世界はいつも流れて……(26)
投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 1/14)
「では今週の目標!『そうじをさぼらない』!」
この空間に取り込まれないように文珠「結界」使ってるけど……そろそろ事件を解決させようかな……
俺がそんなことを考えていると、教壇の上から冥子さんが落ちてきた。
「あ、冥子さん!」
「横島さん〜〜ここはいったい〜〜何所〜〜??」
俺は急いで駆け寄って文珠「結界」+「念話」を冥子さんのポケットに入れる。
そして俺の後ろから……
「「「「先生!!」」」」
と生徒達が冥子さんに迫る。
そして、俺はもちろん吹っ飛ばされる……
「へ?え〜!?何〜〜??」
冥子さんは混乱している。
「先生だーっ!!この学校にもついに先生がっ!!」
「これで授業ができますわっ!!学級委員長としてクラスを代表して歓迎しますっ!!この学園に幽閉されて以来、私達は生活を充実させようと努めてきました!」
なんかトランスしてる愛子さんと生徒達……怖い……
(冥子さん!聞こえますか?)
(はい〜!あの〜〜これって一体何なんですか〜〜?)
俺と冥子さんは念話を開始する。
(どうやら、机の妖怪に捕まったみたいです。妖怪は学校生活を送りたいみたいなので、この学校の生徒の誰かでしょう。どうしますか冥子さん?)
俺は今回の事件の犯人を知ってるが、冥子さんの修業の為にワザと教えない。
別にこの状況を楽しんでるわけじゃないぞ……多分ね……
「しかし、学生ばかりでは学園生活はおくれない!!仕方なくHRを続けてきましたが……私達はいつの日か教師が現れることを待ち望んでいたのです!!」
(う〜〜ん〜〜わかんない〜〜)
(それじゃ、ここで教師でもしながら考えてください。時間はまだありますので……)
(教師〜〜?面白そう〜〜やってみるわ〜〜)
と楽しそうに話す冥子さん。
(頼みますから妖怪捜しを忘れないで下さいね)
「は〜〜い!それじゃ〜〜授業を〜〜始めるわよ〜〜♪」
何やらノリノリの冥子さん。
「「「わー!!授業だ!!」」」
……本当に大丈夫か……?
「もう4時間も出てきませんよっ!!いったいどーすれば!?」
「今、知り合いに連絡を……」
そう言っておキヌちゃんは唐巣神父の電話番号を押す。
「あ、もしもしっ!唐巣先生ですかっ!?冥子さんが……!」
『はい、唐巣です。ただ今、仕事で出張しておりま〜す。ご用件の方はカアーと言う発信音の後にメッセージを……』
『あ〜ああ……じ、じゃあ……美神さんなら!』
今度は美神さんの電話番号を押す。
『美神さん!冥子さんが……」
『はい、美神令子よ!ただいま仕事で出かけてるわ……用件のある方はマネーと言う発信音の後にメッセージを……」
「……ウエエエエエンンンンーー!!」
泣くなおキヌちゃん……こういう日もあるさ……
「次は〜〜副委員長さん〜〜訳して〜〜」
「はい、『いつの間にか彼女はすっかりその場になじみ、彼等の一員としてとけこんでしまっていた』」
……あれから4時間……全然進歩なし……
(冥子さん……まだ分かりませんか?)
(え?ええ〜〜わ、分かりませんわ〜〜(汗))
何やら少し動揺してる冥子さん。もしかして……
(解決方法は分かったけど、まだこの教師がやりたいから黙ってるんじゃないでしょうね)
(ええ〜〜!!そ、そんなこと〜〜あるわけあるかなあるないわ〜〜)
無茶苦茶動揺している冥子さん。
(早く解決して帰らないと、おキヌちゃんが心配しますよ。それにそろそろ結界も切れそうですし……)
(う〜〜……はあ〜〜、分かったわ〜〜残念ね〜〜……)
冥子さんは教壇に立つ。
「クビラちゃん〜〜お願いね〜〜」
そして影からクビラを出して、霊視光線を全体に放つ。
すると、愛子さんの所に光線が集結する。
「あなたが〜〜この空間を作った妖怪ですね〜〜」
あ……あっさり見つかるな……
「ちいっ!!ばれましたか……」
そして愛子は校舎に同化する。
「ですが、私の正体がわかったからってどうなるものでもありませんわ。この学園を運営してるのは私ですもの。私はただ楽しい学校を作ろうと思っただけなのに……!!ジャマするなんて許さない!!」
「ふっ!楽しい学園生活だと笑止千万!!こんなものが学園生活なわけないだろ!これじゃ刑務所と同じことだ!」
俺が言うと、愛子はガーンと擬音がでるほどショックを受けている。
「そうよ〜〜学校は〜〜朝のおはようから始まって〜〜夕方のさよなら〜〜で終わるの〜〜永遠に続く訳じゃない〜〜……いつか必ず終わりが来て卒業してしまう〜〜。それが学園生活よ〜〜!」
冥子さんが言い終わると、愛子は俺達の前に泣きながら姿を現す。
