横島忠夫奮闘記 82〜可愛い子ほど…〜
投稿者名:ぽんた
投稿日時:(05/ 5/ 2)
オバチャン…オバチャン…オバチャン…オバチャン…
パピリオの無邪気な声が横島の脳内でエコーが掛かってリフレインしている。
永遠の若さと美貌を誇る夜魔の女王に対して嘗てこのような事を言った者はいないだろう。
いたとしても瞬殺されているはずだ。いたいけな幼子の発言だけにそうムキになりはしないだろうとは
思うが、言われて愉快なはずが無い内容である。横島としては心配で仕方が無い。
気の所為か胃に穴が空きそうな痛みがしている。過去において唐巣も似たような思いをしたのだろうか。
ふと横を見ればヒャクメとワルキューレが顔面蒼白な状態で汗をかいている。
小竜姫が平然としているのはリリスの恐ろしさを詳しく知らないからだろうか。
(よ、横島さん、何だか胃がキリキリと痛むのねー)
(気にすんなヒャクメ、俺も一緒だ)
(奇遇だな二人共、私もだ)
このままではどうにもならない為、恐る恐るリリスの方を窺うと意外にも穏やかな笑顔を浮かべている。
そのまま席を立ちパピリオの方に静かに歩み寄って行く。咄嗟に横島が文珠を生成しながら
腰を浮かすが斉天大聖に視線で制止される。一瞬判断に迷ったが素直に老師の指示に従う事にした。
パピリオの事を可愛がっている老師が落ち着いている以上は心配無いのだろう。
リリスは相手の目の前でしゃがみこんで目の高さを合せると優しく話し掛ける。
「会うのは初めてじゃなアシュの末娘よ、我が名はリリスじゃ見知りおくが良い」
「リリスおばちゃんでちゅか? アシュ様の事知ってるんでちゅか?」
パピリオの暴言は止まらないがリリスには気にした様子も無い。そのまま抱き抱えると
席に戻り、自分の膝の上に座らせて背中から抱きすくめている。
今の内にとばかりに横島がパピリオに忠告しようとするが面と向かって言うのも憚られる。
仕方無く先程生成した文珠に《心》《話》と刻み、心の声でパピリオに話し掛ける。
(パピリオ、おばちゃんて呼ぶの止めにしない? 出来れば“おねーさん”とか“リリス様”とか)
「へ? オバチャンて呼んじゃ駄目なんでちゅかヨコシマ?」
天真爛漫な声が横島の気遣いをブチ壊す。その声がした瞬間にリリスの視線が横島を貫いた。
「小賢しいぞ横島、幼子の直ぐな感性を矯めるでない。パピリオから見れば妾が“オバチャン”でも仕方無かろう」
鞭のように鋭い声音に打ち据えられて横島は思わず首を竦める。
ルシオラの話題が出た時もそうだったのだが、どうやらリリスは本気でアシュタロスの娘達に
対する思い入れがあるようだった。パピリオのような子供の言う事を一々煩く咎めだてするような事も無く
寛大に接している態度と較べると、自分が表面上だけ取り繕おうとしたように思えて赤面する思いだった。
同時に自分が師と仰いだ相手を見縊っていた事に気付かされ眼力の乏しさを実感させられた。
尤もパピリオ以外の第三者がオバチャン呼ばわりしようものなら瞬殺されたのも疑い無い事なのだが。
俯いてしまった横島を見てパピリオがリリスの側を離れちょこちょこと歩いて行く。
リリスから守るように横島との間に入り、恐れ気も無く話し掛ける。
「リリスちゃんヨコシマの事を叱らないで欲しいでちゅ、ヨコシマは何時でもパピの事思ってくれてまちゅ」
どうやらパピリオの中での呼称は“リリスちゃん”になったようだった。
それを受けたリリスは頬を緩め、声のトーンを柔らかくして不肖の弟子に話し掛ける。
「“リリスちゃん”と呼ばれるのも新鮮じゃな。横島よ、蝶の娘に免じてお主が妾を見縊った事は不問に付す」
それだけ言うと視線を斉天大聖の顔に移して語り掛ける。
「此度はお主に耳寄りな話があって参ったのじゃ猿神よ、余人を交えずにな」
そのような御為ごかしを真に受けるような斉天大聖では無いが、何らかの思惑が相手にあるのも事実だろう。
人騒がせな彼の弟子が今度はどんな騒動を持ち込んだのやら気になる処でもある。
相手が魔界のデタント派に名を連ねている以上はいきなり最悪の事態になる可能性は低いので
事の推移を総て聞き、それから判断を下しても大勢に影響は無いだろう事も高確率で推測出来る。
「ほほぉ、高名なる夜魔の女王が直々にとはの…良かろう、こちらへ参られるが良い」
そう断るとリリスを連れて部屋から出て行った。何処か異界空間で話をするつもりなのだろう。
二柱の高位存在がその場からいなくなると、誰からともなく溜息が洩れた。
意識していなかったのだろうが、やはりプレッシャーを感じ取っていたらしい。
「横島さん、あの方は何をしにいらしたのですか?」
「ああ、俺の指導について老師や小竜姫様と事前に確認したいとか何とか…」
妙神山に来るやいきなり緊迫した空気になってしまった為、言い出すタイミングが掴めないでいたが
言わずに済ます訳にもいかない話題だ。何か巧い言い方が無いかと思ったが真っ正直に総てを
