ライアー・ライアー!!2(ver.D)完結編
投稿者名:sai
投稿日時:(02/ 5/ 2)
「皆さん!!聞いて下さい!!」
日頃割と大人しいピートが真顔で叫ぶと、皆が振り返った。
「この中に、『真』の文殊を飲んでしまった人がいます!!!!!」
「それは僕だっ!!」
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ライアー・ライアー!!2(ver.D)
「西条さん!?どうしてっ!?」
名乗りを挙げた西条に美神が叫ぶ。
「ああ!どうやら令子ちゃんが横島クンをしばいた拍子に文殊が飛び出して、
それを氷と間違えて飲んでしまったようだ!!」
西条の顔色は笑っているが心なしか青く、表情は引き攣っている。
「アンタ西条さんにまで迷惑かけてっ!!こんなとこに文殊持ってこないで仕事で使いなさいっての!」
向きなおって横島の胸倉を掴みガクンガクンと揺さぶる。ドラマで取り立て屋がよくやるアレだ。
「ああっスンマセンッ!?でもっでもっ、直接の原因は美神さん・・・」
「ゴチャゴチャうるさいっ!!」
バキッ!!
横島がいつも通り桜吹雪とお友達になる。
いつもの漫才はほどほどに、美神が真剣に考え始める。
「・・・『真』・・・・・・・・・?ヤバそうな字じゃないけど、特に何にも効果は無かったのかしら・・・?」
「いや!あったようだよ、令子ちゃん!」
「どんなっ!?」
「それはぜひ聞かないで欲しかったな!どうやら聞かれた事に対して一切ウソがつけなくなってしまうらしいんだ、はっはっはっ!!」
だらだらだらだら。
西条の額と背中を滝のように冷や汗が流れる。
「「ほーお・・・・・・?」」
すく。立ち上がる大男・・・タイガーと・・・・・・横島。
「そんじゃ今までの悪事を洗いざらいはくじょーしてもらおーかい!!」
がしっ!!
タイガーが後ろから西条を羽交い絞めにする。
「うっ!?本編じゃさっぱり役立たずだったクセにこんな時だけ素早い!?」
「やっぱり西条さんもそんな事考えとったんジャノー!!」
「ナイスだタイガー!!ふっふっふ・・・・・・それじゃ尋問ターイム!!」
「西条!!お前イギリス時代に何人の女をたぶらかした!?」
「50人くらいから数えるのをやめてしまってもう分からないさ、はっはっはっ!!」
「西条さん・・・・・・・・・・・・・・・?」
「ひいっ!?」
ビョオオオオォォォォォォォォォ――――――!!!!!!
美神の眼が昏く光り、強烈な霊気を西条に浴びせる。
他の女性陣も西条を見る眼が冷たい。
「日本に戻ってきてからは美神さんのこと追っかけまわしてたクセに、何人の女を
つまみ食いしとったんじゃこら―!!」
「つまみ食いとは失敬な!!10人程度の来る者を拒まなかっただけだ、
はっはっは―――!!??」
「・・・・・・そんな人だとは思ってなかったわ、西条さん・・・・・・!!!!!!」
ゴオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォオ――――――――!!!!!!!
美神の髪が逆立って舞い上がり、何かがパチッパチッと体の表面で弾けている。
「許さん・・・!ここにこのような富の偏在がっ・・・・・・!ぜってー許さん・・・・・・!」
俯きコブシを握り締め震える横島。
のちにピートは、このとき横島が血の涙を流すのを見たという。
「しかもお前、『俺を試す』とかゆって本気で斬ろうとしてただろー!!」
「あーそーさ!!あの時本当に斬っておけば良かったよ!!」
ぴきっ。
どこかで誰かのこめかみに青筋が立つ音がした。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・ッ!!!!!
今度は別の方から霊圧が西条にかかる。
(なっ!?これはっ!?)