「先生〜〜っ!!私…私…本当は叱ってほしかったんです!!私は机が変化した妖怪で……学校にあこがれてたんですぅ〜。ただ…ただちょっと青春を味わってみたくて……ごめんなさい〜!!しょせん妖怪がそんなもの味わえるわけないのに……!!」
泣いてる愛子に高松君が近づく。
「愛子クン、君は考え違いをしているよ。君が今味わってるもの……それが青春なのさ」
高松君は言いながら涙を流す。
「え……」
「青春とは、夢を追い、夢に傷つき、そして終わったとき、それが夢だったと気づくもの……その涙が青春の証さ」
高松君は愛子の肩に手を乗せる。
「高松クン」
「操られていたとはいえ、君との学園生活は楽しかったよ」
おお……教室の皆が泣いてる……しかも冥子さんまで……
「みんな……!?みんな私を許してくれるの……!?」
「当たり前だよ!みんなクラスメートじゃないか!!なあ、みんな!」
「「「その通り!!」」」
クラス全員が賛同する。
「あ…あ…ごめんなさい……!!ごめんなさい……!!私…私……」
「先生、これでいいんですよねっ!?僕たち間違ってませんよねっ!?」
生徒の一人に尋ねられ冥子さんはにっこり微笑み。
「ええ〜〜♪人とゆう字は人と人が支えあってるのよ〜〜!そして、これが青春よ〜〜♪」
……すみません冥子さん……俺、もうついて行けません……
キーンコーンカーンコーン!
「終業のチャイムか……」
そして俺と冥子さんは俺の学校の教室に戻ってきた。
「横島さん!!冥子さん!!」
ああ……おキヌちゃんの顔が懐かしく見える。(6時間前に見たけど……)
「すみませんでした。ほかの皆さんにも元いた時代の学校に戻っていただきました」
しばらく俺が事情を説明していると愛子が出てきて言う。
「まあ、反省して心を入れ替えたみたいだし、このまま机として使ってやってもらえないですか?」
「……生徒にはなれなくても、せめて備品として授業を聞いていたいんですぅ……」
そして、愛子の言葉を聞いた教師達は……
「我々はみなこーゆー生徒を夢見て教師になったんだーーっ!!なのに今日びは可愛気のないガキばっかり!!」
「妖怪でも構わんっ!君は我々の生徒だーーッ!!」
とこう言うわけだ。
さらに……
「「「女子生徒大歓迎!!」」」
野獣の群れが愛子に迫る。
「「天誅!!」」
おお!女子が強い!男子生徒達をモップの一撃で仕留めてる。
「皆さん!よろしくお願いします」
愛子は嬉しそうに礼をした。
ちなみに愛子の机は空席として左側に置かれることになった。
これにて一件落着……かな?
今までの
コメント:
- 愛子編の後編をお送りしました……うみゅ〜、ちょっと疲れたかな?
次はバイパーあたりと思います。次回の冥子の活躍に期待してください!
kitchensinkさん感想ありがとうございます!それとveldさん!すみません!
前の前の回で感想があったのに書き忘れてました。本当に申し訳ありません!
では次回をお楽しみに! (リュート)
- あっはっは(笑)「天誅」がいいね〜♪
遂に出ましたね、机妖怪の愛子。
次はパイパーか、頑張ってね〜♪(お前もGS横島を進めろ)
次も期待するよ〜(^^) (ブリザード)
- クビラを使うことを思いつくのに4時間かかっている冥子って一体...彼女「らしい」と言えば彼女「らしい」ですが(笑)。他にも「青春」している学生たちに本気で同調してるあたりがツボでした(爆)。今回は主人公さんは完全に冥子に花を持たすことに徹底していましたが、次回のパイパー編ではそう上手くいくでしょうか? 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- 投げやりな感じがなく、何気に熱心に教職をこなしている冥子ちゃんがいい感じですね。この人、先生が向いてるんじゃなかろうか?と思いました、やめるの惜しがってたし。愛子ちゃんと相性も良さそうで。GSには向かない割に、こういうところしっかりしてるのって素敵ですね。
美神さんがマネー、と吹き込んでいるのを想像できないなぁ・・・ (veld)
- 冥子ちゃんではなく、冥子先生と呼びたくなりました(笑)
冥子先生の説得が、すごくよかったです。 (空の助)
- 冥子ちゃんが教師・・・いいなぁ・・・授業受けたいにゃぁ(オヒ
青春だにゃぁ・・・
面白い♪ (ブラックキャット)
- 皆さん感想ありがとうございます。
今回の冥子さんの教師姿は好評だったようで嬉しいです。
次回の冥子さんの活躍もお楽しみに! (リュート)
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