狐と少年の日常。
投稿者名:NAVA
投稿日時:(03/ 1/ 7)
とある国。
とある土地。
とある時。
とある狐がおりました。
狐はとっても人が嫌い。
昔から人は狐を苛めていたのです。
その狐がとある少年と知り合い、少しずつ人に優しくなれる。
これはそんなお話。
あ、これは『狐と少年。』の続編なんで、そこんところヨロシク。
―――――――― 狐と少年の日常。 ――――――――
「横島タマモ。・・・よろしく」
ぶっきらぼうなお姉ちゃん。
好きで来てるわけじゃない。
人を知らなきゃ駄目だから。
狐とバレては駄目だから。
バレないために勉強してね。
人を知るため勉強してね。
一生懸命応援するから。
一生懸命手伝うから。
「それにしても横っちの従姉妹やって?
知らんかったわー」
「親の都合やってさ。
うちに住むことになっとる」
「ほな、どこから転校して来たん?
自己紹介短すぎてわからんわー」
「遠いところからやってー。
こっちも良うわからんわ」
そこでそっと耳打ち。
「あの狐・・・どうなったん?」
「怪我を手当てして逃がしてやったわ」
ズキリ
初めての嘘。
ちょっとだけ胸が痛い。
◆
それはちょっとだけ前のお話。
「学校って・・・何?」
狐が狐につままれた顔。
「んー。
色んなことを学ぶ場所・・・かな。
人間社会の一般常識。
お友達の作り方。
遊び方。
タマモちゃんは悪霊退治の人達に狙われてるんでしょ?
だったら人間社会のことも学ばなきゃね♪」
「大丈夫さ!!俺達に任せな!!
悪いようにはしない。
その代わり、忠夫のこと頼むぞ?
お姉ちゃん?!」
お姉ちゃん。
それは人の絆。
家族の絆。
孤独な狐が許された絆。
「分かった・・・お願い」
「ああ、そうだ、忠夫をお風呂に入れてやってくれないかい?
私よりもタマモちゃんの言うことを聞くからね」
「うん」
「忠夫?お風呂!」
「えー?
面倒やから今度でええわー」
「だーめ。
ほら行くよ」
狐に襟首掴まれて。
辿り着くはユニットバス。
狐はお風呂が嫌いじゃない。
お風呂上りも嫌いじゃない。
狐の毛並みはいつも綺麗。
狐の毛皮は良い匂い。
「ほらっ!
きちんと湯船につかる!
掛け算の九九を全部暗誦するまで漬かりなさい!!」
「へいへーい」
少年の入浴は狐の仕事。
「目を瞑る!
このしゃんぷうってのが目に入るよ!」
「へーい」
狐は一日二度入る。
「背中向けて。
痒いところは?」
「んー、特にない」
最初は一人、二度目は二人。
「ちゃんと温まる!」
「姉ちゃ〜ん。
ちょっと狭いよ・・・」
「仕方ないじゃない。
元々一人用の奴に二人で入ってるんだから」
少年も実はお年頃。
姉の裸はちょっと恥ずかしい。
姉の裸はちょっと嬉しい。
「何照れてるのよ?
子供のくせに」
少年に苦笑する狐。
指摘されて赤面する少年。
「せやかて・・・」
ギュッ
狐が抱きつく少年に。
後ろから抱きつく少年に。
「嫌?
私のこと嫌い?」
「そ、そんなことあるわけないやん?!!」
慌てて振り返る少年。
目に写るのは絶世の美少女(14歳)。
少年にとっては大好きなお姉ちゃん。
「そ。
じゃあ問題ナシ。
♪〜〜」
大好きな少年、大好きな家族。
失うことを狐は恐れる。
嫌われることを狐は恐れる。
初めて見つけた絆だから。
初めて手にした平穏だから。
「忠夫」
「ん?おとん?」
「タマモちゃんの身体・・・どうだった?」
「・・・ピンクやった」
◆
とある時。
とある場所。
とある人々。
「おかしいわ。
これだけ探しても見つからないなんて・・・」
「既に逃げられた可能性が大きいですね」
「ありえないわ。
私の張った結界を力ずくで破った形跡があったもの。
あの九尾の狐とて無傷なはずないわ」
「しかし現に姿が見えない」
「・・・誰かが手を貸したとしたら?」
「仲間を疑うのかい?」
「違うわ。
妖狐の血痕が残っていた場所に子供の足跡が二種類あったってことよ」
「無関係とは言えなくなったね・・・」
「上の連中が騒ぐように害を及ぼす妖怪ではないけれど・・・。
子供にとり憑いているようなら、容赦はしません!」
「では探してみましょう。
幸い、小学生が遠足に来てたのが分かってますから」
◆
「ひぃぃぃぃぃいいいいいいい!
堪忍してくれ百合子――――!!!
娘の!大事な娘の発育を確認してただけだ――――!!」
「こんのロリコン親父が――――!!!!!」
「忠夫?
アレは何してんの?」
「いつものことやから気にせんといて」
続く可能性大・・・カナ?
今までの
コメント:
- 怪しい人々登場。
ヒントは『みされさみされさみさ』。
・・・ベタかなぁw (NAVA)
- あ、分かっても答えは言わないでねw<『みされさみされさみさ』 (NAVA)
- ↑先生! 素で分かりません!(爆) 最初に断りを入れておきますと、私はシロタマに関してはシロ派なんです(謎);けどタマモの背面抱きつきシーンなどを読んでしまうと「あ、これもいいかも♪」とか思ってしまうんです。チョットした出来心です(笑)。学校などの家の外ではぶっきらぼうな調子は相変わらずですが、横島クンを始めとする「家族」の前では随分と打ち解けているようですね。今後ともタマモが家族の「絆」を更に深めていく様子や、怪しい人々の正体が誰なのかが気になるところです。次回も楽しみにしております♪(追伸:やっぱり背面抱きつきは反則です←笑) (kitchensink)
- ごめんなさい。ヒント間違えてましたw
正しいヒントは『みされされされさみさ』でした^^; (NAVA)
- ・・・・・・タマモが可愛い・・・(じ〜ん)
でも、親父の台詞がらしくていいな。と思ったり。
素敵な作品で楽しかったですにゃ♪
ではでは、又次回も期待してますにゃぁん♪ (ブラックキャット)
- そうですか・・・ピンクですか(PS駄目人間)
タマモのタマモによるタマモのためのタマモ・・・。何か意味不明ですが・・・ヒント見てるとこんな風に思えてきて。ほのぼのぉ(謎)
ああっ、すげえイイっ!!そりゃあそうですよ、家族だもん。お風呂くらい一緒に入りますよねっ・・・って、何を言ってんだぁ、俺は・・・(自己嫌悪)
途中出てきたGSらしき人物に、二人の時間―――いや、タマモにとって幸せな時間が壊されないことを願いつつ・・・。
(veld)
- とゆー訳で、チャット内にて既に謎の答えは出ております。
知りたい方はまりあん・チャットにGO!(笑)
忠夫よ。そーかそーか、ちょっと嬉しいか。
だが忠夫よ。10年もすれば、そのネタで散々親にからかわれる事を覚悟しておけ。
親とはそーゆーもんだ。あぁ、そーゆーもんだとも。
忠夫よ。その頃になったら一杯やろうな。 (黒犬)
- あ、やっと怪しい人々が誰か分かったかも。(遅)
それはともかく、やっぱほのぼのは良いですね〜。(シリアスも好きだけど)
このほのぼのを壊すようであれば、怪しい人々は三枚目キャラとして葬り去ってやって下さい。続きを楽しみにしつつ、では。
(「魔人ーY」の方も楽しみにしてますよ〜) (紫)
- タマモに「お姉ちゃん」をやってもらって嬉しそうな忠夫くん。「お姉ちゃん」に成りきって楽しそうなタマモ。こんなのも良いですね。正直、『あ〜、お姉ちゃんいたら…』と想像すると何故かほのぼのした自分と横島のような状態の自分が同時に浮かんでくるんですが(ダメ)。
しかしまぁ、……タマモがぷりてぃでござる(無意味にシロ化) (マサ)
- ほのぼのですね〜。
やっぱり幸せな日常が一番いいですよ。
・・・・っと思ってたらなにやら不穏な影が!?
