命の『選択』?19(前半)
投稿者名:運値
投稿日時:(02/ 8/13)
次の日の朝、横島とタマモは六道女学院に呼び出されていた。
「ハァ…ったく、こんな朝早く何の用だ?」
「…まったくよ」
朝に弱い2人は、少し元気がなく呟く。時間は朝8時。学院の生徒がチラホラ登校し始めている。横島は生徒を眼で追って声を掛けようかとも考えたが、タマモの圧力に負けて声を掛けられない。
「…ぐ、これは蛇の生殺し…」
「なんか言った?」
「…いや、別に」
暫く待っていると、学院の中から冥子が現れた。
「お待たせ、2人とも〜〜、朝からご免ねえ〜〜」
「冥子さん、一体、こんな朝早くから何のようですか?」
「…まったく」
「ごめんなさい〜〜お母様があなた方に頼みがあるんですって〜〜」
「頼みですか?そりゃ一体」
「うふふふふ〜〜私も詳しく知らないんだけど〜〜、まあ、ここじゃ何だし応接室に行きましょう〜〜」
そう言って歩き出す冥子。それを追って2人は応接室に着いた。中には冥子の母親が座っていた。
「お母様〜〜連れてきましたわ〜〜」
「どうも、お久しぶりっす」
「…おはようございます」
「ま〜ま〜、横島君、タマモちゃん、よく来てくれたわ〜〜」
「それで、頼みってなんです?」
「それはね〜〜、今日の体育の実習で〜、現役GSの力を見せて欲しいの〜〜」
「…どういうことです?」
「タマモちゃんと横島君のタッグで〜〜、2対2の模擬戦をして欲しいの〜〜」
「ああ、以前見せてもらったあれっすね?」
「そうよ〜〜、前は令子ちゃんに頼んでたんだけど、最近は忙しくって全然来てくれないから〜〜」
にこやかに言う冥子の母。横島の頭の中には、カッコ良く戦って、生徒に称賛の目で見られモテモテになる妄想が浮かび上がる。
(くっくっく、美神さんの事務所出てから、俺の運気が上がった気がする。やっぱあの女が諸悪の根源だったのか…。しかし!!!この模擬戦は使える、使えるぞ!!!俺の野望の第1歩はここから始まる!!!…しかも、合法セクハラ…)
タマモは横島が妄想しているのを尻目に、冥子の母に問い掛ける。
「そんなことして本当に良いの?こいつ生徒にセクハラするかも…」
「うふふふふ、それくらい大丈夫よ〜〜。生徒も試合の上だか文句を言えないわ〜〜」
「………」
その言葉にピックっと反応する横島。
「是非に、今すぐにやりましょう。漢・横島ご期待に答えて見せます!!!」
「…そ〜う?…うふふ…、それじゃこの契約書にサインして〜〜?家は、こういうことしっかりやること知ってるでしょ〜〜?免責とかね〜〜色々面倒なのよ〜〜」
「はい!!!サインくらいなら幾らでも!!!」
「はい、タマモちゃんも〜〜」
「…うん」
そう言ってそれぞれに別の書面を提出する。タマモはしっかり読んでサインしたが、横島は文面も良く見ず、さっさと名前欄にサインして書面を返す。
「うふふふふ〜〜、ありがとう横島君…。それじゃ頑張ってね〜〜!あ、そうそう、一応生徒に説明しなくちゃならないから、この後全校集会に出席して〜〜。また、何度も頼むと思うから、生徒に顔見せしとかなきゃね〜〜〜」
冥子の母は、ニヤリと笑うと、書面をジュラルミンケースの中にいれる。その間も、横島の妄想は絶え間無く続いていた…。
後半に続く
今までの
コメント:
- 横島の書類はもしかして結婚する為の書類? (タケ)
- 少し冥子ママがやりすぎでは、と思いましたが考えてみれば彼女は結構昔から唐巣神父を脅したりと無茶をするのが好きでしたからアリだと思い直しました(笑)。横島クンが「何でもOK」と勘違いして相手の女生徒を寝技で組み伏せるような真似だけはしてほしくないですね(汗)。しかもおキヌちゃんも見ていることでしょうし(汗汗)。横島クンがサインした書類内容は果たして一体なんだったのか、そして横島クンがどんな戦いぶりを見せてくれるのか楽しみです。次回に移ります♪ (kitchensink)
[ 前の展開予想へ ] [ 次の展開予想へ ]
[ 戻る ]
管理運営:GTY有志
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa