ザ・グレート・展開予測ショー

THE DARK SIDE OF THE MOON 〜Act.3


投稿者名:Cultivate Flat
投稿日時:(02/ 6/15)


――――――――――――THE DARK SIDE OF THE MOON―――――――――――――

Act.3 反逆のクリスマス


 ―――六ヶ月後……。3470年12月25日、クリスマス。この日は世界連邦新大統領就任式典の行われる日でもあった……。


 一台のエアカーが飛ぶ……。そのエアカーは首都、アトランティスの中心部上空を飛んでいた。そして、エアカーは、とある超高層ビルの中腹にある駐車場へと入っていった……。その会社の名はC.R.C。正式名称をカオス・ロボット・カンパニーという……。エアカーのドアが開く……。中から出てきたのは、ピ−トである。その肉体的にには老いた男は、駐車場から高速エレベーターに入り、最上階の250階へと向かった……。
 エレベーターのドアが開く……。すると、そこには高級ホテルのスイートルームのような居間が広がる……。
女「アラッ。お帰りなさい、ピート。」
 二十代らしきうら若き女性がピートを迎える。タマモである。その姿はかつて傾国の怪物と呼ばれ、時の権力者に近づき、国を乱したと言われる九尾の狐の名にふさわしく、その美貌は何か吸い込まれるような魅力を持っていた。現在は、この最上階にピートと共に同居している……。
タマモ「……で、何だったの?小龍姫の用事って……。」
 帰ってくるなり、そのことを聞かれるピート。
ピート「………用事というのは………、」

 (ドカッ!!バッキャーーッ!!)

少年「フザケンじゃねぇっ!!この若作りがっ!!」
 突然、奥のドアが音を上げて吹っ飛び、少年の声と共に三十代くらいに見える男が壁に叩きつけられた。
男「まっ、マァ、待て。ジーザス。ワシはオマエのことを思ってだな………、」
少年「ウルセェッ!!ナァ〜ニがオマエのことを思って、だぁ!?ヒトの体、かってにいじくりやがってぇ〜〜っ!!(ゲシゲシッ!!)」
男「グッ、グワァッ!?」
 17,8歳ぐらいの金髪の少年はその男に蹴り掛かる。その少年の頭の横っちょには何故かアンテナがついている……。すると、今度はその部屋から女性がが出てきて……、
女「ジーザス・ドクター・カオスを・いじめるのは・やめなさい。」
少年「イイんだよ!姉ちゃん。コイツ、一遍殴っておかないときが済まねぇから……。」
女「ジーザス・今・止めないと・マリアは・お仕置き・します!!(ジャキっ!!)」
少年「だっ、だけどよ……!」
女「ジーザス。ドクター・カオスが・いないと・マリア達は・動けません!早く・やめなさい。」
少年「わっ、分かったよ、姉ちゃん……。」
 男を蹴るのを止める少年。すると、女性の方は男の肩を担ぎ上げる。
女「大丈夫・ですか?ドクター・カオス。」
男「イタタタ………。何とか大丈夫じゃ。」
少年「オイッ、ジジィッ!!姉ちゃんが止めたから、やめてやったんだぞ?今度、ヤッたら、タダじゃおかねぇからなッ!!」
男「オマエ、まだそんなことを言っておるのか!!イイか?オマエやマリアは年に二度、メンテナンスをしてやらんと、動けなくなるのじゃぞ?それでもいいのか?」
少年「フンッ!!とにかくオレはヤダからな!!」

 少年を引き留めたのは御存知、マリア。そして、少年に足蹴にされていたのは、ドクター・カオスである。何故若返っているかというと、時代の進歩のおかげである。最新のクローン技術と、霊科学により、今までの記憶をそのままクローンの脳にコピーする事が可能になったためである。要するに、カオスは全盛期の肉体と頭脳を取り戻したのである。
そして、そのカオスを足蹴にしていた少年はジーザス。彼はカオスの開発した世界初の生体型ロボットである。しかし、顔がカオスのクローンをベースにして整形されているためにそのことをコンプレックスに持っていて、たまにカオスに八つ当たりするのが、玉に瑕だ。

