ザ・グレート・展開予測ショー

損な役職・1


投稿者名:おやじの戯言
投稿日時:(05/ 5/ 3)

「こらうまい!!こらうまいっ!!」
「よ、横島さん!?それ、ぼくがもらった弁当なんですけど」
「…うまい…、弁当なんていつ以来ジャろう…」
「タイガー!君まで勝手に…」
「セコいぞピート!どうせ食べきれないんだからいーだろ。」
「そうジャそうジャ。いつも良い目見てるんジャからこれくらい、いいジャろうが」
「そういう問題じゃ……」


教室での昼休みの風景。ピートが女子からもらった弁当を、横島&タイガーの貧乏コンビが強奪していると言ういつもの風景だ。


「僕が食べている…  と皆思っているんですよ?それを人にあげているなんて知ったら…」

「ばれる訳ねーだろ?わざわざ確かめる奴なんていねーよ。」
「それに食べ残された弁当を作った子は、それはそれで傷つくジャろう?」
「……それは…そうですけど…」
「「だから俺達が食べるのを手伝ってやってるんだよ(ジャよ)」」



「しかし……」とピートが反論しようとした矢先、メガネをかけた同級生が声をかけてきた。
「事務の先生が、お前らのこと呼んでるぜ。1階のトイレの前に来いってさ。」
「…ほんとか?なんでトイレの前なんだよ?」
「俺が知るかよ。ちゃんと行けよ?」


なにやら嫌な予感がするが、残っている弁当をたいらげてから行くことにした。(「もう食べちゃっていいですよ…」)















1階のトイレの前には事務の先生と愛子がいた。
「愛子さんも呼ばれたんですか?」
「なぁ、タイガー。このメンバーって…」
「…除霊委員ですジャ…ということは…」
「そのとおり。霊が出たって。でもどんな霊なのか私もまだ見てないわ。」
四人で話していると先生が声をかけてきた。
「どんな霊かは…見ればわかるぞ。できるだけ早く除霊してくれ。中に居るからまかせたぞ…」

先生は逃げるように行ってしまった。

「なんだぁ?そんな恐い霊なのか?」
角に消えていく先生の後姿を見ながら横島はつぶやいた。

「とにかく入ってみましょう。横島さん」



中に入っても、霊は見当たらなかった。


「確かに霊の気配はするんじゃがノー」
タイガーはすでに虎の姿になっている。
「どこにいるんでしょうか?」
周りをみわたしながらピートは言った。
「気をつけてよ?」
愛子が扉の向こうから声をかけた。

「…ちょっとまてい。愛子はなんで入らないんだ?」
「だって、ここ男子トイレじゃない。」
あたりまえじゃない。と言うようにさらっと言った。


「………妖怪のくせに。」
言うと同時にトイレ用の木製スリッパが飛んでいく
バキッ      頭に見事命中
「あだだだだ!テメエ殺す気か?」
「女性に向かってそんなこと言うからよ。」
「ちょっと二人とも静かにして下さい!それよりあれ、どう思います?」


ピートの指差した方を見ると、個室の扉が一つだけ閉まっていた。
今ここには、除霊委員の四人しかいないはずである。



「あからさまに怪しいな…」
「ワっシもそう思っとるところだったんジャー」
「……開けてみますか?」
「そうするしかないんじゃない?ほかに変なところはないし。」
愛子の言う通り、怪しい所はそこだけだった。



意を決してピートは取っ手に手をかけた。
横島は“栄光の手”を出すと身構え、タイガーもそれにならう。
二人と目配せしあってピートはいっきに扉を開けた

















そこには

和式便器の中から一本の太い腕がたっていて、ゆっくりと手招きをしていた。

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