魔女の涙
投稿者名:NGK
投稿日時:(02/ 4/30)
「魔鈴君・・・すまない・・・急に呼び出したりして」
「いえ・・・」
西条は言うか言うまいか迷っていた。
しかし、この気持ちは・・・抑えきれない・・・もう自分には、目の前の人物しかいないのだ。
そして―――口を開く。
「君は僕にとって大切な人なんだ・・・ずっと力になって欲しい・・・」
「西条先輩・・・」
まさか・・・先輩が・・・
「私は、あの人の、代わりですか・・・?」
気持ちが、通じなかったから・・・?
「・・・・・・」
「そんなのって・・・」
「・・・違う、と言っても信じてもらえないかもしれない・・・」
だけど君が・・・君には・・・
「いや・・・です!そんな言葉で飾っても・・・」
魔鈴は後ろを向いた。
「お願いだ!聞いてくれ・・・!今、僕が必要なのは・・・君だ!!」
魔鈴の体が―――震えた。
「その言葉が・・・本当だとしても・・・私には・・・」
その気持ちに―――答えることは出来ない・・・
「私には、やりたいことがあるんです」
迷いを振り払うように魔鈴は―――言った。
魔法研究を・・・そのために、西条の気持ちに、答えることは出来ない・・・
「それなら・・・一緒に・・・出来ることだろう・・・?」
西条は魔鈴に問いかけた。
「そんなの・・・先輩の・・・エゴです」
自分勝手な・・・
沈黙があたりを覆った。
「そうか・・・残念だ」
魔鈴となら・・・やっていけると思った。
「先輩なら・・・必ず、いい人が現れます・・・だから・・・」
元気を出してください・・・
「じゃあ・・・」
西条は、闇の中に消えていった・・・
「先輩・・・すいません・・・私・・・」
魔鈴は西条の後姿を目で追った。
西条の姿はもう、見えない・・・
「先輩・・・私には・・・」
「オカルトGメンなんて無理です・・・」
西条―――オカルトGメン―――の切羽詰った状況(人員不足)を思うと・・・
魔鈴は涙を流さずには、いられなかった。
―――――――――――完――――――――――――
今までの
コメント:
- なんとなく思いついた話・・・前半で期待した人がいたら本気ですいません。
魔鈴と西条のラブロマンスなんてまともに書けません。
それにしても、最近思いつくのは魔鈴の話ばっかり・・・ (NGK)
- お互いの本音のすれ違い・・・・そうだよね、西条はGメンに入れたかったんじゃないよね? ううう・・・西条〜。お前には社内恋愛の方が似合ってるかもな〜。
でも、一つ良かったのは、魔鈴ちゃんが断った理由が、「先輩はこの年でズラなんで嫌です。」 では無かった事です。それだけでも救われましたね。西条〜。 (与作)
- 普段からただでさえ騙されやすい私は、今回の話でも見事に騙されてしまいました(笑)。魔鈴なら性格的にはGメンの仕事も合いそうですが、魔女の研究との両立が難しそうですよね(あの料理店の経営と使い猫の世話もありますし)。魔鈴らしくわりかしマトモな理由で依頼を断ったところも良かったです。 (kitchensink)
- 前半で凄まじく緊迫感を高めつつ……後半で一気に落とされました(笑)。でもでも魔鈴さん、Gメンって生活安定してるし、やっぱり手堅く行けるのならば非常勤ででも雇ってもらえば良いのでは?(笑) (ロックンロール)
- う〜ん。日本語ってスゴい。こんなに見事に雰囲気をたばかる事ができるなんて(負け惜しみ)
もちろん本当にスゴいのはプログラム(作品)を組んだNGKさんです。
まさかオチつきであんな発言や、こんな発言まで出せるとは思いもよりませんでした。
もちろん西条の苦悩や魔鈴さんの事情など、内容的な面もバッチリです。 (斑駒)
- これが、実は遠まわしな西条の告白だったりしたら………報われないですね、彼も(笑) (黒犬)
- 初めまして!!…といいつつ作品は結構拝見させていただいてたのにコメントの残し方が分からなかった大うつけです。
どうもすいませんでした(滝汗土下座)
…でも今回の展開も良かったですよ〜♪…前半かなり期待してましたが見事に裏切られてしまいました。(笑)
でも最後のオチが面白かったので良しッッ!!!?(謎爆笑) (みっちー)
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