共に歩むヒト〜5.1
投稿者名:ぴろしき
投稿日時:(02/ 7/10)
気配を消したつもりだった
(ズバッ)
目の前を霊力の剣が走る
「さすがだな・・・」
思わず口に出ちまった
不覚を取った・・・
俺の力を過信したか
アイツを見縊ったか
(ふっ・・・どっちにしろ・・・俺が未熟ってところか・・・)
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共に歩むヒト 5.1
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「よう、邪魔するぜ」
妙神山に行く準備している途中、いきなり声が掛かった
「ん?・・・何時の間に入ったんだ?・・・飯か? また」
「近くに来たからな・・・ちょっと寄っただけだ」
「前もそんなこと言ってたよな?」
放っといて準備進めてたんだが・・・
「気にすんな」
勝手に上がり込んだ挙句に勝手に飯を食い始める奴が言うセリフじゃねえな
***
(ゲェェップ)
「ふ〜」←お茶を飲みながら
「やっぱり、俺にはメシをたかりに来たとしかみえんが・・・」
「気にすんな。それよりどっか行くのか?」
「ああ(苦笑)、ちょっと小龍姫様に用があってな」
「修行か?・・・クソッ!俺も時間がありゃ行くのによ」
「違うって、話があるだけだって」
「話?・・・敵か!?」
「(ハ〜)話が有るのは俺の方・・・拳握り締めるなよ、ったく」
「違うのか?」
「今回は 危険無し!・・・少し話するだけだよ
すぐ帰ってくるつもりだしな・・・」
「まあいいか、今のお前じゃ・・・修行しても無駄だろうし」
(今の俺?)
「今回は俺も忙しいからな。次にだな」
「・・・ああ」
「どうした?似合わねえツラして」
「・・・今の俺って・・・い、いや、何でもない」
「・・・・・・」
「そ、そういえば 近くに来たのって仕事か?」
「いや、これから寄るところがあってな・・・ついでだ。ココに来たのは」
「ついでのわりには、俺ん家の食料が・・・」
カップ麺の箱ごと持ち帰る準備してるし・・・コイツは
「今回は俺の勝ち分みたいなもんだ」
「・・・何だよ勝ち分って?」
「今回は気付かれなかったからな・・・これで1勝1敗・・・1分か」
「わけわからん事を・・・」
「ふっ・・・わかんねえか・・・」
「わかんねーよ。それより俺より貧乏なんて・・・稼いだ金は全部修行にか?」
「ああ」
拳を見詰め、握り締める雪之丞
「もっと強くならなきゃな」
雪之丞の握りめられた拳を見る
(・・・おれは掴むことが・・・)
ココロに渦巻く・・・嫉妬・・・悔しさ
「「・・・・・・」」
「・・・明日早いんだ 適当に寝てくれ」
(ゴロン)
心に沸いた感情を誤魔化すように雪之丞を無視して横になる
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気まずい雰囲気のまま寝付いた2人
暫くして、おもむろに雪之丞が体を起こす
「考えたってわかるかよ・・・」
横島を見る
「弱いのは・・・俺の方か・・・」
眠っている横島に向かい拳を握り締める
「一番おいしいところは全部てめえが持ってたくせによ・・・」
敵を倒す強さ、大事なものを守る強さ、約束を守れる強さ
握り込んだ拳・・・爪が食い込み、血が滲む
「一番の・・・悲しみもか・・・」
約束を守り・・・大事なものを守った・・・敵を倒して
「一番大切なものを・・・護れなかったからか・・・」
アシュタロスを倒す約束を守り、大事なこの世界を守り・・・大切な女を失った
「ママ・・・」
大切なものを失う
手の平から滲んだ血が・・・涙のように零れ落ちる
「・・・弓」
大切なものを守れない
拳が悲鳴をあげる
「くそっ・・・強くならなきゃなんねえんだよ 俺は」
ふと、拳から力が抜けていく
「傍に居てくれるからな・・・おめえと違って」
悲しみが乗る・・・呟き
大切な女の笑顔が浮かぶ
照れを隠し・・・表情をきつくして・・・でも零れている笑み
大切なものを護る力を手にする為に今まで自分がどうしたか
「足掻くしか・・・ねえよな」
自分を置いていくように強くなっていた・・・ライバル
強くなりながら気付かずに、それ以上を求め足掻く・・・ダチ
嫉妬・・・期待・・・
ライバルとして、ダチとして
(フッ)
立ち直ると信じている自分
同情して慰めるヤツがいる
心配して言葉を掛けるヤツがいる
俺がする事は・・・
「余計な事だろ?」
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(ゲシッ)
「起きろよ!」
「ってーなぁ・・・」
「早いんだろ、とっとと起きろよ」
「ふぁあああ」
「帰るからよ」
「ふぁあ?」
「またな」
「ふぁふぁいふぁーふぉっふぁひふふぉふぁ?」
(早いなーどっか行くのか?)
「これから寄るところがあるからな」
「ふぉ(こ)れからか?」
「ああ、言っただろ ついでだって」
ん?・・・いつものカバン以外に・・・
「おいっ、なんだそれ?・・・どう見てもお前に似合いそうもないその包みは」
一気に眠気が覚める
「(汗)・・・おっと、邪魔したな」
「てめー!弓さんのところか!」
「じゃあな」
(ドガン!)
壁を突き破って逃げやがった・・・
「魔装術なんか使うんじゃね〜!」
壁の穴から身を乗り出し、叫びつける
「気にすんな!それより少しは修行してこいよ!」
「こんな朝早くにか弱い女子高生に会いに行って良いと思ってるのか〜」
「じゃあな!」
「この○○○○野郎が〜〜〜〜〜!」
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読んで頂き有り難う御座いますm(_ _)m
裏話というか なんというか・・・
横島が妙神山に行く前日に雪之丞が訪ねて来ていたんです。実は(^_^;)
なもんでタイトルが10ではなく5.x(〜5と〜6の間)なんです
妙神山に行く前の「事」として
・おキヌちゃん(+弓&一文字)
・横島の実情を聞いた隊長
・令子
・愛子
・小鳩
・隊長&西条・隊長&魔鈴
などがあるんですが・・・
自分の思いついた雰囲気が上手く文章に出来ない(;_;)
もっと自分の感じた雰囲気を上手く伝えられたらと思うと・・・勉強せねば!
こんな私ですが、次回も読んで頂ければ嬉しいです。
今までの
コメント:
- シリアスな場面と、ギャグっぽい場面がテンポ良く繰り出されている点が良かったです(←偉そう)。強くなろうとするきっかけを与えた大切な人を失っているという点でもしかすると横島クンと雪之丞は非常に近い存在なのかもしれませんね。横島クンが悩んでいることを知りつつも、敢えて助け舟を出そうとしないところが雪之丞らしい解決法(解決法?)だったと思います。次回の『共に歩むヒト』の本編の続編も期待しております♪ (kitchensink)
- おい、雪之丞!貴様、味な真似を・・・!病院にお見舞いとは許せん!成敗してくれる!(返り討ち)
ガハっ(吐血)感想いきます。二人の葛藤が痛いほど伝わってきました。とくに雪之丞!そうですよね、目の前で好きな子があんな目に合わされたら、プライドの高い彼のこと、すごく悩みますよね・・・。
個人的に小鳩ちゃんの話が読みたいです!やって頂けるのでしょうか? (ヨハン・リーヴァ)
- . (T.I)
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