ザ・グレート・展開予測ショー

ANOTHER WAY!!(5)


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(02/10/26)

そしてヤツの主砲が俺に標準を定める!!

ドギャアアアアァァァ!!!!

アシュタロスの主砲が発射された。

何だ!?あの出力は!?
逆天号の断末魔砲の比じゃねえぞ!!

かわすことは・・・・できない!!
後ろの東京が壊滅しちまう。

受け止めることは・・・・それも無理だ!!
あんなもん受け止めたら俺もタダじゃすまない。
コピー状態にある今、大ダメージを受けることは即、敗北につながる!!

どうする、どうする!?

そんな時、後ろからルシオラの声が聞こえた。

「ヨコシマ!!一瞬だけ私達全員で受け止めてみせるわ!
 そのスキに何とか方向をそらして!!」

そんな危険なこと・・・・いや!迷ってるヒマは無い!!
それに仲間を信じることができなくてどうする!?

「みんな!頼む!!」

「おぅ!!」

アシュタロスの霊波砲をみんなが受け止める・・・しかし、

「こ!これは重い!!」

「対魔フィールド・バリア・欠損!!限界まで1,2秒!!」

アシュタロスの主砲の威力が予想外に大きい。
急がねーと!!

「よし、みんな下へよけろ!!」

俺はヤツの霊波砲の下にまわりこみ『爆』の文珠をたたき込んだ。

何とかヤツの霊波砲はわずかに上にそれ、かわすことができたが
その代償は大きい。とくに前衛で霊波砲を受け止めたピートとマリアの
腕が焼けただれてている。他のみんなだって無傷じゃない。
これじゃ、次は防げそうに無いぞ・・・

「クッ!まさか私のバリアを通り抜け、主砲まで防ぐとは・・・
 横島という男の文珠は危険過ぎる!!
 ・・・・・これだけはしたくなかったのだが。」

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

アシュタロスの妖しい霊波が俺を包む。
・・・・・!!ジャミングだ!!

俺は急いで『模』の文珠に霊波を込めなおし、発動させる!

・・・何とか間に合ったみたいだな。
危なかった。もう少しでこの姿でいることすらできなくなるところだった。

「ほう、何とか一つだけ間に合ったようだな。
 だが、その文珠も数十分ともつまい!!
 そして、貴様の文珠では攻撃と防御はもちろん、
 バリアの中に入ることさえできなくなったのだ!!」

自信をとりなおしたアシュタロスの言葉を聞いて
ピートが俺に言葉をかけてきた。

「・・・・・どうしますか?横島さん。
 文珠が使えない上に、あのバリアを破れないとなると
 かなり不利な戦いになりますが・・・・」

その言葉に俺は考えを巡らせながら答える。

「そうでもないさ、ジャミングは大量に霊力を必要とするんだ。
 その対象が自分と互角の霊力を持つ相手ならなおさらな!
 だから、何とかあのバリアを破ることができれば・・・・!!」

「確かに、アシュタロスはかなり弱ってるのねー。
 だけど、私達全員を殺すには十分なのねー!!」

ヒャクメが泣きながら言葉を返してきたが
俺はまだ考えを巡らせていた。

どうする?
どうやれば、あのバリアを破れるんだ?
どうやれば、あのバリアを通り抜けれるんだ?
・・・くそっ!激痛で考えがまとまらねぇ
だいたいそんな方法が本当にあるのか?

「無駄だ!!貴様達にもうあらがう術は残っていない!
 おとなしく死ね!!」

俺が考えを巡らせていると
アシュタロスが攻撃を仕掛けるために高速で接近してきた。

くっ、ここまでか・・・・・


東京湾アクアライン「海ホタル」にて

東京に残ったGS達は海からの攻撃に備えて結界を張り終え、
展望台で戦いを見守っていた。

その中でオキヌちゃんはひどく悩んでいた。

(横島さんが危ない!!
 ・・・・・私はなにもできないの!?
 ここにいるみんなのように霊力が強いわけでもないから横島さんに
 たいした霊力もあげることができなかった・・・!!
 美神さんのように横島さんの心を支えることも、
 ルシオラさんのように横島さんと一緒に戦うこともできない!!)

