ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・?129


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 6/10)

「ん?」
横島ととっくみあいの喧嘩をしていた夏子は(といっても横島がまがりもなにも一応の女性をぶん殴れるはずはなく一方的に夏子が攻撃し、横島が防戦しているといったほうがいいだろう←これがまた非常に見ごたえのある喧嘩である)
青年がひどく申し訳無さそうな顔で
「お楽しみのところ悪いんだけど―」
と夏子を呼ぶ。
というかなんというかこれがお楽しみなんだろうか?青年の感性もかなりおかしい。
「―全然ええけど?」
どしたんと青年を振り返りにこやかに夏子。
夏子にしても否定かなにかしてほしいものである。
「―ん。また、いつものごとく、君のねえさんがやっちゃって」
苦笑するように青年
「―そおですね」
その言葉にしみじみとかみ締めるようにおきぬは頷く。
「なんかもう、今日一日だけでもものすっごく無茶しそーな人ってことわかりますもん」
「―無茶っていうより無謀だわ」
おきぬの言葉に美神が冷静につっこみを入れる。
「………なんか嫌でござる」
だらだらと汗を流しつつシロ。
確かに、そんな人間嫌である。
「ま、そりゃそうだわな」
横島は、腕を組み納得したかのように呟く。
あの破天荒な性格では周りに被害が及ばない訳がない。
普段の横島ならば迷惑をかけられるほうに同情なりなんなりするものだが、相手がものすごく気に入らない(しかも、見目形がよい)やろーなのだ。
はっきり言っていい気味だとすら思える。
「―まあいつものことやしええけど?」
うちに言うってことは何か出来る事があるん?
と夏子は平然と言う。
ゆうこは苦笑する。
あんまりな言われようだとは想うのだが、事実である限り否定もできないのだ。
青年もすこしだけ疲れたように笑い―
「うん、なっちゃんにしか出来ないことがあるんだよ―愛しのはにーがこのままだと、魂と体が分離する事態に陥りそうなんだ」
と言った。
魂と体が分離する。
さらっと零れたその言葉の重要性―わからないわけがない。
もちろん言葉に一番最初に反応したのは―おきぬである
「分離って―っそれって死ぬって事じゃないですかっ」
紡がれた言葉は悲鳴に近いものだ。
「うん。そうだよね。なのに彼女ときたら、まったくどんどん力の無駄使いしてるし―それをフォローするのにどれだけ苦労してるか…」
口調こそ陰鬱そうだが、その表情は笑顔で本気で苦労しているのか疑問である。
「―ゆうねえっ!!!」
その言葉に横島はがばっとゆうこを振り返る。
魂が奇形化した原因―それは、身体に二つの魂をいれたからである。
身体には、元々一つの魂しか入らないようになっている。
できているといってもいい。
それに一つしかできないものに―ふたつ入ったとしたらどうなるか?
入れ物が壊れる。
元々ゆうこの魂を入れる『器』としての才能が人としてのぎりぎりの位置あるとしても
それでも限界というものがある。
ゆうこは魂がなくなったのならば大丈夫だと。
笑っていっていた。
申し訳なさそうに言う自分に―
なのに、それが嘘だというのだろうか?
ゆうこは横島と目が合うと―ふわりと笑いそして、両手をあわせ
「ごめん」
という。
それは至って軽い―ものであった。
つづく

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