おでかけしましょ! / 後編
投稿者名:犬雀 + R・ハウンド
投稿日時:(05/11/15)
どうしましょうったらどうしましょう。
あうあうあう…うろたえつつも私はしっかり脱いでます。
備え付けてあった大判のバスタオルもしっかりと体に巻いてます。
妄想中にちゃーんと臨戦態勢になっているなんて…私って時々凄いなぁ〜としみじみ…してる場合じゃありまっせえぇぇぇぇぇん。
ど、どうしたら…と思っていたらガラガラと隣で戸の開く音がして。
ああ、きっと横島さんが着替え終わって露天に向かったんですね。
つ、つつ、つまり横島さんは覚悟を決めたと…そ、そういうことですね。
「わかりました横島さん…。」
グッと拳を握ってドアの外を睨みつけます。
曇りガラスの向こうに横島さんがいるはずです。
お待たせするのは乙女の恥です。そうなんです。今、決めました。
すーはーすーはー
深呼吸をして心を鎮めます。
ドアにかかる手が震えるのを勇気でカバー。大丈夫。いけます!
それでもやっぱり勢いよくとは行かなくて、ガラガラと遠慮がちに開いた扉の向こう。
湯気の向こうにこちらに背を向けている横島さんの姿が見えます。
今、ビクンと震えたのは横島さんも緊張しているってことかしら?
ちょっとだけ…ううん、かなりホッとしました。
少なくとも私と一緒にお風呂に入ってくれるってことですものね。
これってちょっとは私にも脈があるってことですものね。
あうう…なんかそんな風に考えたらお風呂に入ってないのに体が火照ってきました。
私はそーっと一歩踏み出します。
ひたひたと濡れた足音が近づいていくたびに横島さんの緊張が私にも伝わってきます。
そんなに緊張しないでください横島さん。私にも移っちゃいます。
「あ、あの…お邪魔します…」
「ど、どうぞ!」
私は白いバスタオルに包まったまま横島さんの隣にそーっと体を沈めました。
温かいお湯が体に纏わりついて思わず「ふーっ」とか言ってしまいそうになるのを必死に止めます。
だってなんかおばさん臭いじゃないですか。
でも…もし横島さんのところにお嫁に行って、そして銀婚式とかで旅行に行って一緒に温泉に入ったら…。
その時はきっと「ふーっ」って言っちゃうと思います。
それまでの我慢です。
温泉は家族風呂という割にはそれなりの広さがあって、横島さんと密着しなきゃ無いってことはありません。
ちょっとだけ二人の間にあるお湯の壁が暖かいような寂しいような、そんな気分にさせてくれます。
前のほうを見れば綺麗な渓流がありました。
やっぱり山の上なのか流れはかなり急だけど、透き通った水が渦巻く音はとっても私を安心させてくれます。
岩の上でこちらを見ている青い鳥はカワセミでしょうか。
それとも私の青い鳥?
もしかして幸運の印?
期待しても良いですか?
「あのおキヌちゃん?」
「は!はい!なんでありますか!!」
ビックリしたビックリしたビックリしたぁぁぁぁ。
突然、横島さんが話しかけて来ました完全に不意打ちです。
「ここって動物が多いね…」
「ええ。そうですね。」
もしかして横島さんもあの青い鳥を見たのかな?
私と同じ様なことを考えたのかな?
だったら嬉しいな。
けれど…
横島さんが見ていたのは渓流の対岸にいたモコモコの尻尾をしているキツネさんと絵の具が禿かけている柴犬さんでした。
キツネさんと柴犬さんは何だか恨みがましい目で私たちを見ていたかと思うと、後ろに下がりいきなりこちらに向けて走り出しました。
まさか!飛び越すつもりですかっ!?
あ…落ちた…。
あーーー。どんどん流れていきます…。
「きゅ〜〜〜ん」、「くお〜〜〜ん」
だんだん小さくなるキツネさんたちの姿を私と横島さんは湯に浸かったままぼんやりと見ていました。
大丈夫…ですよね?
