秋さがし その3
投稿者名:BOM
投稿日時:(03/10/26)
前回のお話
松茸狩りを始めた美神所霊事務所の面々。
そして1人単独行動をとるシロに山賊の魔の手が・・・!
ぴぃ〜ぴょろろろろろろ〜、ぴぃ〜・・・
澄み渡った空の中、トンビがとんでいる。(ちなみにトンビは本来人家付近や海辺にいる鳥だが)
なんか戦国時代の平和な茶店での一時を思い出してしまうこんなのどかなシチュエーションの中で、
ずず〜っ
とお茶をすする、この場には少々不釣り合いな・・・いや、とっても似合うハズの女性がいた。
紅くて腰まである長い髪、パーフェクトといっても過言ではないその体型。女性からは「なによ、あのイケイケ女!」とまで言われてしまうそのカラダ。
すれ違った男性ならば必ず振り向くであろう美貌を持つその女性。
美神 令子だった。
彼女は横島達を松茸狩りに行かせた後、一人山頂でリラックスタイム中。
のんきに茶などすすっていた。もともとこんな催し物にはあまり興味がわかない人物である。
その彼女が何故こんな山奥に来たかというと・・・
ズバリ金のためが6割、気晴らしが3割、食欲が1割といったとこである。
「あー、ホントに気持ちいいわね!こんなの都会じゃ絶対ないわ。悪霊退治とはまた違った満足感ね」
山頂で1人、大の字になって寝る美神。ちなみに今日の服装はボディコンではなく、普通の私服なので心配はない。
「面倒くさい松茸さがしは横島クン達に任せて、私は楽して金儲け・・・こんな元手のかからないこと、
逃さない手はないわ!」
他力本願もいいところである。と、
・・・・ぴゅぅぅぅぅううううう
空から何か降ってきた。
「ん、何よアレ?・・・・・・・・っ!!え、ちょっとぉーーーーーーーーーーー!」
それが何か判断すると同時に体を起こして立ち上がり、すかさずその場から離れる。その直後、
ぴちゃっ
空を遊弋する鳥の○○が落下してきた。それもさっきまで美神の顔のあった場所に。
だんだん驚きは怒りへと変わり、その思いはとうとう爆発する。
「・・・・・・っざっけんじゃないわよー!何でこんな正確に落ちてこなきゃなんないわけ!?コラァ、この鳥野郎!
さっさと降りて来ーい!!」
鳥に文句をいいまくる美神。もうすでに怒りは頂点付近に達している。
そこに横島に内緒でつけといた盗聴器、もとい無線(GPS付き)からこんな声が。
何故盗聴器をしかけたかって?答えはカンタン、持ち逃げ防止のため。
「・・・っぱりか。あんの守銭奴め!自分だけいい思いしやがって!俺たちが必死になって働いてるってのに!」
ぷちっ
さっきまでのリラックスしていた美神ならば横島の松茸取り上げ+1発殴りですんだろう。
だが今は・・・キレている。
ポケットから文殊を取り出す。これは以前横島から回収、というか奪った文殊である。それに『力』を込めて発動。
そこらへんにあったでっかい岩を持ち上げてメッセージを書く。そして・・・
「せぇぇのぉぉ!・・・はーっ!」
力一杯、GPSの示す方向へその岩を投げる。無線を聞いてからここまで約3秒でこなしてしまった。そして、
ぴゅううぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・・・ドゴォッ!!
見事ストライク。おそらく下ではけっこうな惨事になってるだろう。
でもアイツはそんなのでくたばるような男ではない。だから大丈夫。
「・・・はぁ、はぁ、はぁ。あー、少しスッキリしたわ。でもまだ苛つくわね・・・う〜ん。ま、いーわ。寝よ・・・」
秋空に 優雅に眠る 女性かな
というわけで、横島がつぶされ、おキヌがうろたえ、タマモがあきれている頃、美神は山頂でぐっすり寝ていた。
そのころシロは・・・?
松茸散策中に襲いかかってきた山賊の攻撃をかわして、相手の眼前に拳を突きつけていたシロ。
「何者でござるか!拙者達の食料を狙うとは!」
「・・・へへっ、まぁまぁそんなに興奮すんなって、シロ」
「あぁっ!おまえは!」
シロの脳裏に今まで出逢ってきた人達が浮かび上がってくる。
せんせー、美神殿、おキヌ殿、女狐、美智恵殿、肉屋のおばちゃん、料理番組の司会、その他もろもろ。だが・・・
「・・・誰でござるか?でもどこかであったことがあるよーな・・・」
どーやらシロの回想のなかにこいつはいなかったらしい。
ズドッ
シロに乗られてるくせに器用にコケる山賊。そして一言。
「何言ってやがる!俺だ!伊達雪之丞だ!」
「あっ、その背と目つきは確かに雪之丞殿!」
「・・・他に見分けるところはないのか?他には?」
怒りと泣きの混じったような眼をする雪之丞。なんせ自分の確認方法がそれしかないような言い方だったから。
「あ、あはははは。いや、スマンでござる。襲いかかって来るからつい敵かと・・・」
「まぁいい、ところでこんなトコで何やってるんだ?見たところ食料調達のようだが」
カゴを見て言う雪之丞。ちょっと、よだれが出そうな顔したらダメだっつの!
