嗚呼…文珠(2)
投稿者名:ノン
投稿日時:(02/ 8/20)
コンコン
おキヌ「みなさん、おやつ持ってきましたよ。」
シロ『おキヌどのっ!!これを見てくだされ!!』サッ
タマモ『おキヌちゃん、わたしのも見て!』サッ
二人とも手の上に乗せた文珠を差し出す。
おキヌ「?…わ〜〜!!……すっごく綺麗ね…でも何なの…」シロの玉の文字に気付く。
「えっ!!ひょっとして文珠かしら?…でも色が…」
シロ『拙者たちの霊力で作ったら、先生とは違う色のが出来たんで
ござる。』えへへへ
タマモ『ねえ!おキヌちゃんも作ってみてよ。わたし、おキヌちゃんの
文珠も見てみたいし。』
おキヌ「そうね〜〜〜。」どうしようかしら…
「あの…横島さん、私も作って貰っていいですか?」
横島「えっ、別にかまわないよ。」
キィィイイイイン キンッ ころん
綺麗な澄んだ藍色の玉が出来た。
おキヌ「これが私の文珠ですか……きれい…」
(文珠を作るのってこんなに大変だったのね…横島さんってやっぱり
凄い……)
シロ『おキヌどのは藍色でござるな。』
タマモ『すごくきれい…』
おキヌ「うふふ、ありがと、タマモちゃん」
シロ『おキヌどの、拙者はこの文珠に願掛けしたんでござるよ。』
嬉しそうに見せるシロ。
おキヌ「そうね、それじゃあ私も…」両手で優しく文珠を握り念を込めるおキヌ。
ヴン 文珠の中に『幸』の文字が入る
タマモ『何てお願いしたの?』
おキヌ「みんなが仲良く、いつまでも幸せに暮らせますようにって、お願いしたのよ。」
にっこり笑いながら言うおキヌ。
ちょんちょん 横島がおキヌの肩をたたく。
横島「ところで、おキヌちゃん……美神さんの様子は…」おそるおそる
おキヌ「まだ……ちょっと…」あははは……
「!!、そうだ、横島さん!!この文珠を見せてあげたらどうです?
こんなにきれいなんですもの、美神さんだって機嫌直してくれますよ。」
横島「う〜〜ん、大金フイにした美神さんがこんな事で機嫌直すかなぁ〜?」
おキヌ「大丈夫ですよ、美神さんも女の子ですから、こんなにきれいなのが
自分で作れたら、きっと喜びますよ!!」
「それに、文珠なんですから、実際の仕事でも使えますし、実用的で
良い所だらけじゃないですか!!」
横島「う〜〜んそれじゃあ、行ってみるか〜〜」
シロ『拙者も行くでござる。』
タマモ『じゃあ、わたしも行く。』
(美神さんの文珠って何色なのかしら?)
おキヌ「みんなで行きましょう。」
社長室
コンコン
美神「だ〜〜れっ!!」(怒)
横島「よ、横島ですっ!!」ヒィーー!!
(やっぱり、まだ怒ってる……)
美神「何の用なの!!」
横島「じ、実は…美神さんに見せたい物があるんですけど……
は、入っても宜しいですか?」おどおど
美神「別にいいけど……もし、くっだんない物だったら、張っ倒すから
覚悟しときなさいよっ!!」
横島「…お、おキヌちゃん…あ、あんな事言ってる〜っ!…ヒソヒソ…」ヒィー こらあかん ダッ!
扉に背を向けて逃げようとする横島。
おキヌ「…よ、横島さん!!逃げちゃダメじゃないですか!!…ヒソヒソ…」がしっ!
逃げようとする横島の手を捕まえるおキヌ。
おキヌ「おキヌです、美神さん入りますよ〜〜。」
横島「ああ…おキヌちゃん!は、放して…お願いっ!!」ばたばた
「やっぱりこんなもんじゃ、美神さんの機嫌なんて直りっこないって!!」
(あああ……このままでは…俺はに殺されるかもしれんっ!!)いやぁ〜〜!!
