ザ・グレート・展開予測ショー

#新歓企画!『対決!!』Ver.ダテ


投稿者名:ダテ・ザ・キラー
投稿日時:(02/ 7/31)

とあるごくつぶしのある日の出来事:
「お?筆者のバカがパソコン点けたぞ。今日もひと暴れできそーだなー」
むぅ。その声は雪之丞か。残念だが、この機械はもうダメみたいだ。完全に動かない。
「バカヤロー!お前そんなこと言って夏休み明けるまで休んだら承知しねーぞ!!」
ンなこと言って、学校無理でここが無理だったらどこで書け、っつーんだよ。
「男ならネカフェで一時間ねばるぐらいの甲斐性と根性を見せろ!」
お前と横島だけには甲斐性のこと云々される筋合いねーし。
いや、横島は元手さえあれば増やせるみたいだからお前がキングオブ甲斐性なしだな。
一時間で書き上げるのも根性でどーにかなる話じゃねーだろ。
「あー聞いてりゃ言い訳ばっかでなっさけねー。これが一介の男かよ?」
るっせーんだよ。言い訳もくそも事実だろ。論理的に言い返してこいよ。そもさん
「せっぱ」
なんで夏休み明けるの待てねーんだよ?
「バカが。フンッ!」(大仰に突き出したその指先には「新歓企画」ののぼり)
……………お兄さん、この俺の財布から金毟り取る動機はソレデスカ?
「テーマタイトルを見ろ。『対決』。フッ、この題目の下、この俺以上に映える男はいない」
気の毒なテーマもあったもんだ。
「なにおぅ!?とにかく書いてもらうからな!この俺を主役に!!解ったな!!?」
俺とお前でテーマが対決だったらひねりもくそもねーじゃねーか。そんなん恥ぃだろ。
「恥と尖った拳と霊波砲…どれが好みだ?」
………お前が満足してなおかつ恥ずかしくないように頑張る。
「いい返事だぜ。期待してる」
:暑い日の電波受信――了。


本編『男の――勝負』

「勝負だ!横島ぁッ!!」
さんさんと日光降り注ぐ浜辺に、熱血の雄叫びがこだまする。対する者は――
「望むところだぜ!雪之丞ぉッ!!」
同様にして応えた。二人は砂に足をとられぬ巧妙な動きでそれぞれに駆ける。好機――
「住所と名前と電話番号!俺だけに教えてくれ、お姉さん!」
「俺はスリーサイズと年訊いちゃうもんねー!」
なんというかまぁ、夏だった。ありていに言って。

事の起こりはほんの数分前。
「ピートぉぉぉぉ……俺と勝負だぁぁぁぁ……」
「う…うわぁぁぁぁぁッ!?ちょっと待て雪之丞!今、教会の行事だから…
ほらッ!子供達もお前のフォースの暗黒面に怖がってるよ!!出直してくれぇッ」
「ガキどもぉぉぉぉ…俺が怖いかぁぁぁん!?
甘えてばっかりいると俺みたくなるぞぉ?いい子だからこのお兄ちゃん貸せよぉぉ」
「あああああ…!横島さん、雪之丞を止めて……」
「話しかけてんじゃねーよ。
俺のナンパの邪魔して幸せな人生送れたヤローは一人としていねーぞ」
神父の要請を受けて美神女史が手伝いによこしたのが横島だったのは、まぁ、色々と気の毒なことだった。
「俺は別にどっちが先でもいーんだぜ?両方決着がまだだもんな」
「ああ…!?ピートのせいで矛先変わりやがった!!」

雪之丞は三人目でうまく獲物を食いつかせることができていた。
小柄で目つき悪いのでいまいちイメージが悪いが、横島と違って下心見えみえではない。
そこに横島がさり気に歩み寄り、一言。
「いやぁ、俺は今までこんな美しいヒト会ったことないなぁ。お前は?」
「う……その…俺…は……いや、でも…美人だとは……そう…ホントに…」
「一番じゃないのか。そんじゃあ一番きれいなヒトって誰だったんだよ?」
「か…カンケーねーだろ」
「いやぁ、お姉さんたちも興味あるってよー?気にしてない、とまで言ってくれてるぜ」
「そ…それじゃあ――」
彼がなんと言って、どんな結果に至ったか――それを語るのはあまりに残酷だろう。
だが、去り行く女の子と入れ違いに、二つの影――。
「あ、お姉さー……」
横島が振り向いた先には、当たり前のように見知った顔。
「愉しそうですわね。なにして遊んでらっしゃるの、お二人?」
『その……男の………勝負、です』
思わずハモッて答えてしまう男二人。しかし横島は、この時電撃的に閃いた。
――雪之丞が殴られて、勝負続行不可能となれば、俺の勝ち。
そうなれば二度とつきまとわれる心配はないのである。ましてや。
――雪之丞破局でこの世にフリーの女が一人増えて二倍ラッキー?
「ナンパっスよー♪雪之丞のヤロー弓さんとゆー方がありながらヒデェ男でさぁね」
「テメーが、ナンパ以外の勝負はうけつけねー、とかぬかすからだろが!!」
「ホントにナンパしてやがりましたわねーーーッ!!」
「ま…待っでぇぇぇぇッ!!?」
ごぎゃす
ムーンサルトキックが炸裂して、雪之丞はテトラポッドへ転落する。ほくそえむ横島。
「ふ…勝った。いつの世にも、女一人キープした上でナンパなどという邪悪は蔓延らない」
どごす
「おご!?」
キメる横島の背後から、真下からすくうような蹴り上げが放たれた。
「今後、雪之丞さんをその邪悪な道に引きずり込んだらタダじゃすみませんわ!!」
「ちょ…ちょっと待った!俺がナンパしたことで俺が怒られるのはいい。
むしろ、「だったら君が俺と遊んでくれよ」と歓迎しよう。
しかし、雪之丞がナンパした責任まで俺が背負わされるのか?」
「雪之丞さんは自主的にナンパする人じゃないと思いますし……」
それまで黙っていた二人目の陰が、おずおずと言う。
「だったら俺は…」
最後まで言い切らず、黙る。みなまで訊かずとも、自主的にするタイプである。前科も有る。
「横島さんのナンパは……習性ですし…」
習性とまで。
「そういうことですの」
ニコリ、と愛想笑いを浮かべた弓の格闘術が、テトラポッドを血で染めた。

エピローグ:
「あんな勝負……どーして受けたんですの?」
「ん?」
「……勝ってるじゃない…はじめから」
小声で呟いて、ふいっ、とそっぽを向いてしまう。
「お前……」
焼きもろこしを頬張りつつも、器用に声を出す。
「相手に言ってもらう台詞だろ。今の」
どー解釈しても自信過剰にしか聞こえない台詞、と、遠まわしに伝える。
空気が読めぬのは本人のせいばかりとは言えないが、責任の所在など否応なく――
肩を震わせた弓が振り向いた時、雪之丞はぼんやりと考えていた。鬼、と。
「そう…よくわかってらっしゃるのね……わかってていつもいつも……
あんたが言わないから、惨めを承知で、自分で言うしか……ないんですのよー!!」
ビーチに大輪の花が咲く。深紅の、華が。
ある暑い、とても暑い夏の日の午後の小さなストーリー。………美しくまとめてんじゃねェ。

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