話す事しか思いつかなかった。即ちリリスに師事し“何を”修めたかという事を。
「指導? 貴方の指導とはどういう事です? まさか貴方…」
「実は俺リリス様に…弟「神族で及んでいなかった分をあの方が補っただけだ」子入り…」
覚悟を決めて横島が総てを話そうとした脇からワルキューレが発言を奪うようにして横から口を挿む。
横島の心情を慮っての事か、共犯者意識なのか、同類相憐れんでいるのか、はたまた交渉時に優位に
立とうとしているのか。それを知るのは唯ワルキューレのみ。まぁ彼女もリリスの被害者ではある。
「及んでいなかったとはどういう意味です?」
ワルキューレの口にした事が神族全体に対する侮辱のような気がして小竜姫が気色ばむ。
「別に誰の落ち度という訳でも無かろうさ、リリス様の、いや、偶然の積み重ねの結果解った事だ」
ワルキューレにしても無意味に小竜姫を怒らせるつもりなど無い。
落ち着かせるような声音で言葉を継ぐが小竜姫は収まらない。
「思わせぶりな言い方はやめてハッキリと言って下さい」
「では言おうか、ルシオ「ワルキューレ!」……」
先程とは逆に横島がワルキューレの発言を遮った。
「俺が言った方が、いや、俺が言わなきゃいけないと思うんだ…」
ワルキューレの気遣いは正直嬉しい、逃げたい気持ちは無論ある、だがこれは自分の口から言うべき事。
気不味いし、言い難い、だからこそ横島自身で言わなければならない。
「ルシオラが俺の子供として転生する可能性はゼロだそうです」
「どういう事でちゅ? もうルシオラちゃんに会えないんでちゅか?」
パピリオにとっては何時の日か必ず、と楽しみにしていた事が駄目になったのかというショック。
横島の事をこよ無く案じてくれている師匠にとってもある意味衝撃の報告。
だがそこから始めない事には一寸たりとも先に進めない。
横島は総てを語った、リリスから聞かされた総ての事を。
それは神族が、彼の究極にして唯一の望みに関して力に成れていなかったという事実。
そしてその不足を補う為に彼が選んだ道がリリスへの師事。
何が足りないのか、その為には何をするべきなのか、それは小竜姫にとって承服し難い事。
横島の言葉に一片の嘘も混じっていない事は彼女には容易く見て取れる。
さはさりながら、はいそうですか、などと言えるものでは無い。
「ヒャクメッ!」
「はっ、はい〜」
横島の言葉は総てリリスから聞かされた事。確認もせずに鵜呑みにする事など到底出来ない。
こちら側で裏付けも取らずに納得など出来ようはずも無い。 だが、
「だ、駄目なのねー、横島さんに対して一切の精神走査が出来ないのねー」
小竜姫の最も信頼する能力の持ち主たるヒャクメの全面降伏宣言は少なからずショックを齎した。
一方横島も軽い混乱の中にいた。彼にヒャクメの走査を無効化する力など無い。
心当たりと言えばアスモデウスから貰った(リリスによる強奪)アイテム、“精神の腕輪”だろうか。
「横島さんの“心”は“鎧”に覆われているのねー」
ヒャクメが自分の能力不足の故では無いと言わんばかりに声高に主張する。
「貴方にとってこの妙神山は心を隠さなければならない場所になったのですか?」
小竜姫の哀しげな言葉が横島の胸に突き刺さる。
「そんな事無いッス! 小竜姫様に隠す事なんか俺にはありませんっ!」
そう言って腕輪を外そうとするが途中でワルキューレが目に入る。
彼の記憶の中には彼女が他言無用と言ったメイド姿や全裸姿が存在する。
ヒャクメに総てを見せるという事はそれも見られるという事になる。それはマズイ。
かと言って小竜姫に哀しそうな顔をさせたままというのも真っ平である。
だがワルキューレとの約束を破る訳にもいかず、正しく進退窮まった状態だ。
ワルキューレには傍から見ていて横島の心情の動きを正確にトレース出来た。
敬愛する師である小竜姫に隠し事などしたくないのだろうが、彼女との約束も破れない。
戦友と師匠の双方に同様の重みを置いているのだろう。普通に師匠を優先させれば楽になれるのに
こういう面は不器用な男である。このまま放置すれば両者の間に溝が出来るだろうが、そうなった場合
横島に掛かる心理的負担が大き過ぎる。要は見せた後でマズイ部分を忘れてもらえば良いのだ。
「小竜姫、ヒャクメ、一つ提案がある」
そう前置きしてワルキューレが語った内容は横島の記憶を見せる際の条件。
その記憶の中に、憶えていて欲しく無い物がある。それに関してのみ忘れて欲しいというもの。
使うのは文珠、だが相手に直接影響を及ぼすような文字を刻む場合、互いの霊力量の差が
有り過ぎると効果が出ない事も充分考えられる。その為それぞれの霊力を横島に注ぎ文珠を生成すれば
本人の力が触媒になる為間違い無く効くだろうという推測には充分な説得力がある。
「ちょっと待てよワルキューレ、俺の文珠ってリリス様にも効いたぞ?」
横島にとっての極限状況で活路を開いた文珠の効能は記憶に新しい。
小竜姫達に効かないのであればリリスには尚の事効くはずが無いのだ。
「あの時はお前とあの方は“繋がって”いただろう?」
「“繋がって”ってそんな…露骨な…」
ワルキューレの表現に思わず赤面する横島だったが、彼女の真意はそこには無い。
「勘違いするな馬鹿者、私が言っているのは魂レベルでの話だ」
魂が直結された状態での力の行使は言わば相手の内側から作用を及ぼすもの。
危険をもたらすものなら拒絶反応も出たろうが、横島がやったのは相手が受け取る快楽の増大。
為にそのまま効力を発揮したという訳だ。尤も事前に横島の意識を抜いた状態で存分に愉しみ彼の本質、
理由も無く女性に危害を加えるような事は出来ない、が解っていたので大して警戒もしなかったのだろう。
神族二柱の霊力を触媒として含んだ文珠をそれぞれ用に生成し《忘》の文字を刻むと腕輪を外した
横島に対し、ヒャクメが得体の知れないトランクから吸盤付きのチューブを何本も伸ばして
横島の顔に付けていく。記憶映像がモニターに結像しかけた処でパピリオはワルキューレによって
遠ざけられている。当然の如くパピリオは猛抗議したが流石に年齢制限に引っ掛かる。
R指定どころか間違い無く18禁の映像のオンパレードなのだ。
結局彼女が将来“せくしーだいなまいつ”になったら改めて見せてやるからと誤魔化した。
「“せくしーだいなまいつ”じゃないと見れないんでちゅか?」
不服そうに洩らす彼女の視線はある人物の特定の場所に注がれている。
だがその人物と目が合った途端に何かを感じ取ったのか、慌ててワルキューレの背後に隠れた。
そんなこんなでようやくヒャクメの走査が始まった。近日の横島の記憶の再現を見、
魂の隅々までスキャンした結果、総てが事実である事が判明した。
「これは…私の落ち度なのねー、定期的に精密検査を施すとかやり様はあったはずなのねー」
「その事に誰も思い至らなかったのです、貴女だけの責ではありません」
見るも憐れなくらいに落ち込んでいるヒャクメを見かねて小竜姫が慰めの声を掛ける。
自分にも何か出来たはずではないのか、という念は当然彼女の心にも居座っている。
「お互いに出来なかった事で自分を責めるのは止めましょう。出来る事をやらなかった訳ではないのです」
それは相手にというより自分自身に言い聞かせているようだった。
自責の念に囚われるのは簡単だがそれでは何の解決にもならない。
「しかし横島さん…貴方も早まりましたね…」
それでも思わず毀れた苦渋の一言、そこには一片の底意も含まれていない。
だが横島にとっては刃の如きもの。自分の選択が早計だったのかという思いが湧き上がる。
リリスによって、女の事も碌に知らぬ状態でルシオラを無闇に神聖化するな、というような事を言われ、
それについてはある程度納得出来たものの、もう一度会いたいという願いだけは捨てられない。
その心理の奥底を突いたかのような条件提示に一も二も無く飛びついてしまった。
確かにあの瞬間だけは妙神山の面々の事が思い浮かばなかったのだ。
「良くそんな事が言えるな小竜姫よ、こいつの気持ちも考えてみたらどうだ?」
そんな横島の思考を遮ったのは、軽い憤りを滲ませたワルキューレの言葉。
あの決断を迫られた時の彼は未体験ゾーンに突入していた事もあり、常の彼ではなかった。
今正に溺れようとしている時に目の前に流れて来た浮き輪が有料が無料かを考える人間などいない。
ギリギリに追い込まれた心境で目の前の浮き輪に縋った事をいったい誰が責められるというのか。
「確かに…私の先の発言は思慮が足りませんでしたね。前言を撤回しましょう、許して下さい横島さん」
そんなワルキューレの気持ちが通じたのか小竜姫が謝罪の言葉を口にする。
だがそれに慌てたのは謝られた方だった。
「ちょ? 止めて下さい小竜姫様、貴女が謝る必要なんかどこにも無いですって」
一瞬とは言え横島の視野に妙神山が存在しなかったのは紛れも無い事実。
それを思い知るが故に、下手に謝罪などされた日には余計に心苦しい。
だが小竜姫にも知っていて敢えて伝えなかった事がある。
竜神王による横島取り込みの意向がそれだ。
斉天大聖による口止めもあり、又話が具体化するのは少なくとも100年以上は先だろうと思い教えなかった。
今回の横島の選択に拠ってその思惑に齟齬をきたす事になってもその責を彼に求めるのは身勝手過ぎる。
だからと言って、はいそうですか、と言いたくないのも紛れも無い本音なのだが。
「何だ? やはり抵抗があるのか?」
「当然でしょう? 横島さんの習得したのは言わば邪法ではないですか」
生真面目で物堅い小竜姫であれば、如何にもな反応である。
「竜神族の雄体の性も多淫を好むだろう? そう毛嫌いする程の事か?」
「だからこそ余計に横島さんには……いえ、これは私の我儘ですね…」
竜族の多淫の性がもたらす負の側面を知る小竜姫だからこそ横島に同じ轍を踏んで欲しくなかった。
だが彼女の立場は別に彼の母親でもなく、一人前の男である弟子に対する師なのだ。
彼の選択を尊重し、黙って見守る。道を見失うような事があれば叱咤激励する。
事前に力になれなかったのは残念でならないが、それを悔いても何にもならない。
今後どうするかは彼女の一存で決められる事でもなく、当然斉天大聖の意向に左右される。
だが横島の今後が少しでも良い方向に向かうよう助力は惜しまないつもりだ。
「ただし横島さん、この妙神山では淫らがましい振る舞いは許しませんよ?」
「も、勿論ッスよ、そんな事しませんって、信じて下さい」
今更小竜姫を情欲の対象として見る事など不可能。ヒャクメはおいといて、
リリスも妙神山に来てまでそのような事はしないだろう、と思いたい。
第一そのように怪しからぬ事などした日にはパピリオの情操教育上大変よろしくない。
厄介事や騒動を好みそうな困り者の師匠もパピリオの事は大切に思ってくれそうな
雰囲気だったのでその辺は期待しても大丈夫だろう。と是非とも思い込みたい処である。
《異界空間にて》
「……以上がこちらの把握している事実と妾の取った対応じゃ。この事を知っておるのは魔界でも他の二柱のみ」
リリスが直結した横島の魂から追体験した事実、それにより取った対応、その思惑に到るまで
余す処無く総て斉天大聖に告げていた。
「直接竜神王のみの耳にこの事を入れる労をお主に頼みたい」
神界側の犯したミスに対して些か寛大過ぎるような魔界側からの申し入れ。
彼女等の最高指導者にさえ内密に事を運ぼうとしている。
その理由を突き詰めれば唯一人の人間の男の為。
「そこまで奴の事が気に入ったかな? 夜魔の女王よ」
皮肉気な声で斉天大聖が問い掛けるがそれも無理からぬ事。
確かに型に嵌らぬ男であり興味を惹かれたのも解るが尋常な気に入りようではない。
「あのような男はここ数千年見た憶えが無い、それを思えば長く生きるのも退屈な事ばかりでもないのう」
至極平静な声でリリスが答える。相手のハラを読もうにも無い物は読みようが無い。
「出来るだけ長くあの男を見ていたいでな、事を急くつもりなど毛頭無いぞえ?」
急激な状勢の変化を望まないのは斉天大聖とて同じ事、進むのであれ退くのであれ、
動きが大きければ大きい程、何かあった時の反動も又大きい。
それに横島の事を出来るだけ長く見守りたいという気持ちは斉天大聖も同様である。
「良かろう、ワシの口から事の次第を竜神王殿の耳に入れておこう、余人を交えずにの」
斉天大聖にとっては大した手間でもない。さぞやショックを受けるであろうが息子の事を
他人任せにし過ぎず、直接触れ合う機会を多く持っていれば防げたかもしれない事態。
せめてこれを機に親子関係が良い方向に変化するように、控えめながらでも助言すべきなのかもしれない。
「ほう? 予想はしておったが、やけにアッサリと引き受けたの?」
「ふん、あ奴を取り込もうとする動き自体が気に喰わぬでな」
どれ程特異な存在であろうが、その力自体は高位存在から見れば微々たる物。
ならば放置して平穏な人生を歩ませてやれば良い。少なくとも人としての生が尽きる迄。
悠久の時の流れの中を生きている神魔になら、当然その選択も有り得た筈。
明日が来て、明日が去り、そして又明日が一日を刻み、時の階を滑り落ちる。
時の果てに辿り着くまで、何時も昨日という日が有象無象の塵に塗れて死の道筋を照らし行く。
その“死”も又真の“滅び”ではなく、“復活”の約束された無慈悲なる予定調和。
そのような流れの中に身を置く者が、随分と慌しい対応をとったものかな。
「お主の掛けたチョッカイに関して100年単位の小田原評定でも神界上層部がやってくれれば丁度良い」
「なる程…我らにとっては須臾の間に過ぎぬ時間があ奴には掛け替えの無い物じゃからな」
何となく互いに納得、と言った感じで見詰め合う事になる。
本来の話題は済んだので、後は建前上の目的の横島の指導方針の話があるだけだ。
「その話は小竜姫も交えてからの方が良かろうな、戻るとするか」
斉天大聖に誘われてリリスも元の部屋に戻る事になる。
ついでに妙神山の面々の意見を聞いてみたい事もあるので好都合かもしれない。
ワルキューレが文珠を使って自らのメイド服姿を忘れてもった頃、彼女にとっては意識を抜かれた
状態での全裸姿より脅迫の末とはいえ自分で承諾したメイド服姿の方が恥だった。
二柱の高位存在が部屋に戻って来た。横島の顔を見れば総てを話したらしい事が見て取れる。
リリスに対して何か言いたげな小竜姫を見れば尚更だ。
だが余計な愚痴を聞くつもりなど無いリリスは機先を制して口を開く。
「妾は横島に攻撃手段を与えるつもりは無い、その辺は一切神族の方が施したままで良かろう」
リリスが行うのは主に魂の強化、“存在”の内圧を高める事。
それにより高まった力を使いこなす術は既に身につけた物を突き詰める方が良い。
放出する大きさを変えずに打ち出す力を強め、攻撃の貫通力を高める。
「それは私も望む処ですが…」
もっと色々と干渉しようとして来るかと思っていた小竜姫にとっては意外な提案だった。
