ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(27)


投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 1/17)

「今日は〜〜令子ちゃんと仕事よ〜〜」
 俺が事務所に入ると、冥子さんが言ってくる。
「共同作戦……ですか……」
「ええ〜〜令子ちゃんが一人では荷が重いから〜〜手伝ってくれって〜〜」
 ほう……美神さん一人じゃ手におえない仕事か……
 そして、俺達は美神さんの事務所に行った。



「これって……家の中が滅茶苦茶じゃないですか……」
 おキヌちゃんが言う通り、家の中は滅茶苦茶、家具もボロボロになっている。
「令子ちゃ〜〜ん、いないの〜〜?」
 冥子さんも心配そうに声をあげる。
 とその時……
「めいこ、よこちまっ!今からすぐ私を遊園地つれてくの!ここまた来たら危ないの!」
 ………ええっと〜〜子供です……しかも少女……ってことはーー!!まさか!!
「この子、誰〜〜?なんとなく令子ちゃんに〜〜似てますわ〜〜」
「そうですね。美神さんの親戚の子じゃないですか?」
 違う……違うんですよ、冥子さん、おキヌちゃん。
「あなたの〜〜名前は〜〜なんていうの〜〜?」
「み・か・み・れ・い・こ!!」
 きっぱり言ってくれました………とすると今回の敵はパイパーか……
「まあ〜〜令子ちゃんと同じ名前ね〜〜」
「「違う!」」
 冥子さんのボケに俺とおキヌちゃんがつっこむ!
「めいこ、まだわかんないの!令子、子供になっちゃったの!」





 ……と言う訳で俺達は唐巣神父の所に相談に行った。
「やだやだやだやだーー!!!遊園地行くーー!!遊園地ーー!!」
 俺が抱えている美神さんが暴れる。
「ああ……美神さんがこんな子供に……」
「こ……この世の中たいてーのことはなんでもアリだが……信じられんな……」
 まったくその通りで……
「本当に信じられない……子供の頃の美神君がこんなに可愛いかったなんて………誰があんな風に育てたんだ……」
「そっちかい!!」
 俺は思わずつっこむ!
「それにしても何があったんでしょう!」
「詳しいことが分かればいーんだが、さっきから言ってることが舌たらずで……」
 ピートと唐巣神父が考え込む。
「令子、遊園地に行くの!」
「ええ〜〜後で一緒に行って〜〜遊びましょう♪」
 そう言って、冥子さんは美神さんの頭を撫でる。
「何かの呪いには違いないが、かけた相手を特定するには少し時間がかかるねえ」
「それまで、美神さんはこのままですか……」
 唐巣神父の言葉におキヌちゃんが美神さんを見ながら言う。
「冥子さん、美神さんから何か伝えられてませんでしたか?」
「そういえば〜〜令子ちゃんが〜〜今回の相手はパイパーって言う悪魔だから気をつけろ〜〜って言ってたわ〜〜」
 俺の質問に答える冥子さん。
「なに!パイパーだって!?パイパーって『ハメルーンの笛吹き』の悪魔パイパーのことかねっ!?」
「そうそう〜〜令子ちゃんが言ってたのも〜〜そんな名前だったわ〜〜」
「ところで、パイパーって何ですか?」
 おキヌちゃんが聞く。
「『悪魔パイパー』!!その昔ヨーロッパを荒しまわり、国連が賞金をかけて世界中のスイーパ−に抹殺を呼びかけている悪魔族の一匹だ!!長いこと姿を見せていなかったが……」
 唐巣神父が説明していると何所からともなく笛の音が聞こえだした。
「この笛の音は……はっ!いかん!!みんな逃げろっ!!」
 唐巣神父が俺達の前に出たとたん。
「ヘイ!!」
 ボンっと音がして唐巣神父が子供になった。
「先生!」
「唐巣神父が……子供になっちゃった!」
 ピートとおキヌちゃんの驚愕の声が教会に響く。
 そして俺達の前にピエロ姿の悪魔が現れる。
「ホッホッホー!気がつくのが遅かったようねー!おいらがそのパイパーだよ!ホーッホッホ!」
「き、貴様!」
 ピートは俺達の前に出てパイパーを睨む。
「お前などに用は無い!そこのお嬢ちゃんにちょっとお話があんのよねー!」
「させるか!」
 パイパーに殴りかかるピートだが、かるく避けられる。
「ホーッホッホ!フン!下等なバンパイアハーフの分際で、悪魔のおいらに勝てるとでも思うのかい?」
「ここは僕にまかせて!美神さんを守ってください!」
「ホッホー!泣かせるねー。勝てないと悟って仲間を逃がす時間かせぎかい?」
 ここにはパイパーの本体は無いからこいつを倒しても無駄か……なら逃げの1手!
「よこちま!!だっこ!!あっちいくの、早く!」
 美神さんは俺に抱き着いてくる。
「ピート!ここは任せた!」
「逃がさないわよーっ!!」
 パイパーが俺に向かって飛んでくるが……
「オーバーヘッドバンパイアキーック!!」
「ぶっ!!貴様!!」
「お前の相手は僕だ!来い!」
 ピートが足止めしてる間に俺達は外に出た。
「冥子さん!インダラとシンダラを呼び出して逃げますよ!」
「は〜〜い!インダラちゃん、シンダラちゃん、出番よ〜〜!」
 冥子さんの声とともに現れるインダラとシンダラ。
「ピートおおっ!!お前の分まで生きてやるから安心して成仏してくれーっ!君は生きているぞーっ!いつまでも俺の胸の中になーーっ!!……と言う訳で行きましょう冥子さん!」
「頑張ってね〜〜ピートさん〜〜」
「や……やる気そがれるな……!」
 何やらそんな声が教会から聞こえたような気がした。
 そして俺を乗せたシンダラと冥子さんと美神さんを乗せたインダラは近くの失楽園遊園地の方へ走って(飛んで)行った。




