アシュタロスを継ぐ者〜ニ章(その二)〜
投稿者名:ゆうすけ(侍)
投稿日時:(02/ 6/ 9)
その頃俺達は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
飯を食っていた。
雪之丞とドクターカオスが妙神山に来るやいなや「腹が減った」とかほざきだしたのだ。
当然こいつらにも何故妙神山に連れてこられたのか説明したんだが・・・・・・・・。
節操無いって言うかあつかましいって言うか・・・・・・・・・・。
まあ俺もちゃっかりいただいてるが
「なんじゃ食べんのか?ならワシが・・・・・・・・」
「あっ!なに人のおかずとってんだ!!」
「みみっちいこと言うんじゃないワイ!!」
「なんか〜〜〜〜こうしてみんなで食べる食事って良いものよね〜〜〜〜令子ちゃん〜〜〜」
「・・・・・・・・・・・」
「あら〜〜〜〜?どうしたの〜〜〜〜〜?令子ちゃん〜〜〜〜〜?」
バンッ!
美神さんがテーブルを叩いて立ち上がった。
「あんた達ねえ!!なんでそう緊張感ってもんが無いの!!!!?」
「あ〜〜〜〜ん、令子ちゃん怒っちゃいや〜〜〜〜」
「そんな事言われてもノウ」
「まあまあ美神くん落ち着いて」
それぞれ予想通りの反応だな。
カタン
一心不乱にがっついていた雪之丞が箸を置いた。
「美神のダンナよ、気持ちはわかるがまあ落ち着け。怒りの感情は心を焦がすだけだ。
こういう時こそ心を水の様に落ち着かせるんだよ」
ざわっ
どんどこどんどこどんどこ♪
いつしがたの光景が蘇った。
「ニセモノよ!こんなの本当の雪之丞じゃないわっ!!正体を現しなさいっ!人間モドキ!!」
「どっから見ても本物に見えますけどねー」
「俺がこんな台詞言っちゃいかんのかっ!!弁護士を呼んでくれーーーーーっ!!」
まあそんなこんなで
小竜姫様がエミさんとタイガーを連れて帰ってきたところで俺達は本題に入る事にした。
「それでは、只今より美智恵さんの記憶から昨夜美智恵さん、西条さんにいったい何が起こったのか調査を開始します。ヒャクメ」
「はい。それでは今から美智恵さんの記憶をみなさんの正面にあるこのスクリーンに映し出しますねー」
パッ
「ん〜〜〜!バチカンなんてしばらくぶりだわ〜〜〜〜〜」
教会しか見えない。隊長は?
「この映像は美智恵さんの視界からの映像となってますね」
なるほど
「もうちょっと早送りするのねー」
まるでビデオだな
キュルキュルキュル・・・・・・・
パッ
「・・・・・・で、今回依頼なされた仕事の内容は?」
目の前にいるのは前に美神さんに仕事を依頼した神父だな。
どうやら仕事の確認をしてるみたいだな。
「実は、ここ数日前から魔族が度々侵入してきまして」
「このバチカンに?魔族にとっては自殺行為のはずなのに・・・・・・」
「ええ、ここバチカンは神聖な『気』で満ちており並の魔族は近づけないはずなのですが・・・・・・・」
「魔族は何体ですの?」
「二体です。これがその写真です」
「・・・・・・・・」
魔族はいずれも長髪だった。
「被害のほどは?」
「ええ、それがおかしな事に何もされてないんですよ」
「何もされてない?」
「はい、ただラプラス共を封じ込めてる宮殿の前に現れるだけで」
「・・・・・・・・・・・・・わかりました。なんとかいたしますわ」
バタン
部屋の外に西条がいた。
「見張りご苦労様、西条くん」
「いえ、仕事の内容は?」
「かなりヤバそうよ。おそらく中級魔族が二体、宮殿に封じてあるラプラス達を解放しようとしてるわ」
「きっ、緊急事態じゃないですか!!すぐに令子ちゃん達に召集・・・・・・」
「しなくていいわ」
「で、ですが・・・・・・・」
「変わりにヨーロッパ中の電力を少しの間全て使えるようにしといて」
「ボッ、僕達だけでやるんですか!!?」
「あら、なんとかなるものよ?じゃあ夜中にまた会いましょう」
「ちょっ、先生!どこにお出かけになるんですか!!?」
「ちょっと知り合いに会いに行くだけよ♪じゃね♪」
(もしもの事があったらあいつにれ「早送りするのねー」
ん?なんだったんだ今の。隊長は誰に会ったんだ?
パッ
「・・・・・・・・・まだ来ないみたいね。ハイ、コーヒー」
「あっ、どうも」
カタカタカタカタカタカタ
「西条くん?」
「すっ、すいません!緊張してまして・・・・・・・」
「なんのことないわよ、いつもと同じようにすればいいのよ」
「はあ・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・来たみたいね」
「ん?誰だ?お前たち」
「なーんか霊能力者の臭いがプンプンするなー」
(中の上ってとこかしら)
「そうだ!僕達はオカルトGメンだ!!お前達を除霊する!!」
銃を構えてるが銃身が震えている
「やれるもんならやってみやがれー!!」
一人が正面から西条に突っ込んできた。
「おい、俺は手伝わんからな」
「このっ!」
ガガガガガガガガ
正面から突っ込んでるのに当たらない?どう言うことだ?
「遅いんだよ!死」
ドゴン!!
「ちぃっ!!」
「相手は西条くんだけじゃないわよ!!」
隊長が懐から何か取り出した。
「西条くんこれを!」
パシッ!
「これは・・・・・文珠?」
「ほう、文珠を使うのか。面白い連中だな」
「そうよ!それを使って霊力上げて!しばらくそいつらひきつけといて!!」
「そっ、そんな無茶な「いいから早く!!」」
「ええい!ままよ!!」
パンッ!
(しかし『暴走』なんて込めた文珠で西条くんもつかしら?)
「ぐわああああああ!!!!」
(やっぱし)
「なるほど、一時的に肉体の限界以上の力を出すために『暴走』か、考えおるワイ」
「でも〜〜〜〜、後から降りかかってくる〜〜〜負担が怖いわよ〜〜〜〜」
確かに
「ちょっとあんた達ウッサイわよ!!」
「うぉおおおおおお!!」
「ふむ、一時的に出力を上げたらしいな」
「いくぞ!!」
バババババ
左のストレートからフォローの右フック、そのまま体勢を崩して水面蹴り。そのまま一回りして飛び左後ろ回し蹴り、それをフェイントに本命の右カカト落し。
思わず見とれてしまったが、相手はそれを全てかわしていた。
そういえば西条が体術使うの見るの初めてだな。
「う〜んさすがに人間のスピードじゃない動きしてるなあ」
「でもなんか旗色悪いわよ?遊ばれてるワケ」
たしかに・・・・・・・・表情に余裕が窺える
「いつまで遊んでんだ?早く終わらせろ」
(何?こいつ、上級魔族のようね)
ん?もう一人出てきたな
「「お頭!!?」」
「このぉぉおおおおおッッ!!!」
ドサッ
西条の右腕が落ちた。
みんな唖然としている。当然だ、見えなかった。
ブシュウウウウウウ!!!!!
「ぎっ、ぎゃぁぁぁあああああ!!!」
西条の右肩から鮮血が噴出す。
バタッ
西条はそのまま倒れてしまった。
おそらく気絶しているだろう。
こっちでもおキヌちゃんと冥子ちゃんが気絶している
「西条くん!!」
(!よし!溜まった!!)
バッ
隊長が両手を突き出した。
「!!?もしかして!!ママ!!やめて!!!」
「死ねぇぇぇええええ!!!!!!」
ズヴァァァァァアアアア!!!!
合体した俺が東京湾でアシュタロスに放った物より高い出力だった。
(くっ、腕が熱い!当然よね、人間が出せる出力じゃないもの)
「ぐわぁ・・・・・・・」
「ぎゃぁああ・・・・・・」
ドガァァァアアン!!!!
(やっ、やったの?)
爆煙の中から一体出てきた、どうやら最初の二体は今ので死んだらしいな。
「ほう、人間がこれほどの出力を出せるとはな。大したもんだ」
「あ・・・・・・・ああ・・・・・」
(う、腕が動かない?)
俺たちの見てるスクリーンに隊長の腕が入ってくる。
(焦げてる・・・・・・・もうダメじゃない)
「褒美に俺の名前を教えてやるよ。俺は『魔忍』一番隊隊長、石川・・・・・・
ブッ
「おそらくここで意識が途絶えたらしいのねー」
「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」
みんな黙りこんでいる。
やっぱりみんなも同じ事を考えているんだろうか・・・・・・・・・・・レベルが違うって
「ん?でもおかしいぞい。ここで意識が途絶えたのなら一体誰がこいつらをここまで運んできたのじゃ?」
「そうですよね」
「何?小竜姫も知らないワケ?」
「私はその時道場の方を掃除してまして・・・・・・・鬼門の二人が知らせてくれたんです」
「あっ、あの!」
「ん?なんですか?横島さん」
「二回目の早送りの時に隊長が『もしもの事があったらあいつに』とか言ってたんですけど、もしかしてその人じゃないですか?」
「私もそう思ってたんですけど、何せ本人がこの状態では確めようが・・・・・・・・・・・」
「はい、質問」
タマモが挙手した
「はい、タマモちゃん」
「さっきみたいに記憶の中を探れるなら直接意識の中に入って無理矢理起こすことって出来ないの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・
・・
「「「「あっ」」」」
気づかなかったんかい!!
今までの
コメント:
- 今回は壮絶なバトルが繰り広げられました上に相手が上級魔族だったとは...。美知恵ママですら自らを犠牲にしてやっとこさ倒した相手ですし、果たしてGSオールスターズ(仮名)に勝ち目はあるのでしょうか? バトルでは西条と美知恵ママが只力技を挑むのではなく自分の能力特性を上手く生かして戦っていた場面が「らしい」感じがしました。さて、次回は美知恵ママの意識にダイブするみたいですが、もしかしてここで冥子ちゃん&ハイラに活躍の場が!?(爆) 以後の展開が楽しみです♪ (kitchensink)
- 感想ありがとうございます。今回初めての戦闘シーン描写なんですがどうでしょうか?
あと、美智恵の記憶の文章で横島達が『映像を見てる』と言う観点から会話しか入れなかったのですがどうでしたか?>kitchensinkさん
追伸:次回は意識の中にダイブしません(^^; (ゆうすけ(侍))
- ↑ダイブしないのか...(あいさつ←笑)。『映像を見てる』という観点からの描写についてですが、私は何か横島クンたちと一緒に同じ映像を見ているような臨場感が味わえて面白かったですよ。バトルシーンも違和感なく楽しめました。ダイブはないようですが(しつこい)、次回を心待ちにしております♪ (kitchensink)
- うあああッッ!!!『魔忍』一番隊隊長―――ッッッ!!!!(激惚)
お話、かなり面白かったですッッ!!!バトルシーンもカッコイイッッ!!←『石川』が。(笑)
次回もスゴイ楽しみですッッ!!!(感動) (みっちー(テスト前日)
- 戦闘シーンの描写が上手いですね。私には無理です。 (マサ)
- そうですか!ありがとうございます!!>kitchensinkさん
いや〜とりあえず臨場感を出すのは成功みたいですね♪
それはともかく、西条の事ですがどうも三章辺りまで延びそうなんですよ(^^;) (ゆうすけ(侍))
- 素晴らしい。
もはやこれ以外にコメントなし!人生五十年っとくりゃあ。
あの件を楽しみにしとりやす。 (たーくん)
- ゆっきー。本人の真偽を疑われるようなセリフを吐いてまで、食事をゆっくり食べたかったの?(爆)
横島くんの、冷めた感じの一人称視点が、話の流れと臨場感を巧く醸し出していたように思います。
ヒャクメの映し出す音と映像の世界も、読んでいるこっちにまでクリアに伝わってきました。
ただ、美智恵さんの『高出力霊波砲(仮)』のあたりにも横島くんの主観的な解説があった方がわかりやすかったかもしれません……細かいことですが。
ネタや展開の側から見ても、
あさましいカオス、余裕の美智恵さん、冷静なつっこみのタマモなど、押さえるべきところは全然ハズしていないと思います。
唯一の難点は、それによって描写の量が増えて話が長くなってしまうことですが、そんなのは些細な事です。
いつまででも付き合いますので、続きもがんばってください。 (斑駒)
- 感想ありがとうございますぅ〜〜〜!!!!>皆さん
的確なアドバイスありがとうございます!!!!!(感動>斑駒さん (ゆうすけ(侍))
- うぅ…雪之丞君たら、すっかり立派になって(感動)
それにしても、魔『忍』で名前が『石川』!?
もしかして、もしかすると、あの方がGS世界に!?
はぅ〜、気になって気になって、このままじゃ夜も眠れないでお昼寝ですぅ〜(@。@) (猫姫)
- もしかするともしかしますよ(笑)>姉さん (ゆうすけ(侍))
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