ザ・グレート・展開予測ショー

知ってるようで知らない世界―5(前半)―


投稿者名:誠
投稿日時:(03/11/ 7)





妙神山からかえってきてから二ヶ月がたった。そのあいだにおれは美神さんやおキヌちゃんの友人や同業者達と出会った。
そのうちのいくつかの出来事を紹介しようと思う


あるビルの共同除霊作業の依頼を美神除霊事務所はうけた。
おキヌちゃんが学校なので俺と美神さんは二人で現場へとむかった。

「まいどありがとうございまーす。それで今日の共同除霊のパートナーはどなたなんですか?」

成功報酬は二億だと聞いている美神さんはニコニコしながらご機嫌で依頼主にたずねた。

「はい、それがこちらの方がどうしてもあなたでないといけないとおっしゃられて・・・。」

困った顔で頭をかきながら一人の女性のほうをチラッと見た。
美神さんの顔からさっきまでの商売用の笑顔が消える。

「令子ちゃんじゃないといやって〜わたしが〜お願いしたの〜。」

見るからにお嬢様という感じの、のほほ〜んとした女性、というよりかわいい女の子といった感じの人が間延びした声で話す。

「め、冥子!なんであんたが!」

「知り合いなんですか?美神さん。」

「あっ!横島くん、冥子。わたしは用事を思い出したわ。冥子・・・この横島くんを貸すから二人でがんばってちょうだい!」

「え〜、令子ちゃん〜手伝ってくれないの〜。」

「だ、だからわたし忙しいのよ。冥子、ちゃんと横島と二人で除霊できたらこんどあんたの家に遊びに行ってあげるから!」

「ほんと〜。」

「ほんとよ!じゃ、横島くんがんばってね〜〜〜。」

美神さんは俺の意見を無視して車で立ち去っていってしまった・・・。

「横島忠夫です!お嬢さん、どうかよろしくお願いします!」

俺は歯をキラリと光らせて冥子ちゃんの手を握り自己紹介をする。

「六道冥子です〜。横島くん〜よろしくね〜。」

多少不安げな顔で冥子ちゃんは笑った。


冥子ちゃんは十二神将という式神を使うらしい。どっちが悪霊かわからないような異形の式神達とともに悪霊を倒しながら俺はビルの最上階まで歩く。

(こりゃ楽だ・・・。)

俺は何もせずに最上階まで冥子ちゃんといっしょに上ってきた。

目に見えて霊の量が多い。どうやらここが霊の発生源のようだ。

「危ない!」

おれは冥子ちゃんを直接襲ってきた霊を栄光の手で消滅させる。

「ありがと〜〜。」

冥子ちゃんは一瞬何が起こったかわからなかったようだが、助けられたと知って笑顔になる。

「ねえ〜横島く〜ん。わたしの〜お友達になってくれない〜?」

俺はいつものようにおちゃらけた答えを言おうと思ったが冥子ちゃんの泣きそうな、不安そうな顔を見てやめた。

「いいですよ、冥子さん。俺なんかでよかったら友達になりましょう。」

「ほんと〜!ありがと〜。でも〜横島くん〜私のこと〜冥子ちゃんって呼んでくれない〜?」

「ん、わかった。冥子ちゃん。」

上目づかいに俺の顔を覗き込んでいた冥子ちゃんの顔があふれんばかりの笑顔になる。
俺達は笑いあった。しかし・・・忘れていた。ここにはまだ悪霊がいたことを・・・。

―ブシュッ―

冥子ちゃんの腕を悪霊がかすめた。

「いたっ。キャーーー!血がでたわ〜〜〜。」

冥子ちゃんが叫んだ。彼女の影がひかり、十二体の式神が出てきた。

―チュドーン、ドッカーン、ボッゴーン―



おれが意識を取り戻すとビルがあった場所には大量の瓦礫があった。

「横島くん〜、大丈夫〜?またやっちゃったわ〜。でも〜失敗をわかちあえる友達がいるってうれしいわ〜。」

彼女と友達になったことは正しかったのだろうか?俺はあとで美神さんに聞いてみることにした・・・。






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