ザ・グレート・展開予測ショー

共に歩むヒト〜9


投稿者名:ぴろしき
投稿日時:(02/ 7/ 2)

横島のいる部屋の前まで来た3人

障子に手を掛けようとして止まってしまった小龍姫

その後ろでつられたように動かないヒャクメ

「・・・なんで入らないでちゅか?」

小さく言葉をかけたが、そのまま立ち尽くすパピリオ

静かになっていく叫びを聞きながら

部屋に入る事は出来なかった

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          共に歩むヒト   9
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陽が沈み、明かりを点けない部屋は暗くなっていた

そばに気配を感じる

誰かの前でなんて考えてなかった

(らしくないよな・・・)
「悪いな・・・」

『俺らしく』・・・そう思いながらいた


「なんか話したい事があったんだけど・・・」


「いいや・・・別に」


「終わった事だよな・・・」

返事を期待しているわけでもないが、ベスパからは何も返ってこない







「・・・お前は・・・終わってないんだろ・・・」

不意に掛かる言葉に顔を向ける・・・表情は見えない

「・・・まだ」

暗さに慣れてきた目が、ベスパの瞳を見つける

(まだ・・・終わって・・・)
「ああ、そうだな・・・俺は・・・」

今まで考えていた事を思い浮かべる

『ナニか』を知りたい

『ナニか』を手に入れたい

悲しむ為に考えていたわけじゃない

もしかしたら・・・『アイツ』と・・・





「ありがとな」
多分、俺の呟きはベスパに聞こえていないだろう

「ベスパ・・・お前は?」

「・・・べつに無いさ・・・話す事も・・・なにも」

「そうだな」

俺の返事に、今度はベスパが瞳を向けてくれた

「無いだろ・・・無事なら・・・」

「・・・ふっ」
ベスパの表情が柔らかくなる





「よっと・・・遅れると厳しいんだよな、あそこは」
表情を戻し、立ち上がりながら独り言のように言う

「もう戻るのか?・・・パピリオには?」

「挨拶ぐらいするさ。それに・・・そこにいるからな」
言いながら俺の後ろを指す

「へ?」

慌てて振り向くと部屋の入り口・・・
ベスパはそのまま俺の横をすり抜け障子を開ける

(ガラッ)
「「「え!?」」」

驚いたような顔をした3人が並んでいた

「用事は済んだんで、それじゃ」

「「「えっ・・・」」」

「パピリオ・・・またな」

「・・・ベスパちゃん」

「じゃあな、ヨコシマ」

パピリオを見るベスパの表情に気を取られ、帰って行くベスパの後姿をただ見送ってしまった






暫くして我に返った俺は3人に話し掛けようとしたが

「・・・ヨコチマ」

先にパピリオの元気の無い声が聞こえてきた

(ん?・・・随分、心配させたみたいだな)
「大丈夫・・・平気だよ、俺は」
パピリオの頭に手を乗せながら話し掛ける。

パピリオは暫く俯いていたが、いきなり顔を上げ
「ゲ、ゲームするでちゅよ・・・パピリオと一緒にゲームするでちゅ!」
元気な笑顔を見せてくれた
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読んで頂き有り難う御座いますm(_ _)m

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