だがこれまでに施した修行を活かして更に発展させるのであれば好都合なのも確か。
「ここらでそろそろこ奴の今世の幸せの事等考えてみぬか?」
「っ!? そのような事貴女に言われるまでもありません」
小竜姫にしてみれば心外過ぎる言われようである。横島の幸せを願う事においては人後に落ちぬ。
今更ポッと出の魔王に言われるまでも無い。
自身に価値を見出す事が出来ずにいた彼をひたすら鍛え自信を持つ事が出来るようにした。
今では彼も強さに関してだけは無用な謙遜などせずに、胸を張って堂々としていられる。
「だが人の世で生きて行くのに“それ”だけでは少々歪ではないかえ?」
「それは…確かにそうですが…」
小竜姫もその事は理解している。だが物事には順番というものがある。
“強さ”という解り易いものを優先しただけで他を御座なりにした訳ではない。
だがその事に関してリリスに先んじられてしまったのも、もどかしいが事実である。
これから宿題をしようとした矢先に宿題は? と親から尋ねられた子供の気持ちと同種であろうか。
神も人も心の根の部分の働きは似たようなものかもしれない。
「“男”が生きて行く上で“女心”を知るのは必須であろう?」
この辺りの言い分から微妙に怪しさをはらんできている。
辛うじて言ってる事は正しいのだが“教えられる”事でもないはずだ。
「見る目を養わぬまま悪妻でも引き当てたりした日には目も当てられぬ」
首を傾げつつも頷けないでもない微妙な発言。別に間違った事は言ってないのだが
それを言うのが源初の悪妻とも言うべきリリスというのはどうなのだろうか。
「最初から悪妻な女などおるまいよ、時の経過と共に変質するのは双方の責任じゃろう?」
それまでは会話を小竜姫、リリスの両名に任せきりで成り行きを見守っていた斉天大聖が口を挿む。
他の者達は介入するタイミングを失したのか会話に参加出来ないでいた。
話題の当人が不参加のままは拙いと思ったのか言葉の端々に食いつこうと果敢に挑む男がいた。
「悪妻って“サッチー”みたいなモンすかね?」
何とか糸口にしようとなけなしの知識を出してはみたものの、時代遅れ過ぎる話題な上に
例えに出した対象が下劣低俗下種に過ぎる、当然神魔の面々が知っているはずも無い。
言ってしまった後で、外したか、と言わんばかりの表情になり額に嫌な汗が浮かぶ横島。
その様子を見れば彼女達の弟子が“何か”を失敗して困っているのは簡単に見て取れる。
「悪妻で“さっちー”と来れば…成る程、北条政子ですね?」
弟子の苦境を感じ取り、そこで即座に対応出来るのは付き合いの長い自分の他にはいない
とばかりに小竜姫がにこやかに話を合せようとする。
「いや、そこまで偉いヒトじゃないッスけど」
阿吽の呼吸と信じた師を喘息に追い込むような事をシレっと答える鈍い弟子。
それを見てニンマリと笑いながら割って入るのは最も新しく師となった存在。
「存外物を知らぬな小竜姫、悪妻で“さっちー”となればクサンティッペに相違あるまい」
大切なのは付き合いの長さではなく深さである。小竜姫には真似出来ぬ手法で横島の事を
誰よりも深く知るリリスは、同時に小竜姫の失敗からヒントを得ていた。まあ鎌倉幕府の
初代将軍の正室よりも市井の民である偉大な哲学者の妻の方が“偉いヒト”では無いのは確かだ。
「いや違います、っつーか誰ですかそれ?」
だがオポンチな弟子はこの師の思惑も引っくり返してくれた。少なくとも横島も知っている
人名を出した小竜姫以下になってしまった。与えたアイテムはしっかり活用して欲しく思いつつ、
「額冠に問え」
そう簡潔に指示するに留めるリリスだった。
言われて胸中の声で問い掛けてみる。
問:クサンティッペとは誰?
答:ソクラテスの妻、人界で最も著名な悪妻を挙げる際に必ず五本の指に入る程有名。
「うわっ、この額冠凄いな」
「お主は知識が偏っておるからの、解らぬ事は“ソレ”でマメに確認せよ」
辞書を引く手間すらいらず疑問がただちに解消される。
重要じゃ無さそうな知識を無理に憶えずとも忘れたら改めて問い直せば良い。
とんでもなく便利なアイテムであり、宛ら叡智の泉といった処か。
「う〜む、これさえあれば期末テストも楽勝か?」
「使い道はそこか?」
知識の額冠がどれ程貴重なオカルトアイテムなのか今イチ理解していない弟子に対して
軽い頭痛を覚えながらもそれは彼の所為では無いと思い直す。
総てはオカルトの基本を正確に教えようともしなかった彼の最初の上司の責任である。
気に入りの相手を責めるのではなく、総ての責任を嫌いな人間に転嫁する、とても健全な精神の作用だ。
「あ、いや、勿論もっと有効に使いますよ。まあ、慣れてからボチボチと…」
「その額冠に収められているのは“知識”であって“知恵”ではない、勘違いするでないぞ?」
一応師匠らしく釘を刺すがあまり効果的とは言い難かった。
何故なら横島は勘違いしたまま次の問いを額冠に対して発していたから。
問:女心とは?
