ザ・グレート・展開予測ショー

バグズライフ


投稿者名:通行人A
投稿日時:(02/10/10)

そこは日のとどくことのない、湿っぽい場所でした。
世間一般に言う下水道というところです。
そこには所々にゴミと言ったものが無造作に散らばってて、カビなんかも生えてます。・・・とても素晴らしい所ですね。

「うわはははーーっ!ここは極楽だ!もうパーフェクト!!サイコーだ!!
 これこそ私の城にふさわしい!!」

ほうら、向こうの方から楽しげな声で賛成意見が聞こえてきますね。
でもここに住んでるのは人間ではないんです。じゃあ、なにかって?
・・・虫なんです・・・

「私こそがこの世界の真の王!そして私こそがこの地球の支配者なのだ!!」

・・・青春の1ページですね。いつも机を持った誰かさんと気が合いそうです。
この青春を感じている虫こそ、以前に美神令子さんによって生み出された(本人はその意図は全くなし)超ゴキブリ、自称<ゴキブリの王様>でした。

また、別の方から、小鳥がさえずるような声が聞こえます。

「・・・くっくっく・・・、アドレナリンがツーンときいてるぜ・・・!」

なんとまあ・・・、こちらの虫もまた・・・愉快な性格をしていますね!
彼は自称KING OF 蠅こと、ベルゼブルと言う蠅でした。でも蠅にしては少し大きめです。きっと小さい頃カルシウムを摂りすぎたのでしょう。成長期万歳ですね!
彼はもともと魔族でしたが、今ではすっかり大人しい蠅になってしまい、今現在この下水道内でゴキブリの王様と共に、サバイバルのような日々を過ごしています。

そんな彼らは毎晩とある時間になると二匹仲良く出掛けます。何処へって?
・・・もちろんその日のご飯を食べにです。
彼らの向かう先は『魔法料理 魔鈴』というレストランです。二匹は毎日ここに来ては、オーナーである魔鈴めぐみさんには無断で残り物をもらうのです。・・・あさっている訳ではありませんよ!決して!(希に額にバンダナをつけた男の人もいるようですが・・)
そして今日も二匹はいつものように建物の裏に回り込んで山積みにされてる透明なビニール袋の中に手をつけようとし・・・・・・・・ませんでした。
何故って?・・・だってそのビニール袋がないんですから。

「「?????」」

二匹は目を皿のようにして食べ物を探しました。それはもう必死に探しました。だって彼らにとっては生死を分かつ大問題なのですから。
でも結局二人の探し物は見つかりませんでした。
「明日はどっちだ?」といった感じで二人が途方に暮れていると、建物の前から話し声が聞こえてきました。どうやら男の人と女の人のようです。

「どうもゴミ運びを手伝って下さって有り難うございます!西条先輩!最近ゴミがよく荒らされて困っていたので本当に助かりました!」
「いやいや、いいんだよ。困った女性を助けるのは紳士として当然だよ」
「よかったらこれからお茶でもどうです?おいしい所見つけたんですよ!」
「いいねぇ、じゃあ行こうか?(令子ちゃんにばれないようにせねば・・)」

これらの会話を聞いてた二匹は全てを悟りました。どうやら自分たちが来るより先にゴミは片付けられたこと、あの男には何か後ろめたいことがあること、そして今日自分たちに御飯はないことを・・・・・・

「「に、憎しみで人が殺せたら・・・・!!!!!!!!」」

おやおやどこかで見たことありますね〜?彼らはこの上なく激怒しました。
誰にって?そりゃもちろん西条と呼ばれたあの男にです。じゃあなぜ魔鈴さんには怒らないのかって?実は彼ら、魔鈴さんの大ファンなのです!!
この店に来るのも六割ほど魔鈴さん目当てだからです。

「「あの男に・・・・断罪を!!!!!」」

秋色の夜空に虫たちの声が響いた・・・・     (つづく)

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