オキヌちゃんは自分が力に不安を持っていたのだ。
ひょっとしたら自分は横島さんに必要とされていないかもしれない。

ヒャクメ様からもらった『心眼』で戦いの様子がよく見えるだけにつらい。

(私だって戦いたい!!
 横島さんの力になりたい!!
 どうして!どうして私は何もできないの!!??)

オキヌちゃんが不安と絶望で押しつぶされかけそうになった時、
ふと、あることが思い出された。

それは、ガルーダとの戦いのすこし前、
敵の罠にかかってオキヌちゃんが足をくじいてしまった時。

あの時も自分の力の無さに不安を感じていた。

それでもあの人は自信を取り戻させてくれた。
ニコッと笑って言ってくれた。
『ほら、オキヌちゃんがいてよかっただろ?』

あの時、せいいっぱいした告白はウヤムヤになってしまったけれど
あの瞬間、心の底から思った。
『私はこの人の心を癒せるようになろう。
 いつか、ほんとうに必要だと思えるときに。』

(そうよ、あの時思ったじゃない。横島さんの心を癒せるようになろうと。
 私だって戦える。今が必要なときじゃ無いの?

 横島さんの心を支える力がほしい。
 横島さんと一緒に戦う力がほしい。
 横島さんを癒せる力がほしい。

 だって心の底から言えるから!
 横島さんのことが大好きだって!!)

心の中ですべてがはじけた瞬間、
オキヌちゃんの口から自然と歌が響いていた。

それはとても澄んだきれいなうた。

そのうたはすべての人に届き
戦いの場にまで響き渡った。

そしてその歌はアシュタロスのバリアに干渉し
次々と波のような波紋を描いてゆく。

「こ、これはまさかマントラ!?」

唐巣神父が驚きの声をあげた。

「・・・なんだい?そりゃ?」

雪ノ丞がいぶかしそうに聞き返した。

「それについてはワシから説明しよう!!」

ドクターカオスが自信満万に答える。

「マントラ・・・真言術ともいわれるこの能力は霊波を声に変換して
 発生する能力じゃ。この娘の『ネクロマンサーの笛』に近いものがあるじゃろな。
 ・・・いいか!?声、すなわち音というのは空気の振動や揺らぎじゃ!!
 そして、一定振動数の音は分子活動を特定の方向へ導く。
 傷を治したり・・・逆に相手を傷つけたり・・・
 場合によっては原始構成そのものを組みかえれるかもしれん!!
 こいつなら『宇宙のタマゴ』にさえ干渉できるわけじゃよ!!」

「す、すげぇじゃねえかよ!!
 これならアシュタロスの野郎をぶっ潰せるぜ!!」

雪ノ丞は驚きと喜びの声をあげたが、
美神さんが怒ったようにその言葉をさえぎる。

「バカ言ってんじゃないわよ!!
 人間の霊力であのバリアを破るなんてできるわけないでしょ!!
 そんなすごい能力なら大量の霊力を必要とするわ!
 ましてやオキヌちゃんはまだ能力に目覚めたばかりなのよ!!
 ・・・・・もし無理に能力を使いつづけたらオキヌちゃんは・・・!!」

オキヌちゃんは歌をやめ、穏やかな表情で答えた。

「止めないでください、美神さん。
 私、分かったんです。
 これが・・・たったひとつだけ私にできることなんです。」

(私、横島さんのことが大好き。
 だから横島さんのいる世界を守りたい。
 ・・・フフッ、こんな時にあの人の気持ちがわかるなんて。
 あの人もこんな気持ちだったのかな?)

「ダメェ!ダメよ、オキヌちゃん!!」

オキヌちゃんが再び奏でだしたうたは一層美しくあたりに響き渡った。

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