何度となく解っていないと言われた、ある意味横島から最も遠い処にあるもの。 だが、
答:女の心、女性特有の心理
「……何じゃそりゃ」
当たり前と言えば当たり前、返って来たのは単なる“言葉”の意味。
リリスの言葉の意味をようやく悟る。
「どうした?」
だがそんな横島の様子を不審に思ったリリスに問われ、つい正直に答えてしまう。
それを聞いたリリスの目が若干据わり、横島の側に近寄って来る。
徐に拳を作るとこめかみをグリグリと圧迫する、所謂ウメボシである。
「お・ぬ・し・は、妾の言うた事を聞いておらなんだのかや?」
「ああっ、御免なさいゴメンナサイ、もうしません許して下さい〜」
情け無さ全開で平謝りの横島に周囲の呆れたような視線が集まるがリリスのみは愉しそうな顔だ。
弁解も言い逃れも無く、韜晦も開き直りも逆ギレも無い、魔界ではなかなかお目に掛かれない態度だ。
結局パピリオに止められるまでリリスの愉しい“お仕置き”は続いた。
「まったくお主という奴は…ノルマを増やそうかの?」
「ええっ? 勘弁して下さいよ〜」
嬉々としてとんでもない事を言い出すリリスに横島が慌てて取り縋る。
元の100人さえ果てし無く無理ッポイのにこの上増やされては堪らない。
二人のやり取りをそれ迄黙って聞いていた小竜姫が“ノルマ”という修行に関係あるらしき言葉に反応した。
「ノルマとはどのような?」
「ん? 何、ほんの100人斬りじゃ」
まるで武芸者の道場破りか、辻斬りに赴く前かのように聞こえるが当然その類のものではない。
リリスから詳しい説明を聞くにつけ小竜姫の顔色が徐々に変わって行く。
「何じゃ? まさか不謹慎だの淫蕩だのと言うつもりでは無かろうな?」
からかうような口調で言われても返事のしようが無い。
自堕落な目的でないのは承知しているが、遣り方が好きになれないのもまた事実。
だがこれが最も彼の悲願の為に効率の良い方法なら小竜姫に口を挿む資格など無い。
「老師様、何か貴方から言っていただく訳には…」
自分からは何も言えないが彼女の師なら何か言える事があるのではないか、そんな弱々しい声だった。
弟子の発言を受けた斉天大聖は軽く咳払いをして彼の弟子達を見渡す。
闘いに関しては随分と柔らかい考え方が出来るようになった小竜姫だが唯それだけの事。
竜神族には珍しく貞操観念が強固な為、人生観も硬質に偏っている。彼女の生き方に口を挿む気
など無いが、ここらで一度思考野の柵を取り払い一回り広い世界観を提案すべきかもしれない。
「どうもお主は堅過ぎるのう小竜姫よ、別に小僧は不犯の誓いを立てた訳でもあるまい?」
「ですが…」
「良く聞け、禁欲の果てに辿り着ける境地など知れたもの。煩悩も性欲も所詮人の身に元から備わっておる、
ならばそれを不自然に矯正するよりあるが侭に向き合い克服した方がより一層高みへと到れるであろうよ」
それに振り回されるのではなく、常に自らが感情の主人として制御する。
無理に抑え込んで歪みを生じるよりも、一旦解放してより強固に収束させた方が良い。
「斯く言う儂も若い頃は多少のヤンチャをしたものじゃ、横島は今がその時なのじゃろうよ
広い心と長い目で黙って見ておれ」
「承知致しました」
斉天大聖にそこまで言われては承服するしかない、“多少のヤンチャ”で天地を砕き掛けた
彼がそう言うのでは説得力が有り過ぎる。
「流石は猿神、音に聞こえし斉天大聖よな。遥かな昔、西王母の庭園を蟠桃を盗むついでとばかりに荒らし尽くし
太上老君の下より仙丹を奪い去る際に庵を破壊した挙句に、相手もあろうに最強神二郎真君を敵手として
三日三晩に渡り闘い抜き、天地を滅ぼし掛けた過去を“多少のヤンチャ”とは、いや実にまったく恐れ入る」
「ハハッ、そう褒められては照れるのう…。いや〜あの頃は若かった」
聞く者によっては痛烈な皮肉にしか聞こえない中身に対して斉天大聖が平然と応酬しているように
聞こえるが、リリスは本気で褒めているのであり、斉天大聖はそれに対して“謙遜”しているのである。
かの時代の魔猿の荒ぶる魂は正に魔界にこそ相応しかった。
リリスが斉天大聖に対して比較的好印象を持っているのは過去の悪行のエピソードに拠る物だ。
「ですがリリス様、そのノルマは横島に達成可能なのですか?」
どうやら神族からの茶々は入らないらしいと見て取ったワルキューレが素朴な疑問をリリスに呈す。
限界のほんの少し先に目標を置くというのであれば解る。
野球のノックと同様、ギリギリで届かない場所への打球が最も成長を促す。
だがワルキューレの見た処、辿り着く可能性は限りなくゼロに近い。制約条件が厳し過ぎる。
「そうなのねー、横島さんの過去のナンパの成功率は笑えないくらいに低いのねー」
「何を言ってるんでちゅか、ヨコシマならきっと大丈夫でちゅ」
ワルキューレの考えを補強するかのような過去のデータを明示するヒャクメと、横島に対する
盲目的な信頼を顕にするパピリオ。対照的な両者である。
それぞれを聞いて若干不安になるものの、退かない決意を秘めてリリスを見やる横島。
その視線を受けて返事をしようとして、僅かに逡巡を見せるリリス。
「おや? ヒャクメよ着衣の胸元が開いておるぞ?」
哀しきかな男の性、相手が小竜姫であれば抑えられる衝動もヒャクメ相手には制御が効かない。
リリスの言葉に吊られてヒャクメの胸元に目をやり、何も見えてないのを一瞬で確認した
直後に、延髄の辺りに軽い衝撃を感じた処で横島の意識は途絶えた。
