横島忠夫奮闘記 65〜一進一退〜
投稿者名:ぽんた
投稿日時:(05/ 2/26)
改めて仕切り直しのような状態で闘いが始まった。エウリュアレーは先ずこちらの力量を
見極めるかのように防御主体で剣を振るっている。手には一本の剣、腰には一本の空になった鞘。
別におかしな事など無い、だが何かが横島の脳裏に引っ掛かる。加えて敵の余裕振りが妙に
気に掛かる。細心の注意を払う必要があるようだ。式神達一体づつの攻撃力ならば大した
ダメージにはならないと踏んだのか前衛二人への注意を重点的に払っている。それでも
互角以上に闘っており、その実力の高さが窺い知れる。
雪之丞の渾身の上段からの打ち込みを剣を水平にして受けた際に僅かに体が開いている。
好機とばかりに横島が斬り掛かろうとした瞬間、エウリュアレーの手元が何か妙な動きを見せた。
咄嗟に地面に転がる事で避けた横島の上を剣風が通り過ぎる。一本の剣に見えた物には
仕掛けが施してあり薄めの刃が二枚重ね合わせていたようだ。
「危ねー危ねー、双剣使いのエウリュアレーだったっけな。事前に聞いといて良かったぜ」
そうワルキューレから聞いていた通り名、双剣使いのエウリュアレー。横島の感じた違和感は
敵の武器の数だった。単純すぎて気付くのが遅れてしまい危うい処だった。
「聞いた? 誰から聞いたって言うんだい?」
ワルキューレはまだこの場では完璧に隠行している。それでなくても魔界の協力を
受けているなどと馬鹿正直に言うつもりなど無い。
「ん〜? いや、風の噂でな、ピューッとね」
適当な事を言って混乱させられたらとも思ったのだがそこまで甘い相手でもなかった。
「なるほど? 魔界から追っ手がかからないはずが無いからね。情報提供者がいるって訳だ」
「本来の力が回復してないお前なら情報だけ貰えば俺達で充分なんでな」
ワルキューレの存在はある意味最後の切り札になる可能性もある以上はそう答えるしかない。
そしてエウリュアレーがどのくらい本来の力を取り戻しているのかを知る為にもカマをかけてみた。
「回復してない? どうしてそう思う? 私はとっくに力を取り戻して今は手加減しているだけだぞ?」
「本来の力でこれなら安心だよ、メドーサの方が余程強い、妹より上なのはチチのデカさだけか?」
お互い化かし合いのような会話が続くがこの手の会話に一番向いているのが横島である以上は
やるしかない。雪之丞ではこんな駆け引きめいた会話は無理だし冥子のテンポでは会話が成立しない。
「チチがどうした? 闘いの最中に下らない事を、全く男って奴はどうしようもないね」
「いや別に? いくらデカかろうが所詮は年増、もう垂れてるだろ?」
普段であれば仮にも女性に対してこんな暴言は絶対に吐かないのだが、流石に少しでも
相手の本音を引き出すか、冷静さを失わせる為には形振り構ってはいられない。
「何だと?」
一旦間合いから離れてエウリュアレーが底冷えのするような声で話し掛けて来る。
どうやら神魔人を問わず触れてはいけない話題らしい。だがそれこそが望むところ、
敢えて逆鱗の上でタップダンスを踊るような真似を続ける。
「フン、女の事もろくに知らないようなガキが聞いたふうな事を」
「自覚が無い分哀れだな、妹が既に年増だった以上は姉がその上なのは自明の理」
横島が探る記憶は嘗て美神が言い放ってメドーサを怒らせた言葉。
キーワードは“年増”“垂れチチ””オバハン”だ。
「魔族の寿命を知らんのか? 人間の物知らずにも呆れたもんだな」
「幾ら寿命が長かろうが所詮はオバハン、貴様に三界の真理を教えてやるぜ」
知りもしない、ありもしない“真理”を高々と謳い上げる。
「いいか良く聞け、いくらデカかろうが所詮年増の垂れチチ、若く明るい小竜姫様のミニスカ姿には敵わんのだ」
「小竜姫? 竜神族のか、小便臭い小娘が何だって?」
流石は武神小竜姫、魔界でも著名人(神?)らしい、お陰で話が続け易い。
「文字通り小便臭いのはお前だろう? 大人用オムツでも買ってやろうか?」
ビキッ!