「・・・・・・・・・なんだ、今の?」
横島さんは呆然として、渓流の流れ行く先を見つめています。
わたしも見てます。ううん、見てました・・・・・・かな?
でも、もうなんと言って良いか分かりません。
葉っぱや流木と一緒に、流れていったのは犬と狐・・・・・・。
ああ、鳥の鳴き声が耳に優しいです。
温泉に溢れかえる、いっぱいのお湯の音が素敵です。
さわさわ、と擦れ合う木々の音が、風鈴みたいで爽やかです。
渓流のせせらぎを打ち消してくれます。
流れ去る柴犬さんと狐さんの鳴き声も、今は遠くなっちゃいました。
渓流を飛び越えようとしたその覚悟。すごいです。
チャレンジャーって言うんですよね、ああいうの。
わたしってば気のぼせしてますねぇ、はい。
お湯のマジックです。温泉のご加護です。
ほこほこです。血の流れがどくどくです。
ついでに、気分は落ち着いちゃいました。
横島さんの驚いた顔もそのうち消えるでしょう。
湯煙の向こうに、というより横を向けば、すぐそこに彼の顔があるわけでして。
うん。30センチも離れてませんねぇ。
・・・・・・・・・・・・考えてみたら、かなりすごいシチュエーションじゃないですか、これ?
「・・・・・・ねぇ、おキヌちゃん」
うあああ、これはいけません! いけませんったらいけません!
『嫁入り前』なんて言葉が有名無実です。
週刊誌モノです。昼ドラモノです。恋愛小説モノです。
いやいや、少女マンガクラスかもしれません。
きゃーきゃーきゃー。
身体の中と外から熱気むんむん、火がぼーぼーです。
氷室キヌ、火山脈の上で燃えつきそうです、マイ・ハート。
「ななななな、なん、で、しょうかっ! 横島さんっ!!」
上擦ってます上擦ってます。声が裏返ってます。完全な裏声です。声楽でいうファルセットです。
ああああ、そんなびっくりした眼で見ないで下さい、横島さんっ。
でも、よくよく見ると、横島さんもなんか驚いているみたいですね。
いや、私にだけじゃないって意味です、はい。
「まぁ、とにかく・・・・・・熊だね、おキヌちゃん」
「ええ、くまっちゃいますねぇ・・・・・・って、熊ぁっ!?」
あああ、なんてくだらないシャレを言っちゃったんでしょう!
舌がもつれたせいなんです! わたし、氷室キヌは乙女です!
オヤジさんギャグなんか言わないんです!
あ、うっかりしてた。確かに熊がいました。
横島さんが指差す先には、大きな熊さんがいます。
まぁ、立派な熊さんですねぇ。渓流の向こう側に2本足で仁王立ちです。
ある日、森の中で出会えるような熊さんです。
湯船の中から眺める熊さん。なかなか乙な物です。
こっちに来さえしなければの話ですけど。
・・・・・・・・・・・・あれ?
「こっちに来るね、おキヌちゃん」
「そうですね、横島さん」
わたしたちののんびり風味も相当なものだと思いますけど、とにかく熊さんは川を渡り始めました。
ざぶざぶざぶざぶ。すごい音です。波を切り裂いています。
気のせいでしょうか。頭の部分の毛が綺麗な亜麻色をしています。
どこかで見たことのある毛並みと色です。
手にしているのは鮭ではありませんでした。
青白く輝く紐を握っています。いえ、鞭のようなものですね。
「わぁ、あれで鮭を取るんでしょうかねぇ」
「へぇえ、熊公も頭が働くもんだなぁ」
わたしたち、のぼせる寸前じゃないでしょうか?
まぁ、とにかく熊さんは少しづつ、こっちに向かってきています。
ああ、そうそう。あの紐あの紐。
ようやく名前を思い出しました。
『神通鞭』ですね。美神さん愛用の。
・・・・・・・・・・・・今、わたし、何かとてつもなくイヤな予感を感じました。
「横島さん、上がりましょう! そして逃げましょう!!」
「わっ、な、何だ!? いきなりどうしたの、おキ・・・・・・」
「熊です! あの熊は悪い熊なんです! わたしたちを襲う気ですっ!!」
「え、いや、でも、温泉には囲いが・・・・・・」
四の五の言ってる間に、熊さんは・・・・・・いえ、きっと美神さんですね。
囲いのてっぺんに神通鞭を巻き付けて、ひらりと身も軽やかによじ登ってきました。
すごい熊さんです。サーカスなら喝采は間違い無しです。
「うおおおっ、な、なんじゃあの熊は!?」
そりゃびっくりしますよね。
けど、美神さん。何で熊なんでしょう?