ガチャ
美神「……で、みんなして何の用よっ!!」
(横島は三人の後ろでしゃがみながら頭を抱えています。)
おキヌ「美神さん、コレ見て下さい。」ころころころ
三色の文珠を机の上に出すおキヌ。
美神「何よコレ〜?……えっ!!…まさか!?」ふ〜ん はっ!!
「横島クンっ!!!」
横島「は、はいっ!!」シャキィーー!! 背筋を伸ばして起立する横島。
「な、何でせう?」ドキドキ
美神「詳しく話してくれる?」
横島「は、はいっ!!、シロのアイディアだったんスけど、俺が他の人の霊力を
使って文珠が作れるのか?ってのをやってみたんです。」
「そしたら、それが上手い事いって、俺のとは違う色の文珠が出来たんです
………だから、美神さんのも作ってあげようと……」
美神「……………」う〜〜ん
横島「み、美かみさん?」
美神「よくやったわ!!シロ!横島クン!!」ばっ! ぎゅっ ぎゅっ きゃ〜〜
いきなり立ち上がって二人の手を握る美神。
「シロッ!!ホン〜ト〜によくやったわっ!!」だきつきっ!! ぎゅぅ〜
シロ『み、美神どの…く、苦しいでござるよ。』
おキヌ「よかったですね、横島さん!美神さんの機嫌が直って。」
横島「う〜〜ん、何か最初に想像してたのとは、だいぶ違う気もするが…」なんだかなぁ〜
少し困った様な、ほっとしたような顔の横島。
タマモ『ね〜美神さん、結局はヨコシマが作る文珠なのに、何がそんなに
嬉しいの?』
美神の喜び様を不思議に思うタマモ。
美神「あ〜〜!そうね、私だけ分っててもアレだから教えてあげるわ。」スタスタ すとん
いすに座り話し始める美神。
美神「いい、文珠が霊力を凝縮した、結晶みたいな物だってのは分ってるわね。」
「念を込めるとゆう操作を除けば、凝縮した霊力を開放する技って事になるわ
……何かに似てると思わない。」
おキヌ「あっ!!破魔札ですか?」
美神「そう、アレは、お札に蓄えられた霊力を、私たちの霊力で活性化させ開放
する事で、霊にダメージを与える物なの。」
「だから、一般人より強い霊力を持つ私達は、お札に蓄えられた霊力を
十分に活性化させる事が出来るから、より大きな威力を引き出せるのよ。」
横島「それじゃあ、今の俺ならあの時の50円のお札でも、十分な効果が…」がんっ!
美神「人が真剣に話してるのに、くだらない事言って話の腰を折るんじゃないの!」
美神「馬鹿はほっといて話を戻すわよ。」
「文珠も同じ様に、使う時には結晶状態にある霊力を、活性化させる必要があるんだ
けど、霊的処理がなされ比較的すぐに、蓄えられた霊力を活性化出来る破魔札とは
違って文珠は、結晶状態で安定化してるから、作られてから時間がたてばたつほど、
活性化できる霊力が減り、威力が落ちるわ。下手すりゃ不発なんて事もあるはずよ。」
横島「そうだったんスか?文珠って念さえ込めれば誰でも使えるんじゃ……」
美神「バカねぇ〜、念を込める事を通して霊力を送り込んでたのよ。」
横島「あっ!でも俺…ずいぶん前に作った文珠でも普通に使えましたよ。」
美神「作った本人なら話は別よ。自分の霊力なんだから、少し霊力を加えてやれば
すぐに100%活性化させる事が出来るわ。」
おキヌ「あの…美神さん……それなら、私や、美神さんが今まで使った文珠の中で、
不発したのが一つも無かったのはどうしてなんですか?」
美神「あ〜〜…それはね、作ったのはだいぶ前でも、その後、その文珠を横島クンが
ずっと持ってたからよ!」
「横島クンの近くにある限り、その文珠は彼からの霊波動を受け続けるから、
作った時に近い状態で保存されるのよ。」
