傷ばかりの天使!!(その19)
投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/11/ 1)
広い道路を走る美神のコブラ。
そのコブラに、横島と西条が乗っていた。
「なぁ、西条。」
助手席に座った横島が、運転している西条の名前を呼ぶ。
「なんだ?」
「お前、リナ王女とアリス王女が捕まってる場所、知ってるのか?」
「・・・・・知らない。」
ドテッ!!
助手席で、器用にコケる横島。
「アホかおのれはーーーー!!」
「アホとは何だアホとは!!」
怒りの声をあげる西条。
「てっきり、お前が居場所を知っているとばっかり思ってたぞ!!」
同じく怒りの声をあげる横島。
「まぁいい。」
西条はタバコを口に咥える。
「横島クン。何故、君は令子ちゃんのコブラを使おうと言ったんだ?」
「あぁ、それには理由があるんだ。」
「何だと?」
その時、後ろの方から、たくさんのエンジン音が聞こえる。
横島が後ろを見ると、数十台の黒い車が、横島と西条の乗っているコブラを追っていた。
その1台から、1人の黒ずくめの男が身を乗り出し、手に持ったマシンガンを撃つ。
バラララララッ!!!
「くっ!!」
西条はハンドルを切り、マシンガンの弾を避ける。
「西条、ちゃんと運転しろよ!」
「ん!?どういうことだ!?」
横島は、後ろを向き、ピストルを撃った。
ドンッ!ドンッ!
弾は、マシンガンを撃っている男が乗っている車の窓ガラスに命中する。
その弾から、何かが出てきた。
「ウフフフフ。」
低級霊である。
「ノォーーーーーーー!!」
前が見えなくなった車は、スリップしながら、近くにあった木に激突した。
その車が、後から来た車が次々と、その車に追突してしまう。
「よ、横島クン。こ・・・これはもう犯罪ではないのか・・・?」
「どーしてだ?」
後ろの惨状を見て、冷や汗を垂らしながら聞く西条に、横島は気楽に言った。
「今の事故は低級霊のせい。法廷でも勝つ自信あるぞ!」
「横島クン、最近令子ちゃんに似てきてないか・・・・?」
笑いながら言う横島に、西条は言った。
「しかし、いつの間にピストルを持ってたんだ?」
「俺の足元を見てみな。」
「何?」
西条は、運転しながら横島の足元を見る。
そこには、クレイモア、グレネード、小型バズーカ、サブマシンガンなど、銃器弾薬があった。
「な!!」
「これが、俺が美神さんの車を使おうって言った理由さ。」
「な、なんだい、この近代兵器は・・・・?」
「ウチの事務所の稼ぎは、マフィアの比じゃないからな。裏ルートを使えば、色々手に入るからな。」
「何に使うつもりで、令子ちゃんはこんなにためこんだんだ・・・!?」
「ん?色々あるだろ?」
横島は言った。
「たとえば・・・・、イギリスで54人の彼女をつくった憧れの先輩にお仕置きするとかな♪」
「ふは、ふは、ふははははははははーーーーーーーーー!!」
冷や汗をダラダラ流しながら大声で笑う西条。
それを見て、横島はニヤリと笑った。
車の大群が追ってこなくなってから、十数分後・・・・。
向こうから、奇声のようなものが聞こえる。
「まさか・・・・。」
横島は、双眼鏡で向こうを見る。
「・・・・げっ。」
「どうしたんだい、横島クン?」
運転している西条が聞く。
「今度は悪霊の大群だ・・・・。」
『ギシャーーーーーーーーーーーーー!!』
悪霊の叫び声が、2人の耳に入ってくる。
「次から次へと・・・・。横島クン。」
「ん?どうした西条。小便か?」
「バカか君は。運転を代わってくれ。」
「ん?あぁ。」
横島は運転席へ、西条は助手席へと移動する。
そして西条は、横島のリュックの中に入っていたM−16を2丁取り出す。
「さてと・・・・。」
西条はそう言って、助手席の上に立つ。
「お、おい、何をする気か?」
「見てれば分かる。」
西条はそう言った。
『ギシャーーーーーーーーーーーーー!!』
「来たぞ!!」
横島が叫ぶと同時に、悪霊の大群が襲撃してくる。
「・・・・・。」
西条は無言で、M−16のトリガーを引いた。
バララララ!!
M−16から銀の銃弾が次々と飛び出てくる。
その銃弾は、次々と悪霊を倒していく。
バララララ!!
横島の耳には、銃弾が発せられる音が聞こえるだけであった。
「ちょ、ちょっと荒っぽくねぇか?」
「イギリスで出来た13番目の彼女が、マフィアの娘でね。銃はこういう風に使ったほうがいいと教えてもらったんだ。」
M−16を撃ち続けながら、西条は言った。
『キェーーーーーーーーーーーーー!!』
「げ!!でけぇ!!」
「なんの!」
西条は、手榴弾を巨大な悪霊に投げつける。
ドゴーーーーーーン!!
『シャーーーーーーーーーーーーー!!』
しかし、物理的攻撃では死なない悪霊である。
爆炎の中から姿を現す。
チャキッ!
「The Endだ。」
バララララ!!!
