ザ・グレート・展開予測ショー

命の選択!?番外編5


投稿者名:運血
投稿日時:(02/10/19)

妙神山の一室。ここに、小竜姫達5人が集まっていた。

「さて、パピリオさん。何故あの様な事をしたのか説明してください」

小竜姫は額に青筋を立てて言う。顔が笑顔なだけに凄いプレッシャーをパピリオに感じさせている。

「それは…そのでちゅね…」

パピリオは暫し言い澱むが、意を決して訳を話す。皆は黙ってそれを聞いている。
しだいに、パピリオの独白は次第に熱を帯びていき涙を流しながら自分の心情を吐露する。

「アシュ様もルシオラちゃんが消えて、ベスパちゃんも居なくなって、寂しかったんでちゅ。それに、ポチも全然遊びに来てくれない。…独りぼっちはもう嫌なんでちゅよぉ…」


小竜姫はパピリオの言葉に衝撃を受けていた。彼女のことを考えて妙神山に引き受けたが、それが思い詰めさせる要因となってしまった。
あの時点――アシュタロスの反乱――でのパピリオの立場は非常に微妙なものであった。神族・魔族の一部は最後は人間側を助けたものの旧アシュタロス生き残りである彼女に非好意的であり憂いを断つため処刑しろという者さえいた。

だが、彼女はそれらの意見を押さえ、自分が家族として面倒を見ることを条件に彼女の安全を約束してもらったのである。また、神族側に組する事になる彼女を狙って魔族が襲い掛かることが予想されるため、厳しい修行を課す様にしていた。

しかし、それが仇となり彼女の寂しさを増長させようとは。いや、むしろその事に気がついてあげられなかった自分が不甲斐無かった。もう少し彼女に優しくしてあげればこんなことをすることも無かったかもしれない。

次の瞬間、小竜姫はパピリオを抱きしめていた。

「ごめんなさい、ごめんなさいね…。あなたの気持ちに気がついてあげられなくって…。本当にごめんなさい」

小竜姫は涙を流し謝る。

「小竜姫…。ヒック…良いんでちゅ。これは、アタシの我侭なんでちゅから。謝る必要なんてないんでちゅよ」
「パピリオ…ありがとう…」

小竜姫はその言葉を聞いて更にギュッとパピリオを抱く腕に力をいれる。
やはりパピリオは良い子だ。これからはこの子を精一杯守ってあげようと心に誓う。

その光景を見て感動した冥子は感動して涙を流している。

「いいわ〜〜〜。冥子感動した〜〜〜」
「そうで御座るな…。こらからはもっと遊びに来るで御座るよ!!!」

しかし、盛り上がっている4人を尻目にタマモは冷静に言い放った。

「ちょっと、そんな事どうでもいいのよ。それよりアンタ、ヨコシマはどうなるのよ!?さっさと言いなさいよ!!!…何かあったらタダじゃおかないから…」

その言葉にパピリオの表情が凍りつく。

「ど、どうちまちょう…。アタシ、ヨコシマに取り返しのつかないことを……」
「さっさと言いなさい!!!アンタ!?」
「お、落ち着くでござ…」
「五月蝿いわね!!!この馬鹿犬!!!」
「ちょ、ちょっと〜〜〜、もう少し冷静になりましょうよ〜〜〜」

珍しく激昂し、今にも掴み掛かろうとするタマモを3人掛りで押さえつけていると、小竜姫の元にワルキューレが尋ねてきたという連絡が入った。







「で、何のようですか?今忙しいのですが」
「ずいぶんと、殺気立っているな。どうした?」
「な…」

玄関に迎えに来た小竜姫を見たワルキューレはニヤニヤしながら言う。
その表情にカチンときた小竜姫は更に語尾を強める。

「今はそんな戯事に付き合っている暇はありません。用が無いのならさっさとお帰り下さい」
「どうした、パピリオが何かやらかしたか?…例えば、横島に何か飲ませたとか」
「…あなた、何か知っているのですか?」

パピリオがキスの際に何か飲ませたことは知っていた小竜姫は、彼女が何か知っていることが分かった。

「あなた、何か知ってるんですか?」
「ああ、全て…な」








ワルキューレが皆の所に案内される。しかし、部屋の中は先ほど小竜姫が玄関に迎えに出た時と違いすっかりと荒れ果てていた。隅にはボロボロになったシロ・タマモ・パピリオの三人と、泣きじゃくっている冥子がいた。

「な、何があったんだ…」
「…はあ…何でしょうか…」

呆然とする2人に、ボロボロになったシロが言う。
「め、冥子殿が…暴走を……」
「そ、そうですか…」

(ここに居なくて良かったわ…)
内心ワルキューレに感謝しつつ、彼女に説明してもらうよう言う。
ワルキューレは一瞬呆けていたが、小竜姫の申し出を快諾し皆に話し掛ける。

「アテンション!!!」

何処からか取り出した精霊石銃をぶっ放しながら、全員の注目を集める。泣いていた冥子すらも、流石にビックリしたのか泣き止んでワルキューレの方を向く。
しかし、小竜姫は…

(あ〜あ、天井に穴が…)

少しばかり顔が引き攣っていた。

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