ザ・グレート・展開予測ショー

ネクロマンサーとGS試験・4


投稿者名:kort
投稿日時:(02/ 7/ 6)

「……と、いうわけなんです。」
おキヌは美神の表情を少し窺いながら、話をそう締めくくった。
隣に座っている横島が、「はるほろは〜(なるほどな〜)」と
言いながらご飯をかきこんでいる。
そのまた隣にいるシロは、今ひとつ分かっていないような表情
をしながらチンジャオロースを取り皿に盛り、
タマモは「特にコメントはない」という顔で油げのお味噌汁を
すすった。

そして、美神。
ちょうどおキヌの真正面に座る彼女は、「考えたわねー。」と
呟き、きんぴらごぼうを咀嚼する。
おキヌは、彼女の考えをはかりかねて、ちょっと困った顔を
した。


土曜日の昼、美神除霊事務所の昼食風景である。
私立六道女学院は週休二日制だ。
おキヌが学校で「GS試験」の話をしてからちょうど丸一日が
たった。
彼女が話していたのは、まさに昨日話題になった「GS試験」
のこと。もっと正確に言えば、弓が試験を受けること、その
理由、そして、自分も受けてみたい、という希望。それらに
ついて話したのである。

GS試験というもの、受けるか受けないかを決めるのは基本的
に自分自身、なのだが、慣例というか習慣として、最終的には
師匠や見習先の上司の許可がいるのである。
もちろん独学の人にはそんな存在はいないし、規則ではないから
それに関する書類提出などもない。
だが、GS試験というのは先にも言ったとおりそれなりに危険
な試験なのである。ある程度の実力が伴わない人間の受けていい
試験ではないのだ。つまり、自分の力がその程度まで達したか
どうか、それを尋ねるのが「許可をとる」ことの理由なのだ。

「短期実力上昇のためかー。」
お茶をくーっと飲んで横島が言う。
「そういやピートもあの試験で吹っ切れてたしなぁ。」
そして木しゃもじを取ると、自分でご飯のお代りをついだ。
余談だが、炊飯器はおキヌと横島の間に置かれている。

「あ、そうでしたよね。」
その話を思い出したおキヌが頷く。
「それに、受けといた方が色々いーよな。
落ちたとしても雰囲気に慣れるし。」
「そうそう、そうですよね!」
横島の言葉にうんうん頷くおキヌ。
「だったら拙者も受けたいでござるよ!
ピート殿が受けたんだったら、人狼だって受けても良いので
ござろう?」
「そりゃ大丈夫だろ。ですよね美神さん?」

「……シロはいいけど、おキヌちゃんは駄目よ。」
あとそんな気はさらさらないだろーけど、タマモも駄目。と
続ける美神に、おキヌは持っていた御飯茶碗を食卓に戻した。

「……いい、おキヌちゃん。あんたはネクロマンサーよ。
現行のGS試験では、ネクロマンサーは試験免除で資格を
取ることができるわ。」
「…でも、『免除』なんですから、受けても――、」
おキヌの台詞を、タマモの声がさえぎった。「質問。」

「なに?」
空になったお味噌汁のお椀を置いて、タマモが口を開く。
「ネクロマンサーっていうのは、対人として有効なの?」
「…タイ人?」と妙な反応をする横島の隣でおキヌがはっと
した。その表情の変化に美神が「そういうことよ」と言う。

「…先生、どーいうことでござる?」
「さぁ…?よく分からん。」
シリアスな雰囲気の中、ちょっとだけ取り残される師弟であった。

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