とは全くの無関係だった。しかし報酬がかなり高かったので美神はもちろん引き受けた。

「気をつけてくださいね」

同僚のおキヌからの声援を背中に受けて一人の“漢”が戦場へと向かった。背中を向けられた彼女達はもちろん見が・・・ゴホンっ、見張り。


――――――――――――
  二人の関係?
――――――――――――


「話が違うじゃないですか!?美神さんッ」

戦場から帰ってきた“漢”がまず口にしたのはこの一言だった。服装はボロボロでいつも着用しているGジャンの裾からは銃弾によって作られた穴が複数見られ、トレードマークのバンダナは汗びっしょり染み込んでいる。

「あら、相手が麻薬密売組織じゃないとは言ってないわよ?」

にっこり、と最高の笑みで質問に彼女はこうのたまった。そう、またも横島忠夫は騙された。何年経ってもこの関係は変わらないだろう。『美神さんの行動パターンはお見通しよ!』とかどこかで言っときながら、思考パターンを読みきれないのはかわいそうと思う。しかし本人はそんな自分がカワイイと心の底で思っている。

「ッ―――こうなったら体で払ってもらおうか―――ッ!!」

 ボコッ バキッ 

「ま・・・まーまー」

改めて、何年経ってもこの三角関係は変わらない。





「じゃあ、私は用事があるから帰るわね」

「お疲れ様ーッス」
「お疲れ様です」

事務所に着くなり美神はすぐに身支度をした。今日は美神の母、美神美智恵と食事をする約束をしている。慌てた様子で部屋を出て車庫へ向かう美神に二人は挨拶をした。

しばらく経って夕方に入り横島も美神に続いて帰ろうとした。事務所のオーナーが不在なわけだし、ここに居座ってもすることは何も無い。

「じゃあ、そろそろ俺も帰るね」

おキヌの淹れてくれたコーヒーを飲み干し横島は、すっと立ち上がる。その場で背伸びをして外の様子を伺った。
雨は降っておらず、きれいな飛行機雲が直線状に伸びていく。

「あ、待ってください。夜ご飯食べていきませんか?」
「ん〜じゃあお願いするよ、おキヌちゃん」

相手の厚意を断る理由もなく横島は気持ちを受けとり、その答えにおキヌは笑顔を浮かべて右手にガッツポーズを作る。

そして、そのあと二人は・・・・・









一方の美神は快適に車を飛ばし目的地のレストランまで直行していた。ラジオから流れてくるメロディも鼻歌と交えながら聴いている。すると助手席から盗聴器の端末機が目に入った。何気なくスイッチを入れてみると、奥から横島の声が聞こえてくる。

「あ、横島クンに着けっぱなしだったわ」

気にしない気にしないと端末機の電源を切ろうと思ったが、問題の一言がそれを阻止させる。

<ザザッ・・ふふふふふ・・・もう逃げられないよ、おキヌちゃん>
<あん♪ソレを取っちゃ困りますぅ>

「なっ!?」

いきなりの怪しい会話に美神の顔色が豹変した。ラジオの電源を切りそちらに耳を傾ける。明らかに車の中の空気がさっきとは違う。そしてその空気が完全のヤバサへとなってしまう一言がスピーカーから放たれた。

<これでもう、俺のモノだね>

ぶちぃっつ

「横島ァァぁァあアああ――――!!!」

急変した美神は反射的にブレーキを踏み、車が行き交う大通りを無理やりUターン。そんなことを知る由はなく、二人の行為はますますヒートアップしていく。

<ああぁっ、そんなトコ攻められたら私・・・>
<そんなこと言って、おキヌちゃんまだまだ余裕じゃないの>

その様なやりとりは、もはや美神の耳には入らない。まず最初にすべきこと――――それは横島忠夫を狩ることだった。

<ああん、横島さん強すぎますぅ〜♪>
<ふふ、容赦はしないよおキヌちゃん>

そして高速道路の標準速度を遥かに越えた―――いや、ヴィスコンティも真っ青なスピード&ハンドル捌きで一般乗用車が走る国道を突き抜けていく。パトカー等とは比べ物にならないほどの彼女から放たれた・・・る、オーラによって周囲の乗用車は車線変更したとか。

<お、おキヌちゃん!そんな技どこで覚えたの?>
<いつも横島さんにやられてばかりですから・・・お返しです♪>

「“やられて”ぇ“ばかり”ィィイイイイィイ――――――――??!!!」

ブチブチブチィっ!




「よぉ、こぉ、しぃ、まぁ―――――――――!!!!!!!!」

 
―――――あぁぁぁぁぁ


 ―――――――――――あぁぁぁぁぁ

 
―――――――――――――――――あぁぁぁぁぁ・・・(ドラップラー現象)



夕方の綺麗な空に今から殺されるであろう、“漢”の名前がこだました。



<う、うわっ!お、おキヌちゃん、俺の金を手玉にとって・・・>
<えへへ・・・頂きま〜す。逃がしませんよ、この日のためにいっぱい練習しましたから>



    ・

    ・

    ・

  ドバカァン!!


壮大な音と共に人工幽霊一号の気も知らず、美神は豪快にドアをぶち開けた。そして着々と声のする方向へと近づいていく。音源からは甘い声が未だ続けられていて、さらに彼女の怒りのボルテージが上昇する。


ドバカァン!!


更にドアをぶち開け、ついに彼女たちの領域までたどり着いた。たどり着くこと約10分(通常一時間)。

「!?? 美神さんッ!?何で―――――――」

おキヌと横島はいきなりの美神の登場に―――――

ドガッ バキッツ グギャ ・ ・ ・ ・ ・ ・





=一部、描写を省きます。ご了承ください。=





「み、美神さん、どうしたんですか?今日は確かお食事じゃ・・・」

やっとこちらに戻ってきたおキヌが慌てて美神を宥める。折檻が終わったのはよかったが、すでに事務所に血の海が出来上がってしまった。

「おキヌちゃん!あのバカに何にもされなかった!?」
















「え?何の話ですか?」

きょとんとした顔でおキヌは逆に美神に聞き返す。冷静になって見てみると服装等は乱れた形跡はなく、部屋も荒れてはなかった。

「何の話ですか?って、おキヌちゃん―――――――これって・・・」
「ええ、横島さんとやってたんですよ

























      将棋を♪」






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