この平和な毎日が壊されないことを祈るばかりです。
次回に大期待です!! (ハルカ)
- 少年であるがゆえに許された、お姉ちゃんとのお風呂。いいなあ(まずはダメな挨拶をひとつ)失うこと、嫌われることを怖がるタマモの心情が、なんとも切ない回でした。 (矢塚)
- コメントありがとうございます♪
怪しい人々の正体に関しては、今夜中にアップする予定の次話をご覧くださいませ。
で、マリあんの方からご指摘を受けたのですが、この話の世界観が酷く曖昧な部分がございます。大したことではありませんが、それを理解して頂かないと難しい問題だったかも知れませんね。この世界は完全なIFの世界であり、”横島忠夫だけ(銀一もですが)”が小学生なのですよ。これが最後のヒントでした♪
ちなみ・・・『ピンク』なのは湯上りの肌ですよ?w
さて、コメント返しです。
>kitchensinkさま
ええ、背後からムニュッ!です。タマモの胸ではプニッ!かも知れませんがw
この話はたった一つ。タマモが絆を手に入れるとかそういうことじゃなくて、タマモと横島の入浴シーンを書きたかっただけなのですよ(爆 (NAVA)
- >ブラックキャットさま
みなさま勘違いしてらっしゃるかも知れませんが、私が自己投影を図っているのは大樹です(爆
横島少年ではありません。
タマモが可愛い?当たり前でしょう?(爆
>veldさま
ええ、小学生ですもの。
中学生相当の姉に風呂へ入れてもらうことに何の問題があろうか?!いや無い。(反語)
この狐と少年シリーズは、起・承・転・結をモットーに全4話です。
つまり次の3話が相当するのは・・・?ニヤリ
>黒犬さま
そうですか・・・黒犬さんは経験者ですか・・・(遠い目)
あとでぶん殴りに参ります♪
自分の妄想を現実化してる方がいるかと思うとぼかぁ〜も〜!!w (NAVA)
- >紫さま
なんつーか、この先には二つの分岐がありまして。
悲しさ炸裂エンドと、大団円エンドです。
どちらにしようかなぁ?ニヤリ
って、実はもう4話も完成してて推敲段階。
あのNAVAが選ぶエンドならねぇ?どっちでしょうねぇ?と、いやらしく言ってみるてすとw
>マサさま
シロか・・・。急に思いついたキャラコメが・・・キャラコメが!!!(謎
犬塚クロ「くぅ〜女狐め!上手いことやったでござるな?!!」
タマモ「いや・・・別に・・・」
犬塚クロ「先生〜!何故に拙者の人狼の里の近くに遠足へ来ないでござるか!!
そうすれば拙者が背中を流すどころか、あ〜んな所やこ〜んな所までペロペロと「するな(゜Д゜)ゴルァ!」
タマモ「弟を汚す奴は殺す!馬鹿犬は殺す!!」
オチも何もなくてごめんw (NAVA)
- >ハルカさま
平穏とは何も事件が起きていない状態のことを指すのですよ。
この私がぁ!!この私がそんなことを許せるものか!!!
ってわけで続きます。
今回のは私のもう一本の連載よりは救いがありますんで、安心してくださいw
>矢塚さま
あ〜矢塚さんだ〜♪
私の野望だった「血の繋がらないお姉ちゃんと一緒にお風呂」へ萌えていただきありがとうございます(爆
ちなみに嫌われる云々の前の段階の台詞。
抱きついた後。
タマモ「こういうことに興味あるの?」
横島「そ、そそそそそそういうことって?」
タマモ「・・・胸。当たってるでしょ?」
横島「う、うん・・・・」
タマモ「うふふふ♪これから先は忠夫がもうちょっと大人になってから・・・ね?」
鬱だ。 (NAVA)
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