ザ・グレート・展開予測ショー

魔女の過去 V


投稿者名:NGK
投稿日時:(02/ 4/28)

私は、あの忌まわしき出来事の後、魔女たちからの誘いもあって魔女協会へと向かった。
まぁ、向かったというより連れて行かれた、と言うのが正しいが。
そこで言われたことは魔女にならないかと言うものだった。
一瞬、戸惑ったが、すぐに魔女になる決心を固めた。
あの青い爪の魔女に対する復讐をする力が欲しい。
力が・・・・・・。

「先生・・・GS協会から連絡があってすぐに来るように・・・と」
「そう」
「・・・先生、怒りがわいてこないんですか・・・!?」
イギリスに来て早一週間。
二人に対して協会の指示は―――なにも無かった。
これでは西条でなくとも焦れる。
「まぁ、しょうがないんじゃない?」
美智恵の見るところ仕方が無いところがあった。
これ以上、突っ込んだ調査をすると魔女協会との関係が悪くなる恐れがある。
だから、なかなか・・・
「そういい男がプンプンしないほうがいいわよ。そのうちモテなくなるわよ」
「・・・興味がありません」
「そう?」
美智恵は、思案するような仕草をした後、
「私としては将来の婿にはいい男になってもらいたいんだけど」
「!?」
「冗談よ・・・ってそんなにビックリしなくても・・・」
「・・・先に行ってます」
バタン
「ふぅ・・・」
西条には冗談の通じる人間になってもらいたいのだが、まだそれはかなわないようだ。
「そんなに急がなくても・・・ねぇ」
だれに言うでもなく美智恵は呟いた。

「これで・・・!」
炎が立ち上る。
「・・・まさか、ここまでとは・・・な」
魔女協会の”長老”は呟いた。
魔鈴めぐみの魔女としての素質は、わずか二週間で完全に開花していた。
今、一対一の戦いに勝利したところである。
その魔女は”長老”直属の魔女ではないにしても決して弱くは無かったのだが。
「青い爪の魔女が標的にすることはある・・・」
「あなた・・・強いわね。将来名だたる魔女になるわよ」
「将来の事なんかどうでもいい」
魔鈴はそう吐き捨てると魔女を一瞥することなく去っていった。
「惜しいのは、その精神か」
闇に染まりすぎている。

「もっと・・・もっと力が欲しい・・・!」
復讐するための。
自分を助けた魔女たちも返り討ちに遭った。
生半可な実力では―――かなわない。
「そう・・・魔鈴めぐみって言うの・・・」
魔女は少女にやさしく言った。
少女にとってこの日は大切な日だった。
十五歳の誕生日。
仕事で多忙な両親が私のために誕生日を祝ってくれる。
―――筈だった。
少女は涙がボロボロと出てくるのを抑え切れなかった。
魔女は少女の涙を拭くと言った。
「安心して。あなたの両親の仇をとって見せるから・・・」
だが魔女は敗れた。
だからもっと強く・・・
そのためには・・・
魔鈴の目が薄く光った。

「では、魔女協会に向かってよろしいのですか?」
「そうだ。魔女協会からの許可が出た」
「私で―――よろしいのですか」
「あまり他のものには任せられまい?」
その言葉に美智恵は微笑を浮かべた。
「この一件が成功したら・・・例の一事、頼みますよ」
「よかろう。元々そのことは計画されていたからな。長官にはお前がなるといい」
・・・・・・
「あら?西条君?」
ロビーに戻ると西条は―――眠りについていた。
「ま、しょうがないか。この数日眠ってなかったしね」
可愛い弟子に体を壊されても困るしね。
「今は、ゆっくりとオヤスミ・・・」
西条の寝顔は先ほどまでの顔と違い、安らかだった。

ズキン
手首の傷が―――痛む。
「はぁ・・・はぁ・・・」
魔鈴は手のひらを目標に向ける。
「―――!!」
バシューン!
すさまじい規模の光線が手のひらから放たれる。
「よし・・・」
生命を魔力に転化したらこれだけの光線が出せる。
「これなら・・・」
大きな武器になる。
「これ以上ここにいても復讐は果たせない・・・」
だが、ここの魔女たちが易々と許可をもらえるだろうか。
魔鈴は思案つかなかった。


―――続く―――

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