霊波の元を見ると、暗く光る8つの瞳。
一つは、ネクロマンサーの笛を口に当てた女性から。
一つは、机の上に座った女性から。
一つは、おさげでタレ目の女性から。
一つは、短いツノを生やした女性から。
とりわけツノを生やした女性のそれは、もとのポテンシャルが高いため
呼吸困難に陥るほどの霊圧だ。
「あああ・・・そろそろ止めないと、西条さんホントに死んじゃう・・・!」
と、心は思うもののあの中へ入っていく勇気は普通は無い。
あったら今頃エミやアンに振り回されてはいないだろう。
「えー?どーせ西条さんも令子とは付き合い長いんでしょ?だったらこれくらい
へーきなんじゃない?そんな事よりもピートぉ、私酔っちゃったみたーい♪」
(!)
ピートとエミのやり取りが耳に入り横島の頭に電球が光る。
「西条!!お前、自分とピートとどっちがかっこいいと思ってる!?」
「そんな事聞くまでもないだろう!あんなバッタもんと一緒にしないでくれたまえ!!」
びく。
反応したのはもちろんピートではない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんですって?」
「い、いや今のは言葉のアヤ・・・!」
「問答無用なワケッ!!霊体撃滅・・・・・・・・波ァ―――――!!」
ちゅどーん!!
きれいに西条だけが吹っ飛ばされる。
ひゅ〜〜〜〜〜・・・・・ぼてっ ごろごろごろ・・・・・・
転がった先には女性が立っていた。
「な〜に〜?ど〜したの〜西条さ〜ん」
「たっ・・・助けッ・・・・・・!!」
「え〜よく〜聞こえな〜い?」
そこへやってくるハイヒールの足音。
つかつかつかつか!!
「冥子!ちょっとそこどいて!?私、西条さんに用事があるのよ」
美神の眼は据わっている。
「え〜令子ちゃん〜なんだか〜恐い〜!?」
「いーからどきなさいってのっ!!」
「やだ〜令子ちゃん〜怒ってる〜!」
冥子が西条の陰に隠れ、西条をはさんで鬼ごっこになる二人。
「冥子っ、あんたがいると邪魔なのよー!」
「・・じゃま・・・・?・・・・・・・ふっ、ふえええええ・・・・!令子ちゃんのっ・・・・・・・・・、」
「「!!」」
「ばかぁ〜〜〜〜〜〜!!」
どどどどどどどどどどどどどんっっっっっっ!!!!!!
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(問1)
極至近距離(20cm)で式神12体の暴走を食らうと生身の人間ならどうなるでしょうか?
※2002年度GSセンター試験より抜粋
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「さ、それじゃーそろそろ日が暮れるし帰りましょーか!」
「また来年も呼んで欲しいのねー!」
「じゃーねー!」
ぞろぞろ・・・
夕焼け。
それぞれ、食べ物などを片付け帰路につく。
桜は、まだ咲き乱れている。
その花びらがほんのり紅いのは、木の根元に血まみれで埋もれかかっている西条の血を
吸っている為だろうか。
ライアー・ライアー!!2(ver.D)おわり
今までの
コメント:
- 次から次へと襲ってくる笑いのツボ攻撃に爆笑しっぱなしでした♪ 西条が正直に(正直に?)吐露する各キャラに関する暴言はさることながら、それ以上に周りのキャラのそれらに対する反応が面白かったです(個人的には冥子ちゃんのプッツンが拝めた点が)。にしても、GSセンター試験のその問題はサービス問題でしょうねえ(笑)。 (kitchensink)
- 私も質問してみたいです。
「ホントのところ、その髪の毛は本物なんですか?それとも、噂通りカツラなんですか?(にゅっふり)」 (猫姫)
- うふふふふ。
おもろかったな〜、西条はん。もとからおキヌちゃんの髪型との類似、困った性格でいっぺんひどい目にあったほうが本人のためだとは思ってましたがこれはいい薬でしょう。 (マサ)
- ↑×2 その噂の出所は貴女のお兄様では?(滝汗)
リクにこたえて頂きありがとうございました。くたばった男前がすごく良い味だしてました♪ (魚高)
- Hさん(仮名)のコメント
「ホントはVer.Cで私が主役のはずだったのね〜!でも、神・人界の両方から見えない圧力がかかってボツになっちゃったのね〜!」
※プライバシー保護の為一部音声を変えてあります
と、ゆーわけでver.Dの西条でした。ところが意外に彼がワルモノっぽく振舞ってくれず、この程度のイジメしか(←私、鬼ですか?)出来ませんでしたが、御満足頂けたでしょうか?
