ザ・グレート・展開予測ショー

もしも願いが叶うなら〜序章〜


投稿者名:コロ介
投稿日時:(03/ 1/ 8)


夕暮れの東京タワーの頂上……

そんな人気の無い場所に一人の青年が蹲っていた……

「くそ……血が止まらない……!文珠も切らしちまったし、マジでやばいかもな……」

青年の名は横島忠夫、一般的な知名度こそ低いが、日本……いや、人類有数の力を持ったGSである……

「ぐ……!!」

だが、今の彼はまさに満身創痍というべき状態であった……

「ち……神族と魔族の過激派ども……お互い罵り合ってる癖に、俺の抹殺って意見は一致するとはな……」

そう、彼は神族、魔族の両方の過激派から命を狙われていた……

理由は簡単……『危険』だから。

神魔族の霊的因子を保有している人間とは、扱いを間違えれば神族や魔族にとって非常に厄介な存在となるのである

人間の成長度と神魔族の寿命を併せ持つ『神人』『魔人』になる可能性があるからだ……

無論そういう霊的因子はそう簡単には覚醒しないようになっている……

横島がもしも一般のGSとして、あるいはGSを辞めて一般人として一生を終えるつもりだったならば、魔族因子は横島の魂の内部で眠っているだけだっただろう……

だが、横島は力を求めた……二度と大事な存在を失わないために……

その過酷な修行は、魔族因子を覚醒させるに充分と判断した神魔族は彼を取り込むか、抹殺かの二択を迫られた……

そして神族サイドは横島が保有していた因子が魔族の物である為……

魔族サイドは横島が自分たちに仇なすGSであった為……

それぞれの側の過激派が抹殺に踏み切ったのであった……


「まったく……俺のどこにそんな価値があるんだろうな……随分大判振る舞いで来てくれたもんだ……」

そう、アシュタロスを倒した横島への刺客は選りすぐりの精鋭が派遣されていた……

神魔族の刺客の鉢合わせによる諍いが無ければ、恐らくは確実に彼の人生は終わっていただろう……

「ゲホッ……!」

まあ……ここまでの重傷だと早いか遅いかの差では有るが……

「こりゃ……俺も終わりかな……?まあ……事務所の皆を巻き込まずにすんだだけマシかな……」

シロやタマモ、おキヌちゃんや美神といった顔が浮かぶ

「変だな……俺……こんなに諦めよかったか?けど……なんか危機感が湧いてこないんだよな……」

東京タワーから見える夕焼けに目をやる……

「ああ……やっぱりここからは夕焼けが良く見えるな……」

そして、自分が守りきれなかった女性の顔を思い出す……

(ルシオラ……)

「悪いな……お前を産んでやれそうに無い……」

そして横島は目を閉じる……

「もしも願いが叶うなら……ルシオラ……もう一度お前に会いたいな……」

そして、いよいよ命が尽きようとした時

─その願い、僕が叶えてあげようか?─

このとき……死ぬはずだった横島の運命はまた違った変化を見せ始めた……

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