ザ・グレート・展開予測ショー

アシュ様の天地創造・神様無謀編


投稿者名:輝剣
投稿日時:(05/ 4/12)

「決めろ! それを壊して何もかも台無しにするか――ルシオラを助けるか・・・・・・!」
と、言う訳で横島は決めた。

ルシオラを助ける事を。

普通なら、ここからアシュタロスを出し抜く横島の活躍、あるいは美神達を切り捨てた苦悩が描かれるのだが、この投稿の本題ではないので割愛する。

美神やおキヌ達がどうなったかも関係はないので割愛。

これは、あくまでアシュタロスによる天地創造が成功した?世界のお話である。


ここは創造神となったアシュタロスの宮殿、その中枢たるアシュ様執務室。
今日も今日とて世界の発展の為、アシュタロスが仕事に励んでいた。
もちろん、腹心であり、パートナーであり、秘書兼お后のベスパも一緒だ。

「ベスパ・・・・・・」
「なんでしょうか、アシュ様」
だるそーに話しかけてくるアシュタロスにも笑顔で応えるベスパ。

「なんか、行き詰まってしまったな・・・・・・天地創造」
「えーと・・・・・・順調のような気がしなくもなくはない気がしますが・・・・・・」
アシュタロスを元気づけようとベスパが答えるが、アシュ様には嘘をつきたくない為か空回りをしている。

「ベスパ、お前は優しいな」
くしゃっとベスパの頭を撫でる。

「だが、目の前の現実は変わらん。 細々とした仕事に追われて処理しきれなくなっている」
アシュタロスのデスクの上には未決書類の山がうず高ーく、積み上げられている。
全て午前中に処理せねばならない物である。

世界を壊すより、作る方が何倍も大変なのだ。
ほんのちょっぴり、かつての最高指導者達の気持ちが理解できたアシュタロスだった。

「お前だって、書類をより分ける為に今日で三日は寝てないはずだ。 これ以上は体を壊すぞ」
「いえ、アシュ様の為でしたら、私、私・・・・・・」
「いいんだ。 私の為に今日は休め、ベスパ・・・・・・いいな」
「アシュ様・・・・・・」
メロドラマやってないで、さっさと仕事しろ(怒)。
土倶羅の演算処理にも限界があるんだぞ。

「・・・・・・とはいえ、このままでは仕事がたまる一方だ。 どうしたものかな」
真剣に悩むアシュタロスに、愛娘にして妻である秘書が控えめに献策する。

「あの、私などがこのような事を申し上げるのは差し出がましいかもしれませんが・・・・・・」
「何を言う。 お前は私の半身にも等しい者。 お前の言う事に耳を傾けないなどありえんよ」
アイデアが枯渇して煮詰まっていたアシュタロスは、渡りに船と大喜びで、発言を促す。

「ありがとうございます。 それで私の考えなのですが、以前の世界では創造神や最高神は、細かい事は配下の下級神や天使に任せていましたよね? それを採り入れて、アシュ様も下級神に仕事の一部をお任せになってはいかがでしょうか」

「なるほど! それは盲点だった。 早速、仕事を割り振るとしよう。 さすがだ、ベスパ。 これで、お前と二人きりの時間もとれるだろう」
「アシュ様、ありがとうございます」

旧世界を嫌うあまり、世界の構造を極力似せないように力を尽くしたアシュタロスだったが、自分とベスパだけでは処理できない事を認めて(いや、今でも細かい仕事は全て土倶羅ユニットの担当なのだが)、下級神に仕事を割り振りする事になった。




その1 ルシオラ&横島

結果的に旧世界を滅ぼす決断をしてしまったバカップルは創造神アシュタロスに呼び出されていた。

「来たな、二人とも」
さわやかな笑顔でアシュタロスが迎え入れる。

その笑顔に、逆に警戒を露わにする二人。
彼等も彼等なりにあの選択に思うところがあったらしい。

アシュタロスはそんな雰囲気を無視してにこやかに話を進める。
「今日来てもらったのは他でもない。 あの時の約束を果たそうと思ってな」

「「約束・・・・・・?」」
身に覚えが無くてあっけにとられる二人。

「うむ、新世界のアダムとイブにしてやろう、というあれだ」
「あの、アシュ様、もう既に横島と二人で暮らしておりますけれど・・・・・・」
「だが、パピリオもちょくちょくお前たちの所に顔を出す以上、ちょっと口に出すにははばかられる事とかはできてないだろう?」

