==天気
投稿者名:Hittar
投稿日時:(03/ 1/ 7)
こんにちは、Hittarです。前作は感想ありがとうございました。
今回も指摘されるところは沢山あると思いますが、
たのしんでいただけたら、幸いです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おねーちゃん、ここでなにしてるの?お家にかえれないの?」
幼い子どもの声を私は聞いた。
「おねーちゃんはね、人を待ってるの。」
嘘を言う理由もなく、事実を述べてみる。
私は微笑んでいる。
「ふ〜ん。私はね、これからお家に帰るの。お母さんが待ってるから。」
微笑みを返す少女。
駆けていく足音。
それを見つめている私。
「ふぅ・・・」
一息ついてみる。
息は白い空間を描き、冷空へまぎれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お兄ちゃん、こんなとこでなにやってるの?道に迷ったの?」
俺は子どもの声を聞いた。
「ちょっと疲れて座ってるだけさ。」
本当のことを言う気にもなれず、曖昧に答えてみる。
俺は笑顔を作っている。
「ふ〜ん。僕はね、おつかいしてるんだよ。道だって分かってるよ。」
笑顔を返す少年。
去っていく足音。
それを見つめている俺。
「ふぅ・・・」
一息ついてみる。
息は困惑した空間を描き、埃空へとまぎれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「寒い・・・」
ポツリと声が出る。
誰もいない公園で、誰かに届くわけもなく飛んでいく言葉。
「でも、暖かい。待ってるだけでも幸せ。」
どこに向けてと言うわけもなく微笑んでる私。
「会ったらなんて言えばいいのかな・・・。おまえは知ってる?」
ベンチの横の花に話しかけてみる。
駆け抜ける冷風とともに、かすかにそれはうなずいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「行くか・・・」
ポツリと声がこぼれる。
混雑する駅で、誰かに届くわけもなくかすれていく言葉。
「あいつを待たせるわけにはいかねーからな。」
自分に言い聞かすように微笑んでいる俺。
「会ったらなんて言えばいいんだ・・・。おまえは知ってるか?」
路上のゴミ置き場のぬいぐるみに聞いてみる。
駆け抜ける冷風とともに、かすかに取れかけた耳が動いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「来た・・・」
寒さは感じていなかった。
妙に鼓動が早い。
「ちょっと背、のびたかな?」
遠目で見ている人影から、変化を探す私。
だって、わたしの知らない彼は嫌だから。
「困った顔しちゃって・・・」
表情から、彼の優しさから全部分かる。
その意味が。
「私と同じ事考えてるのね。何て言えばいいんだろうって。いつもすぐ顔に出るんだか ら。」
彼のぬくもりが、風を伝わって流れ込んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いた・・・」
寒さは感じていなかった。
妙に鼓動が早い。
「変わってねーな・・・」
遠目で見る人影から、脳裏に焼き付いた姿と比較する俺。
だって、あのときは最後だと思ってたのだから。
「微笑んじまって・・・」
表情から、君の優しさから全て分かる。
その意味が。
「俺と同じ事考えてたな。何て言えばいいんだろうって。隠すのはあのときだけで十分だ ぜ。」
君のぬくもりは、空気を伝わって流れ込んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「愛してる。もう、離さない。」」
そう言って私は彼に抱かれ抱いた。
思ってる事を言おうと決めた私。
同じ事を言う彼。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「愛してる。もう、離さない。」」
そういって俺は君を抱いて抱かれた。
思ってることを言おうと決めた俺。
同じ事を言う君。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「約束通り迎えに来た。ちょっと時間かかっちまったけど。」
照れ隠しに頭をかいてる彼。
照れ隠しに頭をかく俺。
「いいの。そのぶん幸せにしてくれるよね?」
当たり前のことを聞く私。
当たり前のことを聞かれる彼。
うなずく俺。微笑む私。
冷たい・・・
氷の妖精たちが舞い降りだす・・・
暖かい・・・
茜色に染まっていく君と俺と・・・
どんな結末でもいいんじゃない?
このぬくもりは本物だから。
ある時空の、ある世界の、ある日の天気・・・
曇りのち雪、一瞬・・・
夕焼け・・・
今までの
コメント:
- 今回の作品の主人公が誰と誰なのか必死に考えているkitchensinkでございます(笑)。女性のほうの口調が若干変わってますが、私は雪之丞と弓に賭けています(爆)。男女両方の視点から同時に物語を進めているのが興味深かったです。同じように悩み、照れ隠しをする二人が微笑ましいですね(笑)。投稿お疲れ様でした♪(ゆっきーと弓じゃなかったらごめんなさい←汗) (kitchensink)
- これはルシオラに違いありません。(きっぱり)
だって、だって・・・・
ルシオラじゃなきゃ、ヤダーーー!!
きっとアシュとの戦いで
あーなって、こーなって
「きっと迎えにいくから・・・だから待っててくれ!!」
なんて台詞を言ったのです!(断言)
ホント、ドキドキしました。すごく綺麗な描写で最高です。
ルシオラじゃなかったらすみません・・・・・ (ハルカ)
- どもども。kitchensinkさん、ハルカさん感想ありがとうございます。
この2人は誰かは見てくれた方、
それぞれの考えで楽しんでいただけたらいいです(笑)
私的には、あの2人なんですけど。(夕焼けw)
未熟ながら、色々な技法試してみました。
キレイとか、興味深いという感想、すごくうれしいです。
これからも、おねがいしますね〜^^ (Hittar)
- どもども。kitchensinkさん、ハルカさん感想ありがとうございます。
この2人は誰かは見てくれた方、
それぞれの考えで楽しんでいただけたらいいです(笑)
私的には、あの2人なんですけど。(夕焼けw)
未熟ながら、色々な技法試してみました。
キレイとか、興味深いという感想、すごくうれしいです。
これからも、おねがいしますね〜^^ (Hittar)
- ああっ・・・
2重投票のうえに、自分に1票・・・。(汗)
すみませんでした(T_T) (Hittar)
- 綺麗な話ですね・・・。自分的にはやっぱりルシオラと横島くんっすかね。何となく、夏子って感じもしたんですけど。彼と彼女の考えることが重なり合っている所にほのぼのとした思いを抱きます。ストレートなんだけど、ソフトな感じ。
似たもの同士、で片付けてしまうにはちょっと足りない、心を共有しあった、二人ですね。何か爽やかな・・・うぅ、言葉が足りない(泣) (veld)
- 票入れんの忘れてました・・・。すいません。代わりに、Hittarさんの貰うんで・・・。 (veld)
- veldさん、感想&票の修正まで(汗)ありがとうございます^^
言葉が足りないなんて、いえいえm(_ _)m うれしいですw
これからも、おねがいします(^o^) (Hittar)
- >「ちょっと背、のびたかな?」
身長が伸びても不自然ではないくらいに時が経っている事から、
『ルシオラが転生を待っていたら横島の方が除霊中の事故であの世に来ちゃった構図!』
などとおバカなパターンを考えてしまいました(笑)
まぁ、これはこれで一つの幸せな再開とゆー事で(ぉ
めでたしめでたし。 (黒犬)
- はうわ!? どうやら私の読解ミスだったようですね...負けました(謎)。改めまして、投稿お疲れ様でした♪(笑) それではこれにて失礼致します。 (kitchensink)
- >黒犬さん
感想ありがとうございます^^
横島君があの世に来ちゃった構図ですか!w
なるほど・・・(おい
>kitchensinkさん
いえいえ、読解ミスなんてないですよw
読んでいただいた方、それぞれの解釈が一番正しいので(^ー^)
またお願いします〜 (Hittar)
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