きっと『エクトプラズム・スーツ』っていうのを纏っているんでしょうけど。
そこまでして正体バラしたくないのかなぁ。
あ、いけない。温泉に入りすぎたせいで、頭ぐらぐらです。
・・・・・・って、やばいじゃないですか!?
ああああっ、なんでただのデートがこんなことになっちゃうんでしょう!?
ひどいです、神さま!
わ、熊が飛びました。超高度のジャンプです。
月面宙返りまでやってますねぇ。鞭の煌きが綺麗です。
「わー、熊が飛んだー!!」
「ぐわー!!」
すごい叫び声です。ごめんなさい、横島さん。
せめてものお詫びに・・・・・・って、わけじゃないですけどぉ!
わたし、しがみつきます、はい。
あー、温泉に入ってて良かった♪
「見つけたべ、この悪魔の熊め!!」
あれ、なんかヘンなおじさんが、これまた川向こうから飛び込んできました。
猟師さんでしょうか。熊の毛皮を被って、手にはすごく大きな猟銃を持ってます。
わー、熊さんが慌ててますね。
銃口はまっすぐ、熊さんを向いてましたから。
「うがっ!?」
美神さん、人の言葉が話せないんでしょうか?
エクトプラズム・スーツを着ると、そうなっちゃうのかな。
「熊を求めて三千里! 自分で名乗るもおこがましいが、人呼んで『流浪のマタギ・厳さん』たぁオラのことだ! 覚悟しやがれ、このデカブツが!」
どばどば、って音が2回響いて、大きな木が簡単に吹き飛んじゃいました。
大慌てで熊さん・・・・・・じゃない、美神さんが逃げていきます。
来た川を逆戻りしてますね。あ、潜った。
っていうより、溺れた?
「おのれ、逃がしたかっ! 逃げ足のはえぇヤツだ!」
荒っぽい人ですねぇ。自己紹介しながら熊を撃つ人なんて初めて見ました。
あ、でも、横島さんが庇ってくれたのは嬉しかったけど、ね。
えへへ。
「2人とも怪我はないだか!? あの熊に襲われて命があるヤツぁ儲けモンだべ」
「いや、正確には襲われる前だったんだけどな」
「ありがとうございました。おかげで助かりました」
銃に弾を込める猟師さんは、厳しい顔を崩していません。
また熊さんが来ることを考えているのでしょうか。
うわ、来られても困るなぁ。
わたしはタオル一枚なので湯船に身を隠しました。
横島さんだけは、腰に巻いただけの姿でも平気そうでしたけど。
「おっさん、あの熊、有名なのか?」
「んだ。ありゃあとんでもねぇ熊だ。おらにはわかる」
確かにとんでもないです。
美神令子って名前です。
報復を決して忘れない熊さんです。
あ、なぜでしょう。暖かいはずなのに寒気が走りました。
「そんなにひどいのかよ?」
「ひどいのひどくねぇの。畑は荒らす作物は喰らう。動物は野生どころかペットも喰らう。山を根城に半径100キロを荒らしまくる、とんでもねぇ怪物だべ」
すみません、猟師さん。
さっき撃ったの、別の熊さんです、たぶん。
「や、やべぇ。そんな化け物だったのか・・・・・・今頃になって震えが来た」
「心配は無用だ。このおら、『流浪のマタギ・厳さん』が来たからにゃぁ大船に乗った気でいるだ。次にあったら必ず撃ち殺してやる」
「気持ちは嬉しいが逃げるのが先だ。おキヌちゃん、帰ろう。ここにいたんじゃ、温泉の名の通り、オレら屍になっちまう」
慌てふためく横島さんの意見に私は頷きました。
ただし、熊だからじゃありません。
相手が美神さんだからです。あの人は復讐を忘れない人です。
