ザ・グレート・展開予測ショー

AFTER DAYS!!(6)<新たな力>


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(03/ 1/11)

<新たな力>


『西条さん、予想どうりです。
 ターゲットが教会の中へ入りました。』

ザザ・・・っというノイズと共に
西条に部下らしい男から無線が入った。

『分かった。全員配置についてくれ。
 この教会を僕の部隊で取り囲む。』

俺はまだ気付いていなかった。
すでに西条が教会の近くで張り込んでいたことに。



教会の中にて


「で・・・・
 こんな時間にいったいどうしたんですか横島さん?」

ピートが心配そうに話しかけてきてくれた。

「ああ・・・実は相談したいことがあるんだ・・・」

俺はありのままのことを話した。
特に今回は神族が相手だ。
聖職に就いているピートと神父は
そのことを聞いても俺に力を貸してくれるのだろうか?
だが、このことを話さないで二人に力を貸して欲しいなんて絶対に言えやしない!
俺は二人を裏切りたくないんだ!!


「そんな・・・まさか神族がそんなことを・・・・・」

ピートはとても信じられないような顔をしている。

「そうか・・・
 いや、実は昼間に美智恵くんから電話があってね。
 その時はとてもじゃないがこんな話は信じる気にはなれなかったが
 君がここへ来ているということはあながち冗談ではない様だね。」

真面目な顔で答える神父。だが、次に神父の口から出た言葉は・・・

「すまないが、横島くん。私の返事はNO.≠セ。
 だが誤解しないでくれ。私が神につかえる身だから君の話を断ったわけじゃないんだ。
 君の身体のことを考えるとどうしても賛成することはできなくてね。
 すまないね。」

神父が少し困った顔をする。

確かに神父ならこういうと思っていた。
俺の身体を心配してくれた上での結論なのだろう。
隊長から連絡があったらしいから
おそらく、そのときからずっと悩んでいたのだと思う。

そんなとき、ピートの声が教会の中に響き渡った。

「何故ですか!!?
 何故、神父はそんなに簡単に答えられるんですか!!??
 何故神父はそんなに冷静でいられるんですか!!!?
 ボクは・・・・・・ボクは・・・・・・・・・」

ピートの肩は震え、声は消え入りそうなくらいだった。


俺は・・・残酷な事をしているのか・・・・?


俺がピートに力を貸してくれるように言わなければ
ピートはここまで悩むことは無かっただろう・・・

ピートに唐巣神父が優しく語り掛けた。

「ピート君。
 君は今、神への信仰が揺らいでいるのだね?
 ・・・・私にもそういう時期があった。
 だが、とある事件がきっかけで
 私は再び神への信仰心を取り戻すことができたのだよ。
 それは私が・・・・
 いや、私たちがあの時できる限りのことを精一杯やったその結果だと思っている。
 
 ピート君!!
 君は自分が正しいと思えることを精一杯やりなさい!!
 そうすればきっと自分の答えが見つかるでしょう!!!!」

「自分が・・・・できる限りのことを・・・・・・」

神父の言葉が今の俺の心にもよくしみる。
自分ができる限りのことを精一杯やる。
俺はルシオラ達を助けるためにできる限りのことをしなくちゃいけないんだ!!


!!


「すまない、ピート。
 お前の返事を聞きたいのはやまやまなんだが
 どうやら、お客さんが来たようだ。」

教会の窓からあやしい男が数人こちらをうかがっている。
おそらくは俺を追ってきたオカルトGメンだろう。
しかし、俺がここにいるってばれるのが少し早い気がする・・・・・

「すまねえけど、ピート。
 もし、気持ちが決まったら明日の午後6時に妙神山に来てくれるか?
 ついでにタイガーと雪ノ丞にも連絡しといてく・・・・・」

「横島君!!
 ここはいいから、早く君は裏口から逃げなさい!!
 表の男たちは私が食い止めておきましょう!!」

俺の言葉が終わらないうちに
神父が俺に逃げるようにうながした。

神父・・・・・
恩にきます・・・

「すいません、神父!!
 ピート!!頼んだぞ!!!!」

俺はそれだけ言い残して裏口のドアを開け
勢いよく飛び出した・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・が



バチバチバチバチバチィ!!!!