ホントはこの後『偽』を小鳩ちゃんが飲んで横島に「大っ嫌い!!」と叫んで大騒ぎ・・・とか幾つか考えていたのですが、L・Lシリーズは取りあえずこれで完結のつもりです!
が、「あのキャラで一本書かねーとはsai、刺されたい?」という方、善処致します。
「saiが書けねーなら俺が書いてやるぜ!」という方、三次創作全然OKです。
またいいネタ思いつきましたら書かせて頂きます! (sai)
- ナイスです!!
良い感じで西条の人柄が表現されていますねぇ(^^)
これでL・Lシリーズは終わりということですけど、
私としては是非ともおキヌちゃんバージョン(普段抑えているものを全て吐き出してしまう)
というのを期待したいのですが、だめでしょうか??? (tomo)
- はじめまして。つーか、いままでこのシリーズ読んでいたのに
うまくコメントをおもいつかなくてコメントを出さなかったオオタワケモノのNGKです。
やっぱり小鳩ファンとしては書いてほしいかな。と。
西条をいじめている方はもっといらっしゃるのでsaiさんは鬼ではないでしょうね・・・ (NGK)
- (問1の答え)
通常の場合、この世の者ではなくなります。
運がいいと、2〜3ヶ月生死の境を彷徨うだけで済みます。
よっぽど運がいいと、重傷でも意識は保たれます。
一生分の運を使い果たせば、無傷で済むかもしれません。
(※2002年GSセンター試験解答集より抜粋) (プロミス)
- 確実に吸ってるね。 (トンプソン)
- おキヌちゃんのは私も読んでみたいですね〜♪
だめですよ桜の木さん、そんなのタチの悪いの栄養分にしたら枯れちゃうぞ〜(笑) (けい)
- 初めまして!!…というか私は初めてじゃないんですけどね(笑)
↑×3、NGKさんと一緒の大たわけ…いや、ジパング風に言うと「大うつけ」のみっちーです。
いつも作品楽しく拝見させていただいてますッッ!!!
今回の作品も面白かったですよッッ♪特に「GSセンター試験」!!!(爆笑)
いやあ、次回の作品も楽しみですねッッ♪ (みっちー)
- 哀れ西条…… 最早ギャグキャラか? ギャグキャラ兼コワレキャラなのか!? (ロックンロール)
- 俺!? 俺が元凶なの!?
………ち、違いますよね? 違うと言ってください…。 (黒犬)
- まあ西条くん…しょうがないよ…君がわるいんだから…(笑い) (3A)
- やだなぁ、saiさん。
『一つは、光り輝く魂の刀を正眼に構えた女性から』
をお忘れになってますよ?(青筋)
……冗談です。
あまりにも面白すぎたため、それを書き上げるにはスペースが足りなかったので、逆の指摘をしてしまいました。
敢えて挙げるとすれば、全文!(爆)
こーゆー全員集まって騒動を起こすのが『極楽』のセオリーであり、真骨頂であると思いますので。
ところで、このシリーズはどうやらピート寄りの視点で描かれているようですね。
…………。三次創作。……『アリ』なんですね……? (斑駒)
- 皆様御感想本当に有難う御座います!
>斑駒様
三次創作アリです!ってゆーかお願いします!
私の方では頂いたリクについて検討中ですが、かぶって競作になっても全くOKです!
ですから美神・小竜姫・西条で焼き直して頂いても結構です。何卒宜しくお願いします〜。 (sai)
- Nice, Saijo!!! (T.I)
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