ザ・グレート・展開予測ショー

ネクロマンサーとGS試験・2


投稿者名:kort
投稿日時:(02/ 6/12)

話は、昨日まで遡る。


私立「六道女学院」。
普通科の他に霊能科のクラスを持ち、毎年何人ものGS試験合格者を出している高校である。
だが、授業や生徒たちは割と普通に日々を過ごしている。
そんなある日―――


午前の授業終了を告げるチャイムが鳴り響くと、教室はにわかに騒がしくなった。
購買にパンを買いに行ったり、屋上にお昼ご飯を食べに行ったりと、少女たちは皆それぞれに昼休みを動き始めている。窓は開け放たれ、その向こうには青い空。

1−Bの教室では、氷室キヌと一文字魔理が、同じ机を囲んで食事をしていた。
「そういや、そろそろGSの試験なんだよな。」
でがけにコンビニで買ってきたパンをぱくつきながら魔理が言う。
そういえば朝のHRで、担任の鬼道先生がそんなことを言っていた、とおキヌは頷く。
見るだけでも勉強になるから、ぜひ見学に行けとかなんとか。今年も六道女学院の卒業生が多数受けるらしい。

おキヌは持参のお弁当から卵焼きを取りながら聞いた。
「どうします?一文字さん、見に行きます?」
「うーん、行った方が良いんだろうなぁ。」
一つ目のパンを食べ終わり、紙パックの牛乳をちぅーと飲んで答える魔理。途端に窓から風が吹き込み、パンの空き袋が飛ばされた。
「あっ、」
「あっちゃー、しまった。」
だが魔理が立ち上がる前に、袋はポイとゴミ箱に入れられる。そして呆れたような声。
「今日は風が強いんですから、重しくらいのせておいたらどうですの?」
「弓さん、」
「弓、お前――」
お弁当の包み片手に立つ弓かおりを、魔理は小さく睨みすえる。そのただならぬ視線におキヌが「い、一文字さん!?」と呼びかけ、かおりは微かに眉をひそめた。

「弓、お前――――どーして捨てるんだっ!?まだ『谷崎・旬のパン祭り』の点数シールはがしてないんだぞっ!?」
だぁあああっ!!
思わずこけるおキヌとかおり。
「そんなの知るわけないでしょう!?」
「せめて一言断ってから捨てろよっ!!」
「大体それならどうして重しをのせておかないのっ!?」
「ま、まーまー!拾ってきましたからっ…!」

閑話休題。

「それで、弓さんは見に行きます?GS試験。」
同じ机でお弁当箱を開け始めたかおりにおキヌが聞く。かおりは箸箱から箸を取り出しながら「いいえ。」と答えた。
「今回は受けてみようと思いますの。」
「ふ−ん。」
「へぇ、そうなんですか。」
ぱくぱく、もぐも…
「「え”っ!?」」
おキヌと魔理は、もの凄い勢いでかおりを見た。
あまりにもさらりと言われてしまったせいで、こちらもさらりと受け流してしまったが……今なんか、もの凄い事を聞いたのではないだろうか。

「う、受けるって、受けるって、受けるんですか!?」
「お前―――!……まぁ、お前だったら受かるだろうけどさ。」
だが二人の言葉に、かおりはまたも「いいえ、」と答えた。
「今回は――、合格のために受けるのではないわ。」

今までの コメント:
[ 前の展開予想へ ] [ 次の展開予想へ ] [ 戻る ]

管理運営:GTY有志
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa