ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・?124


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 2/24)

年は二十台後半だろうか?
180近い長身には、仕立ての良さそうなスーツをまとっている。
漆黒の髪に同じ色の瞳、派手ではないが、端正な顔立ちには、柔らかな微笑を浮かべている。
全体的な空気も穏やかでどこからどうみても好青年といえるであろう。
だがその好青年の口から出た言葉が―
「やあなっちゃん、またハニーが無茶したのかい?」
であった。
今時大真面目に『はにー』である。
しかも、その上この場合の無茶というかそれを差しているのはゆうこしかいない。
と、いうことは、この人の良さそうな青年はゆうこの恋人というものであろう。
これに驚かずしてなんに驚くか?といえる。
夏子はなれている(免疫があるとも言う)らしくさして気にもせずに、
「んーなんや無茶したらしいわ…いきなりぶっ倒れたもんなあ」
と苦笑しつつ言う。
「……は、はにー?」
汗を流しつつおきぬ。
「ずいぶんと…無茶な方もいたでござるなあ」
しみじみとシロ。
そして肝心の美神の反応は―
「………………悪夢だわ」
とうめき額を抑えた。
よりにもよってこの場であうんかいとひとりごちる。

一方青年は気を失っているゆうこにそっと近寄る。
血の気がひいた頬に手をあてその冷たさに眉を潜めた。
だがある『異変』に気付きすぐに口元をほころばせる。
「枷が、とれたのかあ」
言葉にも喜びが滲む。
そう、ゆうこにあったかすかな歪みが綺麗さっぱり消えているのだ。
「………よかった…」
本当に嬉しそうな声である。
そして、気を失っているゆうこを抱えてふわりと笑う。
―と。
ぴくりと青年の腕の中にいるゆうがが身じろぎする。
「―ん。」
ゆっくりと瞳が、印象的な栗色の瞳が開かれる。
一番最初に視界に入るのは、見目の良さそうな青年―
「やあはにー」
にこやかに嬉しげに笑う青年。
ゆうこはいまだはっきりとしてくる頭でその青年を認めるとそりゃもうこれでもかっと言うくらい嬉しげに笑い―そして紡がれる言葉は、
「なんでここにいるのかしらあ?」
という氷点下の声音であった。
ぴきっと部屋の温度が下がる。
「ああもちろん、はにーの為にだよ」
だがその言葉をむけられた本人は至って平然と返す。
「確か仕事っていってたでしょ?」
ぴきぴきと更に音をたてて下がる。
「もちろん早く、はにーに逢いたいから早く仕事を済ませたんだ」
まったくかわらずに青年。
すると―ゆうこは、にこにこと笑いながらそっと腕を伸ばし―
ぐいっと青年の頬をひっぱった。
「ひゃ…ひゃんひゃい?」(なんだい?)
それでもわらいつつ青年。
引っ張られた頬は、赤くなっているがそれでも抱えている腕をはずさないでそのままでいるのはまあ流石といえるであろう。
「だからっどおしているのかなー?たしか早くても1週間はかかるっていったでしょ?また無茶したんじゃないの?」
といいぱっと手を離す。
「君にはそれは言われたくない台詞だなあ」
と苦笑しつつ青年。
すると―ゆうこはにっこしと笑い
「ワタシはいいの。」
とのたまわった
つづく

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