「そーなんすよーっ! パピリオもかわいいいんすけど、もうちょっとルシオラと二人きりの時間が欲しいかなーなんて思うんすよねー」
アシュタロスの誘導に、理解者はっけーん、とばかりにのる横島。

「ちょ、ちょっと、横島! アシュ様の前でそんな事を・・・・・・」
「いやいや、それでこそ『人間の父』になる男だ。 そんな事もあろうかと、地上に君たちの新居を用意した。 防音対策もばっちりだから、しっかり務めを果たしてくれたまえ、横島忠夫、そして『人間の母』ルシオラよ」

新世界のアダムとイブとして、新世界の人類の祖となる事が、横島とルシオラに割り振られたお仕事だった。

アシュタロスの命令に興奮を隠しきれない横島。
「創造神様! 人間の父になれと言う事はルシオラと、あ〜んなことやそんなことをして、ウフンとかアハンとか言わせてもいーという事なんですね!」
「もちろんだ!! それだけではなく、原作では伏せ字や発禁処分になってしまうような事もオールオッケーだ! 君たちの愛を妨げるものは何もないぞっ!! いや、それどころか、はっきり言って、それこそが君たちの仕事だ。 大いにはげみたまえ、横島君!!」

「やりますっ! つーか、ヤります!! ヤらいでかああっ!!」
「そう言ってもらえると確信していたよ。 これが新居の地図と鍵だ。 生活必需品はとりあえずそろえて置いたから、心おきなく職務に励んでくれたまえ」

「わっかりましたーっ! 横島忠夫並びにルシオラ、特殊任務にイッてまいります!!」
横島はビシッと敬礼すると、話についていけずに呆然としている恋人を右手で抱え込んで、一目散に下界のスィートホームへと駆けだした。

「ちょ、ちょっと、横島!?」
新婚生活への期待で頭がオーバーフローを起こしている煩悩男は、最愛の人の声にも気付かず、本能だけで突っ走っていく。
どーでもいいが、失敗するなよー。

一人残されたアシュタロスはぽつりと呟いた。
「・・・・・・予想通りというか、欲望に忠実な男だな。 あれに任して大丈夫だろうか・・・・・・」
その予感、当たるぞ、多分。


そんな訳で、横島とルシオラはお仕事に励んだ。
具体的にナニに励んだかは不明だが、とにかく励んだのだ。
「ルシオラーっ」
「あんっ? そんな朝から♪」

えーと・・・・・・
そんなこんなで、だんだん家族は増えていき、子供達も両親の性質をしっかり受け継いで、子作りに励みまくって、さらにどんどんどん増えていきました。
まさに、産めよ、増やせよ、地に満ちよ。

あまりに増えすぎたので、「調子にのりすぎだ、馬鹿者」と大洪水を起こされたりもしましたが、順調に人類は増えていきましたとさ。 めでたし、めでたし。

「・・・・・・本当に、めでたいのだろうか? 男はみんなアレだぞ・・・・・・」
「ア、アシュ様、お気にやまずに。 道真を学問の神として下向させましたから、少しはマシになりますよ・・・・・・」
こうして、アシュ様の天地創造は、また一歩、理想から遠のいた。




その2 パピリオ

「ううむ、横島め、調子に乗りおって。 人間ばかりこう増えたのでは、世界が正常に発展せぬではないか。 やはり、人間の天敵を作って人口増加を抑制するべきか? だが、以前よりはマシとは言え、こう忙しくてはとてもそんな者たちを作り出す余裕はないな・・・・・・」
「それでは、パピリオに任せてはどうでしょう? あのコは、昔から動物を育てるのが好きでしたから、育成の神として下界に遣わしてはいかがでしょうか?」
 
