ザ・グレート・展開予測ショー

狐と少年の日常。


投稿者名:NAVA
投稿日時:(03/ 1/ 7)





とある国。
とある土地。
とある時。

とある狐がおりました。
狐はとっても人が嫌い。
昔から人は狐を苛めていたのです。


その狐がとある少年と知り合い、少しずつ人に優しくなれる。




これはそんなお話。










あ、これは『狐と少年。』の続編なんで、そこんところヨロシク。











―――――――― 狐と少年の日常。 ――――――――














「横島タマモ。・・・よろしく」





ぶっきらぼうなお姉ちゃん。
好きで来てるわけじゃない。
人を知らなきゃ駄目だから。
狐とバレては駄目だから。
バレないために勉強してね。
人を知るため勉強してね。

一生懸命応援するから。
一生懸命手伝うから。




「それにしても横っちの従姉妹やって?
 知らんかったわー」


「親の都合やってさ。
 うちに住むことになっとる」


「ほな、どこから転校して来たん?
 自己紹介短すぎてわからんわー」


「遠いところからやってー。
 こっちも良うわからんわ」




そこでそっと耳打ち。



「あの狐・・・どうなったん?」
「怪我を手当てして逃がしてやったわ」



ズキリ


初めての嘘。
ちょっとだけ胸が痛い。















それはちょっとだけ前のお話。


「学校って・・・何?」

狐が狐につままれた顔。

「んー。
 色んなことを学ぶ場所・・・かな。
 人間社会の一般常識。
 お友達の作り方。
 遊び方。
 タマモちゃんは悪霊退治の人達に狙われてるんでしょ?
 だったら人間社会のことも学ばなきゃね♪」

「大丈夫さ!!俺達に任せな!!
 悪いようにはしない。
 その代わり、忠夫のこと頼むぞ?
 お姉ちゃん?!」


お姉ちゃん。
それは人の絆。
家族の絆。

孤独な狐が許された絆。



「分かった・・・お願い」



「ああ、そうだ、忠夫をお風呂に入れてやってくれないかい?
 私よりもタマモちゃんの言うことを聞くからね」

「うん」










「忠夫?お風呂!」

「えー?
 面倒やから今度でええわー」

「だーめ。
 ほら行くよ」

狐に襟首掴まれて。
辿り着くはユニットバス。

狐はお風呂が嫌いじゃない。
お風呂上りも嫌いじゃない。
狐の毛並みはいつも綺麗。
狐の毛皮は良い匂い。



「ほらっ!
 きちんと湯船につかる!
 掛け算の九九を全部暗誦するまで漬かりなさい!!」


「へいへーい」


少年の入浴は狐の仕事。


「目を瞑る!
 このしゃんぷうってのが目に入るよ!」


「へーい」


狐は一日二度入る。


「背中向けて。
 痒いところは?」


「んー、特にない」


最初は一人、二度目は二人。


「ちゃんと温まる!」

「姉ちゃ〜ん。
 ちょっと狭いよ・・・」

「仕方ないじゃない。
 元々一人用の奴に二人で入ってるんだから」


少年も実はお年頃。
姉の裸はちょっと恥ずかしい。
姉の裸はちょっと嬉しい。


「何照れてるのよ?
 子供のくせに」


少年に苦笑する狐。
指摘されて赤面する少年。


「せやかて・・・」



ギュッ



狐が抱きつく少年に。
後ろから抱きつく少年に。


「嫌?
 私のこと嫌い?」

「そ、そんなことあるわけないやん?!!」


慌てて振り返る少年。
目に写るのは絶世の美少女(14歳)。
少年にとっては大好きなお姉ちゃん。


「そ。
 じゃあ問題ナシ。
 ♪〜〜」


大好きな少年、大好きな家族。
失うことを狐は恐れる。
嫌われることを狐は恐れる。

初めて見つけた絆だから。
初めて手にした平穏だから。











「忠夫」

「ん?おとん?」

「タマモちゃんの身体・・・どうだった?」

「・・・ピンクやった」























とある時。
とある場所。
とある人々。



「おかしいわ。
 これだけ探しても見つからないなんて・・・」

「既に逃げられた可能性が大きいですね」

「ありえないわ。
 私の張った結界を力ずくで破った形跡があったもの。
 あの九尾の狐とて無傷なはずないわ」

「しかし現に姿が見えない」

「・・・誰かが手を貸したとしたら?」

「仲間を疑うのかい?」

「違うわ。
 妖狐の血痕が残っていた場所に子供の足跡が二種類あったってことよ」

「無関係とは言えなくなったね・・・」

「上の連中が騒ぐように害を及ぼす妖怪ではないけれど・・・。
 子供にとり憑いているようなら、容赦はしません!」

「では探してみましょう。
 幸い、小学生が遠足に来てたのが分かってますから」













「ひぃぃぃぃぃいいいいいいい!
 堪忍してくれ百合子――――!!!
 娘の!大事な娘の発育を確認してただけだ――――!!」

「こんのロリコン親父が――――!!!!!」





「忠夫?
 アレは何してんの?」

「いつものことやから気にせんといて」
















続く可能性大・・・カナ?




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