ザ・グレート・展開予測ショー

愛しき者達の為 2


投稿者名:gosamaru
投稿日時:(03/11/ 3)

窓に映し出される、自分の姿に横島は信じられない物でも観る様に、何度も瞬きを繰り返す、確かに自分にも小学生だった時も有るが・・・・・だけども自分の記憶の中には・・
・此れから経験して行くだろう未来の記憶が・・・・確かな物として存在しているのも事実それにこの記憶は、宝物でもある・・・・。


「なっなんで小学生に成ってんだ!!どうなってんだ・・・・俺は、確かに自分家で・・
死んだ・・・此れは間違いじゃねぇ・・・ちゃんとその時の事もしっかり覚えている・・
・・それに何より美神さんと出会って、その後の事やルシオラの事だって・・・・・俺が
忘れる筈もねぇ・・・じゃあ何で小学生に・・・・。」


横島の灰色脳細胞は、今までには無いほどにこの状況を整理しようと・・・フル回転だ。
部屋の中を行ったり来たりしながら、ブツブツと呟く・・・・5分程しただろうか、何かに脚を滑らしでもしたのか、派手に転びベットの角に強かに頭をぶつける。


ゴロゴロ  ゴロゴロ  ゴロゴロ


「くぅーーーーーーーーぉぉぉおおおお!!」


悶絶しながら、部屋の中をゴロゴロと転がっている。

ゴロゴロ ゴロゴロ・・・・・・・・ピタッ!!


行き成り転がるのを止めると、ベットに背を預け・・・顔を上げる・・・・横島の瞳から
涙が零れ・・・頬を伝い・・・窓から差し込む月明かりに照らされ・・・煌いていた。


「難しい事は・・・思い付かないけど・・・・チャンスだよな・・・・今この時が・・・
夢だとしても・・・もう・・誰も死なせない・・・二度と誰も悲しませない・・・必ず、
俺の力で・・・守りきって見せる・・・・絶対に!!」


そう決意する横島の顔には、悲壮な思いは微塵も無く晴れ晴れとして、瞳には強い決意
の光が灯っていた。
暫くベットに凭れていた身体を起こし、頬を濡らしていた涙をパジャマの袖で、乱暴に拭い去ると、近くに転がっていたランドセルから、ゴソゴソとノートを取り出す。


「とりあえず、書き出していった方が良いよな。」


過去に戻ってると仮定した状態であるとはいえ、派手には動く事は出来ない。
この小学生の状態を考慮し、身体を鍛える事や、一番大切な霊力と魔因子の有無、其れに伴い修行の方向性をきちんと決めなければならない、それも世界の修正力に引っ掛からない様にである。


「よし!!こんな感じかな。とりあえず一番重要な霊力と魔因子の確認からだよな・・・
ここである程度の方向性なんかが決まってくる。」


横島は、その場で静かに足を組み座禅の状態になると、意識を体の隅々まで行き渡らせると、更にその意識を体の奥深くまで潜らせていく・・・・・・・・・・・・・・・・・・シーンと痛いほどに静寂が支配する室内、横島の体が光り始め次第に強くなっていき、一瞬にして消え、また静寂が支配する室内へと戻っていく。


「ふ〜〜ぅ。霊力の方は、50〜70マイトという所か・・・ま〜あ無いよりはマシだな
・・・文殊が作れないのは痛いけど、此れからの修行で身に付ければいいだろう・・・・
魔因子の方は、なぜか二種類感じられるんだよなぁー、ルシオラの魔因子は、もう微かにしか残っていない、俺の魂に引っ掛かってる程度だ・・・・問題はも一つの魔因子だな・
・・此れはもう、俺の魂と完全に融合してる・・・・いや・・・元から有った様な状態みたいな感じだな・・・・。」


横島にとっては、身に覚えの無い事だ。
ルシオラ以外の魔因子の存在など、アシュタロス戦後に聖天大聖の所で修行していた頃ですら判明して否かった事だ、もし仮に、その時から存在していたとすれば必ず指摘されていた筈だ。


「もしかすっと、ルシオラの魔因子が安定し無かったのは、この所為かもしれないな・・
・・とりあえずもうこれ以上の魔因子を取り込まなければ、問題は無いだろう。」


横島は複雑な気持ちになったが、美神に会う迄に遣って置かなければならない事が、山ほど有る事を思い出し、次へと行動を移す・・・・・・この魔因子の正体を直ぐに知る事になるとは思いも付かなかった。


「次はっと・・・・・・。ハーーーーァ。此れなんだよな・・・・修行するにしても、小学生の俺にとっては、ぶち当たる壁だよな・・・・避けては道れないしなぁ。」


横島はお手製の計画書を見ながら、大きく溜息をつく・・・・其処にはこう記されてあった。

『親父たちの説得』

確かに、避ける事の出来ない事柄である。
なんせ中身は如何あれ、肉体は小学生の横島だ・・・・身近な人間ましてや両親だ、何時かは感ずかれてしまう、そうなってからは遅すぎるし、なにより自分の知ってる未来を成るべく変えたくない。


「う〜〜〜ん。どうするかな〜。出来る事なら何も言わずにってとこだけど・・・それが
通用しない親だからなぁー。妙に鋭いし・・・そうだな、GS試験の事だけ話して後は当たって砕けるしかないよな。」


そう結論ずけると、安心したのか急に眠気が横島を襲う。
身体を一伸びさせると、イソイソとベットの中に潜り込んでいく。


「ふぁぁぁあ。まだ朝まで少しは眠れるな・・・・何もかんも明日からだな・・・・・・
必ずどうにかして説得しないとな・・・。」


そう呟いた横島は、眠りへと落ちていく。
長い長い、死から生へと遡った横島の一日がこうして終わっていった。


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