ザ・グレート・展開予測ショー

知ってるようで知らない世界―外伝―ドクター・カオスの挑戦!


投稿者名:誠
投稿日時:(03/11/ 5)

ドクター・カオスの挑戦!





「なにっ!美神令子から病院に来てほしいと連絡があった?」

「イエス・ドクター・カオス。」

狭い部屋で会話をしているのは1000年をこえる時を生きてきた大柄な老人、ドクター・カオスと彼が作った超高性能アンドロイド・マリアだった。

「ふーむ、記憶喪失を直す機械か・・・。ちょうどいいものがあるこれでやつの望みもかなうであろう。行くぞ、マリア。あやつを待たせると何を言われるか分からんからな!」

「イエス・ドクター・カオス。」

二人は部屋を後にし指定された病院へとむかった。





「しかし、腹が減ったのー。えーーーとどこかに・・・。あった!」

カオスはある看板を見て店へと駆け寄る。しかし次の瞬間その顔は失望に変わった。

『超大盛りカレー全部食べきれたらただ!』

と書いた看板だったがカオスを失望させたのは、

『ドクターカオスお断り』

と書かれた小さく赤い字だった。しっかりブラックリストにのっているらしい。

「ぬおーーー凡人が天才を妬みおってーーー」

涙を流し関係のないことをつぶやくカオス。

「ドクター・カオス・あの店は・どうですか?」

マリアの指差す方向を見ると今までにない新しい店があった。そして看板には、

『開店記念セール!!魔法の大盛りスパゲッティ―全部食べきれた方には賞金一万円!!』

とかかれていた。

「おお、あれこそわしが求めていた店じゃ。行くぞマリア!一万円を我が手に!!」

「イエス・ドクター・カオス。」

二人は勢いよく『魔法料理魔鈴』という名のみせへと駆け込んでいった。





店の中はなかなかしゃれたデザインだったが走り回っているのは人ではなくほうきだ。そして、

「いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ。」

メニューを聞きにきたのは黒猫だった。

「この魔法の大盛りスパゲッティーというのを頼む!」

しかし誰が聞きにこようとカオスにはどうでもいいことだったらしい。

「分かりましたニャ。少々お待ちください。」





しばらくして、

「お待たせしました。では制限時間は三十分です。どうぞ!」

目の前に出された皿にのっていたのはうまそうなスパゲッティー。
しかし、カオスの食欲をもってすればこの程度の量は軽い・・・。
カオスは勝利を確信してニヤリと笑うとすごい勢いで食べ始めた。



十分経過・・・。

おかしい!ぜんぜん減らない!カオスはうまれて初めてスパゲッティーに恐怖を抱いた。

「スピードアップじゃ!」

カオスのスパゲッティーを食べる速度が急激にあがる。カオスは勝負に出た!



二十分経過・・・。

なぜだ?なぜ減らない?

カオスの顔は驚愕でゆがんでいる。

しかしスピードは衰えない。相変わらずすごい勢いで食べている。

(わしが・・・このヨーロッパの魔王ドクターカオスが負けるというのか?)



残り十秒・・・。

「ラスト十秒ですニャ。」

黒猫がカウントダウンをはじめる。

「くっこうなったら仕方がない!」

カオスは叫ぶと皿を持ちあげ残ったスパゲッティーをすべて口の中に流し込んだ。

(勝った・・・。)

カオスの脳裏には勝利の二文字が浮かんでいた。

―――ブーーーー ―――

三十分経過のブザーが鳴り時間の終了をつげる。しかしカオスにはどうでもいいことだった・・・はずだ。



「ドクター・カオス・残って・います。」

カオスには信じられなかった。皿には最初と同じようにスパゲッティーが盛られていた。

「な、なぜじゃ・・・?」

「失敗です。三千円いただきますニャ。」

黒猫の無慈悲な言葉が聞こえ、三千円を払うマリアの姿がみえる・・・。

「ふっふふふふふふ・・・。家賃、家賃が・・・。」

哀れな老人はつぶやきながらマリアとともに店を後にした。



「あら、あのお客さん失敗したの?あれだけ食べたらなくなるはずでしょ?」

彼が去った後、店内では魔女の格好をした美しい女性が黒猫に尋ねていた。

「魔鈴ちゃんが最後に入れるこの薬、量をふやしたらどうなるかと思って入れてみたんだニャ。」

「ちょっと、それ一滴でいいのよ。まったくあなたは・・・。」

魔鈴と呼ばれた女性は好奇心旺盛な黒猫を叱りはじめたのだった。



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