「え?あぁ、これは拙者達の食料でござる。なにやら“松茸”を探せということなので探しているのでござるが、なかなか見つからず・・・仕方ないから適当に美味そう匂いのするものを入れてるんでござる」
「はぁ?松茸?まさかアレか?あのめちゃくちゃ旨い?」
雪之丞は驚いた。
何でコイツが松茸を?肉食だろコイツは?全然関係ねぇじゃねーか。その前に松茸知ってんのか、コイツ?んな訳ねーか。
「雪之丞殿は知ってるんでござるか!?拙者は食べたことがないからわからんでござるよ。」
「まぁな、とはいっても小さい時だからほとんどうろ覚えなんだが・・・(やっぱり知らなかったか)
あ、そーだ!おまえさっき“拙者達”って言ってなかったか?」
「そーでござるよ。せんせーやおキヌ殿もいるでござる」
「何!?横島もいたのか!?よし、案内してくれ!ちょっと用事があるんだ」
なにやら助けを求めるよーな眼で頼む雪之丞。しかし、
「いいでござるが少しばかり手伝って欲しいんでござる」
「何をだ?」
「松茸さがしでござるよ。拙者まだ1匹も見つけてないんでござる」
「まぁいーか。・・・ってか今おまえ『匹』って言わなかったか!?」
「言ったでござる。何か?」
雪之丞は困った。松茸だろ?普通は『本』だよな?何なんだ、『匹』ってのは?
新手の数え方か?ホームラン打っても「今日は××選手が3匹のホームランを打ち・・・」なんて言われる時代なのか?
あぁ、俺の常識が・・・
雪之丞が現実逃避してブツブツ言っている。そんな雪之丞を放っといて松茸さがしを再開するシロ。
「どーしたんでござるか、雪之丞殿?行くでござるよ〜」
「はっ!?わ、分かった!今行く!」
ようやっとあっちの世界から帰還した雪之丞。あわててシロについて行く。
「ところで何故雪之丞殿はこんなトコにいるんでござるか?」
「・・・聞くな」
泣きながら答える雪之丞。
シロの疑問は残されたまま、松茸さがしシロ隊、行動再開。
一方横島隊はといえば・・・
ひゅーん・・・・・
ドゴオォッ!!
美神の投げた岩の直撃を食らった横島。
「あうあう・・・だから言ったのに・・・大丈夫ですかぁ?」
「・・・バカ」
「・・・・・ぐはぁ・・・」
血をドクドク流しながらピクピクしてる横島。かなりの量である。
そんな横島を放っといてタマモ、
「じゃあおキヌちゃん、私捜しに行ってくるから。松茸」
「え?あ、うん。でも1人で大丈夫?わたしも一緒に行ったほうが・・・」
「別にいいわよ。松茸って要はキノコでしょ?そんなんならいくらでも持ってこれるわ。それに・・・
馬鹿犬には負けてられないしね」
グッと拳を握るタマモ。目の奥に炎が燃えているように感じられるのは気のせいだろうか?
「そ、そう?じゃあお願いするね。私も横島さん復活したら行くから」
「わかったわ。じゃ」
こうして松茸さがしタマモ隊出発。その背中には自身が満ちあふれていたように見えた。・・・が、
「松茸ってどんなキノコ?油揚げより美味しいのかな?」
前言撤回。行く末は不安だらけだ。
こうして松茸さがしは横島&おキヌ隊、シロ&雪之丞隊、タマモ隊に分かれた。
松茸を見つけてこれるのはどのチームか?とんでもないモノを見つける可能性の方がはるかに高いが。
続く
今までの
コメント:
- ちぃーっす、BOMです。
今回はメモ帳によると、6.6kb程だそうです。
さて、山賊の正体は雪之丞でした。前回でわかっておられた方もいたと思います。
これから本格的な狩りの開始です。アカン、そろそろネタが尽きてきた・・・
でも頑張るか。それではっ! (BOM)
- やっぱり来ましたか、雪之丞。雪之丞の出番が増えりゃぁ僕は手を叩いて喜びまっせ!!ふふふふ、はははははは!!
ごめんなさい、相変わらず意味のわからないこんな僕ですが、お許しくださいませ
なんか今回も笑いが多くて、よかったです〜。い〜なぁ・・・
(うろ覚えですが)松茸は確か赤松の周辺に寄生(根っこのほう)していまして、たいてい地面に埋まっています。傘のみが出ている感じで、場合によっては傘もでていなかったり。
で、達人はそれを素晴らしき眼力によって発見しているわけですが、素人ではなかなか見つかりませんよ〜。でも今回はシロ+タマモがいるからがんばればきっと見つかるさ!!
ではでは、これからも頑張って下さいませ〜 (ヒロ)
- ゆっき〜☆
やはりな・・・・・・ふふふ。(謎
横島って相変わらず間が悪いのねぇ・・・(嘆息)
そして相変わらず松茸を理解してないシロタマ。
いったい何を取って来るやら・・・
またまたなんとなく想像できつつも・・・
まて次回!
ってことで〜☆ (KAZ23)
- こんにちは、ヨコシマンです。雪之丞登場っすね。
ひょっとして次回の話、雪之丞メインで展開する可能性もありですか?個人的に彼は好きなので、そこら辺期待です。
それと前回、文字数で悩まれてましたけど、今回はお見事ですねー。いきなりレベルアップした感じします。自分も頑張らんとなぁ。 (ヨコシマン)
- 雪之丞キター(笑)
好きなキャラなんで登場を大喜びしてます♪
にしてもシロって山育ちなのに松茸知らないんでしょうか?
人狼は狩猟の一族だから野菜採集しないの?
それとも・・・
「父上!その香ばしいきのこは何でござるか!?」
「うむ!これは魔津嶽(まつたけ)と言って大人にしか食べれぬものなのだ!
だからお前のような子供が食べるとたちまち口から泡をふいて(以下略)」
ということが!?
いや、それなら松茸の存在は知ってることになるから・・・
まあいいや!面白いから続きを期待!(笑) (ユタ)
- 雪之丞参上!?なるほど・・・神出鬼没で修行三昧の彼らしい登場ですねー。
それにしても・・・美神さんの隕石ツッコミは半分鳥の所為だったんですか(笑)
3チームに分かれたメンバーですが果たして彼らは松茸を見つけることが出来るでしょうか? (ROM男)
- 雪乃丞でしたか・・・(汗) 私はてっきりシロの里の人かとばかり。
こんにちは〜 えび団子です〜
何やら美神さんがめっちゃ大名商売ですなw私服の彼女も結構新鮮だったり♪
で、各々にチームを編成にし松茸探しに繰り出しましたね!しかし、怪しい匂いがあああっ!?とんでもないものをい取ってきそうな気が。ではでは、続きに期待してますね〜ふぁいと♪ (えび団子)
- いやー、面白いです。
この調子で、続きもガンガン書いてください。(^^) (湖畔のスナフキン)
- >拙者まだ1匹も見つけてないんでござる
>松茸って要はキノコでしょ?そんなんならいくらでも持ってこれるわ。
ああっ!! ヤバイ……ヤバイ匂いが漂ってるぞ。
自分ではまったく動こうとしないで尚かつ八つ当たり(?)だけはきっちりする美神さんの外道ぶりがもはや清々しいですね。
シロのセリフに自分の常識の方を疑う雪之丞もなかなか自己不信ですね。
次回、オカルトなキノコの登場に期待します。 (U. Woodfield)
- 雪之丞が松茸を食べたことがあるというのは以外でした。
まだドタバタがつづきそうですので楽しみにしてます。 (モリータ)
- コメント返しなこ〜な〜
>ヒロさん
笑っていただければこちらとしては嬉しいですね。でも次回は笑い少ないかも。
あと、松茸講座ありがとうございます。
今後のネタの材料にさせていただくかもです。
>KAZ23さん
そうっす!ゆっきーです。
時代はゆっきーなんです!(マテ)
次回はいい意味で期待を裏切りたいと思います。
>ヨコシマンさん
お褒め頂き光栄です。
雪之丞メインですか。考えてなかったすね。ではそこらへんも考えて作成したいと思います。
>ユタさん
なるほど、山育ちですもんね。知ってるほうが自然だったか?
野菜採集はしてません。というよりさせません!(爆)
ではでは〜
(BOM)
- >ROM男さん
雪之丞はたしかにこーゆー登場しますよね、よく。
でも今回は修行ではありません(笑)
>えび団子さん
人狼のオリキャラですか・・・オリキャラ考えんの苦手なんすよ。
なんか似たり寄ったりになっちゃって(笑)
妖しい匂いぷんぷんさせながらいきます。
>湖畔のスナフキンさん
面白いっすか?嬉しいです。
この調子で頑張りますかね。
>U. Woodfieldさん
ヤバイ匂いをさせながら松茸さがしスタートです。
その間美神は寝てます(笑)
>モリータさん
雪之丞の松茸話は次出します。
実は意外な話かもしれません。 (BOM)
- 松茸…
それは人狼の里では、けたたましい笑い声を上げながら山野を駆け巡る山の主を指す。もちろん数え方は『匹』(違います)
シロの思い込みっぷりが何にも増してよいです(笑)
食べ物に関しては一癖在りそうな雪之丞も加わりお話が膨らんできて続きが楽しみです(^^) (志狗)
- ど〜もです、志狗さん。
なるほど、それなら数え方は『匹』ですね。
でもなんか松茸がとっても怖いモノに変わってませんか?(笑)
次回は松茸を見つけるやつが出てきます。 (BOM)
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