ザ・グレート・展開予測ショー

静粛に!横島只今勉強中!その 5


投稿者名:A.SE
投稿日時:(02/ 7/ 5)

「結局、あんたらの発明は今回も見事な大失敗だったわけね。」
 何とか一通り一階を片付け終わって事務室へ戻った美神が、開口一番に言った。
「そんな事無いある!」
 厄珍とカオスはあくまで失敗を認めない姿勢である。
「エクトプラズムが発生した原因はわかっとる。霊化して流し込んだ電子情報の一部がチャクラで言霊化してしまったせいじゃ。これは霊化装置の改良で解決できる。」
「そんな事言ってんじゃないわよ。そもそもあの機械自体が役立たずだって言ってるの!」
「なんじゃと!?どーゆー意味じゃそれは?」
「装置は役立たずなんかじゃないあるぞ!知識の注入にはちゃんと成功したある。さあボーズ、ソロモンの精霊を最初から72人全部言ってみるよろし!」
 しかし、横島はたんこぶの出た後頭部をさすりながら不審げに言った。
「ソロバンの整列…?何だそりゃ…?」
 ピシッ…。二人のおっさんが固まった。
「あ…頭打ったせいある、ボーズは頭打って忘れたある…。」
「もしそうだとしても、頭打ったくらいで簡単に忘れちゃうんじゃやっぱり商品価値無いわよ。それに根本的な理由は別にあるの。チャクラから霊化した情報を送りこんで脳に書きこむって方法論からして間違ってるのよ。確かに脳は微弱な電気の作用で機能してるけど、記憶を形成するのは神経細胞同士をつなぐ神経繊維なの。いくら頭に霊電気流し込んだところで、一晩二晩で神経繊維は発達しないわ。だから記憶の集中書きこみなんてものも無理ってわけ。」
「じゃあ横島さんが物知りになってたのはどうしてなんですか…?」
「あれは頭じゃなくて魂が記憶してたのよ。前世の記憶なんかと同じ。チャクラに流し込まれた霊電気が蓄積して一時的に出力が上がったせいで覚えてるような気になってただけ。だから体内の霊圧が正常に戻ると忘れちゃうの。」
「じゃあまた霊力が上がったら思い出すんスかね?」
「ま、難しいでしょうね…。前世の記憶やおキヌちゃんの幽霊時代の記憶みたいにゆっくりじっくり少しづつ蓄積されたものでも大半は忘れちゃうものなのに、あんな機械で短時間に無理矢理植え付けられたんじゃね。」
「なんだ…。それじゃ結局俺の頭はもとのまんまか…。」
「ま、楽して勉強にはならないって事よ。考えてみたらあんた、専門書なんか読むようなレベルに達してないじゃない。まずはこれで基礎を身につけるのね。」
美神は引出しからソフトカバーの大判本を3冊取り出した。
「あ…これ私の学校の…!」
「そ、横島くんの大好きな六道女学院のオカルト教科書よ。」
「別に女子高の教科書が好きってわけじゃないけど…これならじっくりやれば俺にもマスターできるかな…。」
「何いってんの。期限は一ヶ月よ。」
「…へ?」
「3年分一ヶ月でマスターしてもらうわよ!一日ノルマ20ページ!毎日前日の学習ページから10点満点のテスト!一問間違うごとに一発神通棍でしばくからね!!」
「そ、そんな美神さん、いくらなんでも3年分を一ヶ月なんて…。」
「この世で一番効率のいい教育法はね、おキヌちゃん、古代ギリシャの時代から詰め込みスパルタ式と決まってるの!早速今日からビシバシいくわよ、1年教科書3ページ目開いて!きりきり学べいっ!!」
「ひーっ!勉強ぐらい静かに落ち着いてやらしてーっ!!!」

かくして横島くんの受難はつづくのであった…  ―オワリー

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