ザ・グレート・展開予測ショー

魂の機械 電脳編 中


投稿者名:斑駒
投稿日時:(02/ 2/18)

 「パピリオ〜! 俗界からあなたにお客様ですよ〜!」
小竜姫の声でちゅ。小竜姫に呼び出されるときはいつもロクな事がありまちぇんが俗界からってことは…?
 「ヨコシマ!?」
間違いないでちゅ。それ以外にわざわざ私に会いに来る知り合いなんて人間界には居まちぇん。

部屋から飛び出して小竜姫の声のした方に走りまちゅ。声がしたのは門と玄関の間でちゅね。
 
靴なんて履いてらんないでちゅ。玄関の戸は建て付け悪いでちゅけど私の敵じゃないでちゅね。

 ガタタッ!

誰かと話してる小竜姫…。ということはヨコシマはその隣でちゅか。
 「ヨコシマ!! 会いたかったでちゅよ!!」
そのままの勢いでヨコシマに抱きつきまちゅ。ヨコシマは吹っ飛びまちたけど、きっと怒ったりはしないでちゅよね。

……あれ? でもヨコシマ。急におっきくなったような…?
 「うぅ。なんじゃ? ……おお! オヌシか!!」
誰でちゅか? このジジイ。ヨコシマをどこにやったでちゅか!?

ジジイを突き飛ばしてあたりを見回してみまちゅ。目に映るのは苦笑いしてる小竜姫だけでヨコシマはどこにも見当たりまちぇんね。
 「うう……パピリオ……オヌシ……」
しぶといジジイでちゅね。何で私の名前知ってるでちゅか? …なんかどっかで見たような気もしまちゅが……。

…それよりもヨコシマでちゅ。
 「小竜姫! ヨコシマはどこでちゅか!? 隠すとためにならないでちゅよ!!」
こんな言い方すると後がコワいんでちゅが、それは後で考えまちゅ。

…あれ? でも小竜姫の表情に変化がないでちゅね。
 「パピリオ。あなたにお客さんは、その方ですよ。ドクター・カオスさんです」
 「!?」
ってことはヨコシマは来てないってことでちゅか? ……なんだ。喜んで損しまちた。
 「待て……パピリオ……」
馴れ馴れしいジジイでちゅね。何の用があって来たか知りまちぇんが、私には関係ないでちゅ。
 「アシュ…タロスの…逆天号…」
アシュ様? 逆天号………!!

 ドカッ!

 「あの時はよくもやりまちたね! おまえのせいで…! おまえのせいで…!!」
思い出しまちた。南極で弱った私に何かして眠らせたのがコイツでちたね。
 バキッ! ドゴッ! ガスッ!
 「おまえのせいで、騙されてアシュ様を裏切らせられて、その後ヨコシマに保護されて……」
 ガンッ!
…そう言えば、あれがなければ私とヨコシマは………!?

…あれ? そう言えば、さっきから小竜姫が何も言いまちぇんね。いつも『むやみに他人を傷つけるな』とか言ってまちたが……?
このジジイもう死んだんじゃないでちゅか?
 「グッ…! 細かい事を気にしおって……それより…逆天号はどこじゃ……?」
 「!?」
なんでちゅか? このジジイ。なんで私が本気で痛めつけても生きてるんでちゅか!?
 「カオスさんは人間ですが、不老不死なんですよ」
小竜姫? いつの間に後ろに…? でも不老不死って何?
 「教えてくれ! オヌシは知っておるのだろう!?」
あ〜もう! うるちゃいでちゅね。
 「逆転号はアシュ様が回収しちゃったでちゅよ! まだ生きてるかどうかも知りまちぇん!」
 「む……無念……!!」
あ、死んだ。



 「イテテ。酷いめに遭ったわい」
死んだと思ってたのにジジイは部屋に運んだあと、すぐに目を覚ましまちた。ホントに人間でちゅか?
 「小竜姫。オヌシも、止めてくれても良かったのではないか?」
馴れ馴れしいやつでちゅね。小竜姫を呼び捨てでちゅか?
 「すいません。不老不死と言う事でしたので大丈夫なのかと……」
小竜姫は何で怒んないんでちゅか? 私が最初に呼び捨てたときはあんなに怒ったのに。
 「小竜姫! 何なんでちゅか!? このジジイは!? イキナリ押しかけてきて、何で逆天号のことなんか聞くんでちゅか!?」
不公平でちゅ。えこひいきでちゅ。小竜姫は大人には呼び捨てにされても怒らないんでちゅね!?
 「コラッ! ジジイとはなんです! この方は魔法科学にも精通していらっしゃる世界有数の錬金術師。ご自分の研究により自らを不老不死としてもう1000年も生きていらっしゃる方なんですよ!」
1000年!? 小竜姫よりも年くってるんでちゅか? そうか。年上だから呼び捨てにされても怒らないんでちゅね。
小竜姫はいつも『目上の方は尊敬なさい』とか言ってまちたからね。私には関係ありまちぇんが。
……でも人間っていうのはウソくさいでちゅね。

