ザ・グレート・展開予測ショー

誰がために10


投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 3/ 1)

「ジュダ、覚悟!」
 小竜姫の剣が一閃する。
「ふふ。アドンの馬鹿は簡単に倒したようだが、私には上手くいくかね?」
 ジュダは防御に徹し、かわし続ける。
『こいつ、一体何を?』
 小竜姫はジュダの気配がおかしいのを感じ取った。
「貴方、やる気あるの?」
「・・・。もう、用はない。今、お前を倒した所で私には何の得もない。ここで身を引くとしよう」
 ジュダが空に浮かび上がる。
「ジュダ!!」
 ジュダは空間に消えた。
「私の事より、あの小僧を心配したらどうだ?何しろ相手は、あのカインなのだからな。今ごろ皆殺しかもしれんぞ」

「まず、一人!!」
 カインの一撃は西条を吹き飛ばす。
「がは!!」
 西条は血を吐きながら壁に激突する。
「西条さん?!」
「どこを見ている?」
 次の一撃が美神を直撃し、同じく吹き飛ぶ。
「令子ちゃん!!」
 間一髪、西条が受け止める。
「西条さん!!」
 今の一撃で西条は瀕死の重傷を負った。
「大丈夫か?令子ちゃん・・・」
 消え去りそうな声で呟く。
「私より、西条さんが・・・」
「僕も、横島クンと同じだ。愛する者を失いたくない」
「こんな時に何を?」
「生きて帰れたら、僕と・・・」
 そこで、声が消える。
「さ、西条さん!!」
「どいて下さい」
 小竜姫が到着した。
「ヒーリングをします。全霊力を注げば何とか成るかもしれません」
 手から霊力を注ぐ。

『ルシオラ、力を貸してくれ』
 横島は文殊に『醒』の文字を刻む。
「な、何だ?この霊力は?」
 カインは横島の方を見る。
「そうか、アシュタロス戦の時にあいつは一人の魔族のチャクラを取り込んだと聞く。その戦いに置いて一時的に霊力を爆発的に上げていた。なるほど。その力をもう一度使おうというのか」
『しかし、この力をコントロールできるということは・・・』
 カインは『ある可能性』に気づいた。
『まあ、あまり今は関係ないか。今はあいつが強くなった事を喜ぶべきだ』
 横島はカインの方を見る。
「行くぞ」
 横島は文殊を出す。カインも文殊を出す。しかし、横島の文殊は一つの珠に二つの文字が刻めるタイプのものだ。『爆』『裂』の二文字を刻み投げる。
「く・・・!」
 カインは二つの文殊を出しそこに『爆』『裂』の文字を作る。
「遅い!!」
 横島は霊剣を右手に作り、間合いを詰める。
「しまった。文殊を使うのに霊力を」
「もらった!!」
 横島の剣がカインの胴を横に凪ぐ。そこから血が噴出す。
「もう一撃!!」
 続いて出した一撃はカインの剣に受け止められる。そこに文殊の『爆』『裂』の文字を再び刻み投げる。
「ぐ!!かわせない!?」
「皆伏せろ!!」
 伊達が美神達の前に立ち衝撃から守ろうと構える。
 カインに文殊が命中し大爆発が起きる。
「く・・・」
 伊達は霊力でバリアを張り皆を衝撃から守った。
「やったか?」
「わからん。だが、無事では済むまい。これほどのエネルギーだ」
 小竜姫が西条の治療を終え立ち上がり、横島に近づく。
「大丈夫ですか?小竜姫様」
「ええ。霊力のほとんどを使いましたが、西条さんは無事です」
「そのまま、死んでも良かったのに・・・」
 横島は残念がる。
「そんな事より横島さん。今の力は・・・」
「昔、アシュタロスとの戦いの時に使った力です。ルシオラのチャクラはまだ俺の体内にあるんだからもしかしたらと思ってね」
「そうですか」
『ルシオラのチャクラをコントロールしているのね。もしかしたら、それは最悪の結果を招くかも・・・』
「その通りよ」
 横でヒャクメが呟く。
「横島クンはルシオラのチャクラを取り込み始めている。もしかしたら、ルシオラは転生できないかもしれないわね」
「そう。それは複雑ね」
と、横島の方を見る。

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