ザ・グレート・展開予測ショー

西条キヌ、美神雪之丞、六道忠夫  (中編)


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(02/ 4/18)

食べながら、とりあえず二人を待つわけ。
シロに餌をやるように、雪之丞にヒョイとパクツケさせる美神さん。
そして、あたしは静々と野菜サンドを口元につけて唇から軽く噛み付けてる。
口中に入れて、それを更にモグモグとかみ合わせ、食いちぎりながら飲み込んでいく。

2枚は食べ終わったところで、見慣れた顔がウィンドウに見えた。
冥子さんです。
ウィンドウを通した限りでは、少しパーマをかけたようでしたけど。
自動ドアが開いて、冥子さんは入ってきた。
そしてあたしたちを発見するや、ピヨピヨと走ってくるの。
お姫様が履くような、スケスケの音のなる靴を履いているせいかと思ったわけ。

「令子ちゃんんん!」
「あら冥子、遅かったじゃない。」

冥子さんのドレスアップ姿。
それはいつもの服装とは違って、ブルーのミニスカートに、ビリジァン色の
フリルつきワンピースを着ているの。
これは、小竜姫さまといい勝負かも。
着こなし振りといい、忠夫さんの影響なのかしら。

「そういえば、忠夫さんは?」
「あれぇ、そういえばぁ、どこに…」

『その時!』
プティックドロンボーにあるブタ七変化『時ブタ』が扇子を出して
そう叫んだ時、外から
ばっっちいぃん!
と威勢のいい音が聞こえて、ガラスが同時に割れたの。
割れた先からは頭が飛び出て来て体が吹っ飛んできたのだったわ。

「もういい加減にしなさいよ!警察呼ぶわよ!」
「せめて一発ぐらい…いや、一杯ぐらい良いじゃないスか…」

そう。
六道忠夫なの。
で、冥子さんが手をボキボキと鳴らしてる。

「忠夫クンん?まぁたそうやって浮気するの〜〜〜?」
「う、浮気なんかじゃないっすよ、つい美しい人に見とれて…」
「問答無用うう。やっちゃってダイタラちゃん!」

冥子さんの13匹目の式神なの。
聞いたところ、正式名称はダイタラホーシって言うそう。
なんでも、時間と空間を割る能力があるそうなの。

そのダイタラちゃんが、今、忠夫クンの体に風穴を開けるように
心臓部に直接、氷刃を浴びせてる。
忠夫さんは凄く寒そうにしてる。

「止めて、止めて冥子さ〜〜〜ん!」
「もう少し孔けて上げるわよぉ、ほほほほ!」

忠夫と冥子の夫婦漫才が見事、あたし達の眼の前で炸裂したの。
にしても、忠夫さんったら相変わらず……。
とにかく、これでなんとか5人揃った。

「あれ?西条は‥‥」

忠夫さんは、あたしに聞いてきたの。
勿論、急な用件が入った上、家計上の問題とあったので黙って行かせたの。
そう説明すると、忠夫さんは一息ついてる。

「なんだよ、久しぶりにアイツの情けねー姿が見れるかと思ったのに。」

その一言が、あたしの心に一瞬突き刺さったわけで、不快感を覚えた。
でも、あたしは昔の様には直ぐには突っ込まなかったの。
だって、あたしの好きな輝彦さんのことを後々に思ったところもあって。

また、軽めの料理が運ばれてきた。
いつの間にか、忠夫さんが注文してたみたい。

「はいはい、ご注文のステーキハンバーガーやで。」
「そうよ、このハンバーグを食べて『無敵はステーキ』に……」

♪コッチンコッチンコッチンコッチン、
♪コッチンコッチンコッチンコッチン、
♪コーーーッチン、コーーーッチン、コッチ○コッ○ンコ!

花咲天使テンテンの音楽が突然流れてきて、その場の全員が凍っちゃったの。
あまりの駄洒落の寒さに堪えたわけ。

『寒気るや、コート着たほうがいいぞぉ、皆の衆!』

などと、何故かタイムボカンミレニアム・怪盗きらめきマン出身の寅さんグマ
まで出現したところを見ると、凝った店なワケ。

「ところで横島さん…じゃなかった、忠夫さん、お金大丈夫なんですか?」
「ああ勿論大丈夫だよ。
 大量の給与貰ってるしね。日本額にすると、年間約6500万円になるかな。」

ぴくり。
一瞬、美神さんの耳が動いたの。
お金の話から、仕事のお話をしようとしてたみたい。

「あんた、向こうで一体どういう仕事してるの?」
「驚くなよ?」

ふっ!
忠夫は二枚目顔で格好をつけて話をはじめるの。
あたしも、つい、くい打ち…いや、釘付けになった。

「ニュー・スコットランド・ヤードってやつさ。」
「い、イギリス警察ゥ!?」
「その中のエクスターミネーター・スペシャル……いわゆる日本名で言えば、
 特殊駆除課ってところになるかな?
 そこで、部長を務めてるんだ。
 ほかに、イギリスの大学で霊学研究傍ら、芒星学ってのを教えてるからな。」

『うわぁーーびっくら魂消た門左衛門!!』

エクスターミネータースペシャルの部長と言えば、国家認可であるゴーストスイーパー
の協会の中でも役員のクラスに相当するわけで、協会々長の一個下。
ついでに言うと、唐巣先生はついにツルッパゲていたの。
それでも、ゴーストスイーパーの責任者 兼 会長であることには変わらない。

「ところで美神さん、雪之丞はどうしたんです。」
「これよ。」

美神さんはジャラリと首輪の鎖をぶら下げて見せたの。
言うまでも無く、六道家夫妻はひっくり返って足からコケてた。
何せ、美神の元でワン!なんて鳴いてたから。

「ゆ、雪之丞………(汗)
 お前ついに犬に成り下がっちまったのか………。」
「情けない…」




(後編に続きます)



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