幸せなヒトトキとお騒がせな奴等
投稿者名:弥三郎
投稿日時:(03/ 1/19)
エルドラドの続編です。
結婚式から2年後の話です。
幕張の高層マンション。
ここに横島の新居があった。
東京駅から快速で30分というなんか中途半端な位置ではあるが。
「まったく、いい加減してくれよなぁ〜、あの連絡通路は!」
横島忠夫、彼は事務所がある神田に通っているが東京駅の京葉線ホームがあまりにもアクセスが悪いのだ。
本当は都心部に家を持ちたかったのだが、住宅難で見つからず、比較的近い幕張に家を買ったのだ。
愚痴を吐きつつ海浜幕張駅からすっかり暗くなっていた家路を急いでいた。
ルシオラが待つ暖かい家に!
最近、ルシオラは横島との子供を授かった。今は5ヶ月。今では少しおなかの膨らみが目立ってきている。
横島は早くも親バカぶりを発揮。子供のためにと色々な教材を買い込んでいるらしい‥‥。
ルシオラもこの家が気に入っているらしく、そこから見える夕日は東京タワーで見た夕日よりも大きく見えるのだった。
今、横島は幸せの絶頂と言ってもいい。
一度は失いかけたルシオラは、今はいつも傍らにいてくれる。
そしてさらには愛の結晶とも言うべき子供がルシオラのおなかの中にいる。
「うう〜、寒い!」
東京湾からの風が寒い。早く家に帰って風呂に入りたいと願ってやまない横島であった。
「ただいま〜」
「お帰りなさい、あなたv。」
「ルシオラ〜、今帰ったぞぉ〜!」
ドップラー効果が出るほどの速さで横島、ルシオラにルパンダイブ!
「やん!おなかの中に赤ちゃんがいるのよ。」
顔を赤らめつつ横島を霊気の帯びたハリセンでしばくルシオラ。
眉間にクリティカルヒット(ぐきっ!)して横島、あえなく轟沈。
‥‥なんかいやな音したぞ‥‥
「ルシオラ〜少しは手加減してくれよ〜」
首が斜め45度ぐらいに曲がってしまった横島が鼻から血をドクドク出しながら立ち上がった。
「だ・め・よ。今おなかに赤ちゃんいるって言ったでしょ!あと、前から言っているようにムードっていうものを考えなさい!」
ルシオラは横島の首を直しつつ諭すように言った。
さすがに横島もしゅんとなってしまい、申し訳なさそうに「ごめん」と言った。
「わかればいいんだから。あなた‥‥」
「ルシオラ‥‥」
しそびれていた、お帰りなさいのキスをしようと言うそのとき、
ピロロロロロ、ピロロロロロ、ピロロロロロ
邪魔者が入ってしまった‥‥。
横島はかけてきたのが西条だったら後でどんな仕返しをしようかと考えながら家の電話を取った。
「はい、横しm‥‥」
「あ、横島君?丁度いいところだったわ!」
電話のかけ主は美神令子の母、美智恵だった。
「‥‥隊長ですか。何かあったのですか?」
「あら、辛気臭い声出しちゃって。さしづめ、奥さんとキスしようとしたら邪魔されたってとこかしら?」
‥‥隊長、勘が良すぎます(涙)
「まぁいいとして。今はお暇かしら?」
「ええ、まぁ。何かあったんですか?」
横島はGメンの協力要請かと思ってルシオラを見た。
ルシオラはなにやら不安げな様子だ。
「いいえ、何もないけど。個人的なことよ。」
横島はルシオラに大丈夫と言うサインを出した。
彼女はホッとしているようだ。
「今からね、そっちに行くのよ。」
「ああ、こちらに来るんで‥‥ええっ!」
横島、思考回路停止。
「パビリオやべスパが今来ていてね。ルシオラさんのところに行きたいって言うから連れてこうと思って」
「‥‥‥」
「横島君?まぁ、いいや。すぐに着くからね、じゃぁね〜」
「あっと、隊長?」
がちゃん!
