怪傑ユキット II 〜虎は男に燃えビートは栄え〜
投稿者名:三遊亭楽栄
投稿日時:(03/ 1/11)
っぎゅらぎゅろおお・・・
・・・時の彼方から、飛んでくる。
鳥だ
飛行機だ
空飛ぶユキットカーだ。
飛ばすは、伊達雪之丞。
ゆっくり降りる機体。
フライトスイッチ、OFF!
ユキットウィングは後部座席収納。
(どういう原理だ・・・)
降りてくる。
DESIRE!
FIRE!
テンガロンハットに、黒い皮矧ぎGジャン。
コツコツ
ゆったりと、意味をもたせ歩くユッキー。
テンガロンハットのツバをゆっくりと上げ
二枚目風の雪之丞のニヒルな顔。
・・・スポットをあて、
ちゅっ♪
投げキッスをブラウン管へ。
番組を見ていた400億人の雪之丞ファンはハートに燃ゆる!
「・・・ふっ、決まったぜ! MAMA・・・・・・!!」
っぢゅららん
っっぢゅるらん
っっっぢゃるららん!
勢いある三味線の歯切れ。
共に、オープニングテーマの調べ
♪ 地獄が見えたあの日から…
黒の皮手袋を嵌め
♪ 俺の体を吹く風は
…引き締めさせる、身も凍る思いさ。
♪ 復讐の風 熱い風
♪ 追って 追って 追いつめて
……ずがががががががん!
ガラス越しに弓を48発も弾を打ちやがった!
俺の眼の前でな。
俺の片腕の中で、命の落ちる弓。
ガラスの向こう越しの犯人を憎んでいた俺。
ユキッと参上! ユキッと解決!
弓よ 弓よ 弓よ
俺を見てろよ 天国で
・・・俺は 怪傑ユキットさ!
今日もまた。
流離う。
であう。
生涯のライバル。
そいつ 横島少年!
フルネームはヨコシマタダオ!
俺にはどうでもいいことだが。
早速、犯罪の匂いをかぎ当てたぜ。
俺のMAMAを・・・
弓を・・・
・・・殺したのと同じ匂い。
「やめてください!」
ラブレターをとりあげる男。
取り返そうとする女性。
「・・・キヌにこんなものはイランジャケンノーー」
「か、返して・・・」
男の名は、知らん!
が、あっちは見覚えがある。
おキヌちゃんとか言ってたな。
「横島さんにあげるものなんですう!」
あの、横島少年のファンだった。
しかし、それを取り上げるたあ許しちゃおけねえ。
そう思うたび、近づいてた俺。
「っぐわかかかっか・・・!
あんな横島少年に惚れるヤツぁぶっ飛ばしたるケェェ!」
「・・・待ちな!」
ぢゅらるらあん!
ギターを鳴らして。
帽子を深くかぶって。
俺は現れてやった。
「・・・他人が惚れたラブレターを奪うなんてなぁ・・・」
ぢゃらるるら
また一歩よりながら。
ギターを奏でてやった。
「・・・ふっ、男の漢がやるってもんじゃあねえぜ!」
「誰じゃケンノーーー!」
タンカをきった野郎。
が、俺の名を知らなかったのが不幸の幸いだぜ。
「見上げたフザケ野郎ジャ!
が、ワッシを知らんじゃケンノーーーー!!!」
ツバをついとあげて顔をアップにさせてやる。
ちゃちゃっらーん
ギターを一閃で表したんだ。
「・・・やっと思い出したぜ。
女に寄せ付かれる前にぶっ倒すとか言う『成人官能のタイガー』!
ネイティス連合団のボス・ブラッドビートに雇われてるらしいなぁ。」
「っだ、黙れ黙れ黙れーーー!
ワッシはおなごが嫌いなだけジャーーー!」
・・・かってに言わしておくかな。
「まして、横島少年に惚れたヤツなんかむかつくジャケンのーー!」
俺はむかついて、でかい態度に出てやった。
「ほう、だがな、女殺しの名に掛けてはせこすぎるぜ!
その手じゃ、日本で二番目以下・・・いや、下から数えて二番目ってヤツだな。」
「ふざけンなーーー!
なら、日本一は何処にいるのかつれて来てみるんジャ−!」
そこで。
俺はひゅう〜♪と口笛鳴らし、
右手人差し指を突き立て振ったのさ。
そのまま、右手を握り親指を自分の方へ突き出した。
「ちっちっちっ、そりゃ俺ってもんだぜ!」
「決闘ジャ!」
「…勝ったら、そのラブレタ返してやんな!
方法は何だ?」
そういうなり。
俺は、一瞬違和感を感じた。
眼の前に、弓が何十人もいやがる。
「成人官能の腕なら最強ジャ! これを破ってみろ!」
そう言われた。
が、眼が眩んじまった。
裸にエプロンで玄関に出向かう弓。
シャワー後でバスタオルを巻いた弓。
ベッドに入って「こっちにおいで」と手を振る弓。
水着に着替えてる弓。
ナース姿で尿瓶を持ってこっちを見る弓。
くそ。
なんでこんなに眼の前に弓が。
けどな。
もう一度、右手人差し指を。
眼の前でちらつかせる前に。
ひゅう〜♪
「これが奴の能力ってやつかい?」
舌を打ちながら、ちらつかせ。
右手親指で相手に突き遣った。
「ちっちっ!しかしながらやっぱ二番目だな。成人官能のタイガーさんよお。」
そう言って、飛び上がる。
ひょい。
・・・かるがると3メートルの高さで跳躍。
そして。
「・・・俺の幻惑精紳官能を見せてやるぜ!」
ばばらっ!
