ザ・グレート・展開予測ショー

九尾物語 <1ページ目>


投稿者名:まぐまっぐ
投稿日時:(05/ 6/ 4)

※注意※
「九尾物語」は「そして長くて短い眠りへ」の続編ですのでそちらを先に呼んでいただいたほうが物語の流れがつかめてよろしいかと思われます。




とくん・・・


今まで何も聞こえなかった体の奥で生命の証が聞こえだす。


とくん・・・とくん・・・


段々とその脈動が早くなっていき、それに伴って私の体の感覚が徐々に覚醒していく。


とくん・・・とくん・・・とくん・・・・・・


そして・・・

私は長くて短い眠りから目を覚ました。





石から元の狐の姿へと戻った私は大きく伸びをする。

何年たったのかは分からないけど、こうして封印が解けたのだから無事にヨコシマとシロは転生を果たしたのだろう。

そして、私の予感が正しかったら今、二人は昔に私と出会ったころと同じ年になっているだろう。

それは、それは私が封印が解ける条件を『二人が転生してあの時の年頃になる』としていたから必然的にそうなったのである。

その理由は、通常赤ちゃんに誘惑しても全く意味ないし私が変な人だと思われるからだ。

でも・・・ヨコシマならもしかしたら赤ちゃんのころから煩悩かも・・・

転生したヨコシマ達に会えると思っただけで私は心が躍り、体の感覚が戻るまでそのようなことばかりを考えていた。





しばらく体を動かし、長く眠っていた間に鈍っていた感覚を取り戻してから人間の姿へと戻ってから辺りを見回してみた。

そこは私が眠る前から全く変わっておらず、神秘的な雰囲気が漂っていた。

感覚を集中させてみると、すごく懐かしく、そして愛しい霊気が二つ感じ取れた。

間違いなくそれはヨコシマとシロのものだ。

以前と全く変わっておらず、ヨコシマのものは力強くどこか優しさを帯びており、シロのは元気があふれているのが感じられる。

しかも、その二つはここからそう遠くない場所に感じられる。

ヨコシマ・・・シロ・・・!!

私は思わずうれしくなり、目覚めたばかりだということを忘れて二つの霊気が感じられるほうへと走り出した。





どれくらい走っただろうか?

私は息を切らしながらとある町にたどり着いていた。

そこは以前のいた時代の東京と似たような感じであるが、以前は少し田舎であったためにやはりかなりの時間がたっているのだろう。

ふと電光掲示板にうつった日付を見てみるとすでに200年以上がすぎていた。

つまり、私はすでに200年も眠っていたことになる。

ちなみに、私は眠っていた間は一切の生命活動をしていないから心も体も以前と全く変わっていない。

自分の感覚と現実とのギャップをを改めて実感しながらも私は先ほど感じた霊気を頼りに二人を探しだした。





県立盆納(ぼんのう)高校

その高校は少し町外れにあり小高い丘の上に立っていた。

そして、そこが私が二人の気を辿ってたどり着いた場所だった。

・・・これはあまりにもあいつにぴったりすぎる名前よね・・・こんな偶然ってあるのかしら・・・?

ふとそんなことを思いつつも私はあたりの様子を伺ってみた。

どうやらまだ授業中らしく、学校からは体育の威勢のいい声や教師が声などが聞こえてきている。

二人の霊気は依然学校の中から感じられるために私は学校が終わるまで外で待っておくことにした。





それから数時間後、私はチャイムの音とともに学校内がより騒がしくなりだしたのはきいてわれに戻った。

それまでの間私はずっと校門の前に立っていたが、それまでヨコシマとシロの思い出していたためにあっという間のように感じた。

実際、私は少しいけないことまでも思い出していたために時折真っ赤になったり身をよじったりしてしまったが、幸い高校がある場所は住宅街からは少し離れていたため誰にも見られることがなかった。

もし見られていたとした・・・危なかったわ・・・

そのようなことを考えつつも私は学校から数人の生徒が出始めたのを見て反射的に近くにあった茂みに身を隠した。

なぜそのような行動をしたのかは分からないけど、私はそのままずっと身を潜めて二人が出てくるのを待っていた。

段々と学校から出てくる人が多くなり、他愛もない世間話をしながら帰る生徒たちを傍目に、私は期待と高ぶりを胸に二人の霊気に集中して出てくるのをひたすら待つ。

そして少し人気が少なくなったころ、ついに二人の霊気が学校を出て校門へ向かってくるのを感じた。

どくっどくっと心臓がどんどん早くなっていくのを感じる。

「せん・・・で・・・ござ・・・!」

「・・・だ。・・はきび・・・らだ・・・!」

妖狐である私は人より耳がいいからそのような会話がかなり遠くからでも聞こえてくる。

それを聞いた私は一気に昔を思い出しながらも高ぶりを抑えることができなくなっていた。

ついにヨコシマとシロに会える!!

私はヨコシマに告白した時と同じくらい気分がたかまり、思わず飛び出したくなるのをやっとのことで抑える。

でも、そのせいで私は普段ならすぐに気づくようなことを気づかなかった。

それがいけなかったのだ。

じっと息を呑んで見守る中、とうとうヨコシマとシロは校門を出てきた。

その姿を見て、私は思わず茂みから出て叫んでしまった・・・・・・










「な、なんであんたが女装しているの!?」










そう、私が見たのは髪が長くセーラー服をきているヨコシマと昔と変わらない髪の長さだが男ものの制服を着ているシロの姿だった・・・・・・




今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY有志
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa