ザ・グレート・展開予測ショー

#新歓企画『対決!!』Ver:姫桜(美神令子除霊事務所VSXXXX)


投稿者名:姫桜
投稿日時:(02/ 8/ 9)

良く晴れた昼下がり・・・。平和な時が流れる美神令子除霊事務所・・・かと思ったが・・・。
ドドドドドド!!!!!!
「待つでござるよっ!!このっ!!!」
狼少女のシロが事務所の中を走り回っていた。
「待て!!シロ!!暴れたらまた美神さんの機嫌が悪くなるだろっ!!!」
その後ろをバンダナを巻いた、決してかっこいいとは言えない男の子・・・横島忠男がシロを追い掛け回している。
「あっ!!!この隙間に!!卑怯でござるよっ!!正々堂々と勝負するでござるっ!!」
シロは、本棚の隙間に手を突っ込んでもがいている。
「シロ!!お願いだからやめてくれっ!!な?散歩連れてってやるから!」
横島は、シロの行動を必死で止めようとしている。
「散歩はこの決戦が終わったあとでござるっ!武士は戦いを途中で投げ出す事なんて出来ないでござるよっ!!」
シロはすごい形相で横島を睨んだ。その時!!
「うるっさいわねぇ〜〜〜!!!人がせっかく気持ちよく昼寝してるってのにぃ〜〜〜!!!!」
勢い良くドアが開き、髪の長いナイスバディーの事務所所長、美神令子が鬱陶しそうな顔で怒鳴った。
「あっ!!!!!!!!」
ドアが開いた振動で、本棚の隙間に潜り込んでいたシロの天敵・・・黒光りしている大きなゴキブリが勢い良く飛び出した。
「き・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
事務所の中には、美神のけたたましい叫び声が響いた。
「横島!!!横島くんっ!!!!早く何とかしてぇ〜〜〜〜〜!!!!」
そう言って、半泣き状態の美神はドアの影に隠れた。
「そんなこと言ったって、美神さん!!シロが暴走してるから無理っすよぉ〜〜〜!!」
横島と呼ばれた少年は、美神という女性に情けない顔で訴え、シロとゴキブリを追い掛け回している。
「待つでござるよっ!!!」
シロは事務所の中を全力で走り回り、すばしっこいゴキブリを追いかけている。事務所の中がぐちゃぐちゃになる事なんてお構いなしである。
「ほ、ほらっ!!シロ!えさだぞ!」
横島は、どこからともなく取り出したおいしそうな肉をシロの鼻先に飛ばした。
「!?肉っ!?!?!?」
その肉が目に入った瞬間、シロの動きがぴたりと止まった。それと同時に、ゴキブリは、勢いよく飛び立ち、最悪の事態を招いた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!!!」
勢いよく飛び出したゴキブリは、なんと、ゴキブリを世界一嫌う女性、美神令子の目の前に見事に着地したのだ。
「・・・・・・・・・・」
美神は、そのゴキブリを見つめたまま、硬直してしまっている。
「あぁ〜〜〜〜〜〜、最悪やぁ〜〜〜〜!!!殺される〜〜〜〜!!!!」
その数メートル先では、横島が顔色を変えて硬直している美神を眺めていた。眺めているくらいならさっさとゴキブリを退治せんか!と突っ込みたくなるところだが、彼も彼なりに混乱しているので、あえて突っ込まないでいてあげて欲しい(笑)
「どうしたんですか?」
ちょうど買い物から帰ってきたおキヌとタマモが不思議そうにめちゃくちゃになった事務所の中を見ている。
「あっ!!ゴキブリ!!」
タマモの目が、真っ先に黒光りしながら美神の目の前に大人しくとまっているゴキブリを捕らえた。
「大変っ!!!!タマモちゃん、ちょっとこれ持っててね。」
おキヌはタマモにスーパーの袋を渡すと、スリッパを持ち、ゴキブリの元へと急いだ。
「えいっ!!!!」
スパーン!!!!
気持ちのいい音が事務所の中に響き渡り、オキヌの持ったスリッパが、やっと落ち着いたと思い一休みしているゴキブリに直撃した。
「やった♪」
「・・・・・・お、おキヌちゃんって、すごい・・・」
タマモは口をあんぐり開けて、おキヌに尊敬のまなざしを送っていた。
「美神さん!ゴキブリ、やっつけましたよ!美神さぁ〜〜〜ん!!!」
おキヌは、固まってしまった美神の目の前で手を振り、必死に美神をこっちの世界に呼び戻そうとしていた。
「・・・!?え!?あ、おキヌちゃん。」
美神は、呆然とおキヌを見つめた。
「美神さん、ゴキブリ、退治しましたから、もう大丈夫ですよ♪」
おキヌはにっこり微笑んで、床に落ちているスリッパを指差した。
「ゴキブリ・・・??あ!!」
美神は、意識が戻るなり、何かを思い出したように横島をすっごい形相で睨んだ。
「あ・・・・あ、あははははは・・・・よかったっすねぇ、ゴキブリ退治できて・・・。悪霊の前ではあんなに強い美神さんをこんなにしちゃうゴキブリってすごいなぁ〜。あはははは・・・」
横島は、まだ頭がパニック状態なようで、乾いた笑いの中にとんでもない毒を含み、美神に笑いかけた。
「よぉ〜こぉ〜しぃ〜まぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
美神は、神通棍をにぎりしめ、かなりお怒りのご様子で横島の元へと一歩一歩歩み寄った。
「い、いや、こ、これは・・・・・」
「とりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
横島の言い訳に耳も貸さず、美神は神通棍に最大の力を込め、思いっきり振り下ろした。鈍い音が辺りに響き渡る。
「よ、横島さん!!!!!!」
おキヌがあわててずたぼろになった横島の元へ駆け寄った。
「どいて!おキヌちゃん!!!!!このバカにもう一発!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
横島の情けない叫び声が、事務所内に響き渡った。
「・・・・・バカばっかり・・・。」
そんな光景を冷静に見つめながら、タマモがため息混じりにポツリとつぶやいた。
――そのころ、事件を引き起こした張本人(?)のシロはというと・・・??
「あ〜、美味しかったでござる!いっぱい食べたらなんだか眠気が・・・・ZZZ・・・」
一人平和にお昼寝タイムに入っていた。

END

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