アシュタロスを継ぐ者〜一章〜
投稿者名:ゆうすけ(侍)
投稿日時:(02/ 2/18)
〔美神除霊事務所〕
今日はあいにく雨だったので俺達は仕事をキャンセルし、事務所にいる事にした。
「ほ〜ほっほっほっ♪」
美神さんが金勘定をしながら高笑いしている。
まあいつもの事なんだが・・・・
「元手がないからボロいったらありゃしない♪」
あっ、前にも聞いた事ある台詞・・・・
「んっ?なによ?」
美神さんが横目で俺を見てきた。
「・・・・・・・あのですね・・・・・・」
「だからなに!?」
だんだん目つきがこわばってきた。
「もういい加減文珠作るのやめにしちゃダメですか?」
俺は右手に霊力を集中させながら言った。
後ろには俺に霊力を送り続けていたシロとタマモがへばっている。
もうダンボール1箱分位は作ったと思う。
と言うか今、おキヌちゃんがダンボールに詰めてるし・・・・
これ以上作ったら枯れてしまう・・・・。
「ダメよ」
美神さんはアッサリ答えた
「大体なんで破魔札使わないんですか!!」
「そりゃ、あんたの文珠使えば元手出ないからよ♪横島クンだって給料上がったんだからいいじゃない。それに・・・・」
美神さんはそう言ってまたギャラを数え始めた。
「たった50円位じゃ釣り合いませんよ!お願いしますからもうちょっとあげてくださ・・・」
バキッ!!
ひ、ひどい
「人の話しを最後まで聞かんか!!」
「ず、ずびま゛ぜん」
「それでなんでなんですか?」
おキヌちゃんが紅茶を出しながら美神さんに問いかける。
すると、美神さんの表情が真剣になった。
「・・・・・それに、文珠を早く使いこなせるようにね」
美神さんのこの表情と言葉に俺達は戸惑いの色を隠せなかった。
「ま、またなにかあるんですか?」
今度は俺が問いかける。
「多分ね」
「も、もしかしてですよ。またアシュタロスみたいのと戦う羽目になるんですか?」
「多分ね」
サー―――・・・・
俺達二人はその言葉を聞いて青くなった。
おキヌちゃんは恐怖のあまり震えている。
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
しばしの沈黙。
しかし、その沈黙は以外な人物によって破られた。
ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!
「美神オーナー!!前方に強力な霊体が急速接近中!!」
事務所は一触即発の空気となる。
「数と距離は!!」
「2体のようです!距離は1000・700・400・・速過ぎます!!目標がこちらに到達するまであと2.00秒!!」
「結界を最大出力で展開!!みんなは衝撃に備えて!!」
結界が気休めにならない事はここにいる全員がわかっていた。
案の定、二つの霊体はいとも簡単に結界を突き破った。
ズズン!!
大きな揺れと共に事務所の壁の一部が崩れ落ちる。
巻き起こる粉煙の中から現れたのは小竜姫様にワルキューレだった。
「ちょっ、小竜姫にワルキューレ!?うちの事務所になんてことしてくれるのよ!!」
まず聞くのはそんな事ではないでしょう、美神さん。
「時間が無いの!美智恵さんと西条さんが・・・!!」
美神さんの血の気が引く。
「横島さん!文珠は!?」
「そ、そこのダンボール箱に山ほどありますけど」
「じゃあできるだけ多く持って!今から妙神山に来てもらいます!!」
「ちょっと待ってよ!!ママ逹がどうしたって・・・・」
そう言いかけた時、美神さんはみぞおちに強い衝撃受けて気を失った。
犯人はワルキューレだった。
「とにかく時間が無い。早く来てもらう。」
そして俺達は妙神山にむかった。
そこで俺は自分の目を疑った。
隊長と西条は道場で横になっている。
二人の姿を見て俺は思わず胃の中のものを戻した。
「横島さん!?」
「す、すいません。大丈夫です・・・・」
隊長は肘から下の腕が焦げて皮膚が炭素化し、骨が見え隠れしていた。
西条は右肩から下の腕がない。
これは美神さんには見せられない。
美神さんはというと今ワルキューレに担がれている。
ジークは隊長の、ヒャクメは西条のヒーリングを行っている。
「見てのとおり二人は重傷を負っています。しかし、二人の受けた傷は普通のそれとは少し違うんです。」
そういうと小竜姫様は西条と隊長の霊体を二人の体から取り出した。
「!!これは!」
「そうです。彼らは生身の体だけではなく、霊体にまで傷を負っています。このままヒーリングする事も可能なんですが、もしそうしたら二人の腕はもう動く事はないでしょう。現にヒャクメ逹は腐蝕と出血を防ぐ位のヒーリングしかしてません。」
「これを俺に治して欲しいんですね?」
「はい。私も彼らのような逸材を失いたくは無いですから。」
隊長はそうかもしれんが・・・・
西条は取り柄無いしなあ・・・・・。
隊長の治療が終わり、西条の治療に取り掛かろうとした時、小竜姫様がこう言った。
「西条さんの腕についてなんですが・・・」
「普通に治すんじゃないんですか?」
「ええ、今後何か大きなものと戦闘になった時、彼は皆さんの戦力にはならないと思うんです。第一彼には特殊な能力も無いし、霊力も大した事ないですし」
確かにそうだ。
隊長には電気を霊力に換える能力がある。ピートは吸血鬼だ。
雪之丞には魔装術、エミさんには黒魔術、おキヌちゃんはネクロマンサー。
タイガーには幻覚能力、俺には文珠。
美神さんやシロ、タマモは俺達とはけた違いの霊力が出せる。
こう考えると、ハッキリ言ってこのままだと西条の戦闘での居場所が・・・・
「それで、俺にどうしろと?」
「何か特殊な能力を彼の右腕につけてほしいんです。」
やっぱりそうきたか。
ほかならぬ小竜姫様の願い、俺はアイディアを考えた。
他の誰にも無くて役に立つ能力・・・・う〜〜ん・・・・
「横島さん早くして欲しいのねー。もうそろそろ限界なのねー」
ヒーリングをしているヒャクメから抗議が飛ぶ。
!ひらめいた!!
俺の頭の上で電球が光った。
「!なにか思いついてんですか?」
「ええ、まあ頑張ってみます」
それから一時間位の手術の末、無事に西条の改造(?)が終了した。
そして俺達は二人の意識が戻るまで一休みする事にした。
なにがあったのか知りたいし・・・・
隊長をここまでにする相手・・・・・・俺は不安がよぎった。
不意に外を見ると雨が強くなろうとしていた。
今までの
コメント:
- 少々強引な展開になった気がします(^^;どうぞヨロシク (ゆうすけ(侍))
- おや、西条の評価がかなり低いような……。
確かに彼は特殊な能力はないけど霊力の高さは美神令子と同等かそれ以上だと思うけど。
だけど、文珠によって新しい能力を持つことになる西条には期待します。 (JIANG)
- さ、西条さんが改造人間に!?
前にお兄ちゃんが借りてきた、「片腕サイボーグ」という映画を思い出してしまいました(笑) (猫姫)
- 説明が不十分だったようですいません
今回横島が言った「美神さんは俺達とはけた違いの霊力が出せる」とはいままでの
美神とは違った霊力の出し方です。(ちなみに電気は使いません)
そこらへんの説明は次回以降でおたのしみを!
あとちょっとだけ次回予告。
次章は西条パワーアップの道のりです
西条ファンのみなさんお楽しみに♪ (ゆうすけ(侍))
- 小竜姫にまで、西条ボロクソ(涙)。しかも、本人の意思は何処へ……? (Iholi)
- 西条は本来、器用貧乏を旨とする指揮官ユニット・タイプなんですが、美智恵隊長の登場によってすっかりかませ犬&便利屋が板についてしまいましたね。
霊剣持ってるクセに、つーか、霊剣持ってるからこそ、犬飼ポチにも一撃必敗だったし(笑)
そして、とうとう改造人間に・・・・・・。
個人的にはサイコガンを推したかったんですが(笑) (黒犬)
- うわあああッッ面白かったあああッッッ♪(って、面白がるとこなのかココはッッ!!?(笑)
続きが楽しみですねッッ!!!頑張ってください♪ (みっちー)
- 黒ちゃん。レディーにマリアってか? (トンプソン)
[ 前の展開予想へ ] [ 次の展開予想へ ]
[ 戻る ]
管理運営:GTY有志
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa