誰がために8
投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 2/24)
横島は右手に剣を作り切りかかる。カインも同様に剣で応戦する。
「くくく。いいぞ!思ったとおりだ。君はかなりのレベルだ。ここまでの強さの奴と戦うのは久しぶりだ」
歓喜に満ちた表情でカインは攻防を繰り返す。
「こ、こいつ。もしかしたら、危ない奴?」
横島は左手に文殊を作る。『爆』の文字を刻む。
「くらえ!」
「文殊か。それはつまらんな」
呟き左手を広げる。なんとそこには文殊が生まれる。
「何?」
そして、『爆』の文字を刻み横島の文殊にぶつけ相殺させる。
「残念ながら、文殊は君の専売特許ではないのだ。
しかし、私はこれを使う気はない。これでは戦いは楽しめないのでな。できれば君を使わないでもらいたい」
と、剣を構える。
「こいつ、本気で戦闘を楽しみたいだけか」
「カインは変わったわ。神魔が休戦の状態になってから」
小竜姫たち三人は美神たちのもとへ急いでいた。
「カインの様な者は神魔に数え切れないほどいるわ。彼らはただ、純粋に戦いたいだけ。別にコスモプロセッサーでアシュタロスのように誰かの消滅は望んでいない。ただ、戦いたいだけ」
「詳しいな」
「ええ」
ヒャクメが頷く。
「昔、彼とは同門で心眼の修行をしたことがあるの。その頃から彼は強くなりたがっていた。強くなり、より強い者と戦いたがっていた。神魔戦争での彼の活躍ぶりは凄まじかった。魔族の王の親衛部隊の隊長まで勤めていた。しかし、今や休戦の状態。
しかし、アシュタロスの死後神族側で変化が起こり始めた。魔族側を統一しようとする動きが出始めた。それに連れて彼らは休戦の解除を求めた。それが、今の神魔の状況よ」
「なら、お前らが出てきてはまずいんじゃないのか?」
「もういいの。先ほどの会議で神と魔は全面戦争を決めた。これからしばらくは戦いの日々になる。一刻もこの戦いを終わらすために、魔族側の武闘派の代表であるカインを倒しておく事は決して悪いことではない」
『ん?この気配は』
ジュダは伊達たちの方向を眺める。
『なるほど。小竜姫たちか。となると、どうやら全面戦争が決定したようだな。これで奴らは堂々と私と戦えるわけだ。まずいな。いくらなんでも、あの二人と伊達は厄介だ』
気配はどんどん近くになってくる。
『まあいい。この手で行くか』
ジュダは美神たちを見る。
「もうすぐ援軍が来るようだ。しばらく待ってやろう」
「どういうつもり。不利になるんじゃない?」
「私も、強い者との戦いは嫌いではない」
美神はそのセリフに納得した。
数分後、三人が到着した。
「ジュダ」
「ようこそ。私の相手は誰かな?」
「私よ。皆は横島さんの所へ」
「いいのか?」
「ええ」
小竜姫一人を残し他のメンバーは横島の下へ駆け出す。
「さて、相手になろう」
『カイン。お前の望む状況になりつつあるようだ。まあ、これで私も望みを叶えやすくなった』
今までの
コメント:
- ついにジュダと小竜姫の対決ですね。どっちがかつかな? (3A)
- 文珠だって直接攻撃用以外に、使い方次第で結構面白くなると思いますよ、ジュダさん。
しかし今の処、ジュダの目的には「どうして(そんな世界にしたいの)?」が不明瞭ですから……ひょっとして、その部分が題名に繋がってくるのかも知れませんね。 (Iholi)
- カインの読心ってひょっとして文殊がらみ? 私も文殊の強さは柔軟な発想に有ると思うので面白いと思います。ただし、私が戦闘を書くならやはり理由をつけて文殊は使いません。だって私が使いこなせないんだもん(半泣)
神魔対戦はカインの望むところ。ジュダは混乱に乗じて漁夫の利ってトコでしょうか。それができるのも自分の強さによる裏づけと、切り札あってのことでしょうが…。 (斑駒)
- ジュダはともかく、カインの行動原理って要するに「道楽」なんですね(笑)
勝つ事よりも、楽しくバトる方を優先していますからね。嗚呼、なんて迷惑なヤツ(笑) (黒犬)
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