ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・?123


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 2/20)

「美神さん、ゆうねえは命に別状はあらへんのやろ?」
くりっと美神のほうをむき夏子。
別状がなければいいのだろうか?なにかが違う。
と、いうか夏子にはだいたいゆうこが、昔から倒れるのは、やせ我慢のしすぎがほとんどということを妹として知っていた。
そんなものは自業自得という事も知っているし、ゆうこがそれを承知で我慢しているのも知っているのだ。
大体心配されたくないと言うならば、我慢なぞせずに愚痴や弱音やら言って欲しい。
それならそれで対処のしようもあるのだ。
なのに、ぜんぶそれを抱え込んで許容範囲を超したら倒れるなんぞこっちの心臓に悪いことこの上ない。
だが、ゆうこはそおゆう性格だ。
だからこそゆうこなのだし、そこを含めて大好きなのだと想うのだが
―性質の悪い事に。

(だからまあこれも仕方ないんや…よなあ)
血の気を失ったゆうこの顔に視線を移し夏子は、地面までめりこみそうなため息をついた
あの強い光を宿す瞳は閉じられている。
の、せいかひどくあどけなく、幼く見える。
(本性はまあえらいことになっているが)
「まあ命に別状はないけど―しばらく休養したほうがいいわね」
とはどこか面白ろげに美神。
医者に見せる必要はないけど、ここで無理したら命に関わるわよ。
と付け加えるのも忘れない。
まああんな無茶する人間に言っても無理であろうが
よくもまあとこんなんで平然としていたものだとしみじみ想う。
体を守る最低限の霊力まで殺ぎ落とされているのだ。
強制的に眠りにつかなければならないというのに、ゆうこは今まで平然と
少なくとも表向きは―していた。
シンクロしたときの横島が気になりそして誰かに伝えたかったかもしれない。
それでも、である。

「に、してもどおしよお」
ゆうこを眺めつつ夏子。
部屋まで運ばなければならないのだ。
意識を失った人間というものは案外重い。
夏子には、運べないというのは無いのだが、運んでる途中でゆうこの頭やら肩やら壁にぶつけそうで怖いのだ。
事実何回かぶつけた事がある。
「拙者が運べるでござるよ?」
力ならあるが
と夏子を見シロ。
ちなみに横島はまだ床につっぷしている。
……………誰からも相手にされていない。
本当にこのオトコは女性陣から好意を受けているのかものすごく疑問である。
「そうね、このまま床にいるのは可哀相だわ。運んであげないと」
眉を潜めおきぬ。
横島はかわいそうではないらしい。
「いや、でもなあ、お客さまにそんなんしてもらっても…」
うーんと唸り夏子。
どないしよおーとひとりごちる。
と。
「僕が運ぼうか?」
という声が振ってきた。
その声は低くオトコのものだとわかる。
涼やかなで聞き心地の良い声でありひどく好感のもてる声。
「え?」
その声に顔をあげる夏子。
ぱあああっと喜びが広がる。
「………嘘」
一方、一般人が幽霊を見た時のような表情で凍りつき美神。
おもいっきし腰がひけている。
その声の持ち主はにっこしと
そりゃもう胡散臭いほどの爽やかな笑顔で
「やあ」
と言った。
つづく

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