ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(25)


投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 1/14)

「ふうっ……学校か……久しぶりだな……」
 俺は校舎を見ながら言う。
「久しぶりって……二日前に来たばっかりじゃないか……」
「よっぽどGSの助手って暇なんだな……」
「助手って言ったってただの使いっぱしりでしょ!」
 ……生徒ABC、煩いぞ………せっかくかっこ良く決めて登校しようとしたのに………
「「「誰が生徒ABCだ(よ)!!」」」
 なに!俺の考えていることが読めるのか?まさかこいつらエスパー!?
「おい横島……考えてる事が口に出てるぞ……」
 ……ぐはぁ!やってしまった!
「……ところで横島!お前の上司ってかなり綺麗な女性って本当か?」
 生徒B……俺の後ろの席の奴が聞いてきた。
「ああ……そうだけど……」
 俺が言った瞬間、登校していた学校の男達が何故か寄ってくる。
「本当か横島!!」
「だから本当だって、箱入りのお嬢様みたいな人なんだけどね。そのお嬢様と一緒に数々の冒険を潜り抜け、巨額の金を稼ぎまくるゴージャスな仕事なのさ!」
 まあその分危険な事が沢山あるし、書類を書かなきゃいけないし、式神の散歩もさせないといけないし……やることがいっぱいあるな……
「……とまあこんな訳で、君達とは住む世界が違うのさ!」
「くうう!羨ましい!男のロマンだなーー……」
 一回やってみろ、多分1日も持たんぞ……冥子さんの場合はプッツンでお終いだろうけど……
 キーンコーンカーンコーン!!
 あ!やばい、もう予鈴がなってるじゃないか!
 俺は妄想している男達を置いて、さっさと学校の中に入った。
「あれ?なんで俺の机だけこんな古いのに変わってるんだ?」
「あれ?ホントだ」
「こーいうの『イジメ』ってゆーんじゃない?」
 俺にイジメをするとは……あとで呪いをかけてやろう。
 それにしても、何か引っ掛かるような……このシーンどっかであったかな?
「しかし、古い机だな……どっから持ってきたんだこんなの……」
 俺が机の中を覗き込むと、目が二つ見えた。
 しまった!これってまさか!!
「どわああああーー!!!」
 気づいた時には遅かった……俺は机の中から出た手に掴まれて、机の中に引きずり込まれた。



「……と言う訳で、机に食われた横島はお宅の関係者でもあることですし……ここは一つ救助を依頼しようと思いまして……」
 禿げ頭メガネの校長が言う。
「横島さんって〜〜とことんモノノケと縁のある人ね〜〜」
「はあ……」
 おキヌちゃんがため息をつく。
「報酬+口止め料として100万払いますので、どうかよろしくお願いします」
「分かりましたわ〜〜まかせてください〜〜」
 自身たっぷりに冥子さんは言うが……本当に大丈夫か?



「うっ……ここは……どうやら異界空間みたいだな……」
 俺は誰もいない教室にいた。外を見ると荒野が広がっており、人間が住む場所じゃない……どうやら俺は愛子の腹の中に来てしまったみたいだ……まあいいや、何とかなるでしょう……
「その通りよ。あの机は妖怪が変化したものだったのよ。ここは化け物腹の中……もう外へは出られないわ」
 俺の後ろに愛子が立っていた。
「へえ……」
 俺は愛子をジト目で見る。
「な、何よ……」
「別にー……」
「……」
「……」
 しばらく睨み合いが続く。
「何をしてるんだ委員長?おや?そこにいるのは新入生のようだね」
「た、高松君!ええ、そうよ。え〜と、あなた!仲間を紹介するからついて来なさい」
 ちっ!もう少しで睨み負かせることができたのに……(意味ありません)
 俺は愛子達について行った。
「ここから脱出不可能だから、我々は力を合わせこの不毛の学園をよりよい場所にしようと頑張っている!」
 そして高松と呼ばれた人の良さそうな男は教室のドアを開ける。すると中には一クラス分の人数が集まっていた。
「おおっ新入生だねっ!」
「仲良くしよーなっ!」
「歓迎するわっ!」
「ああ、よろしく……」
 俺はやる気なく返事する。
「それでは、みんな席について。これより第11025回ホームルームを始めます!議題は『新入生、横島忠夫君の歓迎および自己紹介と、よりよい学園を目指して』ですっ!」
「待たんかいお前等!そんな暇あったら外へ出ようと思わんのか!」
 無駄なのに思わずつっこみいれてしまう俺。
「横島君!あなたは学園生活のルール、意見がある人は手をあげても守れないの?」
「はい……」
 俺は力無く手を上げる。
「はい、横島君!」
「待たんかいお前等、そんな暇があったら外へ出ようと思わんのか……」
 もう言葉が棒読み状態になってます。
「外に出る方法なんか、あればとっくにそーしてるわ。私たちが何年ここにいると思うの?」
 32年だろ……まああんたは別に閉じ込められてるんじゃなくて閉じ込めてる張本人なんだけどね……
 俺はため息をついて席に座った。



「なに!机がない!?そんなバカな!!誰かが持ち出したんじゃないのか!?」
「そ、そんなはずは……1分前まで確かにそこに……」
 教師と校長が慌ててる。
「ありませんね〜〜どうしましょう〜〜」
 冥子さんが困っていると……
「あ……あれが横島の……!?」
「か、可愛いー!」
「横島でいーなら俺だって……!!」
 なんか野獣の群れが咆えてます。
 そして野獣の群れ達はボルテージが最高潮に上がり。
「お嬢様!!」
「ペットにしてくださいっ!!」
「おそばで使ってくださいーっ!!」
 と冥子に迫ってくる。バカな奴等……
「あ〜〜そんなことなさっては〜〜霊の気配でこのコたち殺気だってるんで〜〜危ないですよ〜〜」
「「「うぎゃああああ!!!」」」 
 冥子さんが注意する前にもう式神達は出て生徒達に攻撃してる。
「自業自得と言いたいが、少しやり過ぎでは……」
 教師も呆れてる……
「あ!冥子さん!上に妖怪が!!」
 その時おキヌちゃんが気づくが遅かった。
「え!?」
 あっという間に冥子さんは机の中に入ってしまった。

今までの コメント:
[ 前の展開予想へ ] [ 次の展開予想へ ] [ 戻る ]
管理運営:GTY有志
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa