ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 12〜チェックメイト〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(04/11/30)

{六道邸応接室}

俺とタマモを案内すると冥子さんは部屋を出て行った。残ったのは俺とタマモと・・・

「二人とも楽にしてちょうだい。」 美神隊長と・・・

「横島クン〜お久しぶりね〜。」  冥子さんのお母さんであるこの屋敷の主だった。

なんだろうなこの感覚は。格安物件を紹介されて入居したらゴキブリホイホイだったようなこの粘着感は・・・ タマモも不安なのか俺にピッタリと寄り添っている。

「それで、この突然のご招待は一体何があるんですか?」

「あら〜そんな警戒した言い方されちゃうと〜おばさん悲しいわ〜〜〜」

「あ・いやそう聞こえたんなら謝ります。スイマセンでした。」

「隣の女の子も〜不安そうにしてるじゃない〜。」
アンタのせいだ!アンタの!

「そのコは〜はじめましてかしらね〜?」

「あ・はい妹のタマモです。」

「ふ〜ん中学生くらいかしら〜、学校はどちら〜?」

「いや、最近日本に来たばかりなんで編入先を探してるとこなんですよ。」

「だったら〜ウチに来れば良いのに〜。」

え?俺は耳を疑った。この人がウチというなら六女の事だろう、隊長からも無理めに言わ
れて諦めかけていたが、もし入れるなら願ってもない!

「それは六道女学院に編入させていただけるという意味でしょうか?」

「もちろんよ〜、横島君の妹さんなら〜霊能科が良いんじゃないかしら〜ウチとしても〜
優秀な生徒さんは〜いつでも歓迎してるから〜。」

なるほどそれがアチラ側のメリットか・・・双方に利がある話なら受けても大丈夫か?


inside of 美神美智恵
チッ!そこから攻めてきたか・・・せっかく六女を選ばないように布石を打っておいたの
が無駄になったわね。まったく偶々西条君からの連絡を受けて慌ててきてみれば準備万端
整えたあとって訳ね・・・苦しくなってきたかしら?

inside of 六道幽子
オ〜ホ〜ホ〜ホ〜どうせ何か吹き込んでたんでしょうけど〜、下手な奨学金とかよりも〜
霊能のセンから誘った方が警戒されないのよ〜 必要な情報は総て集め終わったわ〜あと
は道を間違えないよう1手づつ詰めて行くだけよ〜


「じゃあ妹の編入の件お願いしてもよろしいでしょうか?もちろん入学金の他、寄付金等
はできるだけの事をさせていただきます。」

「あら〜横島君はまだ高校生なんだから〜、無理しなくても良いのよ〜、それとも〜何か
心当たりがあって言ってるのかしら〜?」

心当たりか、取り敢えず映画の件の100万は何としても欲しいよな・・そういや目の前の
二人は結構協会に影響力を持ってるハズだよな。唐巣神父に聴くつもりだったけどこっち
の方が確実か?俺は思い切って二人に映画の件を話してみた。


inside of 六道幽子
あら〜ソッチの仕掛けも機能してるみたいね〜、関係者の眼が横島君に向くように〜タイ
ミングを図って悪霊を活性化させた甲斐があったわね〜


inside of 美神美智恵
どうやら何か仕込みがしてあったみたいね。とするとここは流れに私も乗って協力者の位置を占めた方が得策かしら?


「あら〜それならおばさんの力でどうにでもなるわよ〜。横島君は〜お友達の為にもなる
から一生懸命なんでしょう〜?そんな素敵な理由なら〜おばさんにも手伝わせて〜。」

「そこは私も同感だわ横島君。貴方が協力してあげれば映画の件はどうにかなるわよ?」

??協力?どういう意味だ?俺は無言で続きをうながした。

「つまり前作のような過誤が出ないように貴方が監修として参加するという事になれば協
会だってつっぱねるのは困難になるわ!」

「そうね〜横島君が参加するのを条件に加えれば〜私の力で公認にできるわよ〜。」

は?この二人は決定的な事を忘れてないか?

「あの〜俺とっくの昔に廃業した単なる一般人なんですけど・・・」


inside of 美神美智恵
さぁ難関はここからですわよ先生?彼の性格からして権柄ずくのゴリ押しや横車は受け付
けない。立場を利用した不正にも荷担しないでしょう。第一彼にはGSとして復帰しよう
という気持ちがまったく無い。どうやって彼の意思で復帰すると言わせるのかお手並み
拝見といきましょうか?


「横島君が提出した廃業届なんだけど〜、印鑑の不備で〜保留になったまま忘れられてて
放置されてたみたいなの〜。だから貴方はまだ〜GS見習のままなのよ〜、折角だから〜
この資格〜お友達の為に活用したらどうかしら〜〜〜?」

はぁ?不備?保留?なんじゃそりゃ?じゃあ今まで新しい人生を歩んでたつもりがずっと
GSのままだったって事か?しかも改めて廃業すれば銀ちゃんの助けになれないって事?
選択の余地なんかねーじゃん!!

