命の『選択』?真23
投稿者名:運値
投稿日時:(02/ 8/14)
ケース1『美神令子』の場合
私は産まれてずっと一人。母親はGS。父親は家にも居ない大学教授。家ではずっと一人だった。
母親が死んだ。私を見ていてくれた、たった一人の母親が。私を縛る者は誰もいない。私を助けてくれる者は誰もいない。信じられるのは自分だけ
GSになった。母親の教えは生かされた。たった一人で何でも出来る。信じられるモノはお金だけ…。お金は決して裏切らない…
そんな時、アイツにあった。ちょっとスケベで馬鹿な奴。でも何故か懐かしい感じを抱かせる奴。でも私はただ一人。信じられるものはお金だけ…。
アイツは何度もドジをした。私に何度も迷惑をかけた。許せない、だけど許したい。だけどアイツも離れていく。何時かきっと私は一人。
運命を知らされた。知らない方が良かった。ミンナきっと離れていく。そう思った。だけどアイツは傍にいた。アイツに何度も助けられた。
きっかけは前世だったかもしれない。それは否定しない。だけど、前世が無くってもきっとアイツは傍にいる。
だから私は『選択』しよう。アイツは迷惑かもしれない。だけど、気持ちは変わらない。ミンナの前では言えないけれど、神の前なら素直に言える。私はアイツが…
ケース2『おキヌ』の場合
私は幽霊。ここにいて、ここにいない存在。記憶は既に消えていて、何の為にいるのか分からない。そんな、私があの人に会った。ドジでスケベで憎めない存在。
私は幽霊。感情だって薄れていた。喜びだってあまり無い。だけど、あの日のクリスマス。私は、あの人に喜ばされた。久しぶりの感覚だった。
私は幽霊?何で私は幽霊なの?人間に憑依して感じた感覚。あの感覚が忘れられない。何で私は死んだの?こんなに好きなのに…。
私は遂にいなくなる。思っても報われない。ならいっそ…。あの人の為に死ねるなら。その感覚に酔った。だけど、あの人は助けてくれた…。
私は遂に人間に。代わりに記憶を失った。大事な物を失った。ここにいても、ここにいない。私は何?私は人間?
私は遂に手に入れた。失っていた私の半身。私は決して忘れない。私は決して離さない。この感覚。この感情…
だから私は『選択』する。私の一番大切な人。今はあの人の一番じゃ無いけど、何時かきっと振り向かせる。だから、今は神の前で、私は誓う。私はあの人が…
ケース3『シロ』の場合
私の父は殺された。里で一番の剣の使い手。私の自慢の父だった。だから、私は神に誓う。決して奴を許さない。
私は父の仇を追って腹を空かせて鳴いていた。そこで私は先生に会った。ドジでスケベで情けないけど、世界でただ一人の私の先生。
私は遂に仇を討った。先生のお蔭で遂に討った。確かに力は物足りないけど、仲間の力も先生の力。だから私は尊敬する。世界でただ一人の私の先生。
先生との散歩は楽しい。最初は散歩が楽しいと思った。だけどそれは勘違い。先生がいないと物足りない。私は先生が…
だから私は『選択』する。今は弟子と師匠でも何時かきっと腕を組んで隣を歩ける存在に。だから私は神にも言える。私は先生が…
ケース4『タマモ』の場合
私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。
私はあいつに会った。周りの奴は殺そうとしたが、アイツは私を助けてくれた。だけど私は裏切った。少し罪悪感があった。
私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は人間が嫌いだ。私は『アイツ』が…嫌い…?…
アイツにまた助けられた。最初は裏切ってばかりだけど、私はアイツが憎く無い。人間は悪い奴?真友は友達。アイツは…?
アイツにまた助けられた。とても卑怯な助け方。だけど命を救ってくれた。私ははっきり意識した。私は…
だから私は『選択』する。アイツともっといたいから。人間を信じてみたいから。だから神にも遠慮しない。他の奴にも遠慮しない。私はアイツが…
ケース5『小鳩』の場合
私は産まれた時から貧乏。別に貧乏自体は恐く無い。本当に恐いのは周りの視線。みんな私を避けている。
私の友達は貧ちゃんだけ。人間なんかよりも心の優しい貧乏の化身。だから貧乏は恐く無い。本当に恐いのはみんなの態度。仲良くなっても知ったら避ける。
だけど、あの人は違った。あけすけで、素直だから誤解されるけど本当は優しい男の子。私を知っても離れていかない唯一の人。
あの人のお陰で、私の人生が変わった。貧ちゃんは福の神になり、私は楽しい学校生活。男の人にも声を掛けられるようになった。だけど、あの人だけが…
だから私は『選択』する。本当の優しさを持った人。私のことを分かってくれた唯一の人。だから神の前で告げる。私の本当の気持ち…
ケース6『冥子』の場合
私は何時も一人だった。父と母。それにお手伝いさん。みんな私の身内。友達なんて一人もいない。だけど、本当は…
高校に入っても友達が出来ない。クラスのみんなは恐がって、誰も私に近づかない。だけど私は寂しく無い。私には式神が…
GS試験で友達が出来た。生まれて初めてのお友達。初めて頬を叩かれた。嬉しかった。例え、一方的な思い込みだったとしても…
私は初めてあの人に会った。生まれて初めての友達の事務所で。私を全然、恐がらない。もしかしたら、初めて男の子のお友達…。
私はあの人を引き抜いた。友達の事務所から引き抜いた。初めて積極的に動いた。だって、私を恐がらない…
私を庇って怪我をした。初めて私を庇ってくれた人。頼もしかった。肉親とは違う存在感。私は彼に惚れていた。多分初めての…
