西条キヌ、美神雪之丞、六道忠夫 (後編)
投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(02/ 4/18)
そして話は弾んできたわけ。
でも、西条の事だけは、あたしが喋るしかなかったんだけど、どうも照れくさくて、
口がしどろもどろで自分でも何言ってるのか分からなくなってきたの。
「輝彦さんは……まぁ、無事にやってるんじゃないんですか?」
「おキヌちゃん、自分の断なのことなんだからさーー。」
「どど、どうも、しし新婚の……頃、が抜け切、れてないの……」
あたしだけが舌がかみ合わない。
どうしよう。
喋ろうとすればするほど喋れなくなってくる。
そこに例のドロンボー3人は食い入るように見つめている。
「じゃぁねぇ、また今度ぉ、手紙をぉくれればいいのよ〜。」
「でも、お金嵩んじゃうじゃないですか。」
「そういう時は、料金後払いを頼めば良いんじゃないの?」
ズズッとミルクコーフィーを啜り飲む美神がぽつりと言ったの。
冥子さんは、おっとりした性格を逆利用するまでに成長してるし。
忠夫さんは大して成長して無いように見えるけど……どことなく遠い存在の
ように感じられてくるのは気のせいかしら。
もう、あの頃とは違うの。
みんな、独自の道を見つけ歩んでいるんだわ。
あたしだって、木曜ゴールデンタイムの恒例番組、テレ東系TVチャンピオンシリーズ
の中では全国除霊同派選手権に参加して、3度ほど優勝した……。
(詳しくは、過去ログをどうぞ)
でも、こういう雰囲気だけはどうしても苦手なの。
なんとか慣らしたい気持が今あるわけ。
思い切って言おうとしたその時、このプティックドロンボーに乱入者が現れたの。
それが………
『その体を遣せえー−−−−−!』
強大な霊の集団。
大集団。
その集まりが、心臓や胃腸、盲腸を震動させるような声をあげて迫るの。
恐慌に見舞われた日本で自殺してまでも成仏できず、愛着に狂った霊たちの声。
キャント・バィ・ミー・ラヴ。
金で愛情を買えるわけが無いわけ。
でも逆に、愛情では金を買えてしまう人がいるのはしょうがないの。
目の前にいる人もそうなんだけど……面と向かって、そんなことを本人に
言えるわけないじゃない。
愛情を強めれば強情になるけど。
その強情を通り越して、キレる行為を霊たちが学習してるの。
その隙を狙ってるのが悪霊と言うもの。
近頃は、ネクロマンサーの笛すら効かない敵が多すぎてまいっちんぐ!
それも霊から鬼へ進化してるって、ハヌマン様から聞いてるわ。
そのハヌマン様もついに古代怪獣ゴモラの霊の前に倒れたの。
なんて、誰もが信じられないこと。
ガラスを割り破って、霊の集団はプティックドロンボー内に侵入した。
その瞬間、あの二枚目の男がドア口から霊団に切りかかっていった!
「ジャスティス・ブレードッッッ!」
どぅぅぅうううん!
集団を切り裂き分けた隙間から、見えたその姿は……
「なんだい、なんだい何者なの?」
「鳥か!」
「飛行機か!」
「いや、キャプテンナイスだ!」
しびびん!しびびん!しぃびびぃんびぃぃん!
ドロンボーたちがいつものお約束を交わす中で忠夫が答えたもんだから、
あたしはシビビンをしてしまったの。
でも、その声こそ……
「…大丈夫か、キヌ!」
「て、輝彦さん!」
霊団を一瞬に切り分けた西条輝彦さんなの。
二枚目の救出劇を見せてくれて、嬉しかった。
「なんだよ、お前やっぱ来たんじゃねーか。」
「いや、俺のケータイに出かけ先のメールが入ったからな。
もしかしたらと思って─────。」
「西条さん!」
「……おいおい、今の俺は『輝彦さん』だろ。」
ひしり!
抱き合う輝彦とキヌの姿は、プティックドロンボーの中では甘いメロディを
奏でさせるようなムードに染まらせた。
輝彦の肩でポロポロとバナナの涙を流し、ホロホロと頬を赤らませるキヌ。
「あーーもう、これ以上聞くのは野暮かもね−−。」
「そうッスね。
でも、また明日にでも2人での話を聞くとしますか。
特に新婚初夜の時のことを─────ジュルッ!」
どがあああぁぁ!
私が振り向いた時には、美神さんの神通棍が忠夫さんに降りかかる前に
13匹の式神が忠夫を電撃漬けにし、炎で焼き尽くし、締め付けあげて頭を
噛み付く……という行為をいち早くおこなっていたの。
「もう忠夫クン、本当に女心が分かってないんだから……。」
「め………冥…子……!頼むから式神どけて〜〜〜〜ええ。」
「反省するまでイヤー−−…!」
と、ともかく、この3カップルの未来は薔薇色で幸せだった事には代わりないの。
「ね、ねえ、あの3カップル、ワテらと同じ匂いがしますネン。」
「しかし、私らだってまだ独身なのよ−−−。そうですよねえドロンジョ様。」
「余計なこというんじゃないよ、このスカッ!
でも、確かに似てるわよねえ。」
「ではじゃあね、全国の女子高生の皆さん。
創作者のギャグレキスト後藤ちゃんにコメント書いてあげてね。じゃ〜〜」
今までの
コメント:
- すいません女子高生じゃないですけど書いていいですか(自爆)?
面白かったです!
うん。すいませんいやなんか内容について言いたいんですけど、言えてないし…ああだめじゃ…ひとつだけ言わせてもらえるならばっ
最期に出てきたひとたちはもしかしてっ―ヤッ(ピー自主規制)ですかっ! (hazuki)
- おしおきだべぇ〜。 (トンプソン)
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