理想的な生き方
投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(05/ 5/ 5)
「私はTVヒーローになりたくてGSをやってんのよ!!」
「正義は勝つ!悪は滅びる!世の中はそうじゃなくても――GSの仕事ではそれが通用するはずよ!!」
かつて、そう叫んだ少女がいた。
少女は賢かった。世界はそんなに優しくなくて――GSの世界だけが例外なんて事はありえない。そんな事は本当は解っていた。
でも、自分の力で自分の周りだけはそう出来ると信じていた……
あるいは信じようとしていたのか……
間も無く少女は女になり、母になった。
そしてふとした事から自分の能力を知り……
そして魔族に狙われた。
女の目覚めた力は、時間移動能力者だった。
逃げた。時間を渡り、戦いながら逃げ延びた。
何よりも大事な、幼い自分の娘を抱えて。必死だった。
他の何よりも娘が優先で。助けられるのが大勢の他人と娘だったら、迷わず自分の娘を取った。
自分の大事な物を守る。そのために犠牲を出しても。女の正義はいつの間にか前とは少し、変わっていた。
そんな逃亡生活の中、より多くの人が生き残る為ならば少数の犠牲はやむを得ない事を悟った。
それは当たり前の事で。でも、ヒーローのやってはいけない事。
やがて未来へと時間移動した女は、自分の大事な娘とその傍にいた男の子の運命を知る――
女は、悩んだ。
そして女は結論を出す。
やはり私は正義に生きよう、と。
出来るだけ大勢が生き残る為に。
その為ならば自分も娘も、何だって犠牲にしよう。
それが、多分それこそが。
彼女の望んだ、理想的な生き方。
今までの
コメント:
- 『正義の味方』を志す者の抱く、断固たる決意……本放送ではないけど、仮面ライダーを栄養にして幼少期を過ごした人間(2号担当)として、そして、椎名先生の盟友・村枝賢一先生のファンとしても“正義”というものについて考えさせられる作品でした。
隊長・美知恵さんの“正義”がいかに変容していくか――さながら復讐のために組織に戦いを挑んだ歴代ライダーが、世界を救うために自らの呪われた機械の身体を傷つけながら“正義”のために戦うことを選んだかのようなもの……理想の『正義の味方』に近づいたその時を切り取ったかのような感じを受けました。
しかし、その結末は――――というのが、皮肉ではありましたが……ね。 (すがたけ)
- MAGIふぁさんの新作、楽しみにしてました〜。
美智恵さんの葛藤が伺い知れるエピソードですね。
親なら子には、何歳だって長生きしてほしいもんですが…。
理屈じゃない選択が、あったんでしょう。
…ところで、ギャグじゃないんでびっくりしました(^_^)
てっきり「全力で走れ」っぽいヤツかと思いましたんで。 (とおり)
- 美智恵さんってのほほんとしてますけど、その人生はとてつもなく波瀾万丈ですよね。
こう選択せざるを得なかったときも、割り切ったようなセリフを言っているときも、本当はすごく苦しかったんじゃないでしょうか。
それでも、自分と同じように他人には家族がいて、愛する人がいる。
それを天秤にかけるなんてヒーローには決してできないですからね。
深い作品でございました。 (ちくわぶ)
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