『ギャーーーーーーーーーーーーー!!』
ベレッタM93Rから出た精霊石弾をまともに喰らった悪霊は、一瞬にして四散した。
「ふぅ・・・・・。」
西条は袖で汗を拭い、助手席に座る。
すでに、襲い掛かってきた悪霊の大群は、すでに消えていた。
「お、お見事・・・・・。」
横島はただ、それしか言えなかった。
悪霊の大群を退治した2人は、コブラを走らせる。
「早くしないと、リナ王女とアリス王女が!」
「しかし、どこに囚われているんだ!?」
その時、2人の耳に女性の声が聞こえた。
(次の道を右へ・・・。)
「?」
「何だ?この声は?」
2人の乗ったコブラは、その声に導かれるように、次の道を右へと曲がった。
その後も、女性の声が聞こえ、2人はその通りに車を動かした。
そして、ある所についた。
「おい、西条・・・・。」
「・・・・何でだ?」
「何で、あれがあるんだ!?」
「・・・・僕に聞くな!!」
西条は怒鳴った。
2人の目の前には、すでに無くなっているはずの建物。
エードリッヒ城が聳え立っていた。
続く
今までの
コメント:
- 銃刀法違反・・・・・なんて、もう今更どうでもいいや(笑)
>イギリスで出来た13番目の彼女が、マフィアの娘
別れ際が恐くて想像出来ません(爆笑) (ユタ)
- どもです、BOMです〜。
西条ってスゴイんすね。マフィアの娘まで落として彼女にしてしまうとは・・・
その内イギリスから西条に復讐しにやって来るんじゃないですか?ファミリー勢揃いで来たりして(笑)次回も楽しみにしてますよ。ではっ! (BOM)
- いつかの美神さんの台詞をパクってる横島君が面白格好良いと思うです。w
ギャグ展開に!と思いつつ、実際にはシリアスに決めていただきました。
でもぷれーぼーいしてた西条が笑える。w (KAZ23)
- どうも〜ヒロです〜
西条・・・気のせいかかっこいいとか以前に哀れにも思える・・・
近代兵器の山は惚れ薬とかを盛ろうとする丁稚を痛めつけるためだけではないし、マフィアの元彼女とか、しかも武器の扱いにも手馴れている(だってGメンやマフィアにも標準装備やルートという制限があるにも拘らず美神さんの無闇に手に入れた武器を手馴れたように扱うあたり、イロイロ後暗い思い出がイギリスにあるんだろうなぁ・・・)。
こ、これはアナザーストーリーがあるのか!!西条!!・・・なんか西条がかわいそうになってきたのでこの辺で・・・
であであ〜これからもがんばってくださいませ〜 (ヒロ)
- マフィアの娘に手を出した西条さんに賛成票を!
無茶苦茶手馴れてるし、銃の扱い(汗)流石西条さんです!
横島くんも美神さんの愛車パクル辺り考えてますね〜(^^)
低級霊弾も原作であったあれですよね?面白いです!!続きに期待してますね〜ふぁいと♪ (えび団子)
- ハイリスク・ハイリターンってヤツですね。
まあリスクの方が大きい気はします。
クルマにかすり傷ひとつでもつけたらふたりとも成仏できないくらい魂ごと切り刻まれそう……。 (U. Woodfield)
- >ユタさんへ
銃刀法なんて、この話では無視されています。(オイ)
マフィアの娘とどのように別れたのかは、ご想像にお任せします。(笑)
>BOMさんへ
西条は、どんな女性にもモテる・・・・と思います。(オイ)
>その内イギリスから西条に復讐しにやって来るんじゃないですか?ファミリー勢揃いで来たりして(笑)
来たとしてもやられるでしょう。トンデモないGSがわんさかいますから。(笑)
>KAZ23さんへ
>ギャグ展開に!と思いつつ、実際にはシリアスに決めていただきました。
西条が可哀そうなので、西条にも活躍の場面を与えました。(爆(オイ))
次回も楽しみに待っていてください。 (TAITAN)
- >ヒロさんへ
>こ、これはアナザーストーリーがあるのか!!西条!!
この話で、西条はイギリスで54人もの彼女と付き合ってきたことになってますから、暗い思い出の1つや2つ、いえ幾つも持っているでしょう。(オイ)
続きを楽しみに待っていてください。
>えび団子さんへ
厄珍が渡した武器だけでは物足りないと思い、美神のコブラにある武器弾薬を、2人に使ってもらいました。
続きを楽しみにしていてください。
>U. Woodfieldさんへ
いつの間にか、引き返せない状態になっていました。横島と西条。(笑)
リスクを大きくしてしまった今、もう王女2人を救出する以外、生き残る方法はありませんからね、美神から。(爆) (TAITAN)
- 前回あんなにかっこよく出ていったのに場所を知らないとは‥‥ナイスオチです!(゚ー^)b☆
近代兵器を所持している理由‥‥
原作で横島が美神に言われたこと、そのまま西条にはねかえした(?)わけですね。
笑ってごまかす西条が横島とダブりましたよ♪ (ヴァージニア)
- >ヴァージニアさんへ
西条のボケ、気に入っていただけて幸いです。
西条は横島と同じような目に遭ってほしい(オイ)と思い、美神の言ったセリフを使いました。 (TAITAN)
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