ザ・グレート・展開予測ショー

シロの・・・(2)


投稿者名:ゲン
投稿日時:(03/ 1/19)

「・・・あ・・・兄上ぇぇぇ!?」
「「「「・・・え・・・?・・・えええぇぇぇ!!」」」」

シロの・・・(第2話)

「・・・兄上って・・・」
「もしかして・・・」
「シロの・・・」
「お兄・・・さん?」
4人が順々に言う・ちなみに上から美神、タマモ、横島、おキヌちゃんの順である
その言葉の対象は先ほどシロに兄上と呼ばれた青年・・・宗司である
宗司の髪は白髪の短髪で、上下ともに黒を基調としている服を着ており、その上に白いコートをまとい、銀のアクセサリーをいくつか身につけている
結構美形で、大人っぽい・・・というか、落ち着いた雰囲気がある・・・少々ボーっとしているようにも見えるが・・・
「・・・えっと・・・とりあえず上がってください。立ち話もなんですから」
おキヌちゃんの提案に宗司もうなずくと事務所の中へと入っていった

宗司を含む6人はテーブルを囲む形にして座っていた
テーブルの上にはおキヌちゃんが入れた紅茶がある
「・・・え〜と・・・はじめまして、犬川宗司です」
宗司が自己紹介をする
「ヘ〜犬川・・・えっ?」
「「「「犬川?」」」」
4人が疑問の声をあげる
「?・・・そうですけど・・・何か・・・?」
宗司が、何かおかしなことでも?っといった具合に聞き返す
「でも・・・さっきシロが『兄上』って・・・」
横島が代表して言う
「?・・・そうですけど・・・!ああ・・・昔からシロにそう呼ばれてたし・・・もう俺の中でも「俺とシロは兄弟」って感じになってるから・・・もう違和感ない・・・」
「兄上とは家が隣同士だったんでござるよ。それで小さいころからずっと一緒に遊んでて、いつも拙者のことを妹みたいに心配してくれてたんでござる。それでいつからか拙者も兄上って呼ぶようになったんでござる」
宗司とシロが説明すると4人も納得する
「あの・・・なんでそんなに銀のアクセサリーをつけてるんですか?」
おキヌちゃんがたずねる
「ん・・・これ?・・・銀には魔力がこもってるから・・・これで自分の霊力を増幅してる・・・そうすれば昼も人間形態でいれるし・・・」
「ふ〜ん、でも昼でも人間形態でいられるんだったら何で昼のうちに来なかったの?」
宗司の説明を聞いて美神がたずねる
「ああ・・・こっちで就職してて・・・仕事があったから・・・」
ガタッ
「兄上、人狼の里からおりて就職してたんでござるか!?」
宗司の言葉を聞いて、シロが椅子から立ち驚きの言葉を発する
「うん・・・シロがこっちに来た後、長老が・・・『これからは少しずつ人間たちとも交友を持っていかねばならんだろう』・・って・・・それで俺と他に9人が代表になって人間界におりたんだよ・・・それで俺は3ヶ月ぐらい前に就職した・・・言ってなかったっけ?」
「そんなの初耳でござるよ・・・第一!兄上はぜんぜん拙者に手紙を送ってないでござる!」
「・・・そうだっけ?」
「そうでござるよ!」
「・・・まぁいいや」
ズルッ×5
宗司の言葉に5人がこける
「はぁ、相変わらずでござるな、兄上・・・ところで、どうして急に訪ねてきたんでござるか?」
「ん?・・・長老から手紙が届いて・・・シロと美神さんに手紙を渡してくれって・・・」
「?手紙なら直接送ればいいのに・・・なんででござるか?」
シロが宗司の言葉を聞き、疑問の言葉を放つ
「シロの方は別にいいけど・・・美神さんのほうは第三者がその場にいないと送った手紙をなかったことにされる可能性があるからって・・・」
ギクッ
「い、いやぁねぇ、そんなことするわけないじゃない(汗)」
心当たりがあるのか美神汗をかきながら否定する
「・・・とりあえず・・・はい、これです」
宗司が懐から2通の手紙を取り出し、シロと美神に手渡す
ビリビリ×2
シロと美神が手紙を開ける
シロは声を出しながら手紙を読む
「え〜と何々・・・
『シロへ

元気にしているか?ちゃんと修行はしておるだろうな?
・・・今回この手紙を送ったのは他でもない。犬塚・・・お前の父上のことでじゃ。
おぬしも覚えておると思うが、犬飼に犬塚が・・・殺されてからもうすぐ1年になる。
あの時はどたばたしていてちゃんと葬式をしてやれんかったからな・・・1周忌になる○月×日に法事をやろうと思う・・・葬式もかねてな・・・
そういうわけじゃからできれば事務所の人全員に来てもらえれば良いと思う・・・犬塚にお前が世話になっとる人を紹介したいからの
法事は朝から行う予定じゃから前日には里に来るようにな

                                   長老より』
・・・そうか・・・もう一年も経つんでござるな・・・」
シロが少々落ち込みながら言う
「「「シロ(ちゃん)・・・」」」
「えっと・・・そういうわけでござるが・・・来てくれるでござるか?」
シロがたずねる
「シロちゃん、そんなの聞くまでもないわよ・・・みんな行くわよ。大切な・・・事務所の仲間なんだから・・・」
おキヌちゃんが優しく言う
「そういうこと、お前は大切な俺の弟子なんだからな」
「人狼の里って所にも興味あるしね」
横島、タマモもおキヌにつづく
「・・・ありがとう・・・本当に・・・ありがとうでござる」
シロがぽろぽろ泣きながらお礼を言う
「ないてどうするのよシロちゃん・・・「ありがとう」って言うときは笑ってなきゃ・・・ね?」
「・・・そうでござるな・・・」
シロが涙をぬぐう
「父上のことを思い出したら、つい涙が出てきてしまったでござるよ・・・「ありがとう」を言うときは笑顔でいないといけないでござるな・・・でも・・・本当にありがとうでござる」
シロがもう一度「ありがとう」を言う・・・今度は笑顔で・・・
(拙者は本当にいい仲間を持ったでござるな)
シロは本当に心からそう思っていた
「・・・で、いつだって言ったっけ?法事の日?」
「え?え〜と・・・○月×日でござる」
横島の問いにシロが答える
「・・・○月×日?・・・今日は○月(×−2)日だぞ・・・」
「「「・・・え?・・・」」」
「・・・兄上・・・普通こういう手紙はもっと早く持って来る物ではござらんか?」
「ん・・・手紙もらったのは1週間前だったんだけど・・・」
「だけど?」
「・・・今朝まで忘れてた・・・」
「「「「・・・・・・」」」」
「明日の朝早くから行けば大丈夫だよ・・・」
超絶ボケボケ男宗司!・・・彼には誰も勝てないのかもしれない・・・

つづく

おまけ
美神への手紙
『美神殿へ
金山のことで話したいことがありますので○月×日に里に来てください
言っておきますが来ないということは出来ませんぞ、他の皆さんはおそらく来られるでしょうから・・・お会いできる日を楽しみにしております
                           長老より』
「・・・あの爺!なかなかやってくれるじゃないの!・・・それにしても金山のことって・・・あのこと?・・・それとも・・・」
「美神さん・・・一体何をしたんですか?」
横島の言葉は三神の耳には届かなかった・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
・・・というわけで・・・宗司は本当の兄上ではありません・・・
なんか皆さん本当の兄上だと思われてしまったようで・・・ごめんなさい
ちゃんと記載しとけばよかったですね

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