ザ・グレート・展開予測ショー

ANOTHER WAY!!(6)


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(02/11/ 7)

オキヌちゃんが再び奏でだした歌は一層美しくあたりに響き渡った。



♪He wander in dark way・・・・
 (彼は薄暗い道をさまよい歩いている・・・・)



「な!なんだこの歌は!?
 私のバリアに干渉できるものが存在するとでもいうのか!?」

アシュタロスがあわてて歌の発生源を探し始めた。

この声はオキヌちゃんか!?
オキヌちゃんの歌声のおかげでアシュタロスのバリアが変形をおこしている。

・・・まずいな。
アシュタロスがこのことに気がつけば間違い無くオキヌちゃんを狙うだろう。
・・・・・それだけはさせない!!
もう大切な誰かを失うのは十分なんだよ!!!!

俺はできる限りの霊力を霊波刀にそそぎこんで
長さ数メートルはあるという巨大な霊波刀を作り上げた。
そしてそのままヤツにむかって斬りかかろうとしたが・・・・・

ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛

ダメだ!!
いくらヤツのバリアが弱まったとはいえ、
俺の攻撃は吸い込まれてしまう!
あのバリアに何か決定的な弱点でもない限りは・・・・



♪He must go hull ahead and never stop.
 (全力で突き進むことしかできない、決して立ち止まることはできないのだから。)



アシュタロスは不敵な笑みを浮かべて言葉をかけてきた。

「クックックック・・・・
 この歌声はオキヌとかいう小娘のものか。
 貴様が私の考えを読めるように私も貴様の考えを読めるのだったな!!」

しまった!!
アシュタロスは俺の考えを読めるんだった!

ヤツの腕から無数の霊波砲が東京に向かって発射される。

俺は巨大なサイキック・ソーサーを作り出してそれを受け止めた。
だが、数が多すぎる!
前回は文珠の力で攻撃をかわしたが今回は文珠がジャミングされているのだ。

ぐああああ!!

ついに、サイキック・ソーサーは破れ
十数発かの霊波砲がオキヌちゃんに向かって飛んでいった。

くそっ!
俺は急いで、霊波砲を追いかけた。
東京湾アクアラインに張られた結界のおかげで何発かは防げるだろうが
全部はとてもじゃないが無理だ。

結界とやつの放った霊波砲がぶつかりあってバチバチと音を立てている。
隊長が張った結界、かなり頑張っているな・・・
それともアシュタロスのやつが弱ってきているのか?

いずれにせよ間に合った!!
俺はオキヌちゃんのすぐ前に立って
霊波刀で次々とやつの放った霊波砲を切り裂いていった。



♪The another man walk in deep blue and
 never stop.
 (そして、深い海の底を歩く男がもう一人、
彼も立ち止まることはできないのだから。)



「くっ、どこまで私の邪魔をすれば気が済むのいうのだ!!??
 だが、いくら貴様でもこれすべては防げまい!!」

アシュタロスの左腕から数十発の霊波の槍が放たれた。
しかもそれらは俺・・・というより後ろにいるオキヌちゃんを囲むようにして
四方八方から襲いかかってきた。

全部を防ぐのは不可能だ!
だけどオキヌちゃんに一発たりとも当てるわけにはいかない!!
俺は大きなサイキック・ソーサーを張り合わせた正十二面体で
俺達を包み、オキヌちゃんに覆い被さるようにしてオキヌちゃんをかばった。

ズガガガガガ!!

アシュタロスが放った霊波の槍が俺のサイキック・ソーサーを破って
俺の背中に突き刺さる。

グッ・・・
いくらヤツが弱ってきてるとはいえ、ここへきて
このダメージは大きい。
一刻も早くヤツのバリアを攻略しなければ・・・・!!

ヒャクメ様は攻略の糸口を探っている。

(おかしいのね・・・・
 いくらオキヌちゃんの能力がすごいといっても
 アシュタロスのバリアを破ることはまず無理なのね。
 それなのに、アシュタロスは執拗にオキヌちゃんに攻撃を加えている・・・・
 絶対に何か秘密があるはずなのね!!
 その秘密、絶対にあばいてみせるのね!!)



♪The two men will cross the way and 
crash for their sprits.
 (二人の男の道は次第に交わりあい、その信念ゆえに彼等はぶつかりあうでしょう。)



俺は抱きしめたオキヌちゃんの体に霊力がほとんど残ってないことに気がついた。

オキヌちゃん・・・もう限界じゃないか。
俺はまた同じ過ちをするところだったのか!?
ルシオラを失い、今度はオキヌちゃんを失うつもりなのか!?

『オキヌちゃん、もう止めるんだ!!』

俺はその言葉を叫ぼうとしたが・・・・やっぱりその言葉を飲みこんだ。

懸命に歌い続けるオキヌちゃんの眼から
オキヌちゃんの決意が伝わってきたからだ。

俺はさっきの言葉の代わりに『救』『命』の文珠を渡してこう言った。

「オキヌちゃん、一つだけ約束してくれ!!
 ・・・・死なないでくれ。
 この場は任せたよ!」

俺はそう言って、再びアシュタロスのもとに向かった。

「『任せた』か・・・・
 この状況でオキヌちゃんを心の底から信頼してなきゃ言えない台詞ね。
 私なら言えなかったかもね・・・・」

美神さんのつぶやきに隊長がすぐさま答えた。

「嘘おっしゃい!!
 気づいてたんでしょ、彼女の決意に。
 ならあなたも言ってるわよ。『この場は任せたわ!!』ってね。」

オキヌちゃんは俺の文珠を握り締めながら
笑顔で一層美しく、大きな声で歌声を木霊させた。



♪Why cannot take ANOTHER WAY?
 (他の道を選ぶことはできないの?)




一層、アシュタロスのバリアにかかる波紋のような干渉波形が大きくなる。

!!!!!!

この瞬間、ヒャクメ様が大きな声で叫んだ!

「見つけたのねーーー!!!
 アシュタロスの腰の後ろの部分のバリアが干渉波形を描いていないのね。
 おそらく、アシュタロスのバリアは全身を覆いきれていないのね。
 その部分に穴が在るはずなのね!!」

だがアシュタロスは余裕を崩さない。
そして一言ボソリと言った。

「3・・・・」

3?
何の事だ?
アシュタロスの余裕の理由も気になる・・・・

「2・・・・」

カウントダウンか!?

しまった!!
もう時間が無い!!

俺は急いでバリアの欠落個所から進入しようとするが
逆にカウンターを受けてしまい、大きく吹き飛ばされてしまった。

「1・・・・
 横島といったな。
 こんな形で終わるのは私としても不本意だが、
最後に宇宙も私に味方したということだろう。
 時間切れだ。最後に勝ったのは私のようだな!!」

「0!!」

アシュタロスのカウントダウンが終わると同時に文珠の効果が切れ、
俺の肉体が崩壊しだした。

うぐああああぁぁ!!



♪I really hope you won’t lost anything.
 (あなたには何も失ってほしくないのだから。)



「ヨコシマ!!??
 私が一時的にヨコシマの中に入るわ!!
 数分なら肉体の崩壊を食い止めれるはず・・・・
 もしそのままヨコシマの肉体が崩壊すれば
 私も一緒に消滅するけど、ホレた男と死ぬのも悪くないわね!!」

ルシオラが一つの決意とともにこう言ったのを
俺は薄れゆく意識の中で聞いていた・・・・



♪I wish this war will be
 the last war・・・・・
 (願わくばこの戦いが最期の戦いであらんことを・・・・)




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