モンスタースイーパー (その5−2)
投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 1/ 8)
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モンスタースイーパー (その5−2)
「・・・・5秒も経たずに開いたわね。」
昔、私が言った言葉を、タマモが言った。
『ふ、フレイさまあぁ!!』
そう叫ぶレフト。
『不用意に門を開けては困ります!我らにも立場というものが・・・!!』
「カタいことを申すな。ちょうど私も退屈していましたから。」
ライトの訴えに、竜神フレイはそう答える。
「お、同じ会話をしている・・・・。」
横島クンは、小声でそう呟いた。
確かに、私と横島クンとおキヌちゃんが、初めて妙神山に来た時も、小竜姫さまと、右門、左門が、これにすこぶる似た会話をしていた。
「で、貴方たちは?」
フレイは、こっちを見て言った。
「私たちはMSで、昔、貴女が持っている"神の武具"で倒されたはずの大蛇が生きていたの。」
「で?」
「武具、貸してくれない?」
「嫌です。」
フレイは、あっさりと断った。
それも、恐るべき速さで。
多分、某アニメに出てくる、銃の名手の早撃ちくらいの速さかしら。
・・・・・ちょっとムカついた。
「・・・・・断ったわね。間髪いれず。」
「えぇ、断りました。」
「・・・・・・・・・何か、試練があるというの?」
「まぁ、そういうことです。」
「で、どういう試練なの?」
「まず最初に、レフトとライトと戦ってもらいます。」
そう言って、フレイは指をパチンと鳴らした。
すると、岩壁から、首が無い巨体が出てくる。
「1分以内に、レフトとライトを倒してください。」
『いくぞーーーーーー!!』
そう叫びながら、レフトとライトは襲い掛かってくる。
横島クンとシロは、霊波刀を出し、身構える。
おキヌちゃんも、ネクロマンサーの笛を取り出す。
タマモは・・・・・・、
ライトの顔の前から動いてなかった。
・・・・・・・。
私は、レフトの顔の前に、テクテクと移動した。
タマモの方を見ると、目が合った。
(分かっているわね。)
(うん。)
アイコンタクトをした後、私とタマモは、正面に向き直した。
そして、一つの行動を同時にした。
プスッ
『ぎゃぁぁぁぁぁーーーーーーーー!?』
大声で叫ぶ、レフトとライト。
巨体は、その場で倒れ、のた打ち回っていた。
そりゃそうよ。
目、指で突き刺したんだから。
・・・・・。
まぁ、早い話が、目潰しをしたわけ。
「6秒ですか・・・・。中々の腕ですね。・・・・ちょっと反則みたいですが。」
「細かいことは、気にしないほうがいいわよ。フレイさま。」
「・・・・・まぁ、いいでしょう。神の家への入室を許可します。付いて来てください。」
そう言って、フレイは門の中に入っていく。
私たちは、その後について行った。
家の中は、和風だった。
ファンタジー世界にもかかわらずによ!?
こんなのありなの?
「ありです。」
そうフレイが答えた。
・・・・多分、悪霊の仕業ね・・・・。
「今日はもう遅いですから、残りの試練は明日にしましょう。」
そう言って、居間の真ん中にあるちゃぶ台に、ガスコンロを置いた。
・・・・現実世界に逆戻りした気分・・・・。
ファンタジー世界に、現代的なモノは合わない。
私はつくづくそう感じた。
グツグツッ!!
ガスコンロの上には、土鍋がのっており、その中に、春菊や白菜、葱にしらたき、豆腐に牛肉・・・・・。
つまり、すき焼きだった。
本当は今日中に武具を手に入れようかと思ったけど、シロのせいで、一晩お世話になることになった。
私は、なぜかあった麦酒を、すき焼きの中に流し込んだ。
「あぁ!!美神さん!!なんで、すき焼きの中に麦酒を入れるんですか!!」
「うるさいわね〜。この方がコクが出るのよ。」
「俺はそういうの苦手なんスよ!!・・・・シロ!!肉ばっか喰ってないで、葱食え!葱!!」
「葱は苦いから嫌いでござる!」
「好き嫌い言うんじゃねぇ!!」
・・・・また始まった。
2人の喧嘩を無視し、私は、コップに入った麦酒を、口の中に流し込んだ。
その後、私はおキヌちゃんたちと一緒に露天風呂に入り、のんびりとくつろいだ。
「もがーー!!もがーー!!」
芋虫状態の横島が、男用の露天風呂で嘆いていた。
あぁ、いい湯加減・・・・。
こうして、私たちは"神の家"で一晩過ごした・・・・・。
翌日・・・・。
私たちは、異界空間の中にいた。
目の前には、巨大な魔法陣があり、景色は、広い青空と、地平線まで続く草原があるだけだった。
「わ、悪い夢のようでござるな・・・・。」
シロがそう呟く。
「では、第2の試練といきましょうか。・・・・ドゥム!!」
フレイがそう叫ぶと、魔法陣から、巨大な石人形が現れた。
全長5メートルといったところかしら。
しかし、その石人形には、目が無かった。
「第2の試練は、このドゥムを倒すことです。代表者を1名決めてください。」
・・・・・・・・う〜む。
私は、深く考え込み、そして結論が出た。
「シロ、頼むわよ!!」
「へ?」
私の言葉に、シロは唖然とした表情を見せた。
・・・・続く。
今までの
コメント:
- なぜにシロ!?(挨拶) 原作以上にムゴイ&変則的な負け方をしましたね、レフト・ライトたち(汗)。こーゆー反則技を使えるキャラとして令子とタマモは結構合っている気がします。それにしても、試練の場ですき焼き...いつにもまして緊張感の無い場所ですねぇ(笑)。さて、果たしてシロは一見すると弱点が無さそうなドゥムに勝つことが出来るのでしょうか? 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- すき焼きにビールですか・・・そういう食いかたってあるんですね・・・。視点が明らかにずれているveldです。
アイコンタクトで分かり合うほどのチームワークをこいつら(美神さんとタマモ)はいつの間に手に入れたんでしょう・・・。目潰しのシーンで、思わず目を背けてしまった自分は根性なしです。シロが葱を食おうとしないのは彼女が犬っぽい(狼でござるっ)・・・からでは。犬はたまねぎと長葱は与えてはいけないそうです(中毒や下痢を起こすそうです)。食ったことあるみたいなんで、何とも言えないですけど。苦いってなぁ・・・。
でも、飼い主(?)としては気をつけるべきでは・・・。嫌い、というか食ってはいけないんでしょう、多分。とことん、食い物にこだわってますね。違う意味で、俺。 (veld)
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