ツー、ツー、ツー、ツー
切れちゃった。
「あなた、どうしたの?」
「隊長がパピとべスパ連れてくるって‥‥」
「今?」
「ああ。」
「じゃぁ、準備しなくちゃ!」
(あ〜あ、今日はお帰りなさいのキスはお預けか‥)
なんて横島が思っていたそのとき
ぴ〜んぽ〜ん
え?
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンピンポンピンポンピンポンピンポン!!!!
「だぁ〜〜〜〜!!うるさい!近所迷惑だろ〜が!」
受話器をとるなりそう叫んだ。
インターホンの画面を見るとすでにパビリオとべスパ、そして美智恵がいた。
「早いですね、もう来たんですか。」
「そうよ、ちょっと早かったかしら?」
「早くあけなちゃい!、ヨコチマ!」
「あ〜わかったよ、今開けるから。」
横島がドアを開けると
何人いるんだろう‥‥アシュタロス戦に出た主なGSメンバーが勢ぞろいしているではないか!
「に〜に、来たよぉ。」
「ありがと、ひのめちゃん‥‥」
「小僧、立派な家じゃな。わしの家と交換しろ」
「カオスのおっちゃん、無茶言うなよ、ボロアパートはもうやじゃ!」
みんな口々に文句やら子供のできたことへの祝福の言葉をくれた。
「いっぱしの男の顔じゃないの、横島君。」
「あ、美神さん。」
声の主は元雇い主だった美神令子である。
「まったく横島君の癖にいい家に住んじゃってさ。」
「いいじゃないですか。」
少しぶすくれた後、横島は思い出したかのように
「美神さん、結婚式のとき来てくださってありがとうございました。」
あの後お礼を言いそびれていた横島。
「ふん、いいのよ。それより条件を出したのよ、あの時。」
それを聞いたとき、横島は恐怖におののいた。
大金を出せと言うのか?今までの資金はマンション購入の時にほとんど消えている。出せる金なんてない。
「あんたの子供の名前、第一子は私がつけさせてもらうわ。」
「へ?」
以外だった。
「名づけ親になってくれるんですか?」
「ふん、何だっていいじゃない。最初は大金をせしめようかと思ったのよねぇ〜」
横島は内心冷や汗だらけである。
「そしたらルシオラが来てね。あの子、こう言ったわ。”ヨコシマと結婚することになったのは聞いているわよね。あなたからヨコシマを奪うような形になって申し訳ない。だけど、あなたにちょっとした事やってほしいの。”なんていったと思う?”名付け親になってくれないか”って」
そういうと美神はくすくす笑い出した。
「はじめ何言ってるのこいつなんて思ったわ。だけど、あんたにしばく以外一矢報いる方法ってそれしかないのよね。」
「美神さん‥‥」
「心配しないで頂戴。ちゃんとまともに考えてあげるわ。」
意外な美神の優しさに触れた横島はつくづく俺達家族は幸せだなと感じた。
ぴ〜んぽ〜ん
またかよ‥‥
「は〜い」
ルシオラが玄関に行く。
「忠夫〜、母さんよ!」
「忠夫!ルシオラさんを俺に譲れ!」
「おやじ〜!!俺の妻に手ぇ出すんじゃねぇ!」
その日の横島家はにぎやかなパーティー会場となったが、翌日、床には酒で酔うつぶれたメンバーが横たわっていたそうな‥‥
今までの
コメント:
- 何だかんだ言ってちゃっかり近所迷惑してます、皆さん(笑)。結婚2年目でも横島クンは相変わらずのようですね;他のメンバーにしても美智恵ママは相変わらず勘が鋭いようですし、それぞれのキャラに合った形で横島クンとルシオラを祝っているあたりが「らしい」気がします。名付け親を頼まれた令子ですが、一体どんな名前を考えたのでしょうか? 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- あう!矛盾点発見!書いてて気づかなかった‥‥。(92行目(条件)と102行目(名付け親になってくれ)のこと)
まぁ、美神さんの言葉のあやって事で(汗)
・kitchensink様
早速感想ありがとうございます。
