ザ・グレート・展開予測ショー

悲劇に血塗られし魔王 6-シロ編


投稿者名:DIVINITY
投稿日時:(03/10/25)

〈シロ編〉

この頃、先生が散歩に連れて行ってくれないでござる。

なんでも仕事が忙しいということなのでござるが・・・

いくらなんでも、この聞き分けの良い拙者でござっても、さすがに一週間も散歩に連れてってくれない
のは我慢できんでござる!!

堪忍袋の緒が切れたでござる。

直談判でござる。

デモ行進でござる!

クーデターでござる!!

下克上でござる!!!

ん、なんか意味が違う気がするでござるが、拙者は気にしないでござる。

それよりも、いざっ、先生のもとへ・・・

っと、いつの間にかまわりの景色が変わっているでござるな。

しかも、あそこにおられるのは先生ではござらんか!!

なんて都合の良い展開。

先生〜〜〜♪

っ!!!!

先生に近づくとなんとそこでは・・・・

先生が・・・

先生が・・・・

ああ、なんてことでござるか。

先生は拙者のことをほったらかしにして、どこぞの汚らわしい犬と・・・

どこぞのそこらのドブにでもいそうな貧相な犬と!

たっ、戯れているのでござる!!!

拙者は先生に事の次第を聞こうとしたでござる。

・・・・・でも、できなかったでござる。

あんな楽しそうな先生の姿・・・・

拙者との散歩では、あそこまで楽しそうな顔をしてくれなんだ・・・

拙者は寂しくも、悲しくも、その場を去ろうとその光景に背を向けたその時!!!

突然、背筋に悪寒が走ったでござる。

慌てて振り返ると、でもそこには楽しそうな犬と戯れている先生の姿・・・・

他に変なところはない・・・・

いや!!

違うでござる。

悪寒の正体はその犬でござる!!

先生は気づいていないでござるが、なんという酷薄な笑みを浮かべているでござるか!!

やばい。

このままでは、先生の御身が・・・

拙者はその犬を引き剥がそうと犬に対して襲い掛かったでござる。

・・・しかし、引き剥がされたのは拙者でござった。

なんと、先生が拙者に邪魔するなと言わんばかりに突き飛ばしたのでござる。

先生、その犬は魔性の犬でござる!!

早く離れてくだされ!!

拙者の声は、無視されまた先程の光景が繰り広げられる。

ああ、どうすれば良いでござるか・・・

このままでは、先生が殺されてしまうでござる・・・

いや、拙者は先生の弟子!!

先生を守るは拙者の務め。

例え、それで拙者が嫌われても・・・・

先生を守り抜いてやるでござる!!

拙者は霊波刀をだすと、犬に襲い掛かる。

ガキィン!!

甲高い音と共に拙者の霊波刀が喰い止められる。

先生、邪魔しないで下され!!

そう、目の前には先生が拙者の攻撃を防いでいた。

しかも、物凄い表情で拙者を睨むのでござる。

まるで、親の仇を見るような目で・・・

拙者は思わず怯みそうになるが、でも負けないでござる。

みすみす先生を殺してなるものかーーー。

そういって、もう一度剣を振りかぶったその時、ちらっと敵である犬が目に入った。

拙者の動きが止まる。

そこには大きな鉤詰めを持つ、巨大な犬がいたのでござる!!

なんで気づけなかったのでござるか!

胸に去来する疑問。

しかし、今はそれよりも!!

先生、逃げるでござる!!

でも、もはや遅かったのでござる・・・

全てがゆっくりと動く。

拙者の言葉に反応して振り返る先生。

巨大な鉤詰めを突き出す巨犬。

貫かれる先生。

叫ぶ拙者。

全てがゆっくりと、でも止まらずに・・・・・

守れなかった・・・・

大切な人を守れなかったでござる・・・・

余りの出来事に思わず膝をつく。

くるであろう巨犬の攻撃など、もはやどうでもよかった。

守れなかった・・・

それだけが心に残り、いつまでも攻めている・・・

いつの間にか、拙者は一人でござった・・・

巨犬はいず、貫かれた先生もいなかった・・・

ウオオオオオオーーーーーーーーーン!!

拙者は吼えた。

力の限り、吼えた。





「そうでござる、そんなことが起きないよう絶対に先生を守ってやるでござる・・・」

静かに目を開く。

いつからだろうか。

これが夢だということは分かっていた。

だから、先生は今も生きている。

心配することはなにもない。

「でも、悪夢には違いないでござるな・・・」

先生が死ぬだなんて・・・・

これ以上の悪夢は無い。

ああ、先生に早く会いたい。

会って、また頭を撫でてくだされ。

さすれば、それだけでこの嫌〜な気持ちはすぐに払拭されるでござる。

ああ、先生・・・

「横島先生・・・・」

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