三匹!?が行く2 「始まりを告げる音」
投稿者名:人生前向き
投稿日時:(02/10/25)
結局、横島は博多駅のプラットホームで、タマモが預かってきた事務所用の携帯電話で美神に連絡をとり、当然のこと長々とお説教を受けた。仕事のほうは上手く美神が話をつけてくれたらしく、依頼は明日となることになった。依頼人も快く了解してくれたらしい。そしていま、横島とタマモは予備のためと持たされたお金で博多市内のホテルを探していた・・・・・。
博多市内―某ホテル
「ってなんでラブホになんか泊まんなきゃいけないのよ。」
「カプセルホテルは女子禁制、ペット禁止。それに美神さんがいうに、このホテル代は自腹になるらしい。俺の給料から・・・・」
「・・・・・甲斐性なし!」
「も、文句をいうなら給料を上げてくれない美神さんに言え。」
二人は2時間程捜し歩いたのだが、どこもかしこも横島の給料を考慮するとあまりにも高すぎた。タマモはタマモで、あそこはいや、ここはいや、とあまりにもわがままばかりいうので、頭にきた横島は一番安い所に泊まると宣言をした。そのやさき見つけたのが、今いるラブホテルである。一番安いとこと宣言した手前、引っ込みのつかなくなった横島は無理やり連れ込んだのだ。
「ちょっと、ここのお風呂外から見えちゃうじゃない!」
「あ、安心しろ、お、俺は覗かんから。」
《今思えば軽率すぎた。俺の理性が保ってくれるかどうかもわからん。まして相手の外見は美少女だ。それになかなか性格も・・・》
「信じられない。」
《 悪い!!》
「じゃぁ狐の姿で入ればいいじゃねえか。」
「いや!!体洗えないもん。」
横島はいつもの定番となっている山積みリュックを無造作に置くとベッドの上に寝そべった。別に眠いわけでも疲れたわけでもないが、少し考え事をしたいのだ。夢の中で聞いた声がどうも気にかかってしょうがないのだ。
《あれは俺の声だった、そう確信できるか? 似た声なだけかもしれない。しかし何故なんだ、ただの夢とも思えないほど現実感があったのは? あんな夢は初めて見る。》
「ねぇ、お風呂はいるからこっち見ないでよ。」
「なんなら、一緒に入るか? タ・マ・モ・ちゃん」
タマモは何も言わず横島を睨んでいる、やけに明るくみえるのは彼女の周りにある狐火のせいで、以下のことからわかるのは、すでにタマモは臨戦態勢をとっているということだ。横島は泡を食って、言ったことを撤回しようとしたときにはすでに、狐火はこちらに向かって飛んできているところだった。それは彼にとってまるでスローモーションのように見えた。そうゆっくりと、ゆっくりと。
「・・・・・・イの力になってやれ・・・あいつは近いうちに必ず大きな壁にぶちあたる・・・勇者としてではなく人間として・・・だ。そんな時が来たら・・・おまえが支えてやるんだ・・・いいな。」
そんなのわかってるさ、俺はあいつの親友だぜ。
「もしお前が・・・・いやまだ早いかも知れん。まだお前には耐えられんよ、真実を知るには・・・。」
何言ってんだ師匠、ボケちまったのか?
「・・・生意気ぬかすなッ!!!魔法使いの魔法ってのはな 仲間を守るためのものなんだ。無数の呪文と知識をかかえ 皆の危機をはらうのが魔法使いの役目だ。もしおまえが ルーラを使えていたら炎上する気球船から、たやすく仲間を救えたことがわからんのか!!?」
わかってる、俺が・・・・・チクショウ!!
「仲間を見捨てるような者でもつとまるのかな、かの有名なアバンの使徒というのは・・・!?」
アバンの使徒!?・・・・・・・・・
「あれ、まだ寝てる。」
お風呂から上がったタマモは、棚に入っていたバスローブを纏い、ベッドの上に腰を下ろした。タマモの左側には、狐火でこんがり焼かれた横島が仰向け大の字で寝ている。タマモは微笑を浮かべ、横島のほうへと手を伸ばした。
「横島といると、安心するのよね・・・。」
タマモはその伸ばした手で彼の頭を撫でた。横島の髪は見た目より柔らかく質がいい。それに少しばかり驚いたが、タマモは再び頭を撫でた。
「何だかんだいっても、結局助けてくれるし・・・損ばっかりしてるくせに、いつでも笑ってるし。私が見た中で一番いいやつだよ。」
もう一方の手も伸ばし、タマモは横島の頭を自分の膝の上に乗せた。
「そう、この口さえなければね!!」
そういうと、タマモは思い切り横島の頬を引っ張った。突然、頬を引っ張られた横島は、何事かと思い、タマモの膝から飛び起きた。そして周りを見、部屋に二人だけということを思い出した。
「いってーーな!!」
「何、一人でベッド陣取ってるのよ。半分こでしょ。」
「それを言うために、頬を引っ張るな!」
少しの間、口喧嘩は続いたが、いつもシロと言い争っているタマモの方が格段レベルが上であり、最終的に負けた横島は、そっぽを向いてふて寝をした。タマモは優越感に浸るのだが、睡魔のほうが強く、横島とお互い背を向けるかっこで寝た。
―そして時間は過ぎ夜中――
タマモは隣で寝ていた横島の異変に気づいた。
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ねむい ダウンです
今までの
コメント:
- まあ、横島クンも年下のタマモ(外見上は)のシャワーシーンを見ようとするほどには堕ちていないとは思いますが(笑)。なぜかどんな人にもシバキを受ける様子が横島クンが「らしい」ですね(爆)。それはさておき、当面の間の問題はやはり横島クンが度々見ている夢の正体です;果たしてその夢と今回の依頼との間に何か関係はあるんでしょうか? 次回も楽しみにしております♪ 追伸:他作品をネタとして取り入れるのは一向に構いませんが、その際にはそのネタにご自分の作品が「食われる」ことが無いように注意なさる必要がありますね。ともかくも、今後の展開も期待しております♪ (kitchensink)
- ごちゅうこくありがとうございます。
だいたい大まかなストーリーも出来上がり、上手くいえないけど、ご期待にそえると思います←自意識過剰 (人生前向き)
- アバンの使徒!?私はあの作品ではポップが好きでした。 (ガーディアン)
- よっぽど臭かったのか?タマモ。
風呂に入らないって手もあったのに。
やはり美神の弟子。 (トンプソン)
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