ザ・グレート・展開予測ショー

呪われた少年の出会い―序章―


投稿者名:3A
投稿日時:(03/10/18)

人々は悲鳴を上げながら逃げた。
しかし逃げていく人々は少なくなっていった。
身体を真っ二つにされた者、首をはねられた者、頭の頭上から槍らしき物でさされた者…
辺りの土は紅くなっていた。そしてまた紅くなっていく…
まだ幼い子、男、赤ん坊を抱えていた女、老人…それらは物とかしていた。
数十秒前までは生きていた、悲鳴を上げ、必死に逃げ、恐怖を感じていた。
今はもうそれがない。いままで生きていたのが嘘のように転がっていた。
少年は怖かった。そして自分はなんて不幸なんだと嘆いた。
悲鳴をだそうにも声がでない、いやでても殺されることに変わりはない。
また一人、また一人死んでいく。少年は目を閉じた。
自分の親しかった人たちが物とかしていくのを見てられなかった。
自分もああやって殺されるのか、自分の存在は消されてしまうのか、少年はそう思った。
そして自分に近づいてくる足音が聞こえてきた。
そして変な音が聞こえた。ものをふんでいるのだろう。
少年は目を開けた。涙でよく見えないが楽しそうに踏んでいた。
『鬼』だ。
少年はそう思った。
『鬼』はそして少年の前で止まり紅く染まった剣を楽しそうに向けた。
少年は覚悟を決めた。

どうせ逃げたって殺される…

「…生きたいか?生きてみたいよな?」

低い声で『鬼』は言った。

「…う?…え…あ…」

少年は声を出そうとするが出なかった。

「ひひっ…お前はとても運がいいぜ…」

『鬼』は剣で自分の右腕に少し傷をつけ少年の前にだした。

「…俺の傷を舐めろ…」

少年は震えながらも『鬼』の傷を舐めた。
そしていやな液体が自分の舌についていくのを感じた。



「きゃあ!」

少女は悲鳴を上げ逃げようとしたが足になにか当りこけてしまった。
すぐに立とうとしたが背中に激痛が走りまた倒れた。

「へへ…可愛いね…」

男はいやらしい声をだした。少女の腰に激痛を与えたのはこの男が蹴ったからだろう。

「おい…お前もすきだなあ…なんにもそいつは持ってないだろうが…」

もう一人の男が呆れたように言った。
二人ともぼろぼろの刀をもっており衣には少々紅い液体がついていた。
顔からするとまだ若者だろう。
少女は十代半ばだろう。顔立ちが整っていて美女という感じだが幼さもまだ残っているように感じる。

「うるせえ!目の前にかわいい女がいるんだぜ!?楽しまなきゃ損だぜ!!」

「へいへい…どスケベさん。まだ昼だぜ。」

「うるせえ。俺はこの女を今喰いたいんだ…」

男はそういうと少女に近づいて無理やり着物を脱がそうとした。

「いや!!」

少女は男のに平手打ちをくらわした。

「…っ痛!?この女…」

「はは…ざまあねえな…ぎゃ…ぎゃあああああ…」

もう一人の男は悲鳴を上げた。そして鳴き終わると倒れこんだ。

「な…!?」

男は仲間の方を向いたが急激な痛みを感じた。

「ぐ…ぐわあああ…」

いつのまにか自分の懐に15、6の少年が刀を腹に刺していた。
そして男は抵抗しようとしたがすぐに動かなくなった。
少年は血でべっとりとしていた顔を少女に向けた。
少女は怯えて声もでなかった。

「……大丈夫か?」

少年は怯えていた少女にそう言った。

この呪われし少年はこの少女の娘と数十年後に会いそして数百年後に再び会うなどこの時
は知る由もなかった。


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