周囲の視線がヒャクメに集まった須臾の間、一瞬の早業に気付けたのは唯斉天大聖のみ。
「いきなり眠るとは失礼な奴じゃの」
そう言いつつ横島の身体を優しく横たえながらその頭を膝枕してやっている。
パピリオを脇に抱き寄せつつ、先程の仕業は気振りにも出さない。
「ヨコシマはどうしたんでちゅか?」
「さて、魔界では妾以外にも多数を相手に頑張っておったからの、今になって疲れが出たのやも知れぬ」
心配そうなパピリオを安心させるべく、いけしゃあしゃあと言い募る夜魔の女王。
それを聞いて思い切り眉間に縦皺を寄せているのが小竜姫。
「質問に答えようかの、こ奴に100人斬りじゃと? 無理に決まっておろう」
無責任極まりない発言に一気に周囲が気色ばむ。
解っていて尚無理難題を吹っかける正当な理由があるとでも言うのか。
「その言い様は無責任過ぎるのではありませんか!?」
「いくら横島さんが相手でもあんまりなのねー」
「何か理由があるのでしたら是非とも聞かせていただきたいのですが?」
平然と佇むリリスに対し非難の声が十字砲火となって集中する。
斉天大聖は面白そうに成り行きを見守り、パピリオは非難がましい目でリリスを見上げるのみ。
パピリオにのみ安心させるように笑いかけた後で更にフザケた言い草が続く。
「どうもな、深く知るにつけ、こ奴の事が可愛くてならぬのよ」
「だったら尚更!」
弟子を可愛く思う心では断じて相手には負けぬと自負する小竜姫が更に声を張る。
困難な課題と不可能な試練との間には天地の開きが在り、事前に解っていてやる意味など無い。
「余りに可愛過ぎるとな、つい虐めたくなるであろう?」
小学生のような発言を平然と為し、漂白された視線を一身に集める夜魔の女王は
愉しげな笑みを浮かべつつ、端然とその場に座していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(あとがき)
今回で人界にまで戻りたかったのですが次話まで持ち越しになりました。
前話の“一夜妻100人斬り”の件に反発が集中するだろうな、とは思いましたが
案の定結構な量が集まったようで…
分けて書かざるをえなかった以上は仕方の無い事ではありますが、実情はこんなもんです。
最近すっかりコメント返しが出来ない仕儀になり心苦しい限りです。
何か返事書こうとする雰囲気や勢いじゃなかったものですから。
とは言え誠に失礼千万、申し訳ございません。
今までの
コメント:
- こんにちは、一番載りかな?まあ色々あるけどこれはこれで良いと思うんですけどねぇ、書き手一人一人に違う横島ができるのは当然だし色々なストーリーがあって当たり前な訳だし私はこの展開を賛成ですね、続き期待してますので頑張ってください (しんちゃん)
- 早速のコメントありがとうございます。返しをするのもずいぶん久しぶりな気がします。
しんちゃん様、なんか精神的に満身創痍な現状なんですがなんとか完結目指して
のたのたやってこうかな、と思っております。続きをお待ち下さい。 (ぽんた)
- >「質問に答えようかの、こ奴に100人斬りじゃと? 無理に決まっておろう」
本人以外が無理と思う事を「俺ってときどきすごいなー」なんて言いながら
達成してしまうのが横島の持ち味ですから。
身内との約束優先するのは、ザンス帰国の時等、今までの行動で現れているし。
でも、これから横島がどう奮戦していくのか。
今回の話も含めて、私の予想を良くも悪くも裏切ってくれる事を楽しみにしています。 (M)
- 少し展開を追うのにつかれてきたかな?
リリスはオリジナルだけど充分GSキャラの資格はあると思うので、流れとしてはだいたい面白いと思います。でも、ちょっと疲れてきました。たぶん僕の好みとしてもう少し原作キャラが目立った方が読みやすいのでしょう。
レスが多すぎて返事を書くのはとても無理だと思います。無理しないで書きたいように書いていればいいと思います。
がんばってください。 (橋本心臓)
- コメントありがとうございます。
M様、リリスの当初の意図とは微妙に違う方向で成果を発揮する事が出来るやら
出来ないやら… ヤるヤらないは別として色んな女性と話す機会が増える
ような状態になれば少しはマシになるのかな? 対話成長型プログラムの如く。 (ぽんた)
- 相変わらず人外に好かれる漢ですね、横島。『人外の存在に対してなら百人斬りもいけるかも』なんてことを考えてしまうすがたけです。
リリスも母性というか親バカというか……(笑)。 (すがたけ)
- 以前にも書いたことありますが、ここまで来るとNT(Night Talker)に移行したほうがいいのでは?って思いますね。あそこでしたら、18禁やオリキャラ出演にさほど目くじら立てられないし。最近のレスというか評価は作品の内容についての賛否を問うというより、オリキャラに原作キャラヘイトっぽいセリフ吐かせたから反対とかレベルの低い討論を自作自演してるっぽい感じがするだけなんで。
横島を修行名目で100人斬りというので原作オリキャラいずれに絡ませるにしても上記のような内容のレス集まるだけ思うので、ここらで移転を再度検討してみてはと思うのですが。 (通行人)
- 百人斬りはやはり無理でしょう・・・・嘘を言って追い詰めるとは・・・リリス様、いじめっ子だ。それにしても、こちらではバエルの影が薄いこと・・・・
こちらのリリスは強いなー。あと私の中ではヒャクメはどうもマジさが足りない(あの口調のせいか?)