アシュタロスは、愛妻の献策に、またしても大きくうなずきますが、同時に彼女を気づかいます。
「それは良い考えだ。 だが、いいのか? パピリオまで下界に行かせて? ・・・・・・寂しくはないか?」
「お気遣いありがとうございます。 でも、私はいいんです。 私はアシュ様のお側に置いていただければそれだけで。 ・・・・・・一番寂しいのはあのコなんです。 ルシオラも横島も下界に言ってしまって、私もなかなか相手をしてやれなくて、いつも独りぼっちです。 下界に行けば、ルシオラ達とまた暮らせますから」
寂しさをこらえ、健気に語る三姉妹の真ん中。

「・・・・・・そうか、苦労をかけてしまっているな、許せ、ベスパ。 パピリオにその仕事を割り振るとしよう」
アシュタロスは、ベスパを案じつつ、告げた。 夫より父としての顔で。 なんのかんの言いつつ、娘には甘いのな、父親って。


こうして、魔獣、妖怪を育てる女神パピリオは降臨した。

ルシオラや横島といつでも会えるようになったのと、趣味であるペット育成を公認された事もあって、最初はニコニコ顔だったパピリオだったが、だんだん悲しい顔をするようになった。

彼女のかわいいペットたちの仕事が、大好きなルシオラちゃんとポチの子供達を殺す事だと知ってしまったのだ。
悩んだ彼女はルシオラに全てをうち明けて、泣いて謝った。

ルシオラは、パピリオの話に驚いたが、ちょっと考えて妙案を思いつき妹にこう告げた。
「パピリオ、あなたの娘達と、ウチの息子達を会わせてみましょう。 きっと、大丈夫よ」

そう。 横島から子孫に伝えられた遺伝的特徴、「モノノケに好かれやすい」が事態の突破口となったのだ。
考えてみて欲しい。 「モノノケだろうと美しければかまわない煩悩男」達と「男にあまり免疫がないモノノケ娘」達が出会ったら、どーなるだろうか? 
妖怪には、人狼、化け猫、人魚、竜など人類と結婚できるタイプが結構いるのだ。

こうして、たくさんの人間&魔獣・妖怪カップルが誕生した。
そうなると、魔獣や妖怪もそうそう人間を襲う訳にはいかなくなった。
兄妹の夫や妻は、兄弟同然。 どうして、襲えようか。 骨肉の争いは誰しも嫌だ。

親戚づきあいがすすみ、混血が進むと人間と魔獣達が分け隔て無く、一緒に生活するのが当然になった。

もう、シッポがはえていようが、手が肉球だろうが、そんな事は関係ない。
スーツに身を包んだサラリーマンと猫耳の娘さんが、一緒に仕事をするという楽園なんだか、悪夢なんだがわからない風景がごく普通になったのだ。
仲良き事は美しきかな。 めでたし、めでたし。

「・・・・・・こ、これが、私の世界だと・・・・・・(クラッ)」
「ああっ、アシュ様、お気を確かに」

こうして、この世界はますますワケがわからなくなっていくのだった。
ああ、アシュタロスの理想の世界はどこに・・・・・・?


ベスパに土倶羅よ。 アシュタロスにはシム・シリーズとか、シヴィライゼーションとか、文明育成の古典名作ゲームでもさせておけ。 それが、世界とアシュタロスの精神衛生の為だ。 いや、別にギャルゲーの育成物でもかまわないが。




後書
どうも、5週間ぶりの投稿になります輝剣です。
アシュタロスが創造神となった世界で、GSキャラ達が神様になったら、どんな役割が振られるでしょう? という単純な配役の展開予測のはずが、こんな壊れ物になってしまいました。 ごめんなさい。
よろしければ神様の配役を書き込んでいただければ幸いです。
それでは、次は「小笠原エミ攻略・ブラドー島偏」でお会いしましょう(覚えている人がいればいいな・・・・・・)。

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