ザ・グレート・展開予測ショー

ライアー・ライアー!!4おまけ(ver.B)


投稿者名:sai
投稿日時:(02/ 4/22)


花見の最中、『真』の文殊を飲んで竜に変化し大騒ぎだった小竜姫。
皆とショウトラの治療を受け、翌朝妙神山へ帰ったのだが・・・・・・
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(あー、まだ頭痛いわ・・・)
眉根を寄せてズキズキ痛む頭を抑え、猿神(ハヌマン)の部屋へと向かう小竜姫。
あくまで仕事という名目で人界へ行ってたので報告書を提出するのだ。

(それにしても昨日は何があったのかしら・・・?お花見を始めたのは覚えてるけど・・・
 そういえばなんだか六道さんも妙なことを言ってたわね・・・)
(『若いってうらやましいわね〜!うふふふふふ〜』)
結局、潰れた小竜姫達を運んでくれたのは冥子の母だった(らしい)。

(誰か暴れたのかしらね。ま、後でヒャクメに聞いてみましょ。
 そういえばあの子いつ帰ったのかしら・・・?)
ふと疑問に思ったが、猿神の部屋まで来たので考えるのをやめた。








「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、以上です」


簡単に出張報告を終えて猿神の部屋を出る準備をしかけた時、それまで黙って
聞いていた猿神が口を開いた。
「・・・そうか。小竜姫、一点聞きたいことがある」

「はい?なんでしょう?」
報告書の内容は『人界の自然科学について』であって、花見で宴会馬鹿騒ぎをした
ことなどこれっぽっちも出していない。

「この写真はどういうことだ?」
「は?」

ぴらっ。



桜の中で猛り狂う竜と逃げ惑う人々の写真。
その竜には見覚えがある。えーっと、誰だっけ。・・・って・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・?




「わっ、私――――――っ!!!???」




どうして!?でも間違いなく私だわ!どーしてなの!?


「小竜姫・・・お前は人界へ行って一体何をやっとるのだ・・・・・!!」
「わっ、私にもさっぱりなにがなんだかっ!?」
「これだけ判り易い証拠があって言い訳はいらん!!人界に行ってまで竜変化して
 暴れてくるとは何事かっ!!
 そもそも最近のお前はぼーっとしてたり人界にフラフラ遊びに行ったり、妙神山管理人
 としての自覚が・・・」

以下猿神様の有難いお説教が一時間続いた後、小竜姫はようやく釈放された。







じんじんじんじん・・・・・・
(ああっまだ耳が痺れるわ・・・!)
二日酔いなので更にこたえる。

(私、酔ってなんかの拍子で変化しちゃったのね・・・それにしても、人界出張禁止3ヶ月 だなんて・・・・・・・・・はぁ・・・)
神界の時間単位では甘甘な処分であったが、今の小竜姫にはかなり長いものであった。


しかし不幸は必ず団体さんでやって来る。

そんなしょぼくれて廊下を歩いてゆく小竜姫に、声をかける人影があった。

「あ、これ小竜姫」
「え・・・ひ、ひゃいっ!?」
(大竜姫姉様っ!こんな時に・・・!)
小竜姫の中で姉の大竜姫はある意味猿神様より恐い。


「話があります。部屋まで来なさい」
「はい・・・・」
(あうー。こっちでも怒られるのね・・・)
大竜姫の後をついて歩いてゆく小竜姫はドナドナでも歌いたい気分であった。





「さて、小竜姫」
大竜姫の居室へ着くと、椅子に腰掛けおもむろに大竜姫が問い掛けた。
「お前は昨日人界へ行き、竜変化して暴れたそうじゃが・・・」
「はい・・・反省しております」

うなだれる小竜姫。

「ま、その件は猿神様より厳しい御叱責があったであろう。私から特に言う事は
何もない」
「え?」
意外な言葉に小竜姫が顔を上げる。





「それより、この写真はどういうことなのか説明して欲しいのだが・・・?」
ぴら。


大竜姫がつまんでひらひら振った写真には、竜の姿はなく・・・。





真っ赤な顔をして寝転んでいる横島と、横島の腕を抱きかかえその横顔にキスせんばかりに顔を近づけて眠る小竜姫であった。


「キャ――――――――――――ッ!!??」
ばっ!!
「おっとっと」
小竜姫の顔が瞬時に沸騰し写真を奪い取ろうとするが、ひらりとかわす大竜姫。



「あの小竜姫がのう・・・!姉として嬉しいぞ」
「キャ―――――――――ッ!!キャ――――――――ッ!!!!」

「良いではないか、年頃であれば当然の事じゃ」
うんうんと頷く大竜姫。
「姉様―――――!!か―え―し―て―――――!!!!」
(思い出したわ!!・・・・・私、あ、あんな事っ・・・)
写真を奪い取ろうと追い掛け回すが大竜姫に悉くかわされるうち、反撃を食らう。



「ところで、この男は何者なのじゃ?」
「え。」

ぎくっ。

「・・・・・・何者なのじゃ?」
「・・・・・・・・・・そ、それは・・・その・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小竜姫」
「よ、横島さんという方で・・・・・・・・・・・・・・・その・・・・・・・・・・」






以降、3時間にわたり尋問が行われることになる。
後に、小竜姫はこのときの事を『お酒なんて全て脂汗で出てっちゃったわ』と
語ったという。







「・・・・・・・・・・・・・・そうか」
大竜姫は満足げに大きく頷く。
小竜姫は正座のまま畳に突っ伏し、既にオーバーヒートをおこし過ぎて頭からは
プスプスと白い余燼が上がっていた。





「この男を呼んで参れ!」
「はいっ!?」
不意の言葉に小竜姫ががばっ、と起き上がる。

「姉様、今なんと・・・!?」
「横島殿を連れて来いと申しておるのじゃ」
「だっ、ダメです――――――っ!」
(姉様に会わせたらとんでもない事になっちゃうわ!!・・・来てくれたらちょっと嬉しいケド・・・)

「では私が人界へ・・・」
「それもダメです――――――っ!」

「ならば呼ぶぞ!よし、決まりじゃ。鬼門!参れ!」
「姉様―――――――――――――っ!!??」














そんな姉妹のやり取りを、妙神山の屋根に座りパソコン画面で眺める人物がいた。
「ごめんね〜小竜姫・・・私も友を売るようで辛いのね〜!でも私も後でばれて出張禁止はイヤなのね〜!!」
ハンカチで目頭を抑えながら、言葉と裏腹にその表情はなんだか楽しそうだ。
大竜姫様と司法取引が成立したからだろうか。

 



・・・・・後日、横島が妙神山へ呼ばれ一悶着あったのはまた別のお話。






ライアー・ライアー Ver.B(ほんとの終わり)

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