ザ・グレート・展開予測ショー

誰がために9


投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 2/28)

「おい、急げよ。もうすぐだ!!」
 長い廊下を駆けながら伊達が声をだす。
「カインとかの戦闘力はとんでもないんだろ?」
「ええ。残念ながら横島さんでも難しいでしょう。我々が加勢に加われば何とか成るかもしれませんが」
「見えてきたわよ!!」
 長い廊下の果てに、二人の戦場に辿り着いた。
 そこでは、カインと横島の死闘が繰り広げられていた。
「横島ー!」
 横島は返事もせずにコスモプロセッサーを指差す。
「破壊しろ!!」
「わかった!!」
 伊達は掌に霊気を集中させる。
『あれは、ヒャクメ。そうか・・・』
 カインは全てを察した。
『つまり、私の思い通りに成ったというわけか』
 伊達が霊気を放つ。
『もう、あんな物に用はない』
 カインは微笑みながら霊気がコスモプロセッサーを破壊するのを眺めていた。
 それに驚いたのは逆に伊達達であった。
「私の望みは叶えられた。神と魔の全面戦争の幕開けだ。コスモプロセッサーを使ってその世界を創りだす手間が省けた。
 さあ、始めよう!!前哨戦だ!!」
 歓喜のあまり笑い出す。そして、霊力は限りなく上っていく。
「こりゃあ、まずいな・・・」
 伊達が呟く。
「横島、どうする?」
「・・・。あれを使うしかないか」
 そう呟き、掌に文殊を出す。
「横島クン。文殊は私には無意味だよ。同じ文字を作り出せばいいんだからね。複数の文字を同時に使うのかね?君の霊力ならば数文字程度なら使いこなせるだろうが、後が続くのかね?それとも、アシュタロス戦のように合体技を使うのかね?そこの伊達クンと合体すれば私と同等の霊力を出せるが、長くは続くまい」
「いや、どれも違う。俺は、修行の末に気づいたのさ。俺の中の『ある力』を使えば、霊力は増幅するとな」
「ほう、その自信は本物かね?まあ、私とすれば君が強ければ強いほどいい。ゆっくり霊力を高めたまえ」
 カインは余裕の笑みを浮かべる。
「その間は、俺が相手をしてやる」
 伊達が魔装術に身を包み、カインに突っ込む。
「ほう?!霊力のポテンシャル自体は横島クンに劣るかもしれんが、戦闘力では上をいっているかもしれんな。いいね。面白い!!案外人間との戦いも面白い!」
「私達を忘れてるわよ」
 美神が神通棍を手に切りかかる。西条も霊剣『ジャスティス』を持つ。
「3対1かね?それも一興か」
と、余裕の立ち振る舞いを演じる。

「ジュダ。貴方達の望む世界に成りつつあるわね。昔のように戦いの日々が始まろうとしているわ」
「何か勘違いをしている様だな。小竜姫」
 さも意外そうにジュダが呟く。
「カインやアドンはともかく、私の望みは戦闘ではない。しいて奴らに共感する所は、我々魔が神に成り代わり『カードの表』になることだ。私にとってその過程はどうでもいい。カインは戦闘にその願望を持つように、私は全てを支配することに願望をもつ。
 教えておいてやろう。私の望みは貴様ら神族に成り代わり魔族が統一する世界を作り出し、その世界の王になることだ。そう、私は全てをこの手に入れるのだ!!」
「なら、この場で貴方を成敗するしかないわね。どちらが『カードの表』でも関係ない。私は神と魔と人が共存する今のこの世界が好きなんだから」
「いいだろう。どちらの信念が強いかな?」
「残念ながら、ゾンビは呼び出せなさそうね。今、この場は清められている」
「ふん、あの小僧が文殊で清めていったのだ。余計な事をしてくれる。しかも、かなりの強さだ」
「そう、横島さんが・・・」
 自然と笑みがこぼれる。
「嬉しそうだな?そんなに自慢の弟子が誇らしいか?それとも、別の感情か?あの小僧はもののけの類に人気が有りそうな雰囲気だからな」
「・・・・」
 小竜姫は少し赤面する。
「まあ、どうでもいい事だが」
『明らかに形勢不利だな。ゾンビは呼べないし、相手は神族でもトップクラスの実力を持つ小竜姫。まともに相手をしても得策とはいえん。
 まあ、適当に相手をして、カインにでも譲るか。俺はあいつの望み、強い者との戦いをさせようとしているだけだ。まあ、そのまま奴が死のうが関係ないがな』

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