 ……で失楽園遊園地にやってきたが………
「きゃははははは!!」
「あ〜〜れ〜〜〜♪」
 やってきたが……
「わーーいーーー!!」
「クルクルクル〜〜!!」
 冥子さんと美神さん……遊んでいます(泣)
「よこちま!今度あれとって!あれ!」
 今度はクレーンゲームかい……
「へいへい……」
 俺はコインを入れクレーンを動かしてぬいぐるみを取る。
 これには、横島の経験を借りてやっているため、すんなりと取れた。
「やったー!ありがとう、よこちま!」
「ずる〜〜い!私も〜〜欲しいわ〜〜」
「いいなー、美神さん……」 
 冥子さん、おキヌちゃん……ええーーい!やってやるわい!!
 俺はその後、冥子さんとおキヌちゃんの分のぬいぐるみまで取った。
「ところで、その中に何が入っているんですか?」
 おキヌちゃんは美神さんの持っている子供の鞄を見る。
「見る?」
 美神さんは鞄をおキヌちゃんに渡す。
 そして中には、札束、カード、小切手、破魔札などが入っていた。
 そして……
「あら?これは何でしょう?」
「ずいぶん大事そうですね〜〜」
 おキヌちゃんが言うのは、小さな袋だった。
「金の針か……」
 俺が袋を開けると中から金の針がでてきた。
「あー!そえダメ!!返して!」
 ……と美神さんが言うので、俺は袋に入れて美神さんに返した。
 そして、美神さんと冥子さんはまたメリーゴーランドに乗って遊びだした。
「……それにしてもどうしましょう。ピートさんのことも気になるし、美神さんもこのままじゃ……」
 あはは……遊園地にパイパーの本体があるのは分かっているけど………忘れたんだよな……その遊園地の名前……本気で……
「そうだ!エミさん!エミさんって呪いのスペシャリストだろ!その逆に呪い解除のスペシャリストでもあるんだ。もしかしたら美神さんの呪いを解いてくれるかもしれない!俺、電話してくるよ!」
 俺は電話ボックスに向かって走り出した。
 だが俺はまた忘れていた……パイパーが電話回線を張ってあることに……

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