空気が砕けたような音がしたような気がした刹那、
「殺すっ!」
左右の手に剣を構えたエウリュアレーが突っ込んで来た。ようやく激発してくれたかと思ったが
雪之丞を避けるようにして回り込んで来る辺り、まだ冷静さを残しているようだ。
肉迫する寸前、横島が霊気の盾を生成して待ち受けているとエウリュアレーの右手の剣が
地面スレスレまで下げられる。そして間合いに入る瞬間、地面に突き刺した剣が小石混じりの
土を横島の顔に跳ね上げる。同じタイミングで横島はサイキックソーサーを敵の踏み込む
足元に投げつけ即席の落とし穴を作り出す。その結果、
「うわっ!」
「ぐえっ!」
落し穴対目潰し、泣きたくなる程低次元で笑える程に効果的な小細工が真っ向から
ぶつかり合い先程の雪之丞と逆の図式が出来上がる。エウリュアレーの頭突きが横島の
どてっ腹に炸裂し、横島は剣先を避けるだけで精一杯な為モロにそれを喰らってしまう。
もつれ合うように倒れた挙句にエウリュアレーが馬乗りになり剣を振りかぶる。
「死になっ!」
「いや〜犯される〜」
脱力するような声を上げながらブリッジで跳ね除けようとした瞬間。
ドオォンッ!
「俺様を無視して遊んでんじゃねえよ」
雪之丞の特大霊波砲がエウリュアレーの背中に直撃する。ふっ飛ばされたエウリュアレーに
向かって式神達の集中攻撃が襲い掛かる。火炎・電撃・斬撃・毛針で最後がビカラのブチかましだ。
後は寄ってたかってのタコ殴りである。
「いい加減にしろ、鬱陶しい!」
エウリュアレーが全身から魔力を放射して式神達を吹き飛ばす。すると目前に横島が無防備に
立っているので咄嗟に双剣で斬り掛かる。だがその寸前で変化を解いた式神マコラが消え去った。
エウリュアレーがたたらを踏んだその直後。
ズドドドォンッ!
サイキックソーサーと霊波砲が雨あられと降り注ぐ。
「効いたか?」
「解んねえ」
効いていて欲しいという期待はあるが甘い予測は禁物だ。一連の流れを見て、直情型の雪之丞は
相性が悪い。だが一方横島は逆にファイトスタイルがかみ合い過ぎる。横島が正面を引き受け
雪之丞が大きめの攻撃を隙を見て叩きつける。その為のかく乱を式神達に任せる。何の会話も無く
一瞬でそれだけの事をお互いに伝え合うと再び戦闘にもつれ込む。
この間、冥子は身じろぎ一つせず、一切の言葉も発せずひたすら式神達の使役に神経を集中している。
傍から見るとそれは冥子のみが超加速状態に入っていないようにも見て取れる。
「小賢しい使い魔共がっ! 先に使役者を殺せば良いだけだ!」
そう一声叫ぶと強引に前衛を振り切りエウリュアレーが一直線に冥子に殺到する。
斬られようが撃たれようがお構い無しだ。冥子自身に対しては何の警戒もしていない。
雪之丞が慌てて後を追おうとするが横島は落ち着いて霊波刀の切っ先に総ての霊力を集めている。
それを見た雪之丞は友を信じ、自分も同じように切っ先に霊力を練り上げる。
敵が先に冥子を狙うのは予測の内、その事は事前に説明し対抗策としての文珠を渡してある。
エウリュアレーが肉迫し突き殺そうとして来るが冥子はひたむきに横島を信じ待ち受ける。
だがそれでも怖い物は怖い。
「きゃ〜、来た〜」
冥子の声が聞こえた瞬間、エウリュアレーは自分の勘違いを悟った。同じ領域で声が聞こえる
という事は目の前の女が超加速領域に入っている事を意味している。だがそれはそれ、
同じ条件であれば自分の方が強いに決まっている。しかもあいては丸腰で小賢しい使い魔共は
側にはいない。このまま斬り捨てるのに何の問題もないと振りかぶった瞬間、横島が渡して
おいた文珠が発動する。刻んだ文字は《斥》、突っ込んだ勢いと真逆のベクトルで弾き返される。
それを待ち受けるのは臨界まで出力を高めた霊波刀を構えた二人の男。
ザシュッ! ゾブッ!
