ザ・グレート・展開予測ショー

バグズライフ その2


投稿者名:通行人A
投稿日時:(02/11/ 2)


肌で感じる空気がめっきり冷えるようになった。

そう感じずにはいられないのは先程までいた喫茶店の気温に慣れていただけではなく、この通りの人の気配がほとんどないことも関係あるかもしれない。

そんな事を思いつつオカルトGメン、西条輝彦は歩いていた。帰宅途中のようだ。
上等なスーツに身を包み、整った顔立ち、いかにも紳士的な雰囲気を持つ男。
しかし、そんな外見とは裏腹に、

(嗚呼・・・まったく僕はなんて罪な男なんだろう・・・。僕は単に紳士として困っていた女性を助けただけなのに、魔鈴君はそんな僕にすっかりメロメロじゃないか。・・・・困ったなぁ、僕には令子ちゃんしかいないのにぃ!!!!)

・・・困っている割には笑顔である。なおも彼の思考はつづく、

(そういえば、どうも最近令子ちゃんの事務所に行くと、やたらおキヌちゃんの視線を感じるんだよな・・・。しかも目を合わせると慌てて顔をそらすし・・・。
・・・・も、もしかして!おキヌちゃんも僕に気があるんじゃあ・・・!
そうだよ、それしかないさ!!やっと僕のこの大人の魅力に気づいたんだね!!!
憧れのお兄ちゃんは健在なのさ!!!あははっははっはは!!!
・・・ただし“アレ”さえバレなければ・・・!)

そんな考えの中、彼の顔の筋肉は弛緩しきっており、本人の言う大人の魅力というものは微塵も感じられなかった。しかし幸いこの通りには人は全くいないので、そんな彼のだらしない顔を見ている人はいなかった・・・・確かに、人は・・・。


「おい、見ろよ。あのマヌケ面、女の前とはえらい違いではないか。」
「ククク・・・アドレナリンがツーンときてんじゃねぇの?」

そう、本日の夕食を奪われた怒りに燃えているゴキブリの王と、ベルゼブルが復讐の対象である西条の醜態をしっかりと見ていたのである!しかもどこで入手したのか、その手に市販のポラロイドカメラをしっかりと携えて・・・

「・・・っへぶしゅん!・・・っておい!寒いからさっさとやっちまおうぜ!写真も充分撮ったしよー。俺様もう限界なんだよ!嗚呼、綿埃の布団が恋しい・・・」

この時期、普通虫はあまり活動しないので、その意見はもっともである。

「確かに・・・今日は魔鈴さんとこの魔法料理(の残り物)喰ってなくて腹も減ってるしな。ああガッデム!!!」

ゴキブリもその考えに賛成のようである。

「よし、打ち合わせした通り、作戦αでいく。ブツの回収、忘れるなよ・・・」
「へっ、俺を誰だと思っている?」

そんな悪態に対して、相手が“・・ハエだろ?”と思ったかどうかは不明である。



                         (つづきます!)

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