ザ・グレート・展開予測ショー

魔女の過去 U


投稿者名:NGK
投稿日時:(02/ 4/20)

私の目の前に不敵な笑みを浮かべた青い爪の魔女がいる。
かつての同僚であり今は魔女協会に対して反逆行為をおこなった―――魔女。
「おや、おや・・・予想より早かったねぇ・・・」
目の前の魔女が魔鈴めぐみと言う少女を襲ってから一週間経過していた。
見つけ出した・・・と言うより、青い爪の魔女が身を隠そうとしなかったと言うのが正しい。
「”長老”直属の私たちが舐められたものね・・・」
こちらは三人。
相手は一人。
青い爪の魔女がまだ事を起こさなかったときの互いの実力は同程度。
人数が多い分だけ私たちが有利!!!
私は、そう判断した。
「・・・行くわよ、二人とも!」
私は部下たちに呼びかけた。
部下の魔女たちは無言で行動に移る。
私たちは青い爪の魔女を囲んだ。
そして、魔力弾を発射する。
ヴァシ
「この程度かい・・・?」
「・・・・・・」
広範囲に散っての遠距離攻撃。
地味だが・・・確実である。
「そんなに私が怖いのかい・・・?」
青い爪の魔女は防御魔法を使って防いでいるがいずれ破れるはず・・・
「まぁ・・・私が一人なら効果的だったんだろうけどねぇ・・・」
その言葉に私を含めた三人は思わず後ろに気を取られる。
その瞬間青い爪の魔女が今までいた場所から姿を―――消した。
そして―――青い爪の魔女は私の唇にキスをした。
「!?」
私は片ひざをついた。
力が―――入らない。
「そんな・・・!?”血”は抜かれていないはず・・・」
あの魔女は血を飲むことで相手の魔力を吸収するはずだ・・・
そう思っていた・・・
なればこそ、あの魔女の才を秘めた少女の血を飲んだのではないのか。
「私の目標は・・・ねぇ・・・本当は、あなたたちだったのよ」
青い爪の魔女が下唇を舐める。
その時には、部下二人もその場に立ち崩れていた。
「あんな魔女にもなっていない少女の魔力を貰ったところで大魔女にはなれないからねぇ・・・」
!?
「大魔女・・・?」
「そう・・・私は魔女を超えた存在になる・・・そして魔女が魔女であった時代にしてみせる・・・だからぁ・・・」
舌で唇を―――舐めて言った。
「あなたたちの魔力が必要なのよ。いいえあなたたちだけじゃ足りないけどねぇ・・・」
大魔女。
それは伝説にも存在しない存在。
何人かの魔女がなろうとしてなれなかった存在。
それはあまりに人道に反したものだからだ。
僅かでも魔力のある人間の魔力を吸収する。
吸収した魔力を自分のものにするために生命エネルギーもろとも吸収する。
その結果―――魔力を奪われた者は・・・
そのため、おこなおうとした魔女は例外なく他の魔女に阻止された。
「うまくいくはずが無いわ・・・」
「そうかしら?”長老”直属の魔女三人分の魔力・・・どれほどのものかしらねぇ・・・」
そこで―――意識が途絶えた。

捨てては置けない・・・
魔女協会が秘密裏に動いているのはGS協会にもれた。
魔女協会はGS協会に比べ規模は小さいがその組織力は侮れない。
その魔女協会が一人の魔女を追っているということは、よほどの事なのだろう。
と、そこまで考えたかは分からないがGS協会は一人の女性に独自に調査するように命じた。
そして―――ここにいると言う訳である。
「先生、やはりこれは・・・」
男―――少年と呼ぶか青年と呼ぶか迷う年齢である―――は絶句した。
本当は遥かに年齢は若かったはずである。
二人が観察していたときは全員、二十代後半だったはずだ。
しかし、その場にいたのは・・・三人の老婆だった。
何かを訴えようとしているが言葉にならない。
「・・・生気を抜かれた・・・?」
先生と呼ばれた女性は腕組みをして考えた。
年齢―――不明。
少なくとも三十は言っていないと思われるが。
「詳しく調べてみる必要がありそうね・・・」
「西条君。あなた、イギリスへ行く時期を早めなさい。ここよりも向こうのほうが調べやすいから」
「はい!必ずやり遂げて見せます!!」
西条と呼ばれた男はコブシを握り締めた。
瞳に力が入っている。
「何言っているの・・・?あなた一人じゃ手におえないわ」
「まさか・・・先生も行くんですか!?」
「あなた一人に任せられないでしょ・・・どれぐらいかかるか分からないけど・・・ね」
しばらくの間、娘とは、はなればなれになるがしかたない。
「令子ちゃんは置いていくんですか?」
「しかたないわ・・・あの子には私が重病だって言っておく。騙すことになるけど・・・」
だが、正直に言うわけにもいかない。
「あの子には悪いけど・・・夫の所に行ってもらわないといけないわね・・・」
先生と呼ばれた女性は、呟いた。


―――続く―――

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