渾身の力を込めた霊波刀を突き込みそのまま斬りおろす。血を滴らせながら苦し紛れに剣を
振り回す相手から一旦離れ、霊波砲を叩き込みその後は式神フルコースだ。
ビカラが体当たりからそのまま押し込み壁に人型でめり込んでいる。
「いくらなんでも今のは効いただろうぜ」
「手応えは結構あったよな」
「かなり弱ってるわよ〜」
冥子が霊視で見た相手の状態を伝えて来る。
エウリュアレーは困惑していた。こんなはずは無い、いくら自分が本来の力を取り戻して
いないとはいえ、たかが三人の人間如きに負ける事などありえない。そもそも人間など
石化の魔眼を使えば闘うまでも無い、それがいきなり視界を奪われ発揮出来ないでいる。
魔界から余計な情報さえ伝わってなければとっくに終わっていたはずだった。
そこまで考えた時に突然間近に、自分に近しい気配と強大な魔力が膨れ上がった。
ワルキューレが迷彩マントを脱ぎ去りプレッシャーを与えているのだ。
完全に計算外だった、ここまで強大な魔力の持ち主が完璧に隠行出来るなど考えられない。
「何者だ? 何故これだけの魔力を隠しきれる?」
「貴様が檻の中にいる間に技術が進歩しただけの事だ」
ワルキューレが淡々と事実のみを告げる。エウリュアレーが自由に動き回っていた時代には
霊波迷彩マントなどなかった。元来強大な魔力を生まれ持つ魔族は技術や工夫に無関心な者も多い。
そんな物に頼らずとも充分に強いからだ。そこから更に突き抜けたアシュタロスのような
存在であれば別だが、言ってみればエウリュアレーは中途半端な位置付けにいる訳だ。
「魔族のくせにそんな物に頼るとは情無い奴め」
「時代遅れの田舎者がホザくな、そのまま人間達に滅ぼされるが良い」
新しく現れた魔族が相手では1対1でも今の状態では勝てない。相当高位の存在だ。
ここから逆転を狙うのであれば特殊能力に頼るしかない。最悪逃げ出す隙だけでも作れるはずだ。
エウリュアレーが全身の魔力を高め霊波砲を撃ち放つ。咄嗟に人間達は警戒したが撃ち出された
方向は天井だった。岩盤をブチ抜き、視界の開けた場所で起死回生の一手を打つべく飛び上がる。
雪之丞が逃がすまいと、すぐに後を追おうとするのを止めて、待機させていた羽族の式神達を
呼び寄せ、身に纏うようにして横島が最初に穴から飛び出した。外に出た瞬間、妖しい光に
包まれ石化した式神達が地に落ちて行く。だがその間に横島も文珠を準備し終えている。
文珠を握った右手を石化の魔力が来た方向に振りかぶった瞬間に背後から声がした。
「馬鹿が! 何時までも同じ場所にいるとでも思ったか? 喰らいな! 石化の魔眼!」
右手を振りかぶった状態のまま背後で魔眼の発動する気配。
だがこれこそが待ち望んだ瞬間、左手にも生成しておいた文珠を後手に投げ発動させる。
刻んだ文字は《鏡》、ペルセウスの逸話を紐解くまでも無く、石化に対して鏡が有効なのは
広く知られている。石化能力の持ち主であれば当然警戒しているはず。念の為戦闘中は
文珠の使用を控えたが、既にその存在を知られている可能性もある以上は相手が絶対的に
有利な態勢で石化能力を使わせる必要があった。その為に右手の文珠を見せつけるように
振りかぶったのだ。そうすれば相手の注意を右手に引き寄せられる。その動きに注意しておけば
文珠による攻撃を受ける事は無いと思わせる。危険な賭けだが成功したようだ。
下から雪之丞・冥子・ワルキューレの順に飛び出して来る。石化した式神達が落ちて来たので
