みんなで集まってワイワイワイ。
投稿者名:トンプソン
投稿日時:(05/ 5/17)
と、ある日本の文化は。
国際共通語になり、アジアでは娯楽として定着している。
いや、そ
人間界の世情には疎い魔界、天界でもその文化は知れ渡っているのだ。
かつて仏教普及を守護したハヌマンは、今は下界にいるのだ。
「おーい、小竜姫、ちいといいモンを買ってきたぞ」
人が持つには重そうな重機も雲に乗って一飛び、
運送屋さんでも開けば儲かりそうな物を持っている。
「な、何を買ってこられたのですが?ハヌマン様??」
機械には疎い小竜姫様だ。
「ほれ、明日にゃジークや姉のワルが来るじゃろう。おもてなしに使える機械じゃ。
「・・・はぁ」
ハヌマンが買って来た重機を冷や汗交じりで見つめる小竜姫様に対して。
「うわっ!猿爺、ホンとにかってきたんでちゅか?」
遊び道具が増えたと喜びを浮かべるパピリオがそこにいた。
「ねぇ、猿爺、べスパおねーちゃんもよびたいでちゅ?いいでしょ?」
パピリオも明日二人が来るのはしっているようだ。
どうせなら大勢がいいと、懇願している。
その態度ややや体をくねらせて、幼いながらせくしーをアピールしている・・、つもりのパピリオ。
しれっとした目をする小竜姫に対して、こちらも満面の笑みを浮かべるハヌマン様。
これは孫が可愛くてしかたのない、という風体であった。
「おぅおぅ。呼ぶがよいぞ。どーせならヒャクメを呼ぶがいい、のぉ小竜姫」
「・・・はぁ、でコレは何ですか?」
未だにハヌマンが買って来た重機の使用意図が判らぬらしい。
そして一日がたった。
真っ先にやってきたのは。
「やほー。お久しぶりなのねー。パピちゃんも元気ー?」
ハイテンションでやってきたのは独特なイントネーションと100の色っぽい目を持つヒャクメさん。
「はーい、パピリオも小竜姫様も元気でちゅよ〜、どうぞ〜入ってくだちゃい〜」
みんなが来ないかと門前で待っていたパピリオである。
ぴょんぴょんと飛び跳ねて、小さいからだをアピールしていた。
・・・・鬼門は用無しである。
「でさ。ほんとーに、「アレ」ハヌマン様買ったの?」
「そうなんでちゅよ、えっへん!」
自分が買いに行ったワケでもないのに、えばるお子様が一人。
「でも、古いやつじゃないの?そしたらあまりはいってないよーな?」
少々の杞憂を持つヒャクメであるが。
「大丈夫でち、最新の「いんたーねっとはいせん」でちから、いーっぱい入ってるでち」
そんな話をしていると。
「姉上、ここに来るのも久しぶりですな」
「そうだねぇ。お前はここで武官訓練もしてもらったとか、あのハヌマン」
「左様です。姉上、今でこそ、少々おちゃらけた性格ですが、腕は確かであった・・、あっ、パピリオ!」
女二人が嬉々として話し合ってるのを見つけて手を振る兄弟がいた。
そして、遅れてやってきたのが。
「やぁ、パピリオ、少しは大きくなったか?」
べスパも魔界からやってきた。
これで面子が揃ったのである。
丁度風呂屋の脱衣所のような場所に通されたべスパのお客様方。
不思議なことに奥まった場所には以前なかったカーテンが敷かれていた。
「うん?パピありゃなんだい?」
「うふふ。とーてもいいものでちよ」
気になるのかべスパであった。そこへ今回、神魔族を招集したハヌマンがやってきて。
「まぁ、よぉ、来たのぉ。わし等は」
周りを少しを見回してから。
「本来は敵対関係であるが、それはそれ、仲良くするに越した事はないのじゃ」
うんうん、と頷くお客人達。
「そこでじゃ、こーいってはなんじゃが、皆で楽しもうではないか、パピリオ!」
ぱちんと指を鳴らして、パピリオの名を呼ぶと、待ってましたとばかりに、カーテンをあけると。
とある日本文化が産み、世界に広がった娯楽。
『カラオケ』がそこにあったのである!!
