ザ・グレート・展開予測ショー

暴走デート結末


投稿者名:与作
投稿日時:(02/ 4/18)

ガチャッ!!

このドアの音が是ほどまで無気味に聞こえるのは生まれて初めてだと、後に横島は語ったという。ドアが開き、ゆっくりと階段を上ってくる数人の足音が強くなっていく。
横島の心臓の音も段々と強くなっていく。

美神「・・・あれっ、誰もいないの?」
おキヌ「たしか出かける前は隊長さんが居たような気がしましたが。」
美神「ったく〜。出かけるなら鍵閉めて出てってよね・・・。」

ここは仕事部屋、美神達はこの部屋にいる。横島とグーラーが隠れているのは廊下を挟んで隣の部屋だ。

グーラー「あれ? 誰か帰って来たの?」
横島「し〜っ!! 喋るな!」

美神・おキヌ・タマモは横島が隠れている事にまだ気づいていなかった。しかし、一名、とてつもなく嗅覚が優れたお方が怪しく鼻をクンクンさせる。

おキヌ「・・・どうしたのシロちゃん?」
シロ「・・・・・・・・クンクン・・・・・・・クンクン・・・」

しばらくの沈黙の後、シロは確信を持ってこう言った。

シロ「・・・先生、居るでござる。」
美神「えっ! 本当に?」
シロ「間違いないでござるよ。先生の匂い、まだ新しいでござる。」

この言葉を聞いたタマモの第六感が冴える。

タマモ「・・・うん、私もそんな気がしてきた。」
おキヌ「え、でもそんな気配はしないわよ。」
シロ「先生の事でござるから、気配を消して何処かに隠れているはずでござろう。」
タマモ「私の予想ではこの部屋じゃなさそう。」
美神「そうね、この部屋に隠れてるなら私でも気づきそうだし、」
おキヌ「一部屋ずつ探していきますか?」
美神「・・・そうね。手分けして探しましょう。私は玄関で待ってるから、見つけたら
   バレないように私に教えて。」
一同「ラジャー!!」

こうして、家主による家宅捜索が始まった。しかも玄関に大ボスが構えている。隙を突いて玄関から逃げる事が出来なくなった。シロは屋根裏部屋を、おキヌは自分の部屋を、そしてタマモは風呂・トイレを捜索。横島・グーラーは上記の場所には隠れておらず、別な部屋の戸棚の中に(無理して)隠れているのだった。だが、所詮は家の中。どう隠れてもシロにはバレてしまうのだった・・・。シロの足音がゆっくりと戸棚の方へ近づいてくる。何も知らない横島はもはや硬直状態だ。

横島「「た、たのむ〜!! 気づかず素通りして行ってくれ〜。」」

シロにとっては嫌でも気づく(嫌じゃないのだが・・・)。だが素通り。この事に横島は勘違いをしたのだった。シロだったという事もわからず。

横島「「ふ〜。助かった。俺がここに居ることにきづいてね〜な・・・」」

直ぐに情報が美神に届く。すかさず全員集合、

シロ「見つけたでござる。」
美神「よし!! バレてないわね?」
シロ「大丈夫でござるよ。」
おキヌ「一気にいきますか。」
美神「いいえ、私に作戦があるわ。ちょっと耳かして」

そして、

横島とグーラーが隠れている部屋に美神が入る。自分がバレてないと確信している横島は油断していた。その時、美神が思いもしない様な行動にでた!!

美神「はあ〜、なんか今日は疲れたな〜。風呂でも入ってゆっくりしよっと・・・」

と言って徐に服を脱ぎだす。戸棚を閉めている横島には見えない。

横島「「? 美神さんか?」」
美神「あ〜汗びっしょりだわ。しかも下着まで湿っぽい・・・」
横島「「!? し、下着〜!! 美神さん、ここで着替えてるのか!?」」

横島「「み、見たい!! 見たい!! 見たい!! 見たい!!」」
横島「「ああ、でもここを開けたらバレてしまう!!」」
横島「「でもっ!!」」
横島「「そ、そうだ、ちょっとだけ、ちょっとだけ開ければバレんかもしれん!!」」
横島「「そーっと、そーっと・・・」」

すーーーーーっ! ガラッ!!

横島「ぬわーーーーーーーーーーっ!!」

煩悩によって自分の腕が抑えきれなかったようだ。もちろん美神は服など脱いではいない。上手く騙されたというより、ただのマヌケだった。

美神「みーつーけーたーわーよ〜! 横島」

それと同時にシロ・おキヌ・タマモが部屋に入ってくる。

横島「ううう・・・かんにんや〜」

この時の美神の怖さはアシュタロスをも超えるほどだったと後に横島は語った。
だが、しばらくの間静かにしていたグーラーが喋りだす。

グーラー「あのさ〜、さっきから思ってたんだけど〜。あんた達はなんで横島とワタシを
     追いかけるの?」
美神「えっ?」
グーラー「なんか追いかける理由はあるの?」

この瞬間に立場が逆転した。

美神「そ、それは〜・・・。 ねっ、おキヌちゃん?」
おキヌ「えっ! そ、それはですね〜・・・。 シロちゃん?」
シロ「うっ・・・。それはでござる。その・・・なっ! タマモ!」
タマモ「油揚げよ!!」
一同「は?」

タマモ「だから、油揚げだって。横島を捕獲したら油揚げ貰えるのよ。」
美神「・・・・・そ、そうっ!! 油揚げよ!」
おキヌ「そ、そうですよ。油揚げもらえるから・・・ね。」

横島「そ、それじゃ・・・この騒ぎは・・・油揚げだけで・・・」

数分間沈黙が続いた・・・。ようやく冷静になったグーラーが話し出す。

グーラー「なんか・・・、冷めちゃったな〜。」
横島「え?」
グーラー「はぁ〜大人の恋愛がしたかったのに・・・」

だが、話は是で終わったわけでは無かったのだ。一同が立ちすくんでいると、階段を上って来る足音が聞こえる。

ガチャッ!!



西条「よっ! 令子ちゃん、元気してる?」

一同「・・・・・・・」

西条「あれ? どうしたの?」

美神・横島・おキヌ・シロ・タマモが無表情で立ちすくむ中、約一名がときめく!

グーラー「あっ!! な、なんてカッコいいお方〜」
一同「えっ?」
グーラー「やっと見つけたわ〜マイダーリンッ!!」
西条「え、ちょ、ちょっと君・・・。」

今度は西条がグーラーに連れていかれたのだった・・・。

美神「・・・・・・・・・・・。」
横島「あ、あの〜。 俺って一体・・・・。」





こうして、暴走デートは繰り返されるのであった。

めでたし めでたし(?)

−−−−終わり−−−−

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