モンスタースイーパー (その5−1)
投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 1/ 6)
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モンスタースイーパー (その5−1)
「蛇、美しき女となりて、英傑惑わし、その肉を喰らい、力をつけし・・・・。」
酒場で私は、片手に本を持ち、それを見ながら、言った。
「なんでふか、ほれふぁ。」
あ〜、汚いわね〜。
口に、大量の料理を咥え、横島クンが言った。
「この地方に残っている伝説よ。」
「どういう伝説なんです?」
口をナプキンで拭きながら、おキヌちゃんが聞いてきた。
「昔、この地方には、大変な魔力を持った大蛇がいたそうなの。
その蛇を退治してほしいと、当時のMSに依頼したんだけど、
そのほとんどが、美女に変身した蛇の虜になってしまったの。
その蛇は、惑わしたMSを食べ、強大な魔力を蓄えていったのよ。
だけどその大蛇は、世界初の女MSによって倒され、その地方に平和が戻ったっていうお話。」
「へぇ〜、すごいお話ですね〜。」
・・・・そんなものかしら?
「あーーーーー!!先生、その肉は拙者のものでござる!!」
「うるへー!!早いもん勝ちじゃ!!」
「・・・・・・・。」
「あ、タマモ!!俺のエビフライを取るんじゃねぇ!!」
「!! 隙あり!!」
「!! お、俺の肉!!」
・・・・・・ガキだわ、完全に。
私は、レベルの低いケンカをしている横島とシロ(あとタマモ)を無視し、おキヌちゃんに話を続けた。
「だけど、どうやらその蛇が生きていたそうなのよ。しかも、前より強大な力を得て・・・・・・。」
「えぇっ!?」
驚きの声を上げるおキヌちゃん。
「今回の依頼は、その蛇を倒すこと。けど、そいつを倒すには、神の武具を使うしか方法がないの。」
「えっ!?本当ですか!?」
「本当よ。その神の武具を手に入れるためには、この街の近くにある、霊峰ゴベリスクの頂上に住んでいる神に頼むしか、方法は無いの。」
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫よ!!私を誰だと思っているの!?私はGS、じゃなかった、MSの美神令子よ!!たとえ魔王によって世界が滅びようとも、1人だけ生き残って生き残ってみせるわ!!ほほほほほほ!!」
「は、はぁ・・・・・。」
「マスター!!葡萄酒、ジョッキで後20本追加ねーーー!!」
空のジョッキを持った手を挙げ、酒場のマスターにそう言う。
そして、私たちは、店が閉店した後も、宴会騒ぎをしていた。
ひゅおぉぉぉぉぉ・・・・・
「な、なんというところでござるか、ここは・・・・。」
幅が1mという細い道を歩きながら、シロは怯えながら言った。
「よ、よく皆は平気でいられるわね・・・・。」
そうタマモが言う。
「ん?妙神山もこんな風だったからな。もう慣れてるよ。」
そう横島クンが答えた。
そう、この霊峰ゴベリスクは、現代世界の、妙神山に似ていた。
私は、もしやと思いながらも、前を進んだ。
「・・・・・・・。」
『神の家』
そう書かれた立て札の後ろに、巨大な門があった。
そこには、単眼巨人(サイクロプス)の顔が、二つついてあり、
その片方の顔の下に、板が貼ってあり、こう書かれていた。
『神と会いたし者
汝 死を覚悟せよ
神』
「あの〜、美神さん?どっかで見たような感じがするんですが・・・。」
「わ、私も・・・・・。」
横島クンとおキヌちゃんは、私にそう言った。
「やっぱりそう思う?」
苦笑いしながら、私は言った。
「しかし、本物みたいでござるな〜。この顔。」
シロは、左側にあった顔をつつく。
「偽物よ、偽物。」
そう言ってタマモは、右側の顔を叩く。
その時だった。
『なにをするか無礼者ーーーーー!!』
「!! し、しゃべった!?」
驚くシロとタマモ。
こっちは、あらかた予測はついていたから、大して驚かなかった。
『我らは、この門を守りし鬼!許可なきもの、ここを通ることまかにならん!!
この「ライト」!!』
『そしてこの「レフト」があるかぎり、お主のような弱輩者を通しはせん!!』
ぎぃ〜〜〜〜〜〜
「あら、お客様?」
門はあっさりと開いた。
開けたのは、普通の人々の格好をした女性だった。
赤いショートヘアに、緑色の瞳、そして、頭から生えてる、2本の角・・・。
「・・・・・。」
「間違いない・・・・。」
「・・・・・・わね。」
その女性は、紛れもなく小竜姫だった。
いや違う。
かつて、最初の女MSに、神の武具を貸し与えた神・・・・。
竜神フレイ・・・・・・・。
それが、この世界で、小竜姫に与えられた役であった。
続く・・・・。
今までの
コメント:
- もしや令子たちに関係したキャラの殆どがこの世界に住み着いているのでは?と思えるほどに色んな人たちが登場しますね(笑)。人の話を聞くよりも目の前の食事のほうが大事に感じているシロと横島クン、令子の話に熱心に耳を傾けるおキヌちゃんがそれぞれに「らしい」感じでした;何気にシロと横島クンに加わって食べ物の取り合いをしてるタマモが可愛かったです(爆)。現実世界では余り大した戦闘力を持ってなかった鬼門たちことレフトとライトですが、この世界ではどうなのでしょうか? 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- 魔王によって世界が滅ぼされても・・・って、その前に魔王倒せよ、と思ってしまいました。小竜姫、まんまですな・・・また力をパワーアップしてくれたりするんでしょうか。むぅ・・・ということは大蛇っていうのは・・・彼女ですね・・・。 (veld)
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