「・・・わかりました、映画の監修役お引き受けしますんで協会の方はお願いします。」



inside of 美神美智恵
くっ!まさかこんな馬鹿馬鹿しい手段を使うなんて!不備?保留?よく言うわねまったく
でも逆にこのアプローチはとてつもなく有効だわ、彼は一旦守ろうと決めたものに関して
はどんな妥協も尽力も惜しまないわ。それは妖狐の一件でも明らか、友達の為なら何でも
するでしょうね・・・


inside of 六道幽子
下手な考え休むに似たりという言葉を知ってるかしら美智恵ちゃん〜まだまだ青いわね〜
これで私の頼みを断れなくなったわ〜後は最後の詰めを間違えないようにしなきゃね〜



「でも見習が監修役なんてやってクレームきませんかね?」
俺が虚しい抵抗をしている時に冥子さんがお茶の用意をしたワゴンを押しながら部屋の中
にはいってきた・・・ら・・・いきなりコケた・・・ げっ!マズイ!ぷっつんか?

「っふぇ・ふぇ〜・ふぇ〜んっ!!」  ドカンッ!!
やっぱり〜っ!しかもタマモの真横だ、危ないっ!俺はとっさに叫んでいた。

「急々如律令! 霊波の流れを断ち切らしめよ!」
よしっ!式神の動きが止まった!

「疾く戻れ、疾く戻り参らせよ!急ぎて律令の如くせよ!」
とっさに式神帰還の強制執行をやっちまったが、良かったタマモ無事だ・ってしまった〜
こんな術絶対にこの二人の前で使っちゃいけなかったのに〜、あああどうしよ〜



inside of 美神美智恵
し・信じられない・・・何なの今の術は?他人の式神への強制執行なんて今まで聞いた事もない。彼は一体どれ程の力を秘めているというの?これ程の人材、絶対逃がせないわ!


inside of 六道幽子
あら〜今のは式神帰還の強制執行だわ〜、六道家でも遥か昔に失伝したような術を行使できるなんて〜思った以上の掘り出し物だわ〜逃がさないわよ〜、う〜ふ〜ふ〜ふ〜




はぁ〜失敗しちまったなぁ〜、タマモ抱えてさっさと逃げだしゃ良かったんだよな〜
うぅ〜この後どうやってごまかそう・・・逃げて〜〜・・・

「あ・あの〜俺たちこのへんでそろそろ帰り「横島君〜」・・・はい」

「GSはね〜異界の者や異種族の者達との橋渡しをするのも〜大事な仕事だと思うのよ〜
異種族同士で相互理解ができたら〜素敵だと思わない〜。昔から妖怪と人や・・・魔族と
人が理解しあって結ばれたりしてるじゃない〜?現代でも〜その可能性を残すべきだと思
うのよ〜」

「まぁ・・・そうですね・・・」


inside of 美神美智恵
まっ・・・まさか彼の最も深い傷を真っ向からえぐりだしてくるなんて・・・
どこまでエゲつないのかしらこの人は・・・


inside of 六道幽子
さぁ〜これから最後の一手よ〜、いよいよチェックメイトね〜美智恵ちゃん見てなさい〜




「横島君〜隣のお嬢さんが〜九尾の妖狐だということは〜、知っていたわ〜でも〜貴方は
迷わずに〜妹としてふるまったわね〜そういうふうに分け隔てなく〜接する事のできる人
に〜GSとして活躍してもらいたいのよ〜」

「横島君、私も先生と同じ意見よ。貴方は望むと望まざるとに関わらず世界的に有名にな
ってしまった。貴方を利用しようとする者もでてくるでしょう。だったら光の当たる場所
に立ってる方が陰謀などは仕掛けられ難くなるわ。妖狐の手配に関しては私の権限で総て
撤廃させます。今後2度と追っ手が掛かる事はありません。」


さぁ〜って、逃げ場無しか・・・そもそも俺を一番利用したがってるのはアンタらだろ?
戦略的な優位は最初っから取られっぱなし、戦術的撤退を繰り返してきたがもう後が無い
残るは戦線を縮小しての拠点専守防衛だけか・・・

「別に俺個人に関しては利用されようが、命を狙われようが気にもしませんがね・・・・
もし俺の大切な仲間に妙なチョッカイを掛けて来るような奴がいたら、どうするかな?」
そう言って俺は自分の中で抑えていた殺意に指向性を持たせて目の前の二人に叩きつけた

おぉ二人そろって真っ青になっている。豆腐のような顔色じゃないか・・・


inside of 六道幽子&美神美智恵
取り敢えず取り込みには成功したけれど扱いはくれぐれも慎重にいかなければ・・・・・



「それで?もう単刀直入に聞きますよ?そちらのご希望は?」

「冥子のサポートを〜お願いしたいのよ〜」

「オカルトGメンへの協力もね・・・あと時々で良いからひのめの子守もお願いね?」

「ねぇヨコシマ、話の流れが見えないんだけど・・・」

「だろうな〜、家に帰ったら説明してやるよ。じゃあ条件については了解しました、そち
らの方も諸々の手配をお願いします。」



inside of 六道冥子
ん〜っと〜良くわからないけれど〜これからは〜横島君がずっと一緒って事ね〜
良かった〜失敗を分かち合える友達がいるって〜素敵だわ〜





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(あとがき)
こ・この話は疲れた!
ドス黒勝負は六道母の圧勝〜
タマモが一言しか喋ってない、冥子は泣いただけ・・・





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