ザ・グレート・展開予測ショー

悪夢ふたたび(9)


投稿者名:3A
投稿日時:(02/10/12)

「ふ〜疲れた………」
阪上はヨロヨロと歩きながら言った。服は紅く染まっていた。
フォーにもらった縄。これは特別なもので縛った相手はどんどん霊気が吸われていく。
ギモは元々は弟子、アカサはフォーの弟、ブータスは弟の子分だった。
三人の霊力が昔とは比べ物にならないほど高かった。その理由はたぶんアンのせいだろう。
霊力を最大源まで上げれば力をコントロールできなかったに違いない。
「くやしいけど…あのままやっていれば俺も死んでたかもしれない…」
まさかあの三人がここまで強いとは思わなかった。どちらとも生きるためにはこの縄で縛るしかなかった。
(あいつらも馬鹿じゃないから動かないだろうな…)
フォーの縄の力ぐらいあいつらも知っているだろう。
「随分と時間がかかったな兄貴。」
「!?」
阪上は空を見上げるとウルフがいた。
「なんだその格好は…まさかあんなザコどもに苦戦したんじゃないだろうな…!」
(これが昔…よく遊んだ弟なのか…)
そう思うほど昔の面影がなかった。生き生きとしたあの頃の瞳…しかし今は冷たい瞳…
表情からは獲物を見つけた野獣のようだった。
「…横島さんは…?」
阪上は剣をだして言った。
「久しぶりの対面なんだぜ…挨拶ぐらいしろよ、それに…」
「!?」
さっきまで目の前にいたのに自分の後ろにいた。そして剣を阪上の首に向けていた。
「知る必要ないだろう。ここで死ぬんだから…」
(……いつのまに…)
昔のはウルフなど相手にならなかった。いつも圧勝だった。しかし…いまのウルフは自分よりも明らかに強い…
「…信じられないようだな、今の状況が…しかし俺は兄貴よりも強くなった。アンさまのおかげで…」
「…そのようだな…」
「それにしても兄貴…どうしたんだ?いくら俺が強くなったといっても昔の兄貴なら今の動き見切れた。弱くなったな」
たしかに昔の自分は今の自分より強かった…
「もう歳なんでね…」
阪上は超加速をしてその場から離れた。
「遅い。」
「………」
超加速も相手の方が一枚上手だった…
「昔の兄貴だったらあんなザコどもが強くなっても楽勝なのにな…苦戦するなんてよっぽど力が衰えたみたいだな。」
ウルフは少し残念そうな顔をした。
「まあ楽しませてくれよ。」
(残っていたコロッケ…さっさと食えばよかったな…)
阪上はそう思いながら剣を構えた。

その頃世界中で薄黒い霧がでていた。
「なんだこの霧は…?」
男は車から降りた。昼の12時だというのに辺りは暗い。この霧のせいだろう。
しかし街の様子がおかしい事に男は気付いた。道端で人が倒れいる。一人や二人ではない。
何十人の人たちが倒れていた。
「な…な…」
すると男はだんだんと意識が遠くなってきた。早くこんな所でていきたいが体が動かない。
男は数秒後深い眠りにおちた。

「心の奥そこに埋めたいやな思い出…それを掘り返せば人間はダメになる。そう…悪夢を見させるんじゃ…」
横島の体を奪ったアンは高い高いビルの屋上にいた。いま全国で黒い霧が発生している。
もう世界中の人々は悪夢を見ているだろう…そして起きてもそれを引きずる。もう心の底に埋めることはできない。
「そして死んだ魔物どもを蘇らせこの世界を支配する…」
メド―サが生き返った理由は前と力が劣ってないかとか、なにも問題がないかどうか調べるために生き返らせた。そして今度は一度にたくさんの魔物を蘇らせる。
アン(体は横島)は横にいる大男に顔を向けた。
「グラス…いいか…ウルフがガルスビにとどめをさすまえにウルフを殺せ!」
「はい。」
「ガスルビの体も手に入れる。ウルフは限界以上に力を与えたからすぐに死ぬだろう…そんな体はいらん。」
不気味な笑みを浮かべた。
「3回もわしを苦しめたが…もうこれで最後じゃ…ひひっ…ひーひひーーひ…」
不気味な笑い声が響いた。

「………」
阪上の体はもう血だらけになっていた。力が違いすぎる…
ウルフは蹴りを入れ、そして剣を阪上の腕に刺した。
「うわあああ…」
「つまらん………兄貴、どうせ死ぬんだから最後に俺の魔装術を見せてやるよ。」
ウルフの体が霊気につつまれ銀色の鎧をまとった姿になった。顔はまるで狼のようだ。
「兄貴、魔装術できなくなったって本当のようだな…できたら今ごろとっくになってただろうな。」
ウルフは一歩一歩近づいてくる。
「………あの時…アンの誘いにならなければ…」
阪上の赤い瞳から涙がこぼれていた。
「お前は…悪い奴にはならなかった…」
「すばらしいお方だ!アン様のお陰で俺は兄貴を倒すという夢がかなう!そして世界を支配できるんだ!!」
ウルフは阪上の首を掴んだ。
「………ごめん………フォー…」


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