 「今日もあなたに研究の協力を求めていらしたんです。それをあなたは………」
…やっぱりこうなるんでちゅか? 小竜姫のお小言は長いからキライでちゅ。
 「そんなことはどうでも良い。それよりパピリオ。オヌシの姉が作ったメカの話を聞きたいんじゃ」
…ジジイもたまに役に立ちまちゅね。小竜姫のお小言を止めたのは上出来でちゅ。
 「……ルシオラちゃんのメカのことでちゅか?」
ここは話題にのって切り抜けるでちゅ。ホントはこんな話したくないんでちゅが…。
 「そうじゃ。転生計算機とか言うのはやっぱりもうないのか? 設計図だけでもあれば良いのじゃが…」
 「『みつけた君』でちゅか? あれは逆天号の中でちたね。それにルシオラちゃんは設計図を書いたりはしまちぇん」
 「やはりそうか…。無駄足だったか…それがあれば『魂』についての研究が進むと思ったのだが…」
溜息なんてついて辛気臭い奴でちゅね。ワザワザそれだけのことのために、こんな所まで来たでちゅか?

 「お役に立てなくてスイマセン」
なんで小竜姫があやまるでちゅか?
 「なに、かまわん。研究が進まんのはいつもの事だ。では、ワシはこれで…」
シッ、シッ。さっさと帰るでちゅ。
 「じゃ、パピリオ。私はカオスさんを門の所まで送って来ますから、あなたは道場で準備していなさい」
 「? 今日は修行の予定はべつに…… !!」
小竜姫がコッチ見てニッコリと笑いまちた! あれはお仕置きを考えてる目でちゅ! ヤバイでちゅ。さっきお小言を止められたから…!? このままじゃあ……

 「あ〜〜〜〜〜〜!!」

私の声に部屋を出て行こうとした二人が振り向きまちた。こうなったら何としてでもお仕置きから逃れてみせまちゅ。
 「私、ルシオラちゃんが作った『魂探査機』持ってまちた!」
メフィストの魂を捜すときに最初に使った魂を分析するリングでちゅ。大事なルシオラちゃんの形見だからナイショで持ってようと思ってまちたが…。
 「なに!? 何故それを早く言わん? ソイツを見せてくれ!」
案の定ジジイは乗って来まちた。これでひとまず難は逃れまちたね。



 「魂を引きずり出して隅から隅まで分析する装置か…!! すばらしいッ!!」
とりあえずジジイを私の部屋に連れてきて例のリングを見せまちた。
小竜姫は門の前のコイツの連れを見てくるとか言って行っちゃいまちた。ひとまず安心でちゅね。
 「ぜひコイツをもっと詳しく研究したい! 貸してくれんか?」
…貸したらコイツすぐ帰りまちゅよね。それは困るし、だいいち……
 「これはルシオラちゃんの形見でちゅ。人に貸すことなんてできまちぇん」
 「ケチくさいことを言うな! スグ返す! 絶対に傷とかもつけんから!」
ケチ…? コイツ今ケチとか言いまちたか?
………まあ、いいでちゅ。いまコイツを痛めつけたら、また小竜姫がウルサイでちゅからね。

とりあえず小竜姫がお仕置きを忘れるくらいまでコイツに長居してもらう必要がありまちゅね。
 「タダじゃ貸せまちぇんね。私にゲームで勝てたら貸してやってもいいでちゅよ」
我ながらいいアイデアでちゅ。
いつもは小竜姫が『目が悪くなる』とか『修行の時間がなくなる』とかうるさくてあんまり長い事ゲームできまちぇんが、コイツに勝ち続ければ公然とず〜っとゲームしてられるでちゅ。
 「ゲームじゃと? なんだ。ガキ向けのコンピュータゲームか。ふふふ。このヨーロッパの魔王に敵うと思っておるのか?」
今度はガキでちゅか? イチイチむかつくジジイでちゅね。格ゲー(格闘ゲームの略)でボコボコにしてやるでちゅ。
 「勝負はゲームステーションの『アスリートファイター4』でやるでちゅよ。説明書、読みまちゅか?」
 「ふふふ。ガキのゲームなんぞ説明書を読むまでもない。さっさと始めようではないか」
ってことは、このゲームやった事ないんでちゅね。勝ちはもらったでちゅ。

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