御得意の魔装術だ。
妄想を霊力で変換させてやった。
魔理のシャワー室でのシャワーシーン。
エミの、キッスサイン付き投げキッスのシーン。
魔理の等身大ヌードポスター…
エミの。ホテルの回転ベッドで待ち受けているシーン。
ぶうううう!
タイガーが鼻から血を吹いたぜ。
しかもだ。
必死になってその4枚の写真を隠すように。
一斉に取った。
「うおおおおーーーーーーー!
ワッシの欲しかった写真ばっかりジャーーーー!」
興奮のあまりに。
その場を離れてコレクション質に直行のタイガー。
勝ったぜ!
が、おキヌちゃんは。
こっちをじっと見ている。
「・・・お前・・・!」
「あの、横島さんの分も欲しいです!」
「そんなに、横島のピンナップも欲しいのか。」
そう言い放つや。
眼の前に霧が掛かった。
途端、ネイティス連合団のボス・ブラッドビートが君臨した。
「ほう、タイガーを追っ払うとはなかなかの腕だな。
だが・・・・・・」
そう霧が煌めくと、
0.00000000000000000000000000000089もの秒間に
途端に俺は吹っ飛ばされた。
・・・ギターごと。
「・・・私等の名を知る以上は生かしておけないな。」
そう言い、
近づいてきたところ。
やばい!
そう思った矢先…
「ちい!逃がしたか!」
・・・姿を僅か、
0.0002453624578秒間で
消すしかなかった。
と同時、ぶおおおお・・・と音を飛ばした。
ユキットカーで。
既に、ギターの中からユキットスーツを出して着替えたのさ。
場所に着く。
怪傑ユキットの愛用する、空・大地両用車で!
ユキッカーの上に乗った俺。
全身赤ス−ツに、額にYをかたどった紋章を。
おキヌちゃんは眼を点に。
そこで、口上のポーズと台詞!
「っはっはっはっは!
ユキッと参上、ユキッと解決!
その名も……」
びゅばっ
しゅばっ
ざざっ!
両腕でYの形を描いた!
毎度すがすがしすぎるぜ、MAMA−−−!
「…孤高に流離うヒーロー・怪傑ユキット!
このおキヌちゃんからラブレタ奪い取って破ろうとした悪党一味め、許せん!」
「あの・・・ズバットさん・・・?」
「俺は、ユキットさ!」
ともかく許せぬ!
そう思った俺
一気に神通鞭を開き!
「ユ・キーーット!」
着地っと!
その言葉と共にブラッドビートを締め上げた!
「12月24日に弓を殺ったのは、テメエらだな!!」
「ち、違う!」
そういう。
と、俺はむかついてビートを更に締め。
「ちがうなら、ユキットアタックだ!」
一度、車に飛び乗りながら。
向こう端の冊子棒に鞭先が括り付けになる。
梃子の原理で飛び上がり。
股間で敵を顔面打ち!
「ぐ、臭えーーーー!」
「とどめだ!」
神通鞭を取り払うと、
ビートの眩んだそのまま、
前進を鞭打ちにした。
そこへ。
タイガーが戻ってきた。
当然、こいつも・・・
「ユキットアタック!」
「・・・ぐ・・・臭すぎる・・・何日風呂に入ってないんジャ・・・!」
「六ヶ月だ!」
そのまま俺は去ろうとした。
が、肝心な事を忘れていたぜ。
これだ!
と、ユキットカード!
Yをかたどる紋章を描いたカードに、端書
・・・気絶した二人の上に残した。
『この者、強奪および窃盗罪犯人』
このコメントを残したところで、
ファンファン…ファン・・・
警察のパトカーサイレンが鳴り響く。
だれだ、通報したヤローは!
とりあえず、
姿を消して着替える。
このクールで二枚目でニヒルな雪乃丞の姿にだ。
そのまま、
0.00245254036秒の間に
おキヌちゃんを連れて逃げる。
横島少年の下へ。
「あ、あの、これって犯罪じゃ・・・?」
「ひゅーー♪ ちちっ、そう堅いこと言うなよ」
「ありがとう御座います。」
こうして、雪之丞は、おキヌちゃんを横島少年の下へ。
しかしこいつも、弓を殺してなかった。
このまま、横島を他所に。
旅に出た。
弓殺しの真犯人を。
半殺しにしなければ、気がすまない。
弓は、俺の心の中だけさ。
妄想なんかじゃ負けなんか無えぜ!
ユキットスーツ入りのアコースティック
可憐にかき鳴らし…
テンガロンハットを深く深く…
孤独の旅が、俺を、待ってるぜ……………!!
ABAYO!
今までの
コメント:
- 雪乃丞ヒーローモノ第二弾です。
今回は御約束を全部強引に詰め込んでみました。
お茶の間で笑って屁でもしながら楽しんでちゃぶ台。
・・・、なんだかな〜〜
お願い、駄洒落の師匠、みすてないでDaizy! (三遊亭楽栄)
- ひゅう〜ーーー♪
ちっちっちっちっち!
これは確かに面白いが、俺様に較べれば2番目だ♪
(早川 健)
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