ザ・グレート・展開予測ショー

横島物語。 【2】


投稿者名:香夜月 蕗
投稿日時:(03/11/ 1)

第二章 裏に隠された真実。



「冗談よ。」

サラリと美神は、横島に言った。

「冗談ですか…?」

やはりあれは夢か、と美神を呆然と見ながら思う。
しかし、さっきの美神さんの殺気は本物だった気もしたような…
そう考えながらも、結論は夢という事で横島はホッとした。

「やだなー、恐い事言わないでくださいよー!!」

横島は苦笑いしながら、美神に言う。
美神は、笑ったままだった。
笑ったまま、それが横島は恐かった。

「そうね、悪い事言っちゃったわ。」

笑顔のまま、美神は謝った。

(美神さんが、素直に謝るなんて…まさか、やっと俺の事を…!!!)

横島は、単純に幸せな方向に物事を考えた。

「美神さん!!」

ガシッと美神の手を握る。
いつもならここで美神に吹っ飛ばされているが
やはり、笑ったままだ。

「やっと、僕の事を愛し…。」
「なわけないでしょ。」

笑顔のまま答える美神。
横島は、美神の手を握ったままである。

(美神さんが、照れてるなんて!!)

まだ、誤解したままの横島。
もう、頭では敵同士の話は全く消え去っていた。

「横島、今日はもう終わっていいわ。」

美神は、まだ来たばっかりの横島に告げる。
さすがに横島も驚いて目を見開いていた。

「え、マジでいいんですか?」

横島が聞くと

「いいわよ。」

短い応えだった。

「そうね…少し休みとろうかしら?」

美神は、ふと目線を少し上に向けて言った。

「や、休み……!!??」

横島は、その言葉に焦った。

「休みって、あの休み!?仕事なし!?」

当たり前の事を聞く横島だが、本人はとても美神の言葉に動揺している。

「何か悪いもんでも食べましたか?美神さん。」

美神がこんな優しいなんて、きっと裏がある筈だ。
少し、頭が回るようになった横島。
だが美神は、表情を全く変えずに

「何かあったら、連絡するから。」

美神はそう言って横島を追い返すように手を振った。

それも愛の裏返し、とかとやはり単純な横島は考え
素直に帰ることにした。

「では、今日はこれで!!何かあったら、この横島すぐ参りますっ!!」

元気よく美神に言って部屋を出る。
顔は、とてもご機嫌だ。
そんな横島を美神は見届けてから
美神は、椅子に座った。

何も知らない横島。
美神の心中の本当の姿。

全ては、横島の夢が始まりでもあった。

「ふぅ…。」

横島がいなくなった部屋で
美神は、軽くため息をついた。


「みんなに伝えないと。」


そう呟いて、美神は受話器をとった。

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