心配になったのだろうか。少なくともワルキューレは違うようだったが。
「それで? 巧くリフレクト出来たのか?」
「ああ、お陰さんでな」
ワルキューレの質問に答えながら横島は唐突に彼女が隠行を解いた理由を考えていた。
おそらく自分の存在を誇示する事で敵の焦りを誘い、選択肢を狭め、その後の行動を誘導したのだろう。
その結果、エウリュアレーは一発逆転を狙い、逆に横島の罠に嵌った。当然横島が石化への
対抗手段を考えていると見込んでの事だろう。手出しは控えると言っていた、確かに“手”は
出していない。だがこんな援護の仕方もあるのかと新鮮な驚きを感じていた。
そんな事を考えながらのんびりとしていたのだが、期待に反してエウリュアレーがまだ石化していない。
「なんでだ?」
「仮にも上級魔族だからな、魔力の大半を廻してレジストしているんだろう」
何かとんでもない事を聞いたような気がした。石化自体にレジスト出来るなど想定外だ。
「心配するな、レジストに魔力を消費する分超加速を維持出来なくなるはずだ」
「だったら勝ったも同然じゃねえか、一気に決めようぜ」
ワルキューレの発言に力を得た雪之丞が勇ましく宣言する。相手の超加速が解けたのなら
その後は一方的な展開に持ち込めるはずだ。そして待ちに待った瞬間、エウリュアレーの
超加速が解けて、これで勝てると安堵した瞬間に横島達の超加速も解けてしまった。
「やはり限界だったか」
ワルキューレが予想通りだと言わんばかりの口調で話し掛けて来る。
それまで気付かなかったが予想以上に霊力の消耗が激しい。
「そんな長時間闘って無いよな?」
「何でだ? デカいダメージも受けてねえぞ?」
「訓練では〜もっと平気だったわよね〜?」
三人が口々に疑問を発する。訓練ではこの倍以上の時間を軽くクリアーしていたはずだ。
「訓練と実際の殺し合いは違う、直接ぶつけられる殺意は訓練の比ではない。
だからこそ軍隊には“一日の実戦は百日の訓練に勝る”と言う格言があるのだ」
ワルキューレはそこまで見越して決着を急いだのかも知れない。
「石化は?」
「心配するな、アレは特殊能力だ。今そのチャンネルを開けば自分自身にその力が
流れ込む。敵に対して使う事など出来んよ」
石化とは別ユニットと呼ぶべき能力であり通常使う魔力とは別の流れになっている。
だからこそ疲弊した状態でも使えるのだが、普段は閉じられているタンクを開けるに
等しい行為であり、自分が受けている状態で使えば逆流してしまうらしい。
「じゃあチャンスか? 超加速は使えねえ、石化も使えねえって事だな?」
「だがお前らも余裕がある訳じゃない、残るは・・・」
「肉弾戦だな」
雪之丞の急くような問いにワルキューレが冷静に現状を分析する。
そしてそれを受けて横島が次の展開を告げた。
「どっちが良い?」
「慣れた方だろ?」
「だな、じゃあ任せた」
「任されたぜ」
横島の問いに雪之丞が答え、次の瞬間エウリュアレーの上空を獲るべく急上昇する。
それを見て自分も上昇しようとしたエウリュアレーをシンダラの亜音速の衝撃波が襲う。
一瞬の停滞の後横島から、多重展開した大量のサイキックソーサーが降り注ぐ。
しかも当る寸前でハイラの毛針がサイキックソーサーに命中して無数の爆発が襲い掛かる。
この程度の連携など事前に伝えるまでもない。《伝》の文珠がある上に散々繰り返した
コンビネーションの訓練で互いの思考や感覚を共有した三人である。むしろ出来て当然。
「ナメんじゃないよ!」