だから私は『選択』しよう。私をもっと知ってもらう為に。あの人をもっと知る為に。契約の破棄を告げて。婚約者より彼氏にしたい。私の魅力で落したい。私の口で本当の気持ちを…
契約神はただ、部屋の中心でじっと待っていた。期間中に現れるであろう者達のことを。ただずっと,その時を待っていた。不意に、部屋のノブを回す音が聞こえる。ここに来るまでの幾つものトラップを解除してここまで来れた者。ドアが開き、その女性が入ってくる。横島の前に現れたときと違い、非常に厳かな口調で契約神は聞く。
「お主は、真にこの者のことを愛しておるか?」
すると、その女性ははにかんで好きといった。契約神は満足そうに微笑むと言った。
「この者を好きだとは難儀な者よ…。鈍感の上に、気が多い。一生苦労するぞ?」
それも覚悟していると、その女性は笑っていった。
「そうか…がんばれよ…願わくばその『選択』が…実現するように…」
契約神はそう言うと消滅した。
後には、頬を染めて微笑んでいる一人の女性だけが残っていた。
そして私は『選択』した。もう後には戻れない。私の『命』をかけた選択を願わくば、あの人に届く様にと…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜『命』の選択?完〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今までの
コメント:
- 以上が『命』の選択?です。皆様、今まで読んで頂き有難うございました。最後は少しカッコ良く書いてみましたが…なれないことはするべきでありませんね…背中が非常に痒くなります。今までコメント有難うございます。願わくば、僕の処女作であるこの作品の感想を書いていただければ幸いです。 (運値)
- 完結おめでとうございます。
今までコメントもしてませんでしたが、ずっと楽しませてもらってました。
いいですね、この終わり方。
各人の想いの描写が凄く素敵だと思いました。
誰が辿り着いたんでしょうね、私なら・・・。
とは言っても誰が最初でも、この後がドタバタの争奪戦になるだけのような。(笑)
あ、それを読んで見たい気も。 (野見山)
- これほどの数の女性キャラを惚れさせる横島って、実は凄いですよね。改めて感嘆してしまいました。私としましては、契約の神にしか告げられてないとしても、云えた誰かを祝福して上げたいです(勿論、おキヌちゃんなら盛大に←爆)。連載&初作品終了お疲れ様でした♪これからも楽しい展開を期待いたします。 (マサ)
- カユイ展開大歓迎!!(ダメ反応) 令子、おキヌちゃん、シロ、タマモ、小鳩ちゃん、そして冥子ちゃんのそれぞれの横島クンを好きになった理由が千差万別ながらも彼が「人一倍優しい」ということで共通項が見出せる気がします。特にオリジナルの展開でした冥子ちゃんの恋バナが違和感の無い理由に感じられた点がよかったと思います。終始GS「らしい」大騒ぎに次ぐ大騒ぎのような楽しい展開でした;連載お疲れ様です♪ (kitchensink)
- 一気に読ませていただきました。各話とも非常にテンポが良く、とても面白かったです。横島を巡る女の戦いには、決着などつかないのでしょうね(笑)。ラストを誰とでもとれる形にしたのは正解であると思います。シロや冥子の口調や一人称が極めて普通であったのも、結果的に正解であったと思います。これは、『思い』ということなのでしょうか? ま、取り敢えず結論を言えば、タマモが可愛かったと(笑&爆) (ロックンロール)
- 連載お疲れ様です。すごく面白かったです。最後は誰でも取れる形にしたのでそれが良かったです。ともかくお疲れ様です。 (ハッカ)
- この反応、美神以外の女性キャラに違いない、イヤそうだ、ヒャクメにも、小竜姫にも、ワルキューレにも、意地を張り通した令子ちゃんが契約神に対してのみこんな素直な反応をするなんて……令子ちゃんの反応としては「あいつはアタシの永遠の丁稚なの、だから、さっさと契約を解除しなさい」と詰め寄るに違いないんだ〜
面白い作品、ありがとう御座いました、この後どの様などたばたが繰り広げられるか(^。^)次回作にも期待しております−個人的にはシロの一人称は拙者のほうがらしいと思います。恐らく運値さんは少し成長したシロを表現したかったのでしょうが… (黒川)
- 完結おめでとうございます。
マルチエンディング?各個人それっぽくて良かったですね。
欲を言えば神魔族組も見てみたかったですね。
追伸
すごく面白かったですね。出来れば今後も次回作、期待させていただきます。 (RYOU)
- お疲れ様でした。
カッコいい横島君が最近は多いですが(もちろんこっちも大好き)お馬鹿で、清く正しく明るいスケベ(笑)な横島君もいいですね〜♪新鮮でした。タマモ、可愛いし!
私も神魔族組と、横島君サイドのお話を見てみたいと思いました。
次回作、楽しみにしてます! (けい)
- 毎回楽しみに読ませていただきました。
マルチ・エンディング、僕ならもちろん小鳩です(爆←誰も聞いていない)
非常にテンポよく、また極楽らしいお話でした。
連載お疲れ様でした。次回作にも期待しております♪ (ヨハン・リーヴァ)
- お疲れ様でした。
物凄く楽しく読めました。僕としてはタマモのところが一番良かったです。
うまく書かれていてキャラの気持ちや思いがわかり易かったです。
次回作楽しみにしています。 (3A)
- 以降、拙著「ラプラスシリーズ」へと続く。
なんちゃって。 (トンプソン)
- 皆様、コメント有難うございます。拙い作品ながらも読んで頂きまして嬉しい限りです。 (運値)
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