AFTER DAYS!!(7)<俺と狐と>
投稿者名:ハルカ
投稿日時:(03/ 1/16)
<俺と狐と>
俺が立ち去った後、西条が無線を持って連絡していた。
『すまない、第1部隊はターゲットの捕獲に失敗した。
なんとかターゲットを山間部に追いこんでくれ!!
山や森の中なら人目を気にせずにかなり大掛かりな作戦に移れるからな!!
なんとしても、令子ちゃんの事務所に近づけちゃいけない!!!!』
ハァ・・・・ハァ・・・・・ハァ・・・・・
くそっ!!
ここにもオカルトGメンがいやがる!!
どこまで手が込んでやがるんだ西条は!?
・・・・・まずいな。
ドンドン事務所から離れていってる。
まるで西条に誘導されてるみたいだ。
どうする!?
オカルトGメンの包囲を強引に突き破って美神さんの事務所にたどりつくか?
・・・・・・・だめだ!!
どう考えても事務所のみんなに迷惑がかかっちまうし、
なによりこの新しい霊波刀は霊力と魔力の反作用で爆発的な力を生み出すわけだ。
つまり手加減ができない!!
ただの任務で来ているオカルトGメンを殺すわけにはいかない!
以前のただの霊波刀じゃ西条が用意する作戦には歯が立ちそうにねえしな。
『いたぞ!!第二部隊、ターゲットを確認!!
至急増援を頼む!!』
突然、オカルトGメンと思われる男の声が辺りに響いた。
男の手には無線が握られている。
その声を聞いて他のオカルトGメンも集まってきた。
くっ・・・・
ついに発見されちまった。すっかり囲まれてやがる。
どうする?
直接攻撃はできねえ。
今の霊波刀は人間くらい簡単に消しとばしてしまうからな。
この人数相手じゃサイキック猫だましもあんまり意味がねえ・・・・
・・・・・そうか!!サイキック猫だましか!!
俺は右手に霊力、左手に魔力を込めそれを増幅させた。
「気をつけろ!!
ターゲットは第一部隊の包囲をとてつもない破壊力で突破したらしいからな!!
総員、防御姿勢のまま霊体ボーガンを用意!!
遠距離からターゲットに攻撃する!!!!」
オカルトGメンが霊体ボーガンをかまえ、発射された瞬間
俺は右手の霊力と左手の魔力を反応させつつ地面に叩きつけた。
ドウン!!!!
激しい衝撃波と共に土煙が舞い上がり
その反動で俺の体は十数メートル上空へ飛ばされた。
下を見ると俺を取り囲んでいたオカルトGメンがその衝撃で吹き飛ばされている。
・・・・・・・どうやら死人は出てない様だ。
さて、俺もどこかに着地しないと・・・・・
なんせ今、俺は上空十数メートル地点にいるわけで。
すぐ後ろに森があるな。
そこでオカルトGメンをまくか・・・・・・
俺は空中で向きを調節し、すぐ後ろにある森へと落下した。
バキバキバキィ
木の枝をクッションにして森の中に着地した俺は再び走り出した。
それにしてもなんだか妙だな・・・・・
やっぱり俺は誘導されているのか・・・・?
『第二部隊、
捕獲には失敗しましたがターゲットの山間部へ誘導に成功しました。
第三部隊へ引き継ぎます。
ターゲットはどんどん成長しています。慎重に捕獲してください!!』
先ほど吹き飛ばされたオカルトGメンから無線が入る。
それを聞いて
『了解。
む・・・・・?
あそこの森は・・・・・これは好都合だ。
思ったよりも早く捕獲できそうだな。』
西条の口元がニヤリと歪んだ。
ふう・・・
とりあえずここで様子をみるか。
明日の午後六時までに美神さんの事務所で文珠を手に入れて
妙神山へ帰らなくてはいけない。
俺は腕時計で時間を確認した。
午前四時
もうすぐ夜が明ける。
これを吉と取るか凶と取るか。
どちらにせよ、俺はオカルトGメンの包囲をかわして
美神さんの事務所にたどり着かないといけないんだ!!
俺の考えをさえぎるように数人の男たちの足音が聞こえてくる。
オカルトGメンだろうか?
俺はすばやく身を低くし、気配を殺した。
ガッシャ、ガッシャ、ガッシャ
今までのオカルトGメン達とは明らかに違う重装備だ。
銀の銃弾入りの拳銃はもとよりマシンガンのようなものまで持っている。
こんな物まで使う許可が下りるのか!?
・・・・・だとしたらオカルトGメン本部は完全に俺を人間だと認識してねえな・・・・
とにかくここはマズイ!!早くこの場を立ち去ろう!!
武装した男たちがいなくなるのを確認して
俺は急いでここから駆け出した・・・・・・・・・・・・そのとき
カチッ
ヤバイ!!
何か踏んじまった!!トラップか!!??
バシュバシュバシュッ!!
数本の霊体ボーガンが俺の足元にめがけて飛んできた。
俺はそれをジャンプしてなんとかかわす。
バシュンッ!!
続いて呪縛ネットが空中の俺に向かって発射される。
ウソだろ!!??
空中でコイツはかわせない!!
・・・・・・・・ここまでか。
しかし、呪縛ネットは俺の予想に反して
空中にいる俺の僅かに下にそれ、俺の足元に着弾した。
おかげで俺は無事に着地することができたわけだが・・・・・・・・
・・・・なんだ?
今のは明らかにおかしい。
もしも呪縛ネットの着弾地点をあと50センチ上に設定されていたら
確実に俺は捕獲されていただろう。
「何かが罠にかかったぞ!こっちだ!!」
くそっ!!
さっきの男達だ!!!!
俺がその場から走り出すのと同時に銃声が鳴り響く。
ババババババババッ!!
男達のマシンガンから銀の銃弾が発射され
弾丸が俺の左腕をかすめた。
グ・・・・・・
だが痛みを気にしているヒマは無い。
俺は全力でこのまま駆け抜けなんとかこの場から脱出した。
幸い、銃弾は左腕をかすめただけで傷は浅い。
俺はバンダナで左腕を縛り、止血した。
「ゼエ・・・・ゼエ・・・・・
とりあえずコイツで止血しておけば大丈夫か。
・・・・・・・・ん?あれは・・・・」
少し先に目をやると一匹の狐がオカルトGメン達が仕掛けたであろう罠にかかっている。
俺に仕掛けた罠に関係無い動物までがかかってるのか・・・・
俺は狐を罠からはずしてやり傷の手当てをしてやろうとしたが
狐は人間への警戒心をむき出しにしてなかなか手当てさせてくれない。
「ごめんな・・・・
俺がおキヌちゃんみたいにヒーリングが使えりゃいいんだけどな。
とりあえずはこれでカンベンしてくれよ。」
俺は強引に狐を抱くと霊波を照射しつづけた。
以前シロにやったときの要領だ。
ハハハ、まさかコイツもシロみたいに大きくなったりしてな。
俺の言葉を聞いた狐は納得してないような顔をしながらも
とりあえずはおとなしく治療を受けてくれた。
なんだかウトウトしてきた。
今日は一日中走り回ってたからな。
辺りに人間の気配もしないし少し仮眠するか・・・・・
今までの
コメント:
- もしかしてこの狐ってタマモでしょうか? 確かハルカさんの一連の長編シリーズですとタマモはまだ登場してませんでしたし。Gメンの包囲網により着実に追い込まれてしまっている横島クンですが、果たして大丈夫なのでしょうか? そして謎の狐と遭遇したことがどんな結果を生み出すのでしょうか? 次回に移ります♪ (kitchensink)
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