剣光一閃、総ての攻撃を切り払われてしまった。目で追うのが難しいような剣速である。
「なんつー剣速だよ」
視界の開けた場所に来て本領を発揮し出したのだろうか。 だがそれとほぼ同時に、
「落ちろーっ!」
真上から雪之丞の巨大な霊波砲が直撃する。
「オラオラオラオラッ!」
地上戦に持ち込む為に何とか地面に縫いつけようとする。その甲斐あってか爆煙が晴れた後
地上に立ち尽くすエウリュアレーの姿が見えた。
「また飛ばれちゃ厄介だな、 天地万物の理を以って飛ぶ事を禁ず。おおおぉぉおっ 禁!」
禁術を使って相手の飛行を“禁”じる。刃物を“禁”じれば斬る事能わず、鳥を“禁”じれば
飛ぶ事能わず。その理を文珠で《増》《幅》して禁術を仕掛ける。これで地上限定だ。
地上に降り立ったエウリュアレーは不利を悟ったのか急いで森の中に逃げ込んだ。
当然三人は追跡したが、森に入った瞬間横島は違和感を感じた。
「雪之丞飛べっ!」
相棒に一言告げて自身も装具の力で宙に浮き上がる。その直後に地面に大穴が空いた。
その落とし穴は呪的な物ではなく、底には槍状の突起が無数に配置されていた。
ご丁寧に先端部分には毒らしき物が塗ってあった。
「これはベトコンお得意のパンジステークか!」
かのベトナム戦争において米軍をジャングル戦で大いに悩ませた代表的な罠。
作り自体は単純で、落とし穴を掘ってその底に毒槍を設置するだけだ。
だが効果は絶大で、掛かった者はまず死ぬか、運が良くても四肢切断である。
こんな物を今作る暇は無かったので事前に作っていたのだろうか。
「良く解ったな横島」
「落ち葉の量が不自然に多かった、掘り返した地面を隠す為だろう」
雪之丞としては罠の存在を見破っただけでなくその種類まで言い当てた事も含んでいたのだが
そこまでは思い至らないらしい。横島の中の“常識”なのかもしれない。
「これもアイツが作った物だと思うか?」
「・・・考え難いな、元々あそこを根城にしていたテロリストじゃないか?」
今の罠には呪的な要素は一切無かった。人間のみを相手にするならともかく魔界からの追っ手を
考慮すべきエウリュアレーが作ったとするより可能性は高い。この存在をエウリュアレーが
全て把握しているかの確信は持てないが、先行して掛かってない以上知っていると思うべきだ。
幸い雪之丞の魔装術なら人間の作った罠なら大概無効化出来るので先行してもらった。
「所長、雪之丞と俺で罠の有無を確認しながら進みます。宙に浮いたままついて来て下さい」
「は〜い」
慎重に、だが急いで進んでいるとまたも罠が発動した。太い木の枝がしなり先端部分が襲い掛かって来る。
泥で固めた球状の部分に槍の穂先が無数に生えている。当れば痛いどころでは無いだろうが雪之丞が
無造作に吹き飛ばしていた。最小に絞り込んだ霊波砲だ。力を極力セーブしているのはやはり消耗の為か。
「今度はスパイクボールか、ザンス原理主義の連中ってのは随分妙な物知ってるな」
「それが解るお前もどうかと思うが」
雪之丞の呟きを何気無くスルーして宙に浮く事にする。木の高さを超えないようにすれば見つけられ易く
なる事も無いだろう。このまま索敵して上空から急襲する。一旦見失った以上はその方が先手を取れる。
「クビラちゃんで〜森を霊視しましょうか〜?」
クビラの霊視ならば確実だろうが一口に森と言っても広い。時間が掛かりそうだった。
「いや、もっと手っ取り早く行きます。我が敵を戒めよ、森精召喚」
横島の召喚術が発動すると森全体がざわめきだした。それぞれの枝が何かを探し求めるように