「でもまあ、私たちが彼の文珠を使った所で、引き出せる力は、横島クンが
使った時の80%位なのよ。」
横島「それじゃあ…俺の文珠をいつでも100%の威力で使えるのは、俺だけ
って事スか?」
美神「そゆう事になるわね。………さっきまでは。」
おキヌ「さっきまで……?」
美神「そう…さっきおキヌちゃんたちが、横島クンに自分たちの霊力で文珠を作って
貰った事で、横島クンは他人の霊力を使っても、文珠が作れる事が分ったわ。」
横島「そうかっ!!つまり、『俺の作る文珠』は誰でも100%の威力で使える
って事ですねっ!!」なるほど〜
美神「そうゆう事よ!!」
シロ『…タマモ、分るでござるか?』
タマモ『破魔札がどうのってのは、よく分んないけど…』
『文珠の所はなんとなく……要は、ヨコシマ自身の文珠を私たちが十分に
使う事は出来ないけど、あいつに作ってもらったこの文珠なら十分に
使えるって事みたい。』
自分の文珠を見せて、シロに答えるタマモ。
美神「さらに、ここからは憶測だけど…文珠の色が人それぞれ違うって事は、
文珠は、使われた霊力の特性を反映している可能性があるわ。」
「まあ、他にもその人を形成する色々な要素が、色の変化に関係してるとは思うけどね。」
おキヌ「…特性を反映?…どうゆう事ですか?」
美神「例えば、おキヌちゃんはヒーリング系の能力が得意でしょ。だから、おキヌ
ちゃんが自分の文珠で『治』を発動した時、同じように横島クンが発動した
ものより、高い効果が得られるかもしれないってことね。」
「他にも、唐巣先生なら邪悪を拒む結界の『結』や浄化の『浄』の効果が上がる
とかね……挙げていったら限がないわ。」
おキヌ「……すごい!!」
「もしそうなら、これからはその時の状況に一番合った人の文珠を使う事で、
今まで以上に効率よく仕事が出来ますね!!」
横島「それだけじゃ無いよ!、これからの仕事には、みんな自分の文珠を持って行ける
……そしたら、いざって時に自分の身を守る切り札になる!!」
おキヌと横島がお互いに向き合って真剣に話している。
横島「シロ!!ホントにお手柄だぞ!!」ワシャワシャ こいつ〜!
シロ『せ、先生…拙者…照れるでござるよ。』えへへ〜 パタパタ
横島&おキヌ「「美神さん!!」」クルッ
今までの
コメント:
- エミなら「呪」 魔鈴なら「魔法」 タイガーなら「幻影」ってか? (トンプソン)
- すいません。
今回は(これからも←あるのかなぁ〜)メモ帳に全部の
文を書いて、適当に区切って一気に投稿したので、
変な所で文が切れてます。
あと、タマモの性格は、かなり軽めです。デジャヴーランドの
時ぐらいです。シロとも以外に仲良しだし…。 (ノン)
- ノンさん文珠新論(仮名)が前回に引き続き興味深い&説得力がありますね。しかし、令子がタダで自分の頭を使ってこんなことを思いつくとは考えにくいですね(汗)。何か商売に応用しようとか、ヨコシマなことを画策してなければいいのですが(汗汗)。次に移ります♪ (kitchensink)
- うわー、シロちゃんのアイデア、すごく役に立つものだったんですね♪
みんなと一緒にはしゃぐタマモちゃんがかぁいいです♥ (猫姫)
- すっかり、文殊プロセッサーになってしまった横島クン。
彼の地位はもっと上がるのに、所々の余計な一言ぶりのために馬鹿扱い……(笑)
美神さん、横島ももちょっと高く評価しよーよ。 (ギャグレキスト後藤)
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