「心配すんな。おらの腕は百発百中だべ。『東北のビリー・ザ・キッド』たぁおらのことだ」
「ガンマンやないか、そりゃ! 第一どこが百発百中だ。さっき外してたろーが!」
「細けぇこたぁ気にするでねぇ。今度当たりゃええんだ」
「初っ端に当たらなきゃ困るんだよ! とにかくオレたちゃ逃げる。命がいくらあっても足らへん。女の子だっているんだ」
あ、心配してくれてるんだ。
場違いかもしれないけど、やっぱり嬉しかったりしちゃいます、はい♪
って、幸せなひとときって短いんですねぇ。
また美神さんが来たんですよ。怒りに身を震わせながら。
なんと温泉の玄関口からです。
がらっと引き戸を開ける様は、なんだかアニメ映画のようでした。
「だーっ、また来たー!」
「おおう、リベンジかぁ! ええ度胸だ! さすがは伝説の悪魔の熊と呼ばれたヤツだべ!」
「なに、伝説?」
「んだ! あの熊こそ、伝説の悪魔の熊。その名も『鳥カブト』だー!」
・・・・・・確かに頭髪の部分は、赤みがかってますけど。
あ、熊さんの身体が震えてる。
そうとう怒ってますね。どうしよ?
「うおおお、すげぇ迫力だ・・・・・・」
「見るだ! あの真っ赤な眼光を! 人の命を喰らって生き延びてきた悪魔の目だべ! 人間に例えるなら強欲な金貸しの目だ! 金銭に目が眩んで、欲の塊さなった鬼畜生だべ! マタギの正義に賭けて、おらが許さねぇ!」
歯軋りです。熊さんの歯が軋みまくってます。
真実を知っていることとはなんて困りモノなんでしょう。ああ、お湯にのぼせていて良かった。
冷静に、というか半分ボケてますけど、思考は落ち着いたものです。
美神さんの殺気と怒りを、丁寧に分析できてます。
帰った時が怖いなぁ。
「おおっ、すげぇ殺気だ! ふっふふふふ、おらの気配を読んだだな! さすが悪魔の熊だべ。『東北の赤い雨』と呼ばれたおらの血が騒ぐだよ!」
「『ビリー・ザ・キッド』やないんかい!?」
「くらえ! オラの渾身の一撃を!」
銃を構えて駆け寄った猟師さんは、あっさりと鞭に弾き飛ばされました。
しかも銃まで取られてます。あ、弾丸の束まで。
ちゃきっと音を立てて、銃を構える熊さんは『ターミネーター』のようでした。
「あっ、おらの愛銃『ジョージ・ヤマモト3世』がぁっ!?」
「あんたホントにマタギかーっ!?」
話す間も惜しく、横島さんはわたしを抱え上げると、走り出しました。
すごい速さです。やっぱり横島さんって、見かけによらず力持ちさんなんですね。
そういえば、湯煙に隠れてよく見えなかったけど・・・・・・。
け、けっこう、たくましい身体つき・・・・・・してましたね。
きゃーきゃー! もうっ、わたしったらっ!
あ、猟師さん、まだ戦ってる。
「なめるでねぇ、この熊公が! ならばおらの愛銃のコレクションをお見舞いしてやるだ! 見よ、『サブロー・キタジマ23世』をっ!」
「どっからマシンガンを出しやがったー!」
銃撃戦が始まりました。
ここ、確か、温泉ですよね?
横島さんはわたしを抱え上げながら、逃げ惑っています。
「アホなー! ただの買い物だったはずやのに、なんやねん、この騒動はー!!」
「デートなのにぃ! デートだったはずなのにぃ!!」
逃げながら、私は涙ぐんじゃいました。
あ、誤解しないでくださいね。怖いけどそれだけじゃないんです。
なんと! 横島さんが!