揺らめいている。その時そう離れていない場所で一瞬の魔力の高まりを感知した。
「あそこか! 行こう!」
「トドメは俺が刺す!」
「あと〜一息ね〜」
三人が口々に言いながら急行する。
「ふむ、詰めを誤るなよ」
その後から観戦武官が撮影の為のベストポジションを求めて追いかけて行った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(あとがき)
遅くなりました〜(TT)実は今迄知らなかったssが大量にある処を見つけてひたすら
読みふけってました。“夜に咲く話の華”という、名前しか知らなかったサイトの一部が
見れたので読みまくってしまいました。その結果自分の文章に自信が無くなり、亀の歩み
になってしまった、と。あまり上手な人の文を読むのも考えものです。
今までの
コメント:
- こんにちは、おぉ伝説のサイトですね(^o^)実に残念なサイトでしたね、このままあっさり終わらないような気もするし終わってしまっても良いなという気もしますが次はどうなるか・・・・・・私も色々なサイトで二次創作読んでますけどぽんた様の文章は十二分に読みやすいと私は思ってます、読みづらいSSは本当に読みにくいですし、読む気すらうせてしまいます、がぽんた様のSSはどんどん読みたいです頑張ってください (おっちゃん)
- 今回も面白かったです
ワルQが解説の役目しているので
流れが自然ですね (sino)
- 旧夜華系の後継サイトとしては「Night Talker」というところが一番大きなところです。長文の投稿も可能な掲示板があるのでぽんたさん向きかなとも思いますが、感想を下さる読者に少々趣味の偏りがあるので難しいところですね(笑)。 (HAL)
- 横島の戦闘中でもギャグがでると魔族が人間の罠を利用するのがイイですね。
ぽんたさん私は,二次創作は報告書などではなくて小説ですので文章力以前に内容が面白いかどうかと思います。私は面白いから読んでいます。だから,自信をもって買いてください。 (白玉餡)
- いつも読ませてもらっています
罠の元ネタはパプワ君ですか? (なし)
- 今回は戦闘中とはいえ、横島らしさが良くでていたと思いました。
エウリュアレーを怒らせて横島が自分のペースに巻き込むとこなどとても良かったです。
あと横島が罠に異常に詳しいのは美神仕込みでしょうか? (ドラグ)
- 御苦労様です。
横島の戦い方が、やはり「美神流」を引き継いでいるという感じがしました。
良くも悪くも影響を色濃く受けているのだなぁ、と。 (白不動の元締)
- 僕が夜に咲く話の華に行った時に見たのはサイドストーリーだけで
(その時の自分は小ネタ掲示板が何か知らなかったため)次にInternet Archive Wayback Machineで行った時には小ネタ掲示板が見れなくなっていたので
非常に後悔したことを覚えています。見方があるのなら是非知りたいですね。
それはともかく今回はバトルシーンですがそれぞれの特徴がよく現れていますね。
次回で決着でその次に魔界に行くのでしょうか?
個人的には魔界編がとても気になります。 (壊れたパラボラ)
- すいません。
言いたい事だけ言って投票するのを
忘れてました。勿論賛成に1票です。 (壊れたパラボラ)
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