ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(22)


投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 1/ 8)

「生きている方は、俗界の衣服をここで着替えてください」
 ……銭湯の着替え場だな……このセンスは……理解不能です。
「あなたは、こっちです」
「へいへい……」
 俺は男と書いてある暖簾をくぐる。
「修業コースはここに書いてある通りの二人とも『スペシャルハードコース』でよろしいですね?」
「ええ〜〜!!そんな高いコース〜〜!!」
 冥子さんご愁傷様……でも何か引っ掛かるような……二人とも……二人!?
「ちょっとまてー!!今、二人って言ったか?」
「ええ……あなたの名前もありましたよ……知らなかったんですか?」
 ……あの人……やってくれるな……
「とにかく、サインがありますのでもう断れませんよ!それでは着替えてください!」
「「は〜い……」」
 俺と冥子さんは着替えました。



「では、まずは冥子さんの修業場に案内します!」
 小竜姫さまはそう言うとガラスの引き戸を開ける。
 その向こうは……音も何も無い……漆黒の闇が広がる空間だった…………
「式神使いは精神集中が第一です。集中力が上がれば式神の能力を更に上昇させることが出来るでしょう。冥子さん、あなたはここで精神を集中させ、ここから1k先にある水が落ちる音をここで聞きなさい。式神は出してもいいですが、能力は使ってはいけません。あなたが、その水の音が聞こえた時に集中力が上がり、ここから出られます!」
 ……その修業って……どっかのアニメであったような……確か、スーパーモードとかいって黄金に光ったりする奴で……明鏡止水がどうとか……
「ええ〜〜!!そんなの無理よ〜〜!!それにこんな闇の中なんて〜〜怖いわ〜〜!!」
「出来なければ一生ここから出られません。それでは次に横島さんの修業場を案内しますので、冥子さんはここで頑張ってくださいね!」
 ここで一人か……確かに俺でも怖いな……
「死ぬなよ、冥子さん!」
「冥子さん、頑張ってください!」
「横島さ〜〜ん、おキヌちゃ〜〜ん!!戻ってきて〜〜!!」
 冥子さん……すまない……これもあなたの為なのだ!決して六道さんが怖いからではない!
「それでは、次の場所へ案内します」 
 小竜姫さまは、そういうと引き戸を開けた。
 その場所は、漫画であった地平線の果てが見える闘技場がある場所だった。



