ザ・グレート・展開予測ショー

秋さがし   その4


投稿者名:BOM
投稿日時:(03/10/28)

前回のお話
それぞれ横島&おキヌ隊、シロ&雪之丞隊、タマモ隊に分かれた松茸さがし隊。
松茸をみつけるのはどのチームか?ちなみに美神は寝ているのだ。



ガサガサ・・・ガサガサ・・・

「はぁっ!」

ばきぃ!ずず〜ん・・・

とてつもなく物騒な音がする・・・環境破壊と違うか?これは。

「お〜い、あったか?シロ?」
「全然ないでござる〜」
「じゃぁもうちょっと探してみるか〜」
「わかったでござる〜」

ガサガサガサガサ・・・

「ちっ!どこにもねーじゃねーか!ホントはもう絶滅しちまってんじゃねーだろーな!
 “国産品”とか言っておきながら実は中国産とかあるんじゃねーのか!?」

毒づく雪之丞。とはいいつつもガサガサと松茸さがし。

「ふぅ、ちょっと一休みするか。それにしても・・・は、腹減った。」

そう、実は雪之丞、ここんとこなんも食ってない。よってフラフラだ。もう腹と背がくっつきそうとまで行かないが
かなり腹が空いている。あまりの空腹に耐えきれなくなり、先ほどシロを襲ってしまったのだ。
とはいえ、雪之丞もシロだとは全く思ってなく、そこらへんの住民だろうと思っていた。一般人なら魔装術を使えば
自分が誰だかはわからない。気を失ってくれればなお良い。などととんでもないことを考えていた。

人間、あまりの究極な状態になると正しい判断ができなくなるものである。そこはわかっていただきたい。

「まさかシロだったとはな・・・メシ奪うわけにはいかねぇよな、うん」

どーやらまともな思考に戻ったようである。
それと、彼にはもう一つの理由があった。これこそが横島を探している理由。
しかしなるべくならこれは他の誰かには・・・特に横島には言いにくい。
横島には・・・。しかし他に頼れる人がいない以上仕方ないことだ。背に腹は代えられん。

そんなことを思っているとふと気がついた。

「そーいや、松茸ってさっき言ったアレでいいのか?なんか今頃になって不安が・・・」





「う〜ん、ないでごさるな」

あたりを散策するシロ。雪之丞のいう“松茸”を探す。
しかし・・・そんなものは見あたらない。むしろほかのものが多いくらいだ。
カゴの中には栗、竹の子、ワラビ、銀杏・・・ほか多数。
いろいろ入っている。しかもさっきよりも量が格段に増えている。

「ホントに松茸とは雪之丞殿のいうアレでいいんでござろうか?」

回想シーン

「雪之丞殿、松茸とはどのよーなものでござるか?何か特徴があれば教えて欲しいんでござるが・・・」
「いくら食ったことがあるとはいえ、あれはかなり昔の話だし、それに・・・」

首をかしげて腕を組む雪之丞。

「あれは食ったというよりは食わされたというべきか」
「食わされた、でござるか?」
「あぁ。なんか寺の住職に無理矢理食わされてな、そいつが『大丈夫だ、これは松茸だ。美味いから食える』って
 言ってたんだよ。なんか汗ダラダラにしながら言ってた記憶がある」

シロはちょっと疑問に思い聞いてみる。

「それはもしかしたら“毒味”というやつではないのでござろうか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

【毒味】飲食物を人に勧める前に毒の有り無しを調べること。

永い永い時が流れる・・・

「ああっ!あんのじじい!だからあの後安心したよーに食ってやがったのか!」
「・・・・・」

地団駄を踏む雪之丞。あきれるシロ。『普通気付けよ、それぐらい』みたいな目である。
それに気づいた雪之丞、

「い、いや、何だ?その・・・。ま、アレはアレですげえ美味かったからな。たぶんアレが松茸なんだろう。」
「・・・して、その松茸はどのよーなもので?」
「えーとだな、色が赤色で青い斑点がついてたな。あと大きさが10cmほどか」

ふむふむ、と真剣に聞くシロ。と、ここでまた疑問が1つ。

「松茸とは霜降り肉のことではないのでござるか?」

ドドッ
勢いよく倒れる雪之丞。

「んなわけあるか!キノコだ、キノコ!」
「な、なんと!松茸とはキノコだったのでござるか!?」
「当たり前じゃ〜!わかったらさっさと行け!」
「は、はいでござるぅ〜!」

回想おわり

「今更になってホントかどーかわからなくなってきたでござるよ・・・」

・・・が、

「・・・?おや、これは?この赤くて青い斑点のあるこれは・・・?ま、“松茸”でござる〜〜!!
 雪之丞殿!雪之丞殿!“松茸”が見つかったでござるよ〜」

ズドドドドド
白煙を巻き上げて走り去るシロ。

ばきぃばきぃばきぃ ずず〜んずず〜んずず〜ん・・・

シロの走っていった後にはただ無造作に倒れる木が散らばっていた。












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・・・これは?光か?なんか眩しい・・・
あと、この匂いは何だ?柔らかくて、温かくて、それでいてすごい心地いい・・・
なんか、優しさに包まれてるみたいだ・・・