タマモ「まったく、相変わらずナニやってんのよ?」
 今までの様子を見ていて、あきれ顔のタマモ。
カオス「いや、面目ない。コヤツのメンテナンスをやろうとしたら、急に暴れ出しおってな…………オォ、ピート。帰っておったのか。で、用事とは何じゃったんじゃ?」
 カオスもタマモと一緒の質問をする……。すると、漸くピートはその重い口を動かし、神魔界の決定事項及び、自分達に下った命令を話した……。
タマモ「ナニよ!!随分と勝手じゃない?人間達をデリートするなんて。それにナニ?なんで、私たちだけ避難するワケ?」
 憤りを押さえきれずに怒るタマモ。
ピート「それは恐らく、私たちが先時代から生きているからでしょう……。神魔界は今の人間の感覚が狂い始めたと判断したようです。」
カオス「ウ〜ム、ワシの目には、それほどヒドイとは思えないが……。」
ピート「僕もそう思います。確かに、犯罪数は戦争がなくなって以来、増加傾向にあります。しかし、それだけでは………。」
 
 ピートは困惑の表情を浮かべながら話す……。それを横で聞いているマリアとジーザス。するとジーザスが……、
ジーザス「あ〜ぁ、堅っ苦しいハナシしてんな〜〜。ヒマだから、テレビでも見るか……。」
 重苦しい空気に耐えきれずにテレビをつけるジーザス。すると、今まで大きな壁だったところが大きなモニターに変わり、映像が映る。テレビの中では、就任式典の中継を流していた。テレビに映っているアナウンサーが、新大統領のスピーチがまもなく始まると報道していた。すると、会場の司会者が出てきて……、
司会「……それでは、これより、新大統領から就任のスピーチを頂きたいと思います。では、新大統領、どうぞ。」
 司会がそう言うと、大統領に当選した玲一が壇上へと立った……。その中継に気付き、話を止める3人。
カオス「オッ………。美神んトコの子孫か……。」
ピート「エェ……、そのようですね……。」
 テレビのある方向に背を向けていたピートはその方向に振り替えりながら、話した。
タマモ「この男、美神さんの子孫なのに、どうしても気にくわないわね……。」
カオス「シッ。スピーチが始まるぞ。」
 テレビに注目する3人。壇上に玲一は毅然と立ち、そしてスピーチを始めた……。
玲一『皆さん……。この世界連邦大統領就任式典、またはクリスマスというめでたい日に、私はこの地球全体に住む皆さんにある重大な事実を言わなければなりません……。皆さんは既に神や魔族が伝説上の存在ではなく、実在するという事実を知っているはずです……。その神・魔族が人類に会う決断を下したのです。人類抹消と言う決断を!!』
3人「なっ!?」
 3人は面を喰らった顔で驚く……。テレビの中では玲一のスピーチが続く……。
玲一『確かに、人類にとって、これが神・魔からの最後通牒が下ったことにちがいありません。しかし、我々はこのまま素直に消去されて良いのでしょうか?神・魔の決断は、あまりにも理不尽に思えます。我々はこれを断固として、これに抵抗すべきではないでしょうか?私は大統領として、また人類の代表として、人類が生き残るため、今ここにおいて、神・魔界に宣戦布告をするっ!!』

(ドワアァァァァァァ………ッ!!)

 会場にいる人々から、歓声がわき起こる………。

C.R.Cの最上階では、テレビが消された……。3人は黙り込んでいる………。すると、ピートが重々しい口調で言った。
ピート「そんなバカな………!一体、ドコでもれたんだ?」
 驚きの色が隠せないピート。
カオス「………小龍姫が危惧していたことはこのことのようじゃの……。しかし、美神の子孫はドコから聞きつけてきたのやら………。」
 再び沈黙が続く………。すると、二時間ほど経った頃であろうか。突然電話のベルが鳴り出した……。

(トゥルルルルルル……………っ。)

 受話器を取ったのはタマモだであった。
タマモ「ハイ?アッ………、います。すぐに変わります。」
 そう受話器に向かって話すと、タマモはピートの方に受話器を持ってゆく………。
タマモ「ピート、アナタに電話よ。」
ピート「誰からですか?」
タマモ「………………新大統領からよ。」
ピート「!!」
 そしてピートは受話器を受け取った。しかし、その電話は彼を更に苦悩させるものとは知るよしもなかった………。


 Act3.5へ続く………。


 



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