『お姫さま抱っこ』してくれてるんですっ。
あああああ、幸せです。言うことなしです。もー絶好調なのです。
デートじゃ味わえない、ことかもしれません。街中じゃさすがに恥ずかしいし。
しかも…しかも!
バスタオル一枚で裸でほとんどヌードでのお姫様抱っこですよ。
これはもうアツアツ新婚カップルでさえ滅多に出来ないフュージョンじゃありませんか!
もう…もう…もう…死んでもいいかも…いえまだ死にません!
死んで花実になるものかっ!
だけど…私の体はどうやらとっくに限界だったようで、ふしゅ〜と頭から何かが抜ける音がして…私はそのまま気を失いました。
ガタンゴトンと心地よい振動が私に目覚めを運んできます。
ゆっくりと目を開けるとそこは電車の中でした。
え?あれ?たしか私は横島さんと混浴して…抱っこされたんじゃ…。
「えうっ!」
「あ、起きたんだおキヌちゃん。」
「よ、よ、よ、横島さん!あれ?あれ?混浴は?!」
その途端に横島さんの顔が真っ赤になります。
しまったぁぁぁ!わ、私ったらお目覚め一番の台詞が「混浴」ですか?!
何をやってますか私っ!
「んー。それがクマが出ただろ。それでおキヌちゃんが気絶しちゃったもんだからさ、温泉の人が申し訳ないって…」
「はぁ…」
「んで、料金とかタダにしてくれてさ。お土産もこんなに。」
横島さんが見上げた網棚には売虎温泉とかかれた紙袋がたくさん乗ってます。
でもでも!そんなことより気になることが!
「わ、私の着替えは…」
も。もももも、もしかして見た?見られた?
ダクダクと汗が出てきます。ちゃんとお手入れしてましたよね。大丈夫ですよね。
何を?とか聞かないでください。乙女の秘密です。
「温泉の女将さんがしてくれた。」
「そ、そですか…」
肩から力が抜けます。嬉しいような、残念なような…って何を考えているんでしょう私。
ふう…と溜め息が漏れます。
変だな…本当は普通の女の子みたいにお買い物して、映画とか見てってデートのはずだったのに…。
「ん?どうしたのおキヌちゃん?」
「いえ…なんでもないです…。」
なんだか哀しくなって見た電車の窓は真っ暗で、ちょっと沈んだ私の顔が夜露に濡れた窓に映っていて…。
いけない…横島さんの前で悲しい顔なんかしちゃ駄目。
すっと頭に手が乗せられて、「あれ?」と思う間もなく私の頭は横島さんの肩の上に乗せられました。
「ふぇ?」
「おキヌちゃん疲れたんだろ?今日は色々あったしさ。」
「え?いえ…そんな」
「ん。いいから。俺の肩で良ければ貸すからさ。」
「は、はい…」
ミスDJ、キツネさんと犬さん、それにクマさん。本当にありがとうございます。
計画とは凄く違ったけど、でも、私はとっても幸せです。
ガタンゴトンと揺れる電車の響きも、そしてすぐ身近で感じられる横島さんの体温も、そのすべてが私を心地よい眠りに誘ってくれます。
ゆっくりとぼやけて行く私の耳に横島さんの声が聞こえてきて。
「今日は楽しかったね。」
「はい」と小声で答えるのが精一杯だった私は、そのままこの幸せに身を委ねて目を閉じました。
ちなみにこの電車が最終で乗り遅れたキツネさんと柴犬さんとクマさんが売虎温泉で自棄酒をカッ喰らっていたなんてことは、今の私にはどうでもいいことだったのです。
おしまい
今までの
コメント:
- ども。犬雀です。
いや本当に最初この話を持ちかけられまして焦るやら、犬で良いのか悩むやら大変でした。
即興リレーなんて無謀な試みだと痛感いたしてます。
それにしても良い勉強になりました。
機会を与えてくださったロックハウンド様には大感謝であります。(平伏) (犬雀)
- どうも、ロックハウンドです。
最初、犬雀さんにお話を持ちかけたときには、受け入れてくださるだろうかとドキドキ物でした。
ですが即興という、良く言えばジャム・セッション、悪く言えば行き当たりばったり?(笑) そんな楽しさを犬雀さんとのリレーで体験できました。
こちらこそ勉強になりましたことを犬雀さんに感謝しつつ、皆さまにも楽しんでいただけますよう。
ありがとうございました(一礼) (ロックハウンド)
- お二人とも投稿お疲れ様です。
笑いあり、お色気あり、妄想あり、野生動物(?)あり、と楽しく読ませてもらいました。 (いも)
- いやぁ、読んでてお二方のおキヌちゃんへの愛情を感じまくりましたよ(笑)
横島君並の妄想を滾らせるおキヌちゃん……彼女もお年頃ですしねぇ。
若いって良いですね。うん。
むしろ横島君の方が引き気味なのが可愛いものです。
ティーンエイジャーの雰囲気。良いモノです。 (丸々)
- リレーや合作というスタイルですが、なんか面白さが倍どころか何乗にもなってます!!
おキヌちゃん視点からだったのが一番よかったような気がしました。なんて見てて楽しいんだ。 (九尾)
- 最高に面白かったです。
またぎのおっちゃんが出てくる辺りGS風味だと噛み締めてみたりしました。 (橋本心臓)
- こんばんわ、おキヌ者のとおりです。
この作品を読んでの感想。
「ふ、これでおキヌ者は後10年闘える」
暴走おキヌが、面白かったです(^^ (とおり)
- はっちゃけたおキヌちゃんは最高です。
確かにおキヌ者はあと10年どころか20年、30年闘えますね(笑) (X-5)
- トップクラスのお笑い作家(爆)
犬雀様とロックハウンド様、お疲れ様でした。
ハッチャケたおキヌちゃんと邪魔するくまっち、きつねっち、いぬっちのピエロっぷりが大好きになりましたw
>『流浪のマタギ・厳さん』
こやつの経歴をこと詳しく詳細知りたいと思う私は変でぃすでしょうか?
今回余り横島君の出番がない・・・
っつか、ボケも突っ込みもない!?寂しいっす・・・。 (シシン)
- な、なんちゅう豪華な作品なんじゃーー!!いや〜笑わしてもらいやした
さすが犬雀様とロックハウンド様じゃ
しっかしなんちゅうハッチャケぶり!はいそこの3匹、熊!!きつね!!犬!!
邪魔するんだったらオメーらも誘えやオイ!
そしておキヌちゃんもハッチャケて・・・一番まともなの横島!?
・・・前々から聞こう聞こうと思ったのですが、特に犬雀様の作品ってよくおキヌちゃん酷い目にあってません?」あとタマモも・・
タマモスキー&おキヌスキーっすか? (義王)
- いやあ面白かったですw
ハウンドさんのテンポ良い文と犬雀さんの痛快なギャグが融合して、終始テンパリ気味なおキヌちゃんがすごく生き生きとしてました(笑)
さすが屈指の実力者同士のコラボ、完璧です。
おキヌちゃんの脳内天使と悪魔とか、マタギの厳さんとかマジで笑いました。
この素晴らしさに嫉妬しながらも当然の賛成票をw (ちくわぶ)
- 暴走気味のおキヌちゃん、かわいいです。
流浪のマタギ・厳さんもいい味出してます。
文句なしの大賛成です。 (さばにこみ)
- 流されていく狐に柴犬。
撃たれて逃げる熊・・・・
迷銃「ジョージヤマモト」と「サブローキタジマ」
そして妄想が爆走するおキヌちゃん・・・・見事なお手並みを拝見し、感服いたしました。
で・・・・厳さんって何者やねん(爆) (おやぢ)
- こんなエサに俺様がクマー(挨拶)
しかし、即興リレーと言う無茶苦茶高いであろうハードルも、御両所にかかればこのように美事な結果を生むんですなあ……と、軽く嫉妬すら覚える傑作コメディぶり。
とまれ、充分に愉しませていただきました。 (臥蘭堂)
- いっぱいいっぱいで少し暴走気味の可愛いおキヌちゃんは勿論、傍で止まる事無く大暴走かましていた事務所の3人が…w
面白かったです。 (偽バルタン)
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