ザ・グレート・展開予測ショー

命の『選択』?20


投稿者名:運値
投稿日時:(02/ 8/13)

全校集会の後、横島達は理事長室に集まっていた。

「まったく、あなたって人は、全校生徒の前で何てこと言うんですか!!!」
「あ〜ら〜、横島君、全校生徒の前で、ただ真実を述べただけですわ〜〜」
「…どう言うこと?」

タマモは冥子の母を睨みつけながら尋ねる。もう一方の当事者である冥子はと言うと真っ赤な顔でぽーとして、時折何かを呟いて、首を振って悶えている。

「だって〜〜、横島君、冥子との婚約を認める契約書にサインしたじゃない〜〜」
「お、俺は知りませんよ!!!」
「もしかして…まさか!?」

タマモが何事かに気づく。そのタマモの様子を見てニヤリと笑った冥子の母親は先ほどのジュラルミンケースから横島が契約した書類を見せる。そこには、模擬戦の免責に関することなど一つも書いてなく、ただ、冥子と横島の婚約について書いてあった。しかも、その契約書には何か歪な紋様が描かれている。

「こ、こんなの無効じゃーーーー!!!」
「そうよ、本人の意思を考えないで…」

そう言って、契約書を奪い取ろうとする。すると、その契約書からニョロリと鎌を持った死神のような者が現れた。

「こ、こいつは、確かエミさんの所にもいた…」
「え、横島、知ってるの!?」
「うふふふふ、そうよ〜〜契約神、一応、神様よ〜〜」
「ぶひゃひゃひゃひゃ、契約、契約ぅぅ、破ったらコロすーーー!!!」
「うふふふふ、そう言うことだから諦めなさい〜〜!!」

物騒なことを言う契約神と、にこやかに笑う冥子の母。それを見て額から汗をダクダク流す横島。

「で、でも、冥子さんの意思はどうなんですか!?」
「そうよ、何もこんな男の為に人生ボランティアに捧げること無いわ」
「た、タマモそれ少し言いすぎ…」

タマモの物言いに少しカチンときながらも、冥子の方を向く横島。すると、冥子は頬を染めながら上目遣いで横島を見て言う。

「私は〜〜別に〜〜横島君なら〜〜〜…ぽ…」
「め、冥子さん…」
「ね〜〜、冥子もこう言っていることだし〜〜」

その冥子を見て、少し可愛いかもと思ってしまった横島であったが、首をブンブン振って考える。
(確かに冥子さんは可愛いが…だが、だがしかし!!!結婚は人生の墓場……お、俺はまだ17歳じゃーー!!!まだ墓場なんぞ行きとーない。甘酸っぱい青春を謳歌したいのじゃーーー!!!)

「お、俺は…い…」
「横島君〜〜…」

上目遣いで、泣きそうな顔で見つめる冥子を前に何も言うことが出来なくなる横島。その様子を見ながら、冥子の母親が言う。

「うふふふふ、でも〜〜、私も鬼じゃないから〜〜、もしも、横島君の為に泣いて止めてくれる様な女の子がいれば考えても良いわ〜〜」
「え、本当に?」
「だけど、明日の夜12時までに契約神の前でね〜〜。それ以降に、この契約書は本来の効力を発揮するから〜〜〜うふふふふ…」

冥子の母親が、契約書の書面を見ると、条項の巻末に『ただし、この契約書の効力が正当に効力を発揮するのは、○月×日からであり、この間に、下記の事由があれば…効力を発揮せず』と書いてある。

「な、なんで、明日までなんですか…」
「あら?これでも譲歩したのよ〜〜?それとも、こんなの要らなければ直ぐにでも…」
「…それでいいです」

(誰かに泣きついて頼めば或いは…しかし…う〜ん…)
そんな横島の考えを読んだように、冥子の母は言い放つ。

「た・だ・し〜、誰かに泣きついて頼んだとしても〜その子が本当の愛情をあなたに対して抱いてなかったら、契約神は分かるから〜〜。その時は…問答無用よ〜〜♪」
「う〜〜〜」

(考えてみたら、俺、ルシオラ以外に好きって言われたこと無いんだよな…これは、終わったか…ああ、俺の偉大な計画が…。でも、冥子さんでも…う〜ん…)

ほんの少し、絶望に打ちひしがれる横島であった。

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