ああ君こそ我がオタク 〜〜横島の場合〜〜
投稿者名:三遊亭楽栄
投稿日時:(02/10/24)
ドンドンドン!
玄関のドアが勢い良くなりました。
ベルが壊れているのに、気がついたのです。
「ふぁ〜〜〜いい、どちら様で…」
声が聞こえて、ドアを開けて来ました。
よく見ると、数字の「8」が書かれたままのTシャツに、トランクスをはいていました。
玄関を叩いた人は思わず吐き掛けましたが、取り合えず下においておいた荷物を
持ち上げて差し上げました。
「…お届けモノです。拇印をお願いします。」
「えっ?美少女のオッパイが欲しいんですか?」
ばきっ!
思わず、配達員はコケてその上に股間に3キロはあると思われる荷物のダンボールが落ちました。
反射で、思わず押さえました。
「大丈夫か、オッサン!?」
何も気付かずに、起き立ての横島は声をかけました。
配達員は、未だに股間を押さえつつ、辛うじておきました。
「……それは、胸ボイ〜ンの女の子のことでしょう!」
痛がる股間を擦りつつ、態勢を立て直して突っ込みます。
でも、仕事は仕事なので、堪えて会話を続けました。
「印鑑が無ければ、サインをお願いします。
しかし、お客さん。『全国版 職場ムッチリ美少女大全集』なんて、
凄いものを頼みま………」
「わーーーわーーーーっ!」
配達員の口を、思わず右手で押さえ封じました。
「そんな大きな声で、商品名を言わんでくれ!
隣の小鳩ちゃんに聞こえるじゃないか!」
そこへ、運悪く貧ちゃんがドアをすり抜けて見に来ました。
何事かと思って、覗いていたのです。
横島は、いつもの条件反射で届いた荷物を隠しました。
「では、これで…」
と言い残して、配達員は去っていきましたが、やっかいなのが目の前にいました。
貧乏神改め、裕福神の貧ちゃんです。
何が届いたのかと、じろじろと横島を見たのです。
汗だくで、横島はどうやって誤魔化そうかと言う事ばかり考えていました。
「…これなら、ゴーストスイーパーの必須アイテムッスよ。
近々、俺も美神さんに劣らないよう、自分でアイテムを揃える様にしたんス。
じゃっ!」
手を軽く振って、もう片手で荷物を持ちました。
振った方の手でドアを開けて入るなり閉めました。
でも、横島は気付いていませんでした。
包装してあったダンボールが、ドアに引っ掛かって破けて、カタログの付属品が落ちたのです。
それを、貧ちゃんが拾い上げてみました。
『なんやこれ、《女子高生の家族計画》って…?』
部屋に入った横島は、静かにダンボールの包装を見つめていました。
ドキドキ、ドックン、モックン、フックン、ヤックン…と興奮していました。
ガムテープを、緊張の冷め切らぬままに、そろりそろりと袴の帯を解くかのように開けていき、中身を確認しました。
思わず、鼻息を荒くして中の本を持ち上げました。
「うおおおおーーーーーー!
ついに、ついについについについについにーーーーー!!
『全国版 職場ムッチリ美少女大全集』のリストブックと面接実践ビデオを手に入れたぞ−−−−−!!!」
おもわず、ビデオを目掛けて部屋中を走ると、さっそくデッキに差し込んで、テレビの電源を入れました。
内容は、言うまでも無く、普通の模擬面接です。
自分で、研究して社交術を見つけようと思っていたのです…が‥‥!?
「う、うおおお。
この会社の次長は84のCサイズ、秘書は87のDサイズってところか!
このリストの通りだ、メモしとこ。」
……おいおいおい!
次々々々々々々々々々々々々々々々………
と、いかにも隠し撮りされた女性会社員の更衣室のランジェリー姿ばっかりがテレビ画面上に映し出されていました。
本の巻末には、『あわせて研究してください』との記述がありました。
「うーーんと、この求宦~は、大きさより形で勝負してるのか…ちょっとここはパスかな?」
………
こうして、一日は過ぎていきました。
その後、学校では、横島は取り合えず就職組に廻されていました。
全員必修の練習面接では。
「では、名前と志望動機をお願いします。」
「はい!横島忠夫、○○○高等学校2年の横島忠夫と申します。
志望動機は、この会社が女性の平均バストが86のDで、仕事のしがいがあると思って志望しました!」
「ランジェリーショップで働くつもりか、お前はーーー!
タイガー!ピート!反省室へ連れていけ!!」
ピシッ!
手指を鳴らすと、タイガーとピートがドアを開けて入ってきました。
「な、何でお前らがーーー!」
そういう横島の台詞を耳から突き通しながら、2人は両手を奪いました。
「すいませんね、横島さん!」
「折角の友達なのに…スイマセンノーーー…」
「(お前らなんか…友達やめちゃおうっかな……ううう……‥)」
模擬面接室から反省室へ直行される横島の姿があったのでした。
その頃、貧ちゃんは小鳩に聞いていました。
「なーー小鳩、この《女子高生の家族計画》って書いてある革はなんや?」
「さぁ、……美神さんに届けてあげたら?」
「そーしますわ。じゃあまた後でな!」
貧ちゃんは、美神事務所へ届けに行きました。
さてさて、横島には、この学校の後でどのような仕打ちが待っているでしょうか。
今までの
コメント:
- GS美神がアニメになる以前、かの某ファンの間で有名だった曲が、今回のタイトルのヒントになってます。
ありのままに横島の生活実態を空想しましたが、こういうお話はだうですか? (三遊亭楽栄)
- 模擬面接のためにこんなものまで買い込むところが笑えました。横島にネットをやらせてはいけませんな。彼に貧困生活の原因はここにありですが、ビデオ代横島の収入で足りるのでしょうか? (ベルゲパンター)
- まっ。煩悩の為なら金なんぞ・・。
・・・・・・・・。
・・。あぁ、哀れなり男、男。 (トンプソン)
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