ザ・グレート・展開予測ショー

交差(する予定の人々?)。


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 8/22)

と、藤吉郎が、少年漫画の主人公のごとくアクションを起こしているのと、同時期─
モンゴルにて、かんかんに怒っている人物が居た。
「迷子だとーっ!!」
いうもがな、天下の織田信長である。
「みたい……ああもう」
額を抑え、ヒナタが疲れたように言う。
「ていうか、ここどこですかっ」
ただ一人、事情がわからない蘭丸はひとり騒ぐ。
ちなみにただ今マイナス何十度という世界である。
びゅうびゅうと、吹きすさぶ風と、たたきつけるように降ってくる雪にひっそりとたてられたテントの中、三人(?)は話している。
(ちなみに元々の藤吉郎たちの住居である)
信長は、ひとしきり、聞くに堪えない罵詈雑言を(とても天下人の言葉とは思えない)言って一応まんぞく出来たのか冷静に、これからのことについて話始めた。
「─で、サルの居るところはオマエにはわかんのか?」
「お言葉が汚いですよ」
ぴしっと小姑を思わせる、こまやかさで蘭丸が注意する。
混乱中でも、習慣というものは消えないらしい。
「…まあ他の誰かじゃなくて、日吉だから」
意味深な言葉を投げかけヒカゲ
「それより、まあここまでよく厄介ごとを起こせるなあっと思って」
そして、信長を見る。
底の見えない、不可思議な瞳で。
「厄介事?なんだあのサル…こっちにきてもなんかやってたのか?」
その言葉に返ってきたのはそれどころじゃありませんと言う言葉であった。
「…もー毎日毎日これでもかってくらい騒ぎが起きて…さしずめ日吉って歩く受難発生装置です」
きっぱしと胸を張って宣言するその姿がおかしい。
その言葉になにやら、蘭丸はうんうんと頷く。
「そうですよねっ近くにそーゆう人がいると……周りのひとって大変なんですよね」
いささか力の篭った同意に
「ほお、誰の事だ誰の」
と地を這うような声がとんでくる
しまったと口を両手でふさぐが、もう遅い。
「…………誰でしょう?」
観念して、蘭丸はにっこしと笑った。
内心冷や汗だらだらなのだが、表面上は完璧な(うさんくさい)笑顔である。
「てめーなあっ」
かっと一瞬にして頭に血が上った信長は、さらに問い詰め様とするが、
「………すいません」
と先手を取って謝られさらには、しょぼんとうなだれる。
「う……」
いつもの手だとは分かっていても、はっと息を詰める。
どーもこー素直に言われるのは困るのだ。
「いや…そのなー」
ぽりぽりと、頬をかきながらいいと言う。
途端
「そーですかっ♪」
と、にこにこと笑う─この落差は、詐欺である。
なにやらものすっごく腑に落ちない。
むうと信長が黙ると、それに入れ替わるように、ヒカゲが口を開いた。
「─とにかく、日吉を捜さないと、多分私なら場所も全部わかるし」
何かを確認するかのように、ヒカゲ。
顎に手を当て、眼を伏せる。
純白の絹のような髪がさらりと、一房流れる。
頭の中で、ぐるぐると藤吉郎を捜す手立てを、考えているのだろう。
「そーか」
と、信長。
そう、決まった途端信長はごろっと横になった。
「信長さまっ?」

「んじゃ、それまで寝る」
俺に、やる事ができたら起こしてくれ。
途端、おおいびきをかき、眠った。

そんな信長を見ヒカゲはふっと微笑み
そしてまた思考の底へと沈む
蘭丸は、女性ひとりになにかされるのは、どうやら苦手な主義らしくおろおろとしている


さて、この三人が藤吉郎と出会えるのはいつのことやら?

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