ザ・グレート・展開予測ショー

横島 IF 第一話


投稿者名:777
投稿日時:(02/12/21)

初めまして、777と申します。
つい最近、GS美神のSSに傾倒し始めまして、つい自分でも書いてみたくなってしまいました。
稚拙な作品ですが、読んでくださると嬉しいです。

この『横島 IF』は横島君の設定が原作と少し違うだけの物語です。

設定  横島忠夫  15才(高校一年)
1年前に両親が他界。親類縁者もおらず、彷徨っていたところを幼なじみの美神に拾われる。後見人は美神。姓は変えてない。
横島の生家は剣術道場であり、戦闘能力、運動能力、精神力は非常に高い。
ただし、霊力は常人と比べてもかなり低い。
頭はかなり悪く、天然ボケ。さらに極度の熱血漢である。スケベではない、、、はずだが、年上の女性に弱い。
なお、幼い頃に美神に霊能力で虐められていたことがあり、また彼自身霊能力を使えないこともあって、霊能力にほとんど崇拝にも似た感情を持っている。
曰く『霊能力者には何をしても勝てない』
実際は生身での戦闘ならすでに美神をも超えているのだが…
時給250円。仕送りしてくれる両親もいないので極貧生活。いつも腹を空かしている。


物語は原作第一巻の第一話から始まります。
原作に応じて物語は進みます・・・が、全部が全部書いてられないので私の気に入っている話だけ書くと思います。
過程は変わっても、結果は大体変わりませんので。
つらつらと書き殴ってすみません。それでは本編をどうぞ。





――リポート1  美神除霊事務所出動せよ!!――


「吸引!!」

その声と共に、悪霊が紙の中に吸い込まれる。

「一丁あがりっと。横島君、今回もご苦労様〜」

悪霊を吸い込んだ紙(名前は忘れた)をひらひらさせたまま、赤い髪のお姉さんが俺に声をかけた。

美神令子嬢――美神除霊事務所所長。この業界でトップクラスの実力者であり、俺の後見人であり、俺の雇用主だ。

地価高騰で自縛霊の掃除は超ボロい商売となった。もはやこの日本に幽霊を住まわせる土地など無いのだ!

と、自己紹介が遅れたようだ。俺の名は横島忠夫。この事務所でアシスタントをしている。

理由?理由はもちろん――――――





あの性悪女が後見人だからだよっ!畜生っ!!






「ふーっ。ボロもーけの後は気分がいいわね!」

缶ビール片手に美神さんが上機嫌でそう漏らした。

「そんなにボロかったんですか?」

「相手は大企業よ、半日で一億!」

のんびりしたまま答える美神さん。そんだけ儲けてるくせに俺は時給250円かよ…。

「・・・可愛い弟の時給を上げてやろうとか、可愛い弟に特別ボーナスをあげようとか無いですか?」

一年前に両親を亡くした俺は、幼なじみだった(虐められた記憶しかね〜んだが)美神さんに引き取られた。

義弟、だそうだ。

それからず〜〜〜っと、俺は時給250円でこき使われている。しかも一緒に住ませてくれりゃいいのに俺は四畳半のアパート。家賃はバイト代から。そのうえほとんど行ってないけど高校も自費だ。

まぁほぼ毎日事務所に入り浸ってるし、一緒にいるときはご飯も(一応)くれるし、今のところ栄養失調で死ぬことは免れてるが。

………いつも腹は空かしてるがなっ!

「ん〜?じゃあ、特別ボーナスあげよっか。私のキスとか」

そんなもんいらん。

「せめて食えるものをくださいよ…」

「何よ。美人な姉のキスがいらないって言うの?」

いらねっての。

ちょっとムッとする美神さん。自分でからかっといて怒るのはやめてくれ。

「冗談よ。本当の特別ボーナスはこ・れ(はぁと」

美神さんはそう言って俺に一枚の書類を差し出した。それ、確か仕事の依頼書じゃ…?

「人骨温泉ホテルですって!露天風呂に霊が出て客が激減してるらしいわ。ギャラは安いけど温泉でのんびり出来そうよ」

仕事じゃねぇか。

まぁ、仕事とは言え温泉だし、きっとうまい料理も出るだろうから不満はないかな。

「お供します!美神さん」

「うんうん、可愛い弟が喜んでくれて私も嬉しいわ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

別にい〜けどね。




――――――――――――――――

「大丈夫ーー!?横島クーン」

「大丈夫に見えますか?ねぇ、大丈夫に見えますか?」

わかってたさ。何かあるだろうなってのはわかってたさ。

俺は今、なんちゃら温泉を目指して歩いてる。どうもなんちゃら温泉は山の上の方にあるらしく、俺が今いるここもかなり酸素が薄い。

酸素が薄いだけなら、俺は平気だ。ただ・・・

『くらっ』あ、やばい。

『ばたっ』地面とキス。

「さ・・・酸素ーーーっ!」

「標高高いもんねーーー」

違う。断じて違うぞ。酸素だけじゃねぇ。この荷物だ。何が入ってるかしらんが60sはあるぞ。

「先に行くわねーっ」

倒れた俺を捨て置いて、あまつさえぶんぶんと手を振って笑顔で歩き出す美神さん。あんた弟を愛して無いどころか、弟の命を屁とも思ってないだろ。

美神さんは手を振りつつ俺の視界から消えてしまった。マジで見捨てられたか?・・・やばい、泣きそうだ。

「あの、大丈夫ですか?」

涙をこらえるために下を向いてたら、急に優しい声がして、暖かい手が俺の頭を撫でた。

・・・美神さんが、戻ってきてくれたのか?

目を上げる。そこにいたのは巫女衣装を着た、俺と同い年くらいの女の子だった。

・・・まぁ、美神さんが戻ってくるわけないか。

「ああ、うん、大丈夫だよ。ちょっとね、世の中の不条理を神様に抗議してただけだから」

適当なことを言ってお茶を濁す。さっきまで泣きそうだった、なんて言いたくない。

「そうですか。あの、立てますか」

手をさしのべてくれる巫女少女。うう、優しいなぁ・・・。

美神さんも時たまごくまれにほんの気まぐれで少しだけ優しいときもあるが…いや、あの人と比べちゃダメか。

「ありがとう」

巫女少女の手に捕まって立ち上がろうとする。その途端、

「えいっ!」

俺の手が強く引かれた。視界の先にあるのは断崖絶壁。

「くぅぅぅぅぅぉぉおおおおおっっっっっ!!!!」

とっさに背筋だけで後ろに飛び跳ねる。腰が痛ぇ・・・

「い、い、い、いきなり何すんだあんたっ!」

巫女少女の暴挙に抗議しようとして、思い出した。『俺は彼女の方に引かれた』『引かれた先は断崖絶壁』『彼女はどこに立っている…?』

「ああ、また失敗……せっかく死んでいただけそうな人を見つけたのに…しくしくしく…」

巫女少女は泣きながら消えてしまった。文字通り、跡形もなく。




………ユ〜レイさん?

俺に声をかけたのは死んで欲しかったから?

………優しさなんて、あらへんねや……。





って、幽霊だとっ!!




「う゛あ”あ”あ”あ”あ”ーーっ!!美神さん美神さん美神さーーん!!」



いきなり恐怖にかられた俺は、60sの荷物も物ともせず、美神さんを追って山道を駆け抜けたのだった。





――――――――――――

第一話前編終了。気力が尽きました。

美神さんを「姉さん」とでも呼ばせようかとも思いましたが…保留です。

次回が後編となるか中編となるかは…気力次第です。

感想、お願いします。

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