横島君のダイブは「三つ子の魂百までも」と言うことで条件反射的な、いわば儀式みたいなものです。
名前ですね〜私なら男の子は忠紀、忠徳(二つともただのり)蛍介、蛍太。
女の子なら蛍、蛍子、忠美など。
美神さんならきっといい名前付けてくれると思います。 (弥三郎)
- ああ、幸せですね〜(感涙)
結婚しても横島君のあの行動が変わらないところがよかったですw
kitchensinkさんとおなじく、名前が気になりますね・・・
私的には、たぶん、女の子かな〜っと・・・
ヨコシマを賭けて、ルシオラVS娘・・・みたいな感じで・・・(爆)
次回作(続編?)期待しています!がんばってください〜! (Hittar)
- おおおおお、幸せそうな結婚生活ですのう。おっけいです。(謎)
個人的に、なにげに落ち着いた感じの名付け親美神がいい感じでした。きっと言い名前を付けてくれることでしょう。
・・・ちょっとルシオラさんに質問なんですが。
あの・・・おなかの中に赤ちゃんがいなかった頃はどーだったのでしょうか?(爆)
次回作にも期待大!!では。 (紫)
- 2作目も感想くださいましてありがとうございます。
・Hittar様
幸せな家庭を書こうかと思ってやってみましたが良かったです。
あの行動が無きゃ横島君じゃないもん(爆)!
娘と妻が対決するってのは面白そうですが、息子だそうかな?あるいは双子で。
でも、娘と妻が横島を奪いあうのって……(以後略)
・紫様
自分で思ったのですが、美神さん、性格丸くなったなぁって。
幸せそうな横島とルシオラを見て毒気でも抜けたんでしょうかねぇ〜。
で、ルシオラ、子供出来る前はどうだったんだ?
「え!!そ、それは、ヨコシマがダイブしてきても構ってあげたし、そのままベットに……、イヤーン!恥ずかしいじゃない!!」
ばしぃ!!
ぐはぁ!!(吐血)
し、幸せそうで……(がくっ) (弥三郎)
- ああ・・・弥三郎さん、大丈夫ですかな?(汗)
しかし、お二人ともほのぼのラブラブでいいですな、見てるこっちが恥ずかしくなる程新婚生活を満喫してますね〜
でも、それはあの事件を戦い抜き、生き残れた二人に与えられる当然の幸せと自分は勝手に感じてます。
後、勝手ながら自分からも質問があるんですが、最終的には子供は何人授かる予定なので?(爆)
では、又次回作も期待してますので頑張ってください
(ファントム)
- あいたたた……(背中さすりながら立ち上がる)
どうも、弥三郎です。
ファントム様、だめです。霊気帯びた平手で叩かれたもんですからダメージが……
冗談はおいといて、今回も気に入って頂けたようで。私も書いていてこそばゆくなっていました。
二人で水入らずで末長くやって欲しいものです。
子供ですか。
おい、二人とも、お前らどう考えているんだ?
横「う〜ん、サッカーチーム出来るぐらいかな?」
ル「ちょっと多すぎるわよ。私だったら野球チームぐらいだわ!」
二人とも、たいした差無いんすけど……そうでなくても多すぎ……
横、ル「「文句ある?!」」
い、いや、ないです…… (弥三郎)
- 幸せですかーーーーー!!!?(壊)
幸せですね〜。ルシオラさんと横島クン。
『幸せなヒトトキ』ってすばらしいです♪
ルシオラの子供の名前、どんなのになるんでしょう?
美神さんはきっといい名前をつけてくれると信じております♪ (ハルカ)
- ルシオラお前は酔っ払うなよ。
はて。
して子供は男の子か、女の子か。 (トンプソン)
- どうも、ありがとうございます。
次回で最終回です。
・ハルカ様
そうです、彼らは幸せなんですよ。
次回で明らかになります、名前と子供の数。
お楽しみに!
・トンプソン様
初めまして、トンプソン様。
妊婦が酒飲むのはいけませんね。ましてや酔っぱらうなど……
子供ですが……ゲフンゲフン。
次回で確認くださいませ。 (弥三郎)
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