「横島さん、あなたはここで3つの敵と戦ってもらいます。ひとつ勝つごとにひとつのパワーを授けます。つまり全部勝てば、3つのパワーが手に入るのです。……ただし、一度でも負けたら、命はないものと覚悟してください!」
「え……」
 おキヌちゃんの驚く声が聞こえた。
 それにしても……シャドウじゃなくて生身でやるのか……
「了解!そーと決まったら、早いとこ始めますか!!」
 俺は闘技場のリングの上に立つ。
「頑張ってください!横島さん!!」
 おキヌちゃんが応援する。
「剛錬武!出ませい!!」
 小竜姫さまの声が響くと、リングから岩の化け物が現れた。
「始め!!」
 俺は合図とともにサイキックソーサーを投げつける。
 ドカアアアンン!と音を立てて当たったが……少し削っただけか……
「剛錬武の甲羅はそう簡単には破壊出来ませんよ。力も強いので注意してくださいな」
 いや、そんなニコニコ笑いながら言わんでも………
 俺は剛練武のパンチを草薙の剣で横に流す。
 ……って剛練武の手が真っ二つに切れてるじゃん!
「ああ……あの固い剛練武の体を切り裂くなんて……なんて良い剣でしょう……」
 頼むから試合中に妄想モードに入らないでくれ……小竜姫さま!!
 俺は一気に剛練武の懐に潜り込み、体を真っ二つにする!
 バフッ!っと音を立てて剛練武は消え、俺の体に光りが集まる。
「やった……わー、ばんざい!!」
 おキヌちゃんが紙吹雪を俺の上にかけてくれた。
「ヴィクトリー!」
 俺は、ブイサインをする。
「なかなかやりますね♪これであなたは霊の攻撃に対して今までとは比較にならない耐久力を手に入れたことになります。それじゃ次の試合を始めますけど、いいですか?」
「OKOK!どんどん行こう!」
 俺は剣を構えて言う。
「禍刀羅守!出ませい!!」
 次に出てきたのは悪趣味で全身刃の黒い奴だ。
 ……もしかして……これも小竜姫さまの趣味?
 禍刀羅守は岩を斬って、こちらを見てニャリと笑う。
「本当に悪趣味だな……」
「あ!」
 俺が呆れていると、いきなり禍刀羅守が襲ってきた。
 まあ、予想してたから、さっさと回避して下に潜り込み、栄光の手でアッパーを食らわしぶっ飛ばし、ひっくり返した。
「こらっ禍刀羅守!!私はまだ開始の合図して……ってやられてるじゃないですか!情けない……」
 小竜姫さまはがっくり肩を落とす。
「あ〜……いきなり攻撃してきたから反撃したんだが……よかったのか?」
「ええ、かまいません……禍刀羅守はひっくり返ると自分では起きあがれませんから、勝負ありです。禍刀羅守……後でお仕置き決定です……覚悟してください(にっこり)」
 俺は初めて笑顔が怖いと思った……さらば禍刀羅守……お前に同情はしない……
 そして禍刀羅守は恐怖に震えながら消え、俺の体に光りが集まった。
「これで、あなたの攻撃力も上がりました。そして、最後の相手は私です!」
「ええ!!!小竜姫さまが!!」
 おキヌちゃんが驚く。
「マジですか?」
「ええ……何か不満でも?」
 漫画で予想してたとは言え……勝てるか?俺が小竜姫さまに………
「いえ、何でもないッス……それじゃ、始めましょうか……」 
 文珠や超加速を俺が使えるのを、まだ小竜姫さまは知らない。そこを一気に突くか。
「では……!」
 俺と小竜姫さまは剣の先を接触させる。
「行きます!!」
 小竜姫さまの声とともに俺は小竜姫さまの剣を跳ね除け一気に攻める。
 だが、小竜姫さまはバックステップで俺の剣を回避し、逆に空振りした俺へ攻撃する。
「……っと危ない!」
 俺は何とか剣を戻して受け止め、跳ね除けるが……今度はその跳ね除けた反動を利用して右に体を回転させ、左からうち込む。俺はその剣を、栄光の手の霊波刀で受け止めるが……ギリギリだな……あと一回受け止めれば霊波刀は消えるぞ。俺はいったん後ろにジャンプして距離を取る。
「やりますね……私の刀『竜神剣』の攻撃に耐えられるとは………」
 ……まずいな……剣の腕では小竜姫さまが上だ………このままでは、やられるぞ……
「ですが……私にはこういう技もありますよ!」
 その瞬間、小竜姫さまが光り、信じられないスピードで迫ってくる。
「くうぅ……」
「横島さん!」
 おキヌちゃんの声が聞こえる。
 どうやら何とか、ギリギリで回避したようだが……まぐれに近い……だが俺も倒れた時に少し布石を残した、これで次にあのスピードで来れば……
「もう一回!」
 また小竜姫さまの体が光り、超加速状態になる。俺もその瞬間に超加速に入る。
「なっ!人間が超加速!!」
 小竜姫さまは驚くがそのまま突っ込んでくる。
 だが、俺の少し前で小竜姫さまは転ぶ。
 これが俺の布石!さっき倒れた時に、小竜姫さまの進行場に落とした文珠がある。それがこの文珠「倒」!!
「もらった!!」
 俺は何とか起き上がろうとする小竜姫さま目掛けて走り、目の前までくる……ここまでは良かった……だが……
 ズルッ!
 こけた……
「うわ!」
「きゃあ!」 
 そして、立ちあがろうとしてた小竜姫さまとぶつかり、一緒に倒れる。
「いてて……」
 俺は何とか立ちあがろうと、手を地面に置こうとするが……
 ムニュ!
「へっ?」
 俺は地面を見ると……地面には小竜姫さまがいて……俺が押し倒しているみたいに見える。しかも……胸を触っていました(泣)
「き……きゃあああああ!!!」
 バッ!
 小竜姫さまの悲鳴とともに体が光り、俺は吹き飛ばされた。
 そして小竜姫さまは……ドラゴン化して暴走してました……
 ……やっぱり、俺の所為?

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