「これが・・。噂に聞いたカラオケというやつではありませんか!ですよね?姉上」
「う、うむ。実物を見るのは初めてなのだが・・うぅむ。流石はハヌマン様」
姉弟二人して日本人には見慣れた重機をまるで神々しい物でもあがめるかの様にしている。
かたやヒャクメは今から何をいれようかと、選曲ノートに目を走らせている。
因みに、
小竜姫様は昨日、パピリオととある歌のもう特訓をしていたらしい。
だから、うずうずとしているパピリオに小竜姫。
「猿じい、パピが一番に歌いたいでちゅ!」
いつもならうんうんと、二つ返事の猿爺も。
「これは駄目じゃ。ワシからじゃ。これヒャクメ、これから言う番号をいれい!」
「了解なのね〜」
一応、パソコンが使えるヒャクメの事。機械操作はこの面子では得意な方なのである。
何を歌ったかはジャスラックに訴えられる為、詳しく書くことは出来ないが、少々古いジャニーズを熱唱するハヌマン。
「姉上、やはりハヌマン殿はあなどれません!」
何があなどれないのかは作者のしった事ではない。
最後のフレーズが終わった後、簡抜いれず、自分が歌いたい物を入れたパピリオ。
「みんなっ!わたちのコンサートにきてくれてありがとうでちゅ!うーほっ。ちゃららっらっらっ」
振り付きで、しかも小竜姫様を相方に見立てて歌い始めるパピリオ。
「ぬ、ぬぅ。姉上、我々も負けていられませんぞ」
「うむ。ここは一つ、『でゅえっと』でもせねば」
と、ヒャクメも次の歌を入れたので、歌える曲を探す姉弟がいた。
そんな盛り上がっている中。真っ青になっているのが・・。
そうべスパであった。
異変に気が付いたヒャクメが。
「あら?べスパちゃん、どーしたの?」
自分に振られて、うわっ、と驚いたべスパが。
「あ、いやなんでもない。しかし・・うーむ」
何か考え事をしている風体である。
「ほらほら、折角のカラオケなんだから、難しく考えない、あら、まだ何も入れてないわね」
「いや、私は聞き手にまわりたいから」
「遠慮しないしない。ほら、これならうたえるんじゃないの?」
かつて『朝娘』とやらに所属していたが、今では脱退してピンで活躍するとある歌を入れるヒャクメ。
「ま、まぁ、知らんでもないが・・しかし・・いいのか?」
「いいのいいの!カラオケなんてノリなんだから」
そういって舞台に立っている、パピリオと小竜姫。踊っている。
ははは、と苦笑を見せたべスパであったが内心は。
(不味い、なんとかせねば、と、時よ止まってくれっ!)
無常にも時は止まらなかった。
そして、デュエットを拙いながら歌い上げた姉弟に次いで、
得意曲を歌い終わったヒャクメからマイクが渡されて。
「ほら、次はべスパさんよ」
イントロがなり始めた。
もう逃げられない。
観念してマイクのスイッチをいれてから。
「あーあー。私はあまり歌が上手じゃないが、き、聞いてくれ」
べスパも魔族とは言え女の子、ステージにあがるという夢もあったのか。
照れくさそうにしていたのだが。
ここで一つの嘘があった。
あまり上手ではない、などのレベルではなかったのだ・・・。
例えるに。
某、剛田ナニガシと同格か、もはやそれ以上か。
まるで最新鋭の超音波兵器であった。
人間には耐えられない程の衝撃があったのである。
「あ、姉上、の、脳みそがっ」
「ここここ、堪えるんだっ!ジークッ」
パピリオは思わず逃げ出し、比較的弱いヒャクメは失神している。
だが、目の前の惨劇は目を瞑って熱唱しているべスパには見えていなかった。
「〜〜〜〜〜♪っと」
ようやく音響兵器が終わりを告げた。
「・・・のぉ。べスパ。おぬしは、歌う度に攻撃をしかけるのかのぉ?」
あのハヌマンですら、前髪がぐしゃぐしゃになっているではないか。
隣には歌を聞きまいと、耳をふさいでいた小竜姫様がいた。
「?どういう意味ですかな?ハヌマン殿」
意味がわからないとばかりに聞き返すべスパであったが。
「!べスパ姉ぇ。オンチすぎでちゅ!これから私がつきっきりでおうたを教えるでちゅ!」
怒り心頭のパピリオがそこにいた。
後日。
「こらっ!音程がずれてるでちゅ!、これを歌えるようになるまでかえしまちぇん!」
「とほほ、あーあーあーあーあーあ。あーあ」
数日が過ぎてるのに、妙神山には音響兵器が響いているのだが。
「ま、パピも姉に甘えたいのじゃろうて、暫くはそのままがよかろよ」
一応の理解を見せるが玩具を取り上げられた子供のような顔つきのハヌマンである。
小竜姫も同じである。
FIN
今までの
コメント:
- 私のリクエストを受けて頂いたばかりか、すさまじい速度でSSを書き上げたトンプソンさんに乾杯!!
ベスパ…音痴だったのね…剛田某とタメを張れるくらいの(涙)
ほのぼのとしてて、笑わせていただきました。今後アニキと呼ばせてください(笑) (ちくわぶ)
- 『でーすとろーい!!』(ヘヴィなメタル風)
BGMが某FMだったので、いきなりシャウトから入りましたが……ベスパって音痴だったんですね。
カラオケ、という時点でもしやと思ったけど、意外な方が意外な一面を見せてくれたので、不覚にも笑いました。なので賛成! (すがたけ)
- べスパが歌うと音響兵器ですか(汗)
まぁ、アシュタロスの下では歌なんか歌いませんからね
仕方がないかと・・・ (ミネルヴァ)
- べスパ、音痴だったとは・・・しかも音響兵器レベル。やはり、アシュタロスの娘は只者じゃ無かったということですな。
ピート、よかったな。仲間が増えたぞ。音痴コンビ結成か!? (アース)
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