少し目を開けてみる。

あれは何だろう?蒼い髪の・・・天使?
まーいーや、でもこの柔らかさは何なんだろ?すっげぇ・・・気持ちいい・・・

「・・・・・ん!・・・・さん!横島さん!!」
「う〜ん、お願い。あと5分・・・」
「何言ってるんですか!?起きて下さい!横島さん!」
「・・・っは!?」

完全に目が覚めた。あたりを見渡してみる。自分の顔の上には・・・

「・・・おキヌちゃん?」

そう、おキヌちゃんの顔があった。すっごいいい顔。

「よかった、気がついた。30分も起きないから私、心配したんですよ?」
「俺は一体?ここで何を?」
「上から岩が落ちてきて・・・それでその・・・」
「くらって気絶してたって訳ね」
「・・・はい」

おキヌちゃんの説明もあってようやっと頭の回路が繋がる。
そーか、あのとき誰かの投げた岩が当たって・・・おそらく美神さんだろうが。
まったく、あの人は・・・

と、ここで俺はあることに気がついた。

!!〜検証タイム〜!!
1.仰向けである。
2.目の前にはおキヌちゃんの顔。
3.出血は止まっている。
4.後頭部に感じる人肌並の体温と感触

まさかこれって・・・

「ひざまくら」じゃねーのかぁっ!?

そう、俺はおキヌちゃんに膝枕してもらってた。

(そっか、だからこんなに柔らかくていい気持ちだったんだ〜。
 う〜ん、いいっ!いいぞぉ!このシチュエーション!『家事大得意のお嫁さんにしたいNO.1』の美少女と
 この状況!
 くーっ!キタ、キタよぉ〜!そうだ、これこそが青春の王道なんだ!
 よっし、これからはおキヌちゃん一本で行こう!決めた!)
「・・・え?よ、横島さん?」

すんごく驚いた顔のおキヌちゃん。何で?そう思ってると・・・

「こ・れ・か・ら・は!? で!? い・こ・う!?」
「あぁっ!また声に!?堪忍や〜〜!」

・・・早くこのクセ直さんとアカンなぁ、そろそろ死ぬんじゃなかろーか・・・
おキヌちゃんのあまりのプレッシャーに押されつつ、多少の命の危険を感じつつ、俺はそう思ったのだった。












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くんくん、くんくん・・・

「う〜ん、なんか違うわね。これはキノコじゃないし・・・こっちにはないのかな?」

タマモは一人松茸を探していた。手の中には松茸らしいものがなく、かわりに他のキノコが2,3個・・・
どれもこれも怪しすぎるものばかりである。
でも松茸を知らないタマモにとっては、キノコ=松茸みたいな法則ができてるのでしかたない。

「これも違うっと・・・もう、どこにあんのよ?松茸は?」

タマモが半分投げやりになっていたその時、

ぺちょっ

「!?!?!?・・・きゃーーーーーっ!な、何よこれー!?ネバネバする〜?」

目の前にはでっかいクモの巣が。それがけっこう前髪についたもんだから・・・

「・・・よ、よくもやってくれたわね。たかが昆虫の分際で金毛白面九尾にたてつくなんて、
 いい度胸してるじゃない!」

クモ相手にマジ切れのタマモ。まぁ、女の命である髪を汚されたのだ。ムリもない。

「・・・燃えろ」

指先に霊力を溜めて、炎を創り出す。タマモの技の一つ、狐火だ。
その炎はとても紅く、まるで生きているかのごとく爛々と燃えさかる。そして、

ボォッ

指先から放たれたそれは標的であるクモ目がけて放たれ、だんだんクモに近づいて・・・

ジュッ

クモは一瞬にして消滅。

「たとえクモとはいっても、この私に刃向かおうなんて、千年早いわよ!・・・何?これ・・・」

タマモはあるものを発見する。それはキノコ。だが今まで見つけたのとは確実に違うキノコ。

くんくん・・・

実に美味しそうな匂い。動物的なカンで、タマモはこれは掘り出し物だと認識した。
そしてそれをウエストポーチに入れ、他にないかと探す。すると、

「あ、あった。」

どーやら見つけたらしい。それらを全部ウエストポーチに詰め込む。結構な数だ。

「これだけ見つければ十分ね。一回戻ることにしようかしら」

タマモ隊、帰還準備完了。
山頂へと戻ることにした。





というわけで、一応“松茸”を見つけたシロタマ。何にも見つけてない横島&おキヌと雪之丞。
タマモの見つけたのはホントの松茸なのか!?

続く


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