温かい想い(その15(A))
投稿者名:ユタ
投稿日時:(02/11/23)
太陽が最も高く昇ろうとするPM1:40
深淵なる富士の樹海の入り口にて・・・・。
ウイィィィン・・・・・・・
無機質な機械音と共に「オカルトGメン」と書かれたトラックの荷台が左右対称に開いていく・・・
それが完全に開ききると全長5mほどのモノリス(石版)のようなものゆっくりと起き上がった。
「結界発動準備完了まであとどれくらい!?」
美智恵が近くのGメン隊員をつかまえ尋ねた。
Gメン隊員は敬礼を一つする。
「あと20分もあれば!」
「・・・・10分でお願い」
提示された時間をいきなり半分に値切られ、とまどいを見せるGメン隊員。
少し間をあけるが、美智恵の瞳を見て
「分かりました!何とかやってみます!」
と、即答した。
「ごめんなさい・・・お願いします・・・」
Gメン隊員は美智恵に一礼すると、結界準備中の仲間のもとへ駆け寄った。
それを目で追う美智恵に唐巣は静かに声をかけた
「さすがだね、美智恵クン・・・・・現場のメンバーは皆、キミに信頼を寄せている」
「いえ、そんな・・・・。すいません・・・先生、指揮するのを手伝ってもらって・・・」
「いや、なに・・僕は君の指示通り動いてるだけだから楽なもんさ」
ひらひらと手を振る唐巣。そのしぐさに美智恵は少し笑みを漏らした。
だがすぐに緊張の面持ちで、先程から爆音と共に煙が立ち上る樹海の奥地に目をむけた・・・
唐巣は、塞ぎがち目をする美智恵の肩にポンっと手を置いた
「大丈夫・・・彼らならきっと令子クンを助けてくれるさ」
「はい・・・」
唐巣の手の温かさが、美智恵の心を少し軽くする。
そこへ先程のGメン隊員が駆け足でこちらへ向かってきた。
再び敬礼をするとハキハキした声で言った。
「隊長!別行動隊のC班、D班から連絡!両チームとも結界発動の準備完了とのことです!」
「そう・・・ありがとう。じゃあ、こっちの準備が完了しだい発動します」
「了解しました!」
(あと少し・・・・・・・・・・・。頑張って・・・令子)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ズガガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!ドガアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
ルシオラ(ソウト)の放った霊波砲が美神を飲み込み大爆発を起こした。
耳に入る爆音と共に美神の視界が暗くなった・・・・
(・・・・・・・・・・ああ、死んだかな・・・・死ぬのって・・意外に痛くないのね・・・・・)
(・・・・・こうなったら天国でも行って、財宝ザクザク稼いで・・・神様の宝物庫でも荒らして・・・。う〜ん・・・天国にお金ってあるのかしら・・・・)
(でも、やっぱり地上で稼ぎたいなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って!
・・・ああああっ!!!そいや、まだママにお金もらってないじゃないっ!!!!・・・やっぱりやっぱり
まだ死ねなあああああああああああああああああああい!!!!!!!!!!!!」
「のわあぁ!!?一体どうしたんすか!?」
「あれ!?横島クン!?」
美神が目を開け、叫ぶとそこにはサイキックソーサー・・・(といっても直径2m程ある)を構え、驚きの表情を浮かべる横島がいた。
いまいち状況のつかめない美神は、横島に何も言えずポカンと口を開けるだけだった。
『あら、サイキックソーサー?・・・にしてはずいぶんデカいわねぇ?強度はどれくらいかな』
美神を現実に戻すように、ルシオラ(ソウト)の楽しい声が聞こえた。
まるで新しいおもちゃを見つけたかのように・・・・。
ズアアアアアアアアアアアっ!!!
言うが早いか、霊波砲が再び放たれる。
その霊波砲から美神をかばうようにドンっと力強くサイキックソーサーを構える横島。
ドガアアアアアアアアアアっ!!!!!!!!!!!
霊波砲のがサイキックソーサーと衝突する。
その威力にズズ・・っと横島の足が後ろへ流れた・・・
「くっ・・・・重い!!」
横島は霊波砲を受けながら顔をしかめる。
(そっか・・・・・・・・・・・・・・さっきもこうやって守ってくれたんだ・・・・)
美神は心に少し熱いものを感じる・・・
そして・・・その原因である横島がチラっと振り向き美神を見つめた
「み、美神さん・・・・・・」
「・・・・えっ!何!?」
不覚にも声がうわずったと思う美神・・・そしてそんな美神に横島は一言・・・
「よ、避けていい?(汗)」
ズシャアアアアアアアぁぁぁ!!
器用にズッコける美神。
やがて起き上がると怒りマークを額に浮かべ叫んだ。
「アホ──っ!!いいわけないでしょ────っ!!男の子でしょ!?我慢しなさいよーっ!!(泣)」
「だ、だって!もうサイキックソーサーが限界(汗)」
サイキックソーサーにピキ・・・ピキ・・・とヒビが生えていく
「出力が足りなのよ!もっと集中して!」
「してますってば────!!!(泣)」
(・・・いくら霊力が強くなってもルシオラの思念体とソウトの魔力には押し切られちゃうわね・・・ったく!あんな強さ反則じゃない!
・・・・・・・・・反則?・・・・・・・・・・そうか!?)
「横島クン!文珠よ!」
「へ?」
「前にハンズオブグローリーと『剣』の文珠を併せて出力を上げたことがあったでしょ!?その応用よ!」
「そ、そっか!さすが美神さん!・・・・・・・・・・・・・・・・でも、何でそのこと知ってんすか?」
「い!?そ、それは!」
ハンズオブグローリーと『剣』の文珠を併せたことがあるのは、
アシュタロス事件の時、美神と横島が霊動実験室で戦ったときだけ。
そのときの美神を横島はシミュレーションプログラムだと思っているため、
もちろんそんな事を美神が知っているとは思っていなかった。
「と、とにかくはよ、やらんかぁ!」
何かをごまかすように怒鳴る美神。
「は、はい!・・・・・・・。出ろぉ!出ろ文珠ぅ!出なきゃ俺らが死んでしまうんやーー!死ぬのは嫌あああぁぁぁっ!!(泣)」
「さっきまでシリアスやってたくせに泣くな!もっと集中しろー!」
怒鳴りながらも少し安心したようなに表情を揺るめる
(ま、いつも通りになったかな・・・おキヌちゃん・・よくやった!)
『頑張るじゃない・・・もう少し威力上げてあげる・・・ほら!』
ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!!!!!!!!!!!!
今まで片手だった霊波砲を両手から放つルシオラ(ソウト)
「ぐぐぐぐ・・・・このぉ!!!」
更に重みの増す霊波砲に耐えながら、横島は右手に霊力を集中させる。そして・・・
キイイイイイイイイイイイィィィィン!!!
ついに、横島の右手に小さな丸い物体・・・・文珠が現れる。
・・・・・・・・・しかし、それは今までと違っていた。その違いに横島は少し戸惑うが
「これって・・・・・・・・・っだああああああああ!考えてる暇はない!!」
横島の右手の中で文珠が輝いた・・・・
その15(B)に続く
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あとがき
すいません!今回も2話に分けます!票のほうは(B)にお願いします!(汗)m(__;)m
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