Gの恐怖っ!?
投稿者名:kort
投稿日時:(02/ 6/19)
「はー、やれやれ、やっと一段落ついたっと。」
美神はそう言って伸びをすると、オフィスの椅子にどっかりと体を預けた。
「今回はちょっと大変でしたもんね。」
おキヌの淹れてくれたコーヒーを受け取り、そーね、と笑う美神。
なんにせよ一件落着、しかも久々の超高額収入である。
「そうなのよっ、ママが戻ってきてくれたのはいいけど、
それ以来オカルトGメンに色々仕事取られちゃって…っ!
でも今回はばっちり!もーばっちりよ!!
ほほほほほほほっ!!!」
契約書と前金分の小切手を前に、鼻息も荒く高らかに笑う。
そんな彼女に、さすがに「この人って…」なおキヌであった。
「よーしっ、この調子でばんばん契約取って仕事こなすわよっ!」
上機嫌で言いながら書類をしまう。
と、引き出しを閉めようとしたその視線の端っこを
さささっと黒いモノが横切った…ような、気が……した。
追いたくない、見たくない、認めたくない、そんな気持ちとは
うらはらに、美神の目はソレを追っていた。
かさかさかさかさっ(←移動中の音)
………………………………………!!!!
「美神さん、どうかしたんですか?」
「―――――――――っ!!!!!」
どがっ…ちゅどーーーんっ!!
「みっ、美神さんっ!?」
『オーナー!?』
次の瞬間、オフィスは見事に爆発していた。
ソファのところまで吹き飛ばされたおキヌと、
突然の出来事に驚いた人工幽霊一号が同時にその名を呼ぶ。
呼ばれた方は、まだもうもうと立ち上る爆煙の向こう。
やがてそこで、ゆらり、と影が動いた。
「美神さんっ!!」
この爆発、まさかまた魔族が…!?
不安と焦燥と驚愕、そしてなによりも心配がおキヌの胸で
うずまく。今横島さんはアパートに戻ってここにいないのにっ…!
体を起こして駆け寄ろうとしたその時、
薄れてきた爆煙の中から美神が声を上げた。
「おキヌちゃんっ!!」
「はい!」
「ゴキブリホ○ホイはどこっ!!?」
だああああっ!!
「なんですかそれはっ!?」
「だからゴキブリホイ○イよっ!!
コ○バットでもなんでもいいから持ってきてっ!!」
出たのよアイツがっ黒い悪魔がっ、
と必死の形相で叫ぶ美神を見ながら、おキヌは理解した。
つまり―――ゴキブリ、だ。
思わず、ちょっと放心してしまう。
「おキヌちゃん、早くっ!!」
「――あっ、はい!」
『待ってください、』
せかす美神に人工幽霊一号が口を挟んだ。
「何よッ!?」
すさまじい殺気と共に訊き返す美神。
『この場合は、バル○ンの方がいいのではないでしょうか。』
………。
十数分後。
アパートから事務所へと戻ってきた横島は
玄関の前に立っている美神とおキヌを見て目を丸くした。
「どーしたんスか?これからまた仕事なん」
「はいこれ。」
どさっ。
横島の言葉をみなまで聞かずに、
美神はでかいビニール袋を彼の腕に放り込む。
「重いっ!?なんすかこれっ!?」
「バ○サンよ。」
バルサ○?
「事務所にゴキブリがでたんです。」
申し訳無さそうな顔でおキヌが説明する。なるほど。
「よーするに、自分でしかけに行くのがやなんスね?」
そーよ!と美神。にやり、と笑う横島。
「しかけてきてほしかったらっ!」
「進歩がないのかおのれはぁぁぁっ!!?」
ガンっ!!「ぶっ!!?」
どがんっ!
横島、バ○サン入り大袋と共に事務所玄関内にストライク。
「ああっ、横島さんっ!?」
「人工幽霊一号!そいつ見張っててね。
最後の掃除まできっちりやらせて。」
『了解しました。オーナー』
ばたんっ、とドアの閉まる音。
「さ、行くわよおキヌちゃん。」
心配そうに事務所を見ていたおキヌが振り返る。
「どこへです?」
「横島クンの部屋よ。」
「……え?」
「絶対、絶対アイツがタマゴ持ってきてんのよっ!!
だから元を絶つ!!!」
バルサ○片手に握りこぶし、背中には炎を背負って宣言する美神。
「とゆーわけで、よろしくねおキヌちゃん!!」
ぽんっ!
期待の笑顔とともに手渡されるバル○ン。
「わ、分かりました…。」
苦笑、というか、汗笑しながら受けるおキヌであった。
一方その頃。
「出せーっ!!ここから出せーっ!!!」
『叫ぶと余計に吸い込みます!
地下の武器庫から防毒マスクをっ!』
「ここは三階だぞっ!?そんな事しとる間に倒れるわいっ!!
それよりも外に出せぇーっ!!」
防毒マスクをするのを忘れて○ルサンを焚いた横島が、
大変なことになっていた。
オチのないまま(滝汗)終わる。
今までの
コメント:
- ゴキブリ嫌いの私の友人は、ゴキブリのことを「G」と呼びます。
というわけで、グラヴィトンの話とタイトルがちょっとかぶってしまった…(汗)。
内容については、ギャグな「極楽」が書きたかったんですけど、ですけど、けど……(遠い目)。 (kort)
- 「G」は「ゴキブリ」のことでしたか(笑)。令子も米国から核ミサイルを注文しない辺りは多少の進歩があるようですね(前回数万匹のゴキブリの大行進を目の当たりにしてることですし)。徹底的にゴキブリを嫌がる令子、いつも通りに無理難題を申し付けられる横島クン、何か言いたげながらも結局「仕方ないなぁ」とばかりになりゆきを見守るおキヌちゃんなど各キャラが「らしい」動きをしていたと思います(これしか感想を書くネタがない私って...←泣)。一番の被害者はやたらと事務所内を破壊されるたんびに迷惑をこうむる人工幽霊壱号かもしれませんね(笑)。面白かったです♪ (kitchensink)
- まあ、とりあえずは最初の爆発は何だったのかな〜って所でしょうか(そんな事さらりと…←汗)
たーくんさんのお気持ちがkortさんを動かしたってことでしょうか。人工幽霊一号がココでも活躍してますね。泣かないで頑張れっ!人工幽霊一号!(涙は流せない)。 (マサ)
- うーむ。気持ちは分かります。
家ごと爆破したいものです。
それにしても今回は横島だけでなくおキヌちゃんにも人為的災害が襲いましたね。
でも一番の犠牲(者)は人工幽霊一号という・・・。 (与作)
- バル○ンの『○』がどんどんズレて――まあ、どーでも良い事なのですが……。
取り敢えず、いつでも冷静な人工幽霊一号に一票です。さすがに生命を超越した人(?)は言うことが違いますね(爆)
できれば横島くんは、行動を起こす前に指摘して欲しかったでしょうけど……(汗) (斑駒)
- こんなしょうもない話にコメントと票をありがとうございます(感涙)。
オチを(今ごろ)考えついたので、追記します。
『横島さん、文殊があるでしょう!』
出せー出せーと叫ぶ横島に、人工幽霊一号が
アドバイスする。
そう、文殊を使って結界を張ればいいのである。
バル○ンを焚いている間くらいは効果はある筈だ。
だが、返ってきた答えは意外なものだった。
「そんなもん、もう無いわいっ!!」
『は?』
思わず間の抜けた反応をする人工幽霊一号。
「今日の仕事で使い尽くしたんだっ!」
『…ああ、今日は文殊だけで依頼を解決したんですね?』
直接その旨を聞いたわけではない。
ただ、帰ってきたときの美神のセリフ
―――「今日は横島クンのおかげでいつにないボロ儲けだったわ♪」
から、そうだろうと推測したのである。 (kort)
- 『でしたら、霊力をまた溜めれば何とかなるのでは。』
バル○ンの煙が充満する中、冷静な人工幽霊一号の
その言葉に横島ははっとした。
そうだ。もう一度霊力を溜めれば…しかし
横島はためらった。
横島の霊力の源は煩悩。
つまり霊力を高めるためには、
あんな本とかこんなビデオとかがあるとすごく良いのである。
しかしこの事務所にそんなものがあるわけがない。
だが…もう一つの煩悩の源なら…すなわち、下着、なら。 (kort)
- 「―――っ!あかんっそれだけはあかんっ!!
おキヌちゃんの下着を漁るなんて、
そんなことやってしまったら俺は完全に悪役やー!!!」
『大丈夫ですか!?』
「…いや、待てよ。下着なら…!」
急に静かに考え出す横島。ちょっと びびる人工幽霊一号。
「そうかっ…!生き残れる!俺は生き残れるぞっ!!」
そして煙の中を唐突に走り出す。
その後ろ姿に『横島さん!』と呼びかけながら、人工幽霊一号は
心の首をひねっていた。すなわち――
もう相当の煙を吸っているはずなのに、
なぜ、あまりダメージを受けていないのだろう、と。 (kort)
- そして数十分後。
「かんにんやー!仕方なかったんやー!!」
「うるさい!!人の下着漁っといてなに言うかーーッ!!?」
脱衣所の、美神の下着を収めたタンスのそばで
しばきたおされている横島がいた。
長い…(汗)。これを持って、お返事に代えさせていただきます。 (kort)
- 中身が出よーがなんだろーが、ゴキちゃんは一発でしとめなくてはなりません。
生命力が強いだけでなく、死にそーになると卵巣だけを分離させて、余計に増えます。
さあ、君達も勇気を持って、新聞紙を丸めて(サンデーは不可)ボクと一緒に戦おうっ!! (みみかき)
- だいじょーぶだ、横島!
〇ルサンは二十分くらい吸い続けても平気だ!(←経験談)
君なら5時間はOKだ! (黒犬)
- ゴキブリにバ○サンなんて全く効かな(自主規制)
ウチは、炊いた日の夜に出てきました。
ふふふ……みみかきさんのゆーとおり信用できるのは目に見える武器だね、やっぱり。 (魚高)
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