話は実に面白く、続きが楽しみです。 (アース)
- >龍族は多淫
言われて見ればその通り!小竜姫のイメージでついかたぶつって思い込んでましたけど、伝説上の龍って横島に負けず劣らずの煩悩魔神ばっかしでしたね。
まあ「昼はOO、夜は娼婦」という教えもあるように使い分ければよいと俺は思います。うぶなねんねじゃあるまいしってやつです。
横島の引き抜き云々ですが、これはハヌマン師匠と全く同じ考え方です。そもそも人間を見下してるくせに高い評価であたふたするという滑稽な状態なのは気に入らないですね。せいぜい人間の寿命分の時間あーだこ−だと水掛け論して慌ててればいいんです。いい気味ってやつです。
師匠が夜魔の女王と魔猿ってのは横島にとって一番の幸運ですね〜。すごくあってる。 (九尾)
- いやいや面白かったですよ。
いつも思うことなんですが、小竜姫って実際にいたら嫌煙されるタイプの女ですよね。思い込み激しくて、すぐ切れて、その上堅物。 (ガパソン)
- リリスはその道の専門家だからまだ良いとして、
本気で愛してる訳でもない相手と、私利私欲の為に、食い散らかすようにセックスしまくる横島というのがイメージに合いません。
やり逃げされた女性の気持ちを考えない筈も無いと思うのですが。
自分が100人斬りのノルマの一つでしかないと知ったら、まして、自分を抱いた目的が恋人の復活の為だと知ったら、おキヌや小鳩なら自殺ものではないでしょうか。
それと、辞書を引く手間すら惜しんで他人に教えてもらった知識が、本当に自分のものには成り得ないです。ワープロ等の自動変換に頼りきって日本人の漢字力が低下したのが良い例です。アイテムってのは壊されたり奪われますし、決して自分自身の能力にはなりません。
そんなものを与えただけでは、何も教えなかった師匠と大して違いは無いと思います。 (内弁慶)
- 今回は賛成かな。普通に面白いと思ったので。
不用意な発言をするキャラが多いのは、ぽんたさんの持ち味と思ってますので別に気になりません。作中でフォローがあるし、原作キャラなら内心について自動補正もかかりますし。
しかし、こっちの印象が固まってない段階で軽かったり頭悪そうな発言を繰り返した魔神連中は、もはや私の中では矮小なイメージで固定されかかってます。
読者によるとは思いますが、オリキャラを出すときはその辺に気を使っていただけると嬉しいです。 (こうゆう)
- 今回もとても良かったですよ。
リリスの思春期の小学生の様な感じと、パピリオに対する大人の接し方の両極端な所がとてもうまく表現できていると思います。
それとリリスに眠らされた横島が起きた時にリリスにどんな対応をするか楽しみです。 (ドラグ)
- 漸く、帰って来たのでスねえとしみじみしております。
原作では神界、魔界双方の存在こそ設定されているものの、遂に異界旅行はありませんでした。SSで異界旅行記に挑む人がいるのは必然だと考えます。今まであまり考えたことが無かったのですが、「GS美神」が青年誌で復活した場合の展開予想に該当するかなと、「感想」で思った、思ってしまったから、今回の魔界編は賛成させてもらいます(^^)ステハンな方の(以下略) (参番手)
- 面白かったです。
文章のリズムが良いというか、読ませる文章ですね。
魔界編はその後の展開次第と以前感想を書きましたが、リリスの会話振りから見てもかなりストーリーに馴染んで、キャラが少しずつ生き生きしてきた感じがします。これまでの展開・伏線も本話で大分フォローされましたし。次話以降も期待します。 (ヒロユキ)
- 初めての感想です
批評とか、そう言う事は何と言って良いのか今一つ言葉にならないので簡単に
楽しく読ませてもらっています
それにしても……オリキャラの出し過ぎとか、キャラの印象が違うとか、原作キャラと違うとか色々な評価を良く見ますが、どうなんでしょう、それ?
原作がどうこう言うなら、美神と結婚がストレートな流れになるんじゃないでしょうか?
それ以外の流れが派生しちゃった時点で全部別の話じゃないんですか?
SSって、そう言うモノを楽しむんだと思うんですが
……勢いだけで、まとまってなくて、申し訳ありません (Vの字)
- リリスの課した100人斬りなどという愚劣極まる目標に対して、ヨコシマがヨコシマらしさを失わずにどのような答えをだすのか期待していたのですが、リリス特有の愛情表現でした〜♪って、
まさかこのまま冗談ですますつもりじゃないとは思いますが、この性急な「100人斬り取り下げ」とも取れる発言は些か残念ですね。
ヨコシマなりに悩みに悩んで何かの答えを出す前に周囲の者に「無理に決まっておろう」って・・・、同じ台詞を後で言うにしても、もうちょっと引っ張ってもよかったのでは?と思います。
もちろんヨコシマが悩みもせずに100人斬りしたり、深く考えずに無理と諦めたりするのであれば、ソノ展開にも反対なのですが(笑)
幽遊白書・幻海師範の最後の試練前の問答で、自分を殺せと師範に言われた時の幽助のように本気で悩むヨコシマに期待して今回は中立で。 (こちょう)
- う〜ん。原作キャラもオリキャラも発言や行動が幼いって印象ですね。
高校生くらいまでの年齢に設定されてるキャラだったらまぁ納得でき
るんですが、悠久の時を生きてきた神族、魔族。社会にでているキャラ
がこんな感じですと違和感あります。GS二次ですからどんな高位の
キャラでもギャグにはしるのはアリですけど、単なる馬鹿にするのは
おかしくありませんか? (No.14)
- 100人斬りが嘘だと言っても、結局女心を知るためには色々と女性経験を積まなければいけない訳で。
リリスから学べるのは『リリスの女心』だけですし。
そうなると今までが『ルシオラを産む事を納得してくれる女性探し』だったのが、今後は『ルシオラ復活の為に
色々経験させてくれる女性探し』になった感じかな。
何か女性側からしたら性質の悪さが1.25倍(当社比)になった気がします。
また、リリスと猿神が神魔のモラルと視点で話してる時点で、人間社会のモラルに少なからず縛られている
横島が蔑ろにされているのでは? (あるぷ)
- 今回は賛成も反対もしてあげません。
・・・またバカ騒ぎになりそうな気がするので。
展開として面白ければ原作無視でも問題ないと思いますよ。
なので、個人的にはこのままの路線でOKだと思います。
しかし、最近の作品は読みづらい気がします。
自分だけかな? (フナムナ)
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