激しい結界が俺を襲う。
一瞬、動きが止まったところに上から呪縛ネットが投げ込まれ
俺の自由を奪った。

「やはりここだったな、横島君。」

俺の動きが完全に封じられたことを確認して西条が出てきた。

「西条・・・
 やたらオカルトGメンの手際がいいと思ったらテメェか・・・
 で・・・・隊長はどこだ?」

こいつ一人でここにきたのか?
もしも隊長がここにいたら俺はお終いだ。
オカルトGメンに逮捕されてしばらくは外に出られなくなる。
そうなればルシオラ達を救えない!!!!

「隊長を始め、ボクの部隊を除く他の部隊はみんな
 令子ちゃんの事務所周辺に潜んでいる。
 君が真っ先に令子ちゃんに会いに行くと思ったんだろう。
 ・・・・・隊長も君という男が分かっていない。
 君は女性には変に気をまわすところがあるからな。
 大方、事務所のみんなを危険に巻き込まないために
 力を借りるのは親友の3人だけ・・・・なんて考えてたんだろ?
 まあ、ボクが君の立場でもそうするだろうがね。」

「ヘッ!!似た者同士ってわけか!
 お前と似た者同士って言われてもぜんぜん嬉しくねーよ。」

俺はそんなことを言いながら必死に考えを巡らせていた。
どうすればこの場から逃げろことができる?
隊長がいないならチャンスは絶対にあるはずだ。
まずはこの呪縛ネットと結界をどうにかしねーと・・・・・

「横島君、おとなしく捕まれ!!
 隊長は君を保護して治療を受けさせようといっている。
 ルシオラたちを助けたいならば隊長が黒幕の割り出しに全力を注いでいる!!」

「・・・・・その割り出しとやらにどれくらいかかるんだ?
 1日か?一週間か?それとも1ヶ月か?
 そんなに待ってらんねえんだよ!!
 その間にルシオラ達に何かあったらどうすんだ!!!!」

俺の右腕に霊力が集中する。
老師から俺の身体について言われたときからずっと考えてた。
・・・・・・・これしかねえ!!!!

「その台詞、令子ちゃんにも言われたよ。
 令子ちゃんを危険に巻き込まないために、君には捕まってもらう!!
 抵抗する気なら止めておきたまえ!!
 この結界は君の霊力を計算に入れてボクが設計したものだ。
 ましてや君は文珠も出せなければ限界近い霊力も使えないんだろう?」

西条も必死な顔で俺を説得しようとしている。
コイツにも譲れないところがあるんだろう。
だが、『ルシオラ達を救い出す!!』この決意だけは俺も譲れないんだ!!!!




斬!!!!



俺の右腕から右半分が普段どうりの青白い霊波、
左半分が魔力の象徴とも言える真っ赤な霊波で構成された霊波刀が
出現し、結界の前で一振りされた。


ズバァァァァ!!!!


目の前にある呪縛ネット、結界発生装置はもちろんのこと
辺りにある壁や道路など目の前にあるすべての物が薙ぎ払われる!!

「・・・・・老師の話によると
 俺の身体には霊力と魔力が両方存在して限界以上の出力を
 出そうとすると体内で霊力と魔力が反発し会うそうだ。
 この反発力は俺の体くらい・・・
 つまり人間の体くらいなら跡形も無く消し飛ばせるらしい。
 なら、霊力を臨界点でコントロールして
 体の外で霊力と魔力を反応させたらどうなるかって考えたんだよ!
 ・・・練習無しのいきなり本番でうまくいってよかったぜ。」

「ば・・・かな・・・・・・
 霊力を臨界点でコントロールなんて・・・・・・
 そんなことが・・・」

新しい霊波刀の衝撃波で吹っ飛ばされた西条がなんとか答える。

こうしちゃいられない!!
今の騒ぎで他のオカルトGメンが気付いたかもしれない!!
早く、美神さんの事務所に行って文珠のストックを手に入れないとな。



・・・・・・美神さんたちに相談するべきだろうか?
西条の言うとおり俺はまだ事務所のみんなに相談するかどうか迷っている。






俺が立ち去った後、西条が無線を持って連絡していた。

『すまない、第1部隊はターゲットの捕獲に失敗した。
 なんとかターゲットを山間部に追いこんでくれ!!
 山や森の中なら人目を気にせずにかなり大掛かりな作戦に移れるからな!!
 なんとしても、